JP2588293B2 - スパッタリングターゲットおよび金属膜の形成方法 - Google Patents

スパッタリングターゲットおよび金属膜の形成方法

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JP2588293B2
JP2588293B2 JP2048127A JP4812790A JP2588293B2 JP 2588293 B2 JP2588293 B2 JP 2588293B2 JP 2048127 A JP2048127 A JP 2048127A JP 4812790 A JP4812790 A JP 4812790A JP 2588293 B2 JP2588293 B2 JP 2588293B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、スパッタリングターゲットに関し、特に、
複数種類に分割したターゲット片を配列してなる複合ス
パッタリングターゲットの改良ならびにこれを用いた金
属膜の形成方法に関する。
(従来の技術) 従来、特定の基材上に薄膜を形成する技術としては、
スパッタリング技術が広く知られている。このようなス
パッタリング技術においては、単体成分からなる薄膜以
外にも合金などの複合的成分を構成成分とする薄膜の形
成も種々試みられている。こうしたスパッタリング技術
においては、たとえばモリブデンとシリコンのように予
め化学量論量から外れる組成比でしかも均一な組成成分
を有するターゲットを作成するのが困難な場合、あるい
は、融点や蒸気圧に大巾な差があり所定の組成比の合金
ターゲット本体を作成するのが困難な場合には、複数種
類の各構成成分ごとに分割して配置した複合スパッタリ
ングターゲットが使用されている(たとえば、特開昭62
−46631号公報)。
上記のような複合ターゲットとしては、複数個の楔形
のターゲット片を交互に組合わせて円板状にしたターゲ
ット、あるいは、短冊状のターゲット片を交互に配列し
て長方形の板状にしたターゲット本体が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 上記のような複合スパッタリングターゲットを用いて
膜堆積を行うと、ターゲット片の種類や組合わせを変化
させることによって形成される膜の組成比を自由に変え
ることができるという利点を有している。たとえば、円
板状のターゲット本体の場合、ターゲットの半径方向の
組成比は同一であるため、形成される膜組成は均一なも
のとなり、ターゲットの組成比に応じた堆積膜が得られ
る。
しかし、一方、ターゲット本体の形状が長方形のよう
に、スパッタリングによるエロージョンが均一に行われ
ないようなものにあっては、形成される膜組成とターゲ
ットの組成比との間で不可避的に差異が生じ、材質に不
均一な部分が生じる場合がある。以下、このことを具体
的に説明する。
第1図に示すような従来の複合ターゲットを用いた場
合について上記の現象を説明する。この従来型の複合タ
ーゲット30は、Ta片31とMo片とが交互に一定の組成比で
配列されている。そして、これをターゲットとして用い
てスパッタリングを行うと、通常、第2図に示す破線で
囲まれた部分がエロージョン領域33となる。この場合、
長手方向の中央部においてはターゲットの組成比と生成
膜の組成比は1対1に対応しているが、長手方向の両端
部においては、スパッタリングの進行ラインが曲線ない
し円弧を描く結果、エロージョン領域33が不均一な形状
となり、これに起因して、形成される堆積膜の組成とタ
ーゲット成比とが1対1に対応しなくなるという欠点が
ある。第2図に示す例の場合は、Taの含有量が目的組成
よりも多くなってしまう。このため、生成される合金膜
の物性も、長手方向の両端部において不均一なものとな
り、成膜効率ならびに製品の歩留りが低下するという問
題がある。
本発明は上述したような従来技術に伴う問題点に鑑み
てなされたものであり、ターゲットの形状あるいはその
エロージョン領域の形状の如何に拘らず、堆積膜の膜組
成が不均一になることのない複合スパッタリングターゲ
ットを提供することを目的としている。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上述した目的を達成するために、第1の態様に係る本
発明のスパッタリングターゲットは、2種以上の材質の
組合わせからなるターゲット片を各材質ごとに分割して
複合的に配列してなるスパッタリングターゲットであっ
て、前記スパッタリングターゲットは、曲線形状にエロ
ージョンが行われる領域の内、スパッタリングターゲッ
トの重心から最も離れたエロージョン領域におけるエロ
ージョン幅を直径とする円によって囲まれる領域として
規定される変則エロージョン領域を有するものであっ
