JP2588250Y2 - 磁性布シート - Google Patents

磁性布シート

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JP2588250Y2
JP2588250Y2 JP5278892U JP5278892U JP2588250Y2 JP 2588250 Y2 JP2588250 Y2 JP 2588250Y2 JP 5278892 U JP5278892 U JP 5278892U JP 5278892 U JP5278892 U JP 5278892U JP 2588250 Y2 JP2588250 Y2 JP 2588250Y2
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chips
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Inventor
彌一 田中
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有限会社タナカマグネ産業
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、上下の布製シート間に
磁性チップスを分布させた磁性布シートに係り、特に磁
性チップスを布間に確実に固定することができる磁性布
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開平3−19948
号公報に示されているように、不織布製造の工程中に、
素材に磁性チップスを混入し、加熱溶融により一体化し
た後、磁性チップスを磁化した磁性不織布は、一般に知
られている。
【0003】この種の磁性不織布は、磁気による健康増
進作用や、磁性チップスのバインダ材による脱臭作用等
が期待できることから、病院用のシーツやおむつカバー
等の素材として用いられることが試みられている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記従来の磁性不織布
においては、磁性チップスを、布の製造工程中にその素
材内に混入しなければならないため、一定の厚さの不織
布に限定されるとともに、既存の織布や不織布を用いて
磁性布シートを製造することができない等の問題があ
る。
【0005】本考案は、かかる現況に鑑みなされたもの
で、布の通気性、柔軟性を損なうことなく、既存の布を
用いて容易に製造することができ、しかも磁性チップス
を均一に安定保持することができる磁性布シートを提供
することにある。
【0006】本考案の他の目的は、布自体の強度が充分
でない場合であっても、充分な強度を得ることができる
磁性布シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記目的を達
成する手段として、多数の開口がほぼ均一に分散して設
けられた合成樹脂シート材上に、磁性材料を小片に切断
して形成される磁性チップスをほぼ均一に分布させると
ともに、これらを、上下の布製シート間に介装し、これ
ら両布製シートおよび磁性チップスを、前記合成樹脂シ
ート材の加熱溶融により一体にするようにしたことを特
徴とする。
【0008】そして、本考案においては、合成樹脂シー
ト材を、熱溶融性合成樹脂の延伸繊維をほぼ升目状に溶
着した網目シートで形成するようにすることが好まし
い。
【0009】
【作用】本考案に係る磁性布シートにおいては、上下の
布製シート間に介装される合成樹脂シート材の加熱溶融
により、両布製シートが一体に溶着固定されるととも
に、磁性チップスも、ほぼ均一に分布した状態で固定さ
れる。このため、既存の布を用いて磁性チップスを均一
に安定保持することが可能となる。しかも、合成樹脂シ
ート材には、多数の開口がほぼ均一に分散して設けられ
ているので、布の通気性および柔軟性を損なうおそれが
ない。
【0010】そして、本考案において、合成樹脂シート
材を、熱溶融性合成樹脂の延伸繊維をほぼ升目状に溶着
した網目シートで形成することにより、布製シート自体
の強度が不充分であっても、前記網目シートで補強さ
れ、充分な強度を有する磁性布シートを得ることが可能
となる。このため、布製シートの選択の範囲を拡げるこ
とができる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を参照して説
明する。図1は、本考案に係る磁性布シートの一例を示
すもので、この磁性布シート1は、合成樹脂シート材2
と、この合成樹脂シート材2上にほぼ均一に分散配置さ
れた磁性チップス3と、合成樹脂シート材2および磁性
チップス3を上下に覆う上下2枚の布製シート4a,4
bとから構成されており、この磁性布シート1は、前記
合成樹脂シート材2の加熱溶融により、全体が一体に溶
着固定されるようになっている。
【0012】前記合成樹脂シート材2は、図2に示すよ
