JP2589147B2 - 温風式コタツユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は温風式コタツユニットに係わり、特に温風の
吹出しに改良を加えものである。

（ロ） 従来の技術 従来、この種の温風式コタツユニットは、例えば実公
昭62−25633号公報等に示されているように、ユニット
下面に底面四角形状の保護ガードを設け、この保護ガー
ドの中央側に吸気孔を設けるとともに、外周側に吐出孔
を設けている。しかしながら、前記吐出孔は保護ガード
の底面形状と反射板の風案内部周縁形状を合わせて四角
形状に配置しており、ファンから吐出孔までの距離が吐
出孔の位置によって異なる（例えば対角線方向の吐出孔
までの距離が最長となる）ため吐出孔からの温風吐出し
が不均一となるという問題がある。

また、吐出孔が長孔で構成され、この吐出孔の長手方
向がファンの半径方向と同一方向に配列されているがフ
ァンの風の流れはファンの半径方向に対して回転方向に
傾くため、吐出孔の長手方向とファンの半径方向が同一
方向であると、風の吹出し量が減少してユニット内の空
気の循環が悪くなり、熱効率が低下するという問題があ
る。

（ハ） 発明が解決しようとする課題 本発明は上記の問題を解決することを課題とし温風の
吹出しを均一にしかも効率よく行なう温風式コタツユニ
ットを提供するものである。

（ニ） 課題を解決するための手段 ユニット天板の下面に配設され、外側下方に傾斜して
その周縁部を円状とした風案内部を有する反射板と、前
記風案内部の内側に配設したファン及びヒータと、該フ
ァンを駆動するモータと前記反射板、ファン、ヒータを
下面から覆う保護ガードを備え、該保護ガードは中央側
に吸気孔を設けると共に外周側に複数個の吐出孔を設
け、該吐出孔を前記風案内部と対向する位置にそれぞれ
が連繋して前記モータの回転軸と同心を成す円状に配置
したものである。

（ホ） 作用 従って、吐出孔はファンからの距離が同じとなるとと
もに、温風内部の周縁が対向して位置するので、ファン
の回転によって生じ、ヒータによって温められた温風を
均一に吐出する。また吐出孔はファンの回転方向に傾斜
しているので、風の吐出がスムーズとなり、ユニット内
の空気の循環を良くし、ユニットの熱効率を高める。

（ヘ） 実 施 例 以下本発明の実施例を図面に従って説明する。図中
（１）は第５図に示すように、やぐらこたつ本体（２）
の天井部（３）に浅（４）によって形成された取付枠内
に配設される温風式コタツユニットで、四角形状を成し
ている。（５）はユニット天板（６）の下面に取付けら
れた反射板で、絞り加工によって中央部に下方へ突出し
た逆円錐台形部（７）と、この台形部（７）の外周縁か
ら外側下方に傾斜した風案内面（８）を形成してその周
縁部（９）を台形部（７）の中心に対して同心円状とし
た風案内部（10）と、この風案内部（10）の周縁部
（９）から外側に水平に延びる底板部（11）と、側板部
（12）を一体形成している。

（13）は前記逆円錐台形部（７）内に配設され、その
底板上にネジ、ナットによって固定されたモータでモー
タ回転軸（14）が底板の中心を貫通して下方へ導出して
いる。

（15）は前記風案内部（10）の内側に位置して前記モ
ータ回転軸（14）に軸着された平板形状を成す送風用の
ファンで、第４図に示すように外周側に切欠き（16）…
の縁部を上方に折曲げ形成した主羽根（17）…を同心円
状に設け、中央側に切欠き（18）…の縁部を下方に折曲
げ形成した補助羽根（19）…を同心円状に設けており、
ユニット下方から見て反時計方向に回転して矢印Ｂで示
すような送風を行なう。ここで、前記風案内部（10）の
周縁部（９）は、モータ回転軸（14）を中心に同心円状
となっているため、ファン（15）の回転によって生じる
上方及び側方への風は、風案内部（10）に沿って周縁部
（９）から均一に送り出される。

（20）は発熱体となるリング状のヒータで、前記ファ
ン（15）の上方に同心円状に配置され、取付金具（21）
と支持金具（22）によって反射板（５）の下面に水平に
保持されている。