て、この変則エロージョン領域の少なくとも1つに、前
記ターゲット片の形状もしくは表面積の少なくとも一方
を変化させて2種以上の材質からなる、くさび形状、三
角形ないし五角形、あるいは1曲面と1直線、1曲線と
2直線または2曲面と2直線によって形成される形状か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の形状からなるタ
ーゲット片を各材質ごとに分割しかつ複合的に4個以上
配列させた部分が、少なくとも部分的に形成されてなる
ことを特徴としている。
さらに第2の態様に係る本発明による金属膜の形成方
法は、2種以上の材質の組合わせからなるターゲット片
を各材質ごとに分割して複合的に配列してなるスパッタ
リングターゲットを用いて、基材上に金属薄膜を形成す
る方法であって、前記スパッタリングターゲットは、曲
線形状にエロージョンが行われる領域の内、スパッタリ
ングターゲットの重心から最も離れたエロージョン領域
におけるエロージョン幅を直径とする円によって囲まれ
る領域として規定される変則にエロージョン領域を有す
るものであって、この変則エロージョン領域内に、前記
ターゲット片の形状もしくは表面積の少なくとも一方を
変化させて2種以上の材質からなる、くさび形状、三角
形ないし五角形、あるいは1曲面と1直線、1曲線と2
直線または2曲面と2直線によって形成される形状から
なる群から選ばれた少なくとも1種の形状からなるター
ゲット片を各材質ごとに分割しかつ複合的に4個以上配
列させた部分が、少なくとも部分的に形成されてなるス
パッタリングターゲットを用意し、前記スパッタリング
ターゲットをスパッタすることにより、基材上に堆積膜
を形成することからなることを特徴としている。
以下、図面に示す本発明の実施例に基いて本発明をさ
らに具体的に説明する。
第3図は、本発明の実施例に係るスパッタリングター
ゲット1の平面図であり、この例においては、図示のよ
うにスパッタリングターゲット1の平面形状が長方形か
らなり、この長方形構造は、その長手方向の両端部を除
いて、長方形のMo片2とTa片3とが交互に配置するよう
に構成されている。このようにして両端部に配列させる
MoおよびTaの各ターゲット片の形状ないし表面積は両端
部における堆積膜の組成が中央部の組成と同一になるよ
うに形状を決定し、その配列を適宜決定することができ
る。
このように各ダーゲット片の形状ないし表面積を変化
させるような組合わせで、ターゲット片を配列させるこ
とによって、端部における形成膜の組成が最適状態に調
整され、ターゲットの組成比と生成膜の組成比を1対1
に対応した状態にすることができるので、従来エロージ
ョンの態様にしたがって不可避的に生じていた端部にお
ける膜組成の不均一化の問題は解消し、組成ならびに膜
特性(たとえば比抵抗)の均一な堆積膜を得ることがで
きる。
上述した本発明の態様をさらに詳細に説明する。
第4図に示す平面図は、長方形の平面形状からなるス
パッタリングターゲット1にエロージョン領域33が形成
される様子を示すものである。本発明においては、この
ようなエロージョン領域33において、曲線形状にエロー
ジョンが行われる領域の内、スパッタリングターゲット
の重心Gから最も離れたエロージョン領域におけるエロ
ージョン幅kを直径とする円によって囲まれる領域、か
らなる変則エロージョン領域Eを規定し、この変則エロ
ージョン領域Eの少なくとも1つ内に、前述したよう
に、ターゲット片の形状もしくは表面積の少なくとも一
方を変化させて2種以上の材質からなるターゲット片を
各材質ごとに分割しかつ複合的に配列させた部分が、少
なくとも部分的に形成されていることを特徴としてい
る。
本発明の好ましい態様においては、上記の各変則エロ
ージョン領域内に、ターゲット片を4〜21個の範囲で分
割して配列することが特に好ましい。この範囲の数で上
記変則エロージョン領域内のターゲットを分割すること
によって、堆積膜の全域にわたる膜特性を均一なものと
することができ、しかも膜自体の品質も向上する。
本発明者らの研究によれば、スパッタリングターゲッ
トをスパッタして得られる堆積膜における、下記式、 (ここで、は、スパッタリングターゲットに対応する
形状および面積に成膜された堆積膜の長手方向における
重心Gを通過する中心線を20等分する各点の抵抗の平均
値を意味し、Xは、上記平均値から最も差の大きい抵
抗値を意味する。)で表される最大抵抗誤差率が15%以
下となるようにターゲット片を分割して配列することに
よって、実用上問題がなくしかもコスト的にも有利なス
パッタリングターゲットが得られる。この点について
は、後述する実施例においても示されているが、一方の
変則エロージョン領域内のターゲット片の個数が4個未
満の場合においては、最大抵抗誤差率が急激に増大し、
