JP2587515B2 - ゾーン空調装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は大気中の局部的空間を空調するのに好適なゾ
ーン空調装置に関する。

（従来の技術及びその課題） 従来、大気中の局部的空間を冷房するために所謂スポ
ットクーラと呼ばれる可搬式空気調和機が提案された
が、これは冷風を人の物に向かって吹きつけるので、冷
却しうる空間が極めて小さく、また、人のまわりを高速
の冷風が流過するので人に不快感を与えるという問題が
あった。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記課題を解決するために発明されたもので
あって、第１の発明の要旨とするところは、エアゾーン
内の空気を調和することにより調和空気を発生する調和
空気発生ユニットと、この調和空気発生ユニットで発生
した調和空気を吸引してこれを付勢する送風ユニット
と、上記エアゾーンの上部に配設され上記送風ユニット
から送られた調和空気を膜状として下方に向かって吹き
出すことにより膜状の調和空気流によって囲まれたエア
ゾーンを形成するエアガイドとを備えていることを特徴
とするゾーン空調装置にある。

第２の発明の要旨とするところは、上記調和空気発生
ユニットを上記エアゾーン内下部の固定面上に設置し、
この調和空気発生ユニットで発生した調和空気を上記送
風ユニットに導入するためのダクトを上記調和空気発生
ユニットに立設し、このダクトの上部に上記送風ユニッ
トを取り付け、この送風ユニットに上記エアガイドを一
体化して取り付けたことを特徴とする請求項（１）記載
のゾーン空調装置にある。

第３の発明の要旨とするところは、上記調和空気発生
ユニットの内部に圧縮機と上記エアゾーン内の空気と熱
交換するための利用側熱交換器とを配設するとともに上
記送風ユニット上に設置された熱源ユニット内に熱源側
送風機とこの熱源側送風機によって吸入された上記エア
ゾーン外の空気と熱交換するための熱源側熱交換器とを
配設し、上記圧縮機と利用側熱交換器と熱源側熱交換器
とを冷媒配管を介して連結することによって冷凍サイク
ルを構成したことを特徴とする請求項（１）記載のゾー
ン空調装置にある。

第４の発明の要旨とするところは、上記熱源ユニット
の熱源側送風機と上記送風ユニットの送風機を共通の駆
動源に連動連結したことを特徴とする請求項（３）記載
のゾーン空調装置にある。

（作用） 第１の発明においては、調和空気発生ユニットで発生
した調和空気は送風ユニットにより吸引されてエアガイ
ドに送られ、このエアガイドから下方に向かって吹き出
された膜状の調和空気流によってエアゾーンが形成され
る。

第２の発明においては、調和空気発生ユニットで発生
した調和空気はダクト内を通って送風ユニットに入り、
この送風ユニットと一体化されたエアガイドから吹き出
される。そして、送風ユニット及びエアガイドは調和空
気発生ユニットによりダクトを介してエアゾーンの上部
の大気中に支持される。

第３の発明においては、圧縮機を運転することによっ
て冷媒から冷凍サイクル内を循環し、熱源側熱交換器で
これを流過するエアゾーン外の空気から汲み上げられた
熱が利用側熱交換器でこれを流過するエアゾーン内の空
気に与えられる。

第４の発明においては、熱源ユニットの熱源送風機と
送風ユニットの送風機は共通の駆動源によって同時に駆
動される。

（実施例） 本発明の１実施例が第１図ないし第３図に示されてい
る。

第１図ないし第３図において、１は調和空気発生ユニ
ット、２はエアガイド、３は送風ユニット、４は熱源ユ
ニットである。

調和空気発生ユニット１の円筒状器箱11内中央下部に
は圧縮機12が配設され、この圧縮機12のまわりには器筐
11の周壁11bに形成された吸気口13と対向するように円
環状の利用側熱交換器14が配設されている。この器箱11
はその下面に取り付けられたキャスタ15によってエアゾ
ーン10内下部の地面、床面等の固定面８上を容易に移動
できるようになっている。器箱11の頂板11aの中央部に
は上方に立ち上がる中央のダクト５が立設され、このダ
クト５の上部には送風ユニット３が取り付けられ、ま
た、このダクト５の中途には複数の吸引口６が穿設され
ている。

送風ユニット３はケーシング31とこの内部中央に配設
された送風機32と、これを駆動するためのモータ等の駆
動源33とからなる。この駆動源33は送風ユニット３と熱
源ユニット４とを仕切る隔壁７に固定され、送風機32と
駆動軸34を介して連動連結されている。

エアガイド２は椀状の上部ガイド21とこの下部にこれ
と間隔を隔てて配設された椀状の下部ガイド22からな
り、これら上部ガイド21及び下部ガイド22はその基端が
送風ユニット３のケーシング31に連結されてこれと一体
化され、先端に向かうに従って両者の間隔が次第に狭く
なり、かつ、次第に下方に向かように弯曲せしめられて
いる。

熱源ユニット４は送風ユニット３上に配置され、その
円筒状の器箱41の内部には熱源側送風機42と熱源側熱交
換器43が内臓されている。この熱源送風機42は器箱41の
頂板41aの中央部に形成された排気口44と対向するよう
に器箱41内中央上部に配設され、かつ、駆動源33に駆動
軸45を介して連動連結されている。熱源側熱交換器43は
駆動軸45と同芯の円環状をなし、器箱41の周壁41bに形
成された外気取入口46に対向するように配設されてい
る。

圧縮機12と、利用側熱交換器14と、熱源側熱交換器43
とは図示しない冷媒配管を介して連結されて冷凍サイク
ルを構成している。

しかして、このゾーン空調装置の運転時には駆動源33
及び圧縮機12が駆動される。

圧縮機12が駆動されると、この圧縮機12によって圧縮
された冷媒が熱源側熱交換器43に内に入って凝縮液化
し、図示しないリザーバ、膨張弁等を経て利用側熱交換
器14内に入り、ここで蒸発気化した後、図示しないアキ
ュムレータを経て圧縮機12に戻る。

