JP2588963Y2

JP2588963Y2 - 背負い鞄

Info

Publication number: JP2588963Y2
Application number: JP1993032304U
Authority: JP
Inventors: 英雄北林
Original assignee: ナース鞄工株式会社
Priority date: 1993-05-24
Filing date: 1993-05-24
Publication date: 1999-01-20
Anticipated expiration: 2008-05-24
Also published as: JPH0684918U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はランドセル等の背負い鞄
の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、背負い鞄は一対の背負い帯の上端
を背板の上部中央に止着し、この背負い帯の下端は背負
い鞄の本体底面または背板底辺両側部に直接縫着する
か、同部位に取り付けた連結環に連結するようになして
ある。

【０００３】そして、上記連結環の取り付けは、ランド
セルの場合は底面に鋲着する底錠と称する金具を利用し
ている。この底錠は図示していないが中央部が被せ蓋の
係止金具となっており、その両側に止着用鋲の鋲足によ
って枢支される筒体を取り付け、この筒体に連結環を取
り付けてある。

【０００４】また、リュックサック等のランドセル以外
の背負い鞄の連結環は、背負い鞄の背板と底面との縫合
部に、連結環の一辺を巻き込むように二つ折りした布ま
たは革製の取付帯を共に縫合して、該連結環を取り付け
るのが一般的である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記底錠を使
用するものは、この底錠が高価であるという課題と、該
底錠は比較的大型で重いという課題を有している。ま
た、上記の取付帯を使用する方式は、この取付帯及びそ
の縫合部の耐久性に課題を有し、連結環の取り付け部が
破損し易いことが指摘され、さらに、連結環を使用しな
いで直接背負帯の下部を縫着する方式は同様にその縫合
部の耐久性に課題を有することが指摘されている。

【０００６】そこで、本考案は上記課題にかんがみなさ
れたもので、背負い帯の下部を連結する連結環を、簡単
な構成で、体裁よく耐久力を有して取り付けることので
きる背負い鞄を提供することを目的としたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的に沿い、先述
実用新案登録請求の範囲を要旨とする本考案の構成は前
述課題を解決するために、背板３の下部両角部位に、連
結環７２，７２をその一辺を巻き込むように二つ折りし
た金属製の取付板７４と、その外側に重ねられる該取付
板７４より幅の広い重ね生地７９とを、鋲７６でを鋲着
して夫々取り付け、上記取付板７４及び重ね生地７９の
外側に、略三角形状の角革７５を、その一辺を背板３の
側辺部位に他の一辺を背板３の底辺部位にそれぞれ縫着
して取り付け、上端を背板３の上部中央部位に止着した
一対の背負い帯７，７の下部を、上記連結環７２，７２
に連結してなる技術的手段を講じたものである。

【０００８】

【作用】それゆえ、本考案の背負い鞄は、連結環７２が
金属製の取付板７４と重ね生地７９とを介して背板３に
強固に鋲着される作用を呈する。なお、取付板７４は高
強度で耐久性を向上し、重ね生地７９は鞄本体１００と
同じ材質等を使用することで体裁を向上する作用を呈す
る。

【０００９】そして、上記取付板７４と重ね生地７９と
は二つ折り状で背板に平面的に重ねられるので、突出部
が少なく他の物に接触しては損したり、他のものを傷つ
けること無いという作用を呈する。

【００１０】また、上記取付板７４と重ね生地７９の外
側には角革７５が配設されるので、その鋲着部位はこの
角革７５によって隠蔽される作用を呈するものである。
なお、角革７５によって取付板７４と重ね生地７９とを
隠蔽することで、これらが他の物に引っ掛かって破損す
ることを防止する作用を呈する。