一方、21個を超えると、ターゲット片間の境界の数が増
大して、この境界部分に、いわゆる逆スパッタなどによ
り発生した不純物や微小粒子が入り込み、これがスパッ
タリング時に異物として飛散し、このため形成された膜
にこれらの異物が混入する割合が増大する結果となるの
で好ましくない。また、分割個数が増大すると製造コス
トにおいても不利となる。
本発明においては、ターゲット片の組合わせが2種類
の材質の組合わせからなる場合にあっては、変則エロー
ジョン領域内に配列されるターゲット片の総個数をNと
した場合におけるいずれか一方の材質のターゲット片の
数は、(N/2)個または(N/2)±1個であることが好ま
しい。
なお、本発明においては、変則エロージョン領域に配
置するターゲット片が1個の場合であっても、そのター
ゲット片の中心角ないし頂角を45〜160度、さらに好ま
しくは60〜150度に設定することによっても、最大抵抗
誤差率を15%以下にすることが可能である。これについ
ては後述する(実施例1)。
第5A図は、複数のマグネトロンを有するスパッタリン
グ装置を用いてスパッタを行った場合のエロージョンの
様子を示す平面図であり、第5B図は、第5A図において、
重心Gを通る長手方向の中心線に沿った断面の様子を示
す断面図である。本発明においては、このようなスパッ
タリング装置に適用されるターゲットにおいても、上記
と同様、変則エロージョン領域内におけるターゲット片
の個数ならびに最大抵抗誤差率の条件を満足させること
によって、良好な結果を得ることができる。
次に、本発明のターゲットの具体的態様について、さ
らに説明する。
前記の第3図に示す例は、長方形構造の長手方向の両
端部にのみ楔形状のターゲット片を扇状に配列した場合
の例であるが、本発明においては、この他にも様々な態
様が考えられる。たとえば、第6図に示す例は、三角
形、あるいは第9図や第10図に示すような直線と曲線と
から構成される形状を組合わせてることもできる。ま
た、第7図の例のように、ターゲットが四角形以外の形
状、たとえば三角形、三角形に類似し角部に曲線をもっ
た形状や扇形形状に類似し角部に曲線を持ったものであ
ってもよく、変則エロージョン領域が形成されるような
平面形状を有する限りにおいて、本発明が同様に適用さ
れ得る。この第7図の例においては、変則エロージョン
領域に相当する部分に、図示のように、Moターゲット片
2とTaターゲット片3とが分割して交互に配列されてい
る。
さらに、第8図は、本発明の変形例であり、このよう
な態様も本発明の範囲に包含される。
次に、電気配線用合金膜を形成するためのMo−Ta系複
合スパッタリングターゲットを例にとって、その組成に
関して説明する。
近年、非晶質(アモルファス)シリコン膜を用いた薄
膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子として用い
て構成されるアクティブマトリックス型液晶表示装置が
注目されている。これは、非晶質のガラス基板を使用し
低温成膜ができる非晶質シリコン膜を用いてTFTアレイ
を形成することにより、大面積、高精度、高画質、かつ
低コストのパネルディスプレイ(フラット型テレビ)が
実現できる可能性があるからである。一方、このような
アクティブマトリックス型液晶表示装置の表示画素をで
きるだけ小さくし、しかも大面積にするためには、TFT
への信号線、すなわちゲート配線とデータ配線を細くか
つ長くすることが必要である。たとえば、ゲート電極配
線をガラス基板側に設け、この表面に絶縁膜や非晶質シ
リコン膜を重ねてTFTを構成するようにしたスタガー型
のTFT構造を採用する場合においては、ゲート電極配線
は薄く、かつ十分に低抵抗であって、しかもその後の薬
品処理にも耐える材料であることが要求される。
従来このような条件を満足するゲート配線材料として
はタンタル(Ta)やチタン(Ti)など各種の金属膜が用
いられているが、さらに大面積化、高精密化を図るため
には、これらより低抵抗で加工性にすぐれ、製造工程に
おける各種薬品処理に対する耐性にすぐれた材料である
ことが必要である。
上記のような要求を満足する合金膜としては、前述し
たようなTaとMoとの合金膜が好適であり、そのためのス
パッタリングターゲットとして、本発明はすぐれた効果
を発揮する。
具体的には、上記のような用途に好適な合金膜は、ス
パッタリングによって形成される堆積膜の組成が、原子
パーセントで、Mo5〜70%、Ta30〜95%、さらに好まし
くは、Mo15〜50%、Ta50〜85%である。
上記合金組成において、Ta含有量が30原子%未満、あ
るいはMo含有量が70原子%を超えるような組成では合金
膜の電気抵抗が大きくなり、酸化膜形成性、薬品洗浄性
が低下するので好ましくない。また、逆に、Ta含有量が