駆動源33が駆動されると、送風機32が回転し、これに
伴ってエアゾーン10内の空気が調和空気発生ユニット１
の吸気口13から器箱11内に吸い込まれ、利用側熱交換器
14を流過する過程で冷却されて調和空気となる。この調
和空気はダクト５内を通って送風ユニット３のケーシン
グ31内に入り、送風機32によって付勢された後、エアガ
イド２内に入る。そして、その上部ガイド21と下部ガイ
ド22の間に形成された風絡23内を通過する過程で拡散す
ると同時に増速され、その先端の吹出口24から斜め下方
に向かって膜状の調和空気流となって吹き出して固定面
８に衝突する。この膜状の調和空気流とエアガイド２と
固定面８とによって囲まれた円筒状のエアゾーン10が形
成される。

一方、熱源側送風機42が駆動されると、エアゾーン10
の外の空気が熱源ユニット４の外気取入口46を通って器
箱41内に入り、熱源側熱交換器43を流過する過程で昇温
した後、熱源側送風機42によって付勢され、排気口44か
ら大気中に放出される。

エアガイド２から吹き出された膜状の調和空気流は固
定面８に衝突した後、その大部はエアゾーン10外に流出
するが、その一部はエアゾーン10内に流入してエアゾー
ン10内を空調する。

エアゾーン10内の空気を吸引口６からダクト５内に吸
引することによってエアゾーン10内の空気が撹拌され又
はその循環が促進され、かくして、エアゾーン10内の空
気の温度分布が均一化され、また、エアゾーン10内の空
調能力が向上する。

調和空気発生ユニット１をキャスタ15を介して固定面
８上を移動させることによってゾーン空調装置及びこれ
によって形成されるエアゾーン10を容易に移動できる。

なお、上記実施例においては、エアゾーン10内を冷房
する場合について説明したが、冷媒回路内の冷媒を上記
と逆方向に循環させることによってエアゾーン10内を暖
房することができる。

（発明の効果） 第１の発明においては、エアガイドから下方に向かっ
て吹き出される膜状の調和空気流によって大気中に容
易、かつ、迅速にエアゾーンを形成できるとともにこの
エアゾーン内を効果的に空調できる。

そして、このエアゾーン内に居る人には気流が吹き付
けないので、不快感を与えることがなく、また、この人
は膜状の調和空気流を透してその外部を眺めることがで
き、かつ、調和空気流の膜を通ってエアゾーン内に自由
に出入できる。

第２の発明においては、調和空気発生ユニットと送風
ユニットとエアガイドがダクトを介して有機的に一体化
されるとともに調和空気発生ユニットによってダクトを
介して送風ユニット及びエアガイドをエアゾーンの上部
の大気中に支持することができる。また、このダクトは
調和空気の風路と送風ユニット及びエアガイドの支持部
材を兼ねることができる。

第３の発明においては、大気を熱源としエアゾーン内
を空調することができる。また、熱源ユニットを装置と
一体化できると同時にこれをエアゾーン外に設置できる
ので大気を熱源として容易に利用できる。

第４の発明においては、熱源側送風機と送風ユニット
の送風機を共通の駆動源に連動連結したため、駆動源の
数が少なくて足り、構造が簡素化される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の１実施例を示し、第１図
は略示的縦断面図、第２図は第１図のII−II線に沿う横
断面図、第３図は第１図のIII−III線に沿う横断面図で
ある。 エアゾーン……10、調和空気発生ユニット……１、エア
ガイド……２、送風ユニット……３、送風機……32、熱
源ユニット……４、ダクト……５、固定面……８、圧縮
機……12、利用側熱交換器……14、熱源側熱交換器……
43、熱源側送風機……42、駆動源……33、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 文男 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道１番 地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エアゾーン内の空気を調和することにより
   調和空気を発生する調和空気発生ユニットと、この調和
   空気発生ユニットで発生した調和空気を吸引してこれを
   付勢する送風ユニットと、上記エアゾーンの上部に配設
   され上部送風ユニットから送られた調和空気を膜状とし
   て下方に向かって吹き出すことにより膜状の調和空気流
   によって囲まれたエアゾーンを形成するエアガイドとを
   備えていることを特徴とするゾーン空調装置。
2. 【請求項２】上記調和空気発生ユニットを上記エアゾー
   ン内下部の固定面上に設置し、この調和空気発生ユニッ
   トで発生した調和空気を上記送風ユニットに導入するた
   めのグクトを上記調和空気発生ユニットに立設し、この
   ダクトの上部に上記送風ユニットを取り付け、この送風
   ユニットに上記エアガイドを一体化して取り付けたこと
   を特徴とする請求項（１）記載のゾーン空調装置。
3. 【請求項３】上記調和空気発生ユニットの内部に圧縮機
   と上記エアゾーン内の空気と熱交換するための利用側熱
   交換器とを配設するとともに上記送風ユニット上に設置
   された熱源ユニット内に熱源側送風機とこの熱源側送風
   機によって吸入された上記エアゾーン外の空気と熱交換
   するための熱源側熱交換器とを配設し、上記圧縮機と利
   用側熱交換器と熱源側熱交換器とを冷媒配管を介して連
   結することによって冷凍サイクルを構成したことを特徴
   とする請求項（１）記載のゾーン空調装置。
4. 【請求項４】上記熱源ユニットの熱源側送風機と上記送
   風ユニットの送風機を共通の駆動源に連動連結したこと
   を特徴とする請求項（３）記載のゾーン空調装置。