うに、熱溶融性合成樹脂の延伸繊維2aをほぼ升目状に
クロスさせ溶着した薄く通気性のある網目シートで形成
されており、前記延伸繊維2aにより、縦横両方向に対
し充分な強度が得られるようになっている。
【0013】また、前記磁性チップス3は、例えば未着
磁の磁気テープを加熱しながら二軸延伸して断面渦巻状
の繊糸に成形し、繊糸を3〜10mmの小片に切断して形
成されており、この磁性チップス3は、総合の磁着を防
止するため、一体構造の磁性布シート1を製造した後、
着磁処理されるようになっている。
【0014】さらに、前記各布製シート4a,4bは、
各種の織布あるいは不織布の中から、使用目的に合わせ
て任意に選択されるようになっており、かつ、各布製シ
ート4a,4bは、必要に応じ、相互に異なる素材ある
いは素材厚の布が用いられるようになっている。
【0015】次に、本実施例の作用について説明する。
磁性布シート1の製造に際しては、図3に示すように、
布製シート4bの上面に合成樹脂シート材2を配置し、
この合成樹脂シート材2上に、磁性チップス3をほぼ均
一に散布する。
【0016】次いで、この磁性チップス3の上面に、布
製シート4aを配置し、その後これらを、上下の加圧加
熱ローラ5a,5bで加圧しながら加熱する。すると、
前記合成樹脂シート材2が半溶融の状態、すなわち表面
は溶融しているが内部は溶融していにい状態となり、溶
融した表面の合成樹脂により、上下の布製4a,4bお
よび磁性チップス3が、合成樹脂シート材2を介して一
体に溶着固定される。そしてその後、磁性チップス3の
着磁処理がなされ、磁性布シート1が完成する。
【0017】しかして、布製シート4a,4bとして、
既存の布材の中から任意に選択することができるので、
使用目的に合った肌触りの磁性布シート1を得ることが
できる。
【0018】また、両布製4a,4bおよび磁性チップ
ス3を一体に溶着する合成樹脂シート材2として、延伸
繊維2aを用いた薄い網目シートが使用されているの
で、両布製シート4a,4bの通気性および柔軟性を損
なうおそれが全くない。また、この網目シートにより布
製シート4a,4bが補強されるので、布製シート4
a,4bの選択の幅を大幅に拡げることができる。
【0019】なお、前記実施例においては、合成樹脂シ
ート材2として、延伸繊維2aで形成される網目シート
を用いる場合について説明したが、通気性を有する合成
樹脂シート材であれば、例えば多数の小孔がほぼ均一に
分散配置された合成樹脂製のパンチングフィルム等を用
いるようにしてもよい。そしてこの際、引張強度が不足
する場合には、合成樹脂フィルムを延伸処理した後にパ
ンチングしたフィルム材を用いるようにしてもよい。
【0020】また、磁性チップス3は、磁気テープを用
いる必要はなく、強磁性体を担持する磁性材料であれば
どのようなものでもよい。
【0021】
【考案の効果】以上説明したように本考案は、多数の開
口がほぼ均一に分散して設けられた合成樹脂シート材上
に、磁性材料を小片に切断して形成される磁性チップス
を、ほぼ均一に分布させるとともに、これらを、上下の
布製シート間に介装し、これら両布製シートおよび磁性
チップスを、前記合成樹脂シート材の加熱溶融により一
体化するようにしているので、既存の布を用いて磁性チ
ップスを均一に安定保持することができ、しかも布の通
気性および柔軟性を損なうおそれがない。
【0022】そして、本考案において、合成樹脂シート
材を、熱溶融性合成樹脂の延伸繊維をほぼ升目状に溶着
した網目シートで形成することにより、布製シートの強
度不足を網目シートで補強することができる。このた
め、布製シートの選択の幅を大幅に拡大することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例に係る磁性布シートを示す
断面構成図である。
【図2】 合成樹脂シート材として用いられる網目シー
トの構造を示す説明図である。
【図3】 磁性布シートの製造方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…磁性布シート、 2…合成樹脂シート材、 2a…
延伸繊維、 3…磁性チップス、 4a,4b…布製シ
ート。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱溶融性合成樹脂の延伸繊維をほぼ升目
    状に溶着した網目シートからなる合成樹脂シート材上
    に、磁性材料を小片に切断して形成される磁性チップス
    をほぼ均一に分布させるとともに、これらを、上下の布
    製シート間に介装し、これら両布製シートおよび磁性チ
    ップスを、前記合成樹脂シート材の加熱溶融により一体
    化したことを特徴とする磁性布シート
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