95原子%を超えるか、あるいはMo含有量が5原子%未満
の組成では、合金膜自体の加工性や酸化膜形成性は向上
するものの、電気抵抗が大きくなるので、上記のような
用途には適合するものではない。
本発明のターゲットによれば、目的組成に正確に対応
する組成の合金膜を得ることができるので、上記の範囲
の組成に面積比が調整された複合ターゲットを用いるこ
とにより、最大抵抗誤差率が15%以下の合金膜を製造す
ることができる。
本発明者らは、非結晶シリコン膜、多結晶シリコン
膜、単結晶シリコン基板などを用いた半導体装置の電気
配線材料として種々の金属ならびに合金膜については系
統的に実験を重ねた結果、TaとMoとの限定された組成範
囲からなる合金膜は、TaあるいはMo膜単独の電気抵抗に
比べて、遥かに低い電気抵抗を有することを見出してい
る。さらに、このように組成限定された合金膜は、大面
積の電気配線用薄膜に要求される加工性、酸化膜形成
性、あるいはシリコンとのオーミック接触性などの特性
においてもすぐれている。
上記のような合金膜を得るためのスパッタリングター
ゲットとしては、前記のような2元系の複合ターゲット
の他に、ターゲット自体が合金からなるものであっても
よい。
次に、実際に複合型のスパッタリングターゲットを製
作し、得られたターゲットを用いて合金膜を形成した実
施例について説明する。
実施例1 第3図に示すような変則エロージョン領域にくさび型
ターゲット片を配列したTa−Mo系の複合ターゲットを作
製した。製造条件は下記の通りである。
まず、切断加工ならびに研削加工された長方形Taター
ゲット片2と長方形Moターゲット片3とを交互に、しか
もMoターゲット片を1個多く配列させた。この場合、長
手方向の両端部にくさび形状でできたMo、Taのターゲッ
トを重心を通る2本の中心線に対して対称となるように
交互に配列させて幅127mm、1個の場合であっても、当
該ターゲット片の頂角ないし中心角を45〜160度の範囲
に設定することによって、最大抵抗誤差率を15%以下に
することができる。
実施例2 次に、第8図に示すようなターゲット配列を有するTa
−Mo系の複合ターゲットを作製した。製造条件は下記の
通りである。
まず、切断加工ならびに研削加工された長方形Taター
ゲット片2と長方形Moターゲット片3とを交互に、しか
もMoターゲット片を1個多く配列させた。この場合、長
手方向の両端部に、中央部のターゲット片とは表面積を
変えた四角形形状の各ターゲットを、重心を通る2本の
中心線に対して対称となるように交互に配列させて幅12
7mm、長さ508mmのターゲットを製造した。
上記のようにして得られた各々のターゲットについ
て、分割個数を変化させたターゲットを用いて、スパッ
タリングを実施して、Mo−Ta合金膜を形成した。
すなわち、上記のようにして得られた分割個数が異な
るターゲットを用いて、アルゴン雰囲気中で、DCマグネ
トロスパッタリング装置によって、6A、2kWの出力条件
で、Mo−Ta合金薄膜を形成した。
得られた合金膜について、各々、最大抵抗誤差率を計
測した。最大抵抗誤差率の測定は実施例1と同様の方法
で行った。
第12図にその結果を示す。このグラフにおいて、横軸
は、ターゲットの長手方向の両端から90mmの距離にある
点を中心とする半径28mmの円内(変則エロージョン領
域)に存在するターゲット片の個数を示す。
第12図から明らかなように、変則エロージョン領域に
おけるターゲット片の個数が4個未満の場合において
は、最大抵抗誤差率が極端に増大し抵抗値に大きなバラ
ツキが生じているが、4個以上になると最大抵抗誤差率
は15〜10%以下となり、配線材料、特に薄膜トランジス
タのゲート電極として十分安定した品質の合金膜が得ら
れることがわかる。
〔発明の効果〕
上記実施例の結果からも明らかなように、本発明によ
るスパッタリングターゲットは、半導体装置などに使用
される金属薄膜を形成するためのターゲットとして長さ
508mmのターゲットを製造した。
上記のようにして得られな分割個数が異なるターゲッ
トを用いて、アルゴン雰囲気中で、DCマグネトロスパッ
タリング装置によって、6A、2kWの出力条件で、Mo−Ta
合金薄膜を形成した。
得られた合金膜について、各々、最大抵抗誤差率を計
測した。最大抵抗誤差率は下記式、 ここで、は、スパッタリングターゲットに対応する形
状および面積に成膜された堆積膜の長手方向における重
心Gを通過する中心線を20等分する各点の抵抗の平均値
を意味し、Xは、上記平均値から最も差の大きい抵抗
値を意味する。
第11図にその結果を示す。このグラフにおいて、横軸
は、ターゲットの長手方向の両端から30mmの距離にある
点を中心とする半径28mmの円内(変則エロージョン領
域)に存在するターゲット片の個数を示す。