（23）は前記反射板（５）、ファン（15）、ヒータ
（20）を下面から覆う板金製の保護ガードで、第２図に
その下面図を示すように、底面（24）には前記モータ回
転軸（14）と対向する位置を中心として中央側から外周
側複数個の補助孔（25）…、吸気孔（26）…、吐出孔
（27）…を順次同心円状に配列して設けている。そして
補助孔（25）…はファン（15）の補助羽根（19）…と対
向して位置し、吸気孔（26）…は主羽根（17）…と対向
して位置し、吐出孔（27）…は風案内部（10）の周縁部
（９）にその孔尻が対向して位置している。さらに、吐
出孔（27）…は長孔を成し、その長手方向がファン（1
5）の半径方向に対してファン（15）の回転方向に傾斜
して設けられている。従ってファン（15）が回転する
と、主羽根（17）の風切り作用によって、吸気孔（25）
…から空気が取り込まれ、第１図に矢印Ａで示すファン
（15）の上方及び外周方向への風が生じ、この風はヒー
タ（20）によって温風化された後、風案内部（10）に沿
って吐出孔（27）…に順次案内され、吐出孔（27）…か
らスムーズにかつ均一に吐出される。ここで、吐出孔
（27）…は、それぞれが連繋してモータ回転軸（14）と
同心円状に配置され、かつ風案内部（10）の円状周縁部
（９）と対向しているので、ファン（15）によって発生
する風が均一にかつ集中して集まり、温風の吐出を極め
て均一にかつスムーズに行なうことができる。また吐出
孔（27）…はその長手方向がファン（15）の回転方向に
傾斜しているので、その長手方向と風の吐出方向が同一
方向となって風の吐出時の抵抗が減り、風の吐出量が増
加する。そのため、ユニット（１）内外の風の循環がス
ムーズとなってユニット（１）の熱効率が高まる。

ファン（15）の補助羽根（19）…は下方への風を発生
させ、これによって保護ガード（23）の冷却作用を有す
るとともに、その下方に位置する補助孔（25）…よりユ
ニット（１）内の空気を補助的に、吐出せしめてユニッ
ト（１）内の風の循環を促進する。

（28）は電源供給用のコネクタ、（29）はこのコネク
タ（28）に接続され、ヒータ（20）の制御を行なう温度
制御部である。

そしてユニット（１）の組み立ては、反射板（５）に
モータ（13）、ファン（15）、ヒータ（20）等を取り付
け、その下方より保護ガード（23）を覆着し、反射板
（５）及び保護ガード（23）の周縁上端を重ねてユニッ
ト天板（６）の周縁部下面に当接し、天板（６）の上方
よりタッピングネジをネジ込むことにより反射板（５）
及び保護ガード（23）を天板（６）に取付けて行なう。
このユニット（１）は天井部（３）の取付枠内に上方よ
り嵌み込まれて懸架され、やぐらこたつ本体（２）内に
組み込まれる。

（ト） 発明の効果 以上述べた様に本発明の温風式コタツユニットは、保
護カードの底板外周側に複数個の吐出孔を設け、それぞ
れの吐出孔が連繋して反射板の風案内部を対向する位置
にファンの回転軸と同心円状に配置したことにより、ユ
ニット内に取り込んだ空気を温風として吐出する際にそ
の吐出を均一に行なうことができる。さらに吐出孔の長
手方向をファンの回転方向に傾けることにより、吐出孔
を通る風の流れをスムーズにし、風の吐出量を増加させ
て、ユニット内の循環を良くし、ユニットの熱効率を高
めることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の温風式コタツユニットの一実施例を示
し、第１図は要部の切断正面図、第２図は保護ガードの
下面図、第３図は要部の下面図、第４図はファンの下面
図、第５図はコタツユニットが組み込まれたやぐらこた
つの一部切断側面図である。 （１）温風式コタツユニット、（５）……反射板、
（９）……周縁部、（10）……風案内部、（13）……モ
ータ、（15）……ファン、（20）……ヒータ、（23）…
…保護ガード、（26）……吸気孔、（27）……吐出孔。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 典昭 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥 取三洋電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−52163（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭43−13031（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ユニット天板の下面に配設され、外側下方
   に傾斜してその周縁部を円状とした風案内部を有する反
   射板と、前記風案内部の内側に配設したファン及びヒー
   タと、該ファンを駆動するモータと前記反射板、ファ
   ン、ヒータを下面から覆う保護ガードを備え、該保護ガ
   ードは中央側に吸気孔を設けると共に外周側に複数個の
   吐出孔を設け、該吐出孔を前記風案内部と対向する位置
   にそれぞれが連繋して前記モータの回転軸と同心を成す
   円状に配置した事を特徴とする温風式コタツユニット。
2. 【請求項２】前記吐出孔は長孔を成し、その長手方向を
   前記ファンの回転方向に傾斜して配置した事を特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の温風式コタツユニッ
   ト。