【００１１】

【実施例】次に、本考案の実施例を添付図面にしたがっ
て説明する。図中、１００が背負い鞄本体で、この背負
い鞄本体１００は従来公知なものを使用すればよいが、
図示例は横長式のランドセルで、底板１の両側に側板
２，２を略Ｕ字状に連接し、この底板１と両側板２，２
との前辺に前板４の両側辺部と底辺部とを、後辺に背板
３の両側辺部と底辺部とを夫々縫着して、上部に開口１
０１を有した凾状に構成されている。

【００１２】そして、上記背負い鞄本体１００の前板４
の外面側には副収納部２００が必要に応じて取り付けら
れ、背板３の上端には蓋６の基端部が逢着されている。
この副収納部２００は、種々の形状、構成のものを使用
してもよく、さらには省略してもよいが、図示例では上
部にスライドファスナー２０１により開閉する開口を有
したものを使用している。また、上記蓋６の自由端側は
上部開口２０１の上方を通って前板４側に湾曲され、そ
の先端を、前板４、副収納部２００あるいは底板１に図
示しない尾錠などの係止具によって着脱可能に係止（本
実施例では、図示はしていないが尾錠により副収納部２
００の前面部に着脱可能に係止している。）されるよう
になしてある。

【００１３】そして、上記背板３はその基板３１と表地
３２との間に、該背板３の上辺に沿う上辺近傍部位３ａ
と上部中央部位３ｂとを除いて、クッション材３３を介
装してある。

【００１４】すなわち、上記背板３は基板１とクッショ
ン材３３と表地３２とで構成されている。そして、該基
板３１は自己保形性を有した、ボール紙、合成樹脂板、
合成紙板等が、表地３２は天然皮革、合成皮革等が、さ
らに、上記クッション材３３は発泡合成樹脂または発泡
合成ゴム等の適宜クッション材が使用される。そして、
該クッション材３３は必要に応じて基板３１に糊着し、
背板３の基板３１と表地３２との間に介装されこの基板
３１と表地３２とで挟持されるようになっている。

【００１５】図示例において、上記クッション材３３は
その上部中央に略半円状の欠部を設け背板３の上部中央
部位３３ｂにクッション材３３が介装されない凹部を設
けてある。また、このクッション材３３はその上辺が基
板３の上辺より下方に位置するようになして背板３の上
辺近傍部位３３ａにもクッション材３３が介装されない
凹部を設けてある。そして、このクッション材３３が介
装されない上辺近傍部位３３ａに蓋３の基端部を縫着し
てある。

【００１６】また、図からは必ずしも明らかでないが、
該クッション材３３は基板３１の両側辺と底辺とにも一
定幅の余白部を残す大きさとなし、この余白部は基板３
１と表地３２とが前記底板１と両側板２，２とにともに
縫合されることで、介装したクッション材３３がずれな
いようになしてある。なお、この背板３の両側辺と底辺
との縫合部は「図１１」に示されるごとく通常、縁取り
生地４００でＵ字状に被包して縫糸３０３で縫着するよ
うになしてある。

【００１７】そして、上記背板３の外面で上辺近傍部位
３ａには蓋６の基端部を縫着してある。この蓋６は従来
公知なものであるが、クッション材３３が介装されな
い、背板３の上辺近傍部位３ａにその基端部を重ねて縫
糸３０１で縫着することで、蓋３の縫着部が背板３の外
面側に突出しないようになしてある。

【００１８】また、上記背板３の上部中央部位３ｂに
は、背負い帯７，７の上端が止着してある。この止着構
造は従来公知な方法によればよいが、図示例では万中と
称されている背負い帯取り付け金具９を使用している。

【００１９】上記背負い帯取り付け金具９は、「図２」
に破線で示したような二つ折りした金属板で構成され、
その二つ折り上辺に一対の三角環９１，９１の一辺を巻
き込んで保持してある。そしてこの背負い帯取り付け金
具９は鋲９３，９３によって鋲着されるが、鋲着に先立
って該背負い帯取り付け金具９を隠蔽生地９４で隠蔽し
ておくのが一般的で、図示例の該隠蔽生地９４は上記ク
ッション材３３の上部余白部（背板３の上辺近傍部位３
ａと上部中央部３ｂとを合わせた形状）と略同形とな
し、下辺中央部に略半円形の湾曲突出部９４ａを設け、
下辺は縫糸３０２で、上辺は蓋６の下面に重ねて縫糸３
０１で蓋６とともに背板３に縫着してある。