第11図から明らかなように、変則エロージョン領域に
おいて、くさび形状、3角形、四角形あるいは五角形の
ターゲット片が配置されていない場合は、最大抵抗誤差
率が62%となり抵抗値に大きなバラツキが生じている
が、少なくとも1個以上、さらには4個以上のこれらの
形状を有するターゲット片を配置した場合は、最大抵抗
誤差率は、15%以下あるいは10%以下となり、配線材
料、特に薄膜トランジスタのゲート電極として十分安定
した品質の合金膜が得られることがわかった。
なお、この場合において、ターゲット片の個数が1個
の場合においても良好な結果が得られているのは、変則
エロージョン領域に配置したターゲット片の頂角ないし
中心角を45〜160度の範囲に設定したからである。第13
図は、変則エロージョン領域に配置されるターゲット片
(たとえば、くさび型、台形、五角形など)の頂角ない
し中心角の角度と最大抵抗誤差率の関係を示すグラフで
ある。このグラフから分かるように、変則エロージョン
領域に配置したターゲット片がてすぐれた効果を奏す
る。特に、本発明によるスパッタリングターゲットによ
れば大面積でしかも均質な膜特性の金属薄膜を得ること
ができるので、大面積、高精度、高画質、かつ低コスト
のパネルディスプレイ(フラット型テレビ)に有用な配
線用薄膜の形成に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来のスパッタリングターゲットの平面図、 第2図は、上記第1図のスパッタリングターゲットをス
パッタする場合のエロージョンの様子を示す平面図、 第3図は、第6図ないし第8図は、本発明によるスパッ
タリングターゲットの実施例を示す平面図、 第4図および第5A図は、スパッタリングターゲットをス
パッタする場合のエロージョンの様子ならびに変則エロ
ージョン領域Eを示す説明図であり、第5B図は、第5A図
のVA−VAに沿った断面図、 第9図および第10図は、ターゲット片の形状を示す平面
図、 第11図および第12図は、変則エロージョン領域における
ターゲット片の数と最大抵抗誤差率の関係を示すグラ
フ、 第13図は、ターゲット片(くさび形)の頂角の角度と最
大抵抗誤差率の関係を示すグラフである。 2……モリブデンターゲット片、3……タンタルターゲ
ット片、33……エロージョン領域。

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種以上の材質の組合わせからなるターゲ
    ット片を各材質ごとに分割して複合的に配列してなるス
    パッタリングターゲットであって、 前記スパッタリングターゲットは、曲線形状にエロージ
    ョンが行われる領域の内、スパッタリングターゲットの
    重心から最も離れたエロージョン領域におけるエロージ
    ョン幅を直径とする円によって囲まれる領域として規定
    される変則エロージョン領域を有するものであって、 この変則エロージョン領域の少なくとも1つに、前記タ
    ーゲット片の形状もしくは表面積の少なくとも一方を変
    化させて2種以上の材質からなる、くさび形状、三角形
    ないし五角形、あるいは1曲面の1直線、1曲線と2直
    線または2曲面と2直線によって形成される形状からな
    る群から選ばれた少なくとも1種の形状からなるターゲ
    ット片を各材質ごとに分割しかつ複合的に4個以上配列
    させた部分が、少なくとも部分的に形成されてなること
    を特徴とする、スパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】スパッタリングターゲットをスパッタして
    得られる堆積膜における、下記式で表される最大抵抗誤
    差率が、15%以下である、請求項1に記載のスパッタリ
    ングターゲット。 ここで、は、スパッタリングターゲットに対応する形
    状および面積に成膜された堆積膜の長手方向における中
    心線を20等分する各点における抵抗値の平均値を意味
    し、Xは、上記平均値から最も差の大きい抵抗値を意
    味する。
  3. 【請求項3】前記変則エロージョン領域内に、前記ター
    ゲット片を4〜21個の範囲で分割して配列した、請求項
    1に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 【請求項4】前記変則エロージョン領域内に、前記ター
    ゲット片を4〜16個の範囲で分割して配列した、請求項
    1に記載のスパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】前記変則エロージョン領域の少なくとも1
    つの中に、中心角もしくは頂角45〜160度を有する形状
