JPH0754006Y2

JPH0754006Y2 - シロッコ・ファン

Info

Publication number: JPH0754006Y2
Application number: JP1989095936U
Authority: JP
Inventors: 重隆大輪
Original assignee: Mitsubishi Motors Corp
Current assignee: Mitsubishi Motors Corp
Priority date: 1989-08-16
Filing date: 1989-08-16
Publication date: 1995-12-13
Anticipated expiration: 2004-08-16
Also published as: JPH0334911U

Description

【考案の詳細な説明】［考案の目的］（産業上の利用分野）本考案は、例えば、カーエアコン内部に取り付けられた
ブロワ装置に用いられるシロッコ・ファンに関する。

（従来の技術）例えば、第３図に示すようなカーエアコンのカーエアコ
ン本体１は、その一端側に空気吸込部２が設けられ、他
端側に空気吹出部３が設けられている。上記空気吸込部
２には、ファン・ケーシング４を介してダクト５が設け
られている。このダクト５には内気吸入口６と外気吸入
口７が設けられ、支点８を中心に回動するダンパ９によ
って外気吸入と内気吸入とが切り替えられるようになっ
ている。また、上記ファン・ケーシング４はＬ字状に屈
曲されており、この屈曲部にはシロッコ・ファン本体10
が設けられている。このシロッコ・ファン本体10は、そ
の吸込側は上記内気吸入口６と外気吸入口７に対向して
おり、吹出側は上記カーエアコン本体１の内部に設置さ
れた熱交換器11に対向している。

また、上記シロッコ・ファン本体10について説明する
と、第４図に示すように、ファンボス14は、円錐状に成
形されている。このファンボス14には、外周に吸入空気
を吐出させるように円周上に等間隔に多数の羽根15が設
けられている。また、上記ファン・ケーシング４にはモ
ータ12が取り付けられ、このモータ12の回転軸13には上
記ファンボス14が嵌合され、このファンボス14は回転軸
13にねじ込まれるナット18によって固定されている。

そして、モータ12の回転軸13に取り付けられたシロッコ
・ファン本体10の回転により、空気吸込部２から空気が
導入されると、ファンボス14の傾斜面によって構成され
る通風路16を通り、上記空気は熱交換器11に送風され
る。

（考案が解決しようとする課題）ところで、空気吸込部２からの吸入空気はファンボス14
の傾斜に沿って流れ易く、ファン回転により生じた遠心
力による送風は、ファンボス14の傾斜面から離れる程そ
の摩擦力が少なくなるため、羽根15の下段、中段、上段
をそれぞれＡ点、Ｂ点、Ｃ点とすると、Ａ＞Ｂ＞Ｃとな
り、羽根15の高さ方向の流量が不均一でブロワ装置の送
風効率が悪いという不具合があった。本考案は上記事情
に着目してなされたもので、その目的とするところは、
羽根の高さ方向の流量分布を平均化し通風路の送風の効
率を高めることができるシロッコ・ファンを提供するこ
とにある。

［考案の構成］（課題を解決するための手段及び作用）本考案は、ファンケーシング内に回転自在に収納され、
空気吸込側から吹出側へ空気を誘導する通風路を構成す
る傾斜面とこの傾斜面の外周側に設けられた羽根とを有
するファンボスと、外周側に設けられた羽根の内側に延
出され上記通風路を上記羽根の高さ方向に仕切りこの通
風路を複数の通風路に分割する傾斜部を有する整流板と
を有することを特徴とするシロッコ・ファンである。

このような構成によれば、上記シロッコファンに吸込ま
れる空気は、上記羽根よりも吸込側（上流側）で分離さ
れ、羽根の高さ方向の流量分布が平均化される。

（実施例）以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に基づいて
説明するが、従来と同一構成部分は同一符号を付してそ
の説明を省略する。第１図に示すファン・ケーシング４
にはモータ・ケーシング17が半分埋設され、上部はファ
ンボス14の傾斜にあわせてカットしたカット部ｃを設け
て省スペース化されている。上記モータ・ケーシング17
の内部にはモータ12が収納され、その回転軸13はモータ
・ケーシング17から突出している。そして、この回転軸
13に円筒部14aが嵌合され、ファンボス14は、ナット18
により回転軸13に固定されている。

第２図に示すようにファンボス14の上部には、ファンボ
ス14の傾斜角とほぼ同一の傾斜角度を持ち外周に上記羽
根15aと同一径、同一長の羽根からなる15bを有する整流
板14bが設けられている。すなわち、整流板14bは、その
羽根15bの下端面を上記ファンボス14の羽根15aの上端面
に接着することにより、一体化されている。そして、こ
の整流板14bによって通風路16は羽根15a,15bの高さ方向
に二分され、下部通風路16aと上部通風路16bが形成され
ている。したがって空気吸込部２からの吸入空気はファ
ンボス14aと整流板14bの傾斜に沿って流れるため、通風
路16を流通する空気の流量が均等に二分される。つま
り、シロッコ・ファン本体10の回転により生じた遠心力
による送風は、ファンボス14aの傾斜面から離れる程そ
の摩擦力が少なくなることから低減するため、羽根15a
の下段、中段、上段をそれぞれＡ点、Ｂ点、Ｃ点とし、
羽根15bの下段、中段、上段をそれぞれＤ点、Ｅ点、Ｆ
点とすると送風量は、Ａ＞Ｂ＞Ｃ＞、Ｄ＞Ｅ＞Ｆとな
り、通風路16を流通する空気の流量分布が均一化され
る。しかも、この整流板14bによってシロッコ・ファン
本体10の通風路16を高さ方向に２つに分割した結果、空
気吸込部２からの通風は二分され、整流板14bの羽根15b
において、通風路16における送風効率が向上された。こ
うすることによって本考案は、ファンによる送風流量を
平均化し、送風効率を高めることができる。また、多数
の整流板を組み合わせることにより、さらに送風路にお
ける流量は平均され、安定した送風が得られる。

一方、シロッコ・ファンのファン長を短くできる。つま
り羽根の高さを短くでき、ファン回転時による羽根変形
が少なくなり、これにより羽根変形により発生する流体
剥離及び剥離音を減少できる。

［考案の効果］以上説明したように、この考案は、外周に設けられた羽
根の内側へ延出された整流板の傾斜部によって、吸込側
からの空気を上記羽根に流通させるための通風路を上記
羽根の高さ方向に分割するようにした。このことで、上
記通風路を流通する空気の羽根の高さ方向の流量分布が
略平均化されるので、送風効率を向上させることができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図シロッコ・ファンの縦断側面図、第２図はシロッコ
・ファン本体と整流板とを分離して示す縦断側面図、第
３図は一般的なカーエアコン本体の概略的な断面図であ
り、第４図は従来のシロッコ・ファンの縦断側面図であ
る。 10……シロッコ・ファン本体、14……ファンボス、14b
……整流板、15a,15b……羽根、16a……下部通風路、16
b……上部通風路。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ファンケーシング内に回転自在に収納さ
れ、空気吸込側から吹出側へ空気を誘導する通風路を構
成する傾斜面とこの傾斜面の外周側に設けられた羽根と
を有するファンボスと、外周側に設けられた羽根の内側に延出され上記通風路を
上記羽根の高さ方向に仕切りこの通風路を複数の通風路
に分割する傾斜部を有する整流板とを有することを特徴とするシロッコ・ファン。