【００２０】そして、上記隠蔽生地９４の上辺側中央部
には欠部９４ｂを設け、この欠部９４ｂ内には「図２」
に破線で示す一対の折返用突出片部９４ｃ，９４ｃを突
設してある。そして、該隠蔽生地９４の湾曲突出部９４
ａの裏側内に前記背負い帯取り付け金具９を収納し、折
返用突出片部９４ｃ，９４ｃは三角環９１，９１内を夫
々挿通するとともに、帯取り付け金具９に沿わせて折り
返し、この折返用突出片部９４ｃ，９４ｃの折り返し部
を含めて隠蔽生地９４の鋲孔９４ｅ，９４ｅから背板３
の裏面側に配した座金３５まで挿通する鋲９３，９３に
よって背板３に該帯取り付け金具９を鋲着するようにな
してある。

【００２１】そして、上記背負い帯７，７は一対用意さ
れ、その上端を三角環９１，９１の斜辺部に巻き付け、
「図９」に示すごとく折り返し重合部を鋲９５等で固着
（通常鋲着と縫合とを併用する。）してある。

【００２２】なお、該背負い帯７自体は従来公知なもの
を使用すればよく、図示例では一連の織布帯を使用し
て、この背負い帯７の肩に当節する部位には「図８」に
示すごとくクッション材７７を被包した背当て材７８を
縫糸３０４，３０４によって縫着してある。

【００２３】そして、上記背負い帯７，７の下端側は鞄
本体１００の下部両側に連結されるのは従来と同じであ
るが、本考案では、背板３の下部両角部位に、連結環７
２，７２をその一辺を巻き込むように二つ折りした金属
製の取付板７４と、その外側に重ねられる該取付板７４
より幅の広い重ね生地７９とを、鋲７６で鋲着して夫々
取り付けて、この連結環７２に夫々連結するようになし
てある。

【００２４】上記連結環７２，７２は、「図１１」に最
も明らかに示すごとく、夫々その一辺を巻き込んで二つ
折した取付板７４を背板３に鋲７６で鋲着して取り付け
てある。なお、この取付板７４の外側には該取付板７４
より幅の広い重ね生地７９を重ねて、この重ね生地７９
と取付板７４と背板３と、さらに背板３の裏面に配した
座金７６ａとを挿通する鋲７６によって鋲着されるよう
になしてある。なお、この鋲着に際して、後記する角革
７５の外側より鋲７６を挿通するようになしてもよいも
のである。

【００２５】そして、上記取付板７４の外側に略三角形
状の角革７５を、その一辺を背板３の側辺部位に他の一
辺を背板３の底辺部位にそれぞれ縫着して取り付けてあ
る。この角革７５は略三角形に形成され、その一辺を背
板３の側辺に他の一辺を背板３の底辺にそれぞれ縫着し
てある。また、この角革７５は元来背板３の角部を補強
する目的で使用されるもので、背板３の側辺と底辺とに
適合する部位はＵ字状に折り返して「図１１」に示すご
とく背板３の角辺部を被包して縫糸３０３で縫着するの
が望ましい。

【００２６】そして、上端を背板３の中央部位に止着し
た一対の背負い帯７，７の下部を上記連結環７２の一辺
を巻き込むように折り返して、その先端を背負い帯７に
移動可能に配したバックル７３に連結してなる。なお、
該背負い帯７としては、上端を背板３上部に止着した上
側帯と、下端を前記連結環７２に巻き付け固定した下側
帯とで構成し、この両者の自由端どうしをバックルで連
結するものが広く知られており、無論この方式の背負い
帯を使用しても差し支えないものである。