    のターゲット片が、少なくとも1つ配置されてなる、請
    求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】前記変則エロージョン領域が、複数個存在
    する、請求項3に記載のスパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】個々のターゲット片が単一種類の材質によ
    って形成され、かつ、ターゲット片の組合わせが2種類
    の材質の組合わせからなり、少なくとも1つの変則エロ
    ージョン領域内に配列されるターゲット片の総個数をN
    とした場合におけるいずれか一方の材質のターゲット片
    の数が、(N/)−1個ないし(N/2)+1個である、請
    求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  8. 【請求項8】個々のターゲット片が単一種類の材質によ
    って形成され、かつ、ターゲット片の組合わせが3種類
    の材質の組合わせからなる、請求項1に記載のスパッタ
    リングターゲット。
  9. 【請求項9】ターゲットの中心線に対して、各ターゲッ
    ト片を異なる材質ごとに交互に、かつ、対称に配列させ
    てなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  10. 【請求項10】前記少なくとも1つの変則エロージョン
    領域に配列されるターゲット片の形状が、くさび形、台
    形、四角形、五角形、あるいは1曲線と2直線、または
    2曲線と2直線によって形成される形状から選択される
    形状を有している、請求項1に記載のスパッタリングタ
    ーゲット。
  11. 【請求項11】スパッタリングターゲットが、モリブデ
    ンとタンタルとの複合ターゲットからなる、請求項1に
    記載のスパッタリングターゲット。
  12. 【請求項12】スパッタリングによって形成される堆積
    膜の組成が、原子パーセントで、モリブデン5〜70%、
    タンタル30〜95%ならびに不可避的不純物からなるよう
    に、前記ターゲット片の面積比が調整されてなる、請求
    項11に記載のスパッタリングターゲット。
  13. 【請求項13】2種以上の材質の組合わせからなるター
    ゲット片を各材質ごとに分割して複合的に配列してなる
    スパッタリングターゲットを用いて、基材上に金属薄膜
    を形成する方法であって、 前記スパッタリングターゲットは、曲線形状にエロージ
    ョンが行われる領域の内、スパッタリングターゲットの
    重心から最も離れたエロージョン領域におけるエロージ
    ョン幅を直径とする円によって囲まれる領域として規定
    される変則エロージョン領域を有するものであって、 この変則エロージョン領域内に、前記ターゲット片の形
    状もしくは表面積の少なくとも一方を変化させて2種以
    上の材質からなる、くさび形状、三角形ないし五角形、
    あるいは1曲面と1直線、1曲線と2直線または2曲面
    と2直線によって形成される形状からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の形状からなるターゲット片を各材質
    ごとに分割しかつ複合的に4個以上配列させた部分が、
    少なくとも部分的に形成されてなるスパッタリングター
    ゲットを用意し、 前記スパッタリングターゲットをスパッタすることによ
    り、基材上に堆積膜を形成することからなることを特徴
    とする、金属薄膜の形成方法。
  14. 【請求項14】スパッタリングターゲットをスパッタし
    て得られる堆積膜における、下記式で表される最大抵抗
    誤差率が、15%以下である、請求項13に記載の方法。 ここで、は、スパッタリングターゲットに対応する形
    状および面積に成膜された堆積膜の長手方向における中
    心線を20等分する各点における抵抗値の平均値を意味
    し、Xは、上記平均値から最も差の大きい抵抗値を意
    味する。
  15. 【請求項15】前記スパッタリングターゲットのエロー
    ジョンが、1つのマグネトロンを有するスパッタリング
    装置を用いて行われる、請求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記スパッタリングターゲットのエロー
    ジョンが、複数のマグネトロンを有するスパッタリング
    装置を用いて行われる、請求項13に記載の方法。
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