【００２７】また、前記隠蔽生地９４には一対の把手先
端挿通穴９４ｄ，９４ｄと鋲孔９４ｆ，９４ｆ（「図
２」参照）とが設けられ、把手８の両端がこの把手先端
挿通穴９４ｄ，９４ｄより隠蔽生地９４内に挿入され鋲
着されるようになしてある。

【００２８】上記把手８も単なる平帯等の従来公知なも
のが使用でき、図示例では「図５」に示すごとく縦長に
二つ折りした帯状生地８３の内側にクッション材８２を
収納して、両巾方向の接合端を縫糸３０５で縫合した太
紐状のものが使用され、クッション材８２が収納されな
い両端部（クッション材８２を収納しても、鳩目金具８
１の装着に支障とならなければ、「図６」に示すごとく
この両端までクッション材８２を収納しても差し支えな
い。）に鳩目金具８１，８１を取り付けてある。

【００２９】そして、この把手８は鋲孔９４ｆから鳩目
金具８１の中空部を挿通し、背板３の裏面側に配した座
金３５まで挿通する鋲９３，９３によって背板３に鋲着
するようになしてある。

【００３０】

【考案の効果】本考案は上記のごときで連結環７２が金
属製の取付板７４と該取付板７４より幅の広い重ね生地
７９と鋲７６とで背板３に強固に鋲着されるので、背負
い帯７の下端連結環７２と鞄本体との連結部に大きな荷
重が加わっても充分耐久性を有する背負い鞄を提供でき
るものである。

【００３１】また、上記連結環７２は、重ね生地７９で
覆われて露出しないので体裁を悪化することなく強度、
耐久性を向上できる背負い鞄を提供できるものである。

【００３２】また、上記連結環７２の鋲着部位は、角革
７５で隠蔽されるので、簡易な構造にして体裁がよい背
負い鞄を提供できるものである。なお、この角革７５は
角部の補強を行なうのは無論である。

【００３３】なお、特筆すべきは、取付板７４を、重ね
生地７９と、角革７５とで覆っているので、取付板７４
は露出せず体裁がよいばかりか、取付板７４が他の物に
引っ掛かって、破損したり、怪我の原因となったり、被
服を破損したりするおそれがなく、さらには、この連結
部が局所的に突出して使用者の背中に異物感を与えるこ
との無い背負い鞄を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案背負い鞄の一実施例を示す斜視図であ
る。

【図２】背負帯と把手を取り付ける前の背板上部中央部
の正面図である。

【図３】「図２」のＡ−Ａ線部の拡大断面図である。

【図４】把手の一実施例正面図である。

【図５】「図４」のＢ−Ｂ線部の拡大断面図である。

【図６】「図４」のＣ−Ｃ線部の拡大断面図である。

【図７】背負帯の一実施例一部切欠正面図である。

【図８】「図７」のＤ−Ｄ線部の拡大断面図である。

【図９】「図７」のＥ−Ｅ線部の拡大断面図である。

【図１０】背板下角部の正面図である

【図１１】「図１０」のＦ−Ｆ線部の断面図である。

【符号の説明】

３背板７背負い帯７２連結環７４取付板７５角革

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】背板（３）の下部両角部位に、連結環
（７２，７２）をその一辺を巻き込むように二つ折りし
た金属製の取付板（７４）と、その外側に重ねられる該
取付板（７４）より幅の広い重ね生地（７９）とを、鋲
（７６）でを鋲着して夫々取り付け、上記取付板（７４）及び重ね生地（７９）の外側に、略
三角形状の角革（７５）を、その一辺を背板（３）の側
辺部位に他の一辺を背板（３）の底辺部位にそれぞれ縫
着して取り付け、上端を背板（３）の上部中央部位に止着した一対の背負
い帯（７，７）の下部を、上記連結環（７２，７２）に
連結してなる背負い鞄。