JP2586880Y2 - 巻取り装置付きベルト締付具 - Google Patents

巻取り装置付きベルト締付具

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JP2586880Y2
JP2586880Y2 JP4270393U JP4270393U JP2586880Y2 JP 2586880 Y2 JP2586880 Y2 JP 2586880Y2 JP 4270393 U JP4270393 U JP 4270393U JP 4270393 U JP4270393 U JP 4270393U JP 2586880 Y2 JP2586880 Y2 JP 2586880Y2
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周平 栗林
英男 森
利治 田中
恵 福田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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NSK Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は車両等に積載された積
荷を固定するベルト締付具に関し、特に不使用時にベル
トが収納できる巻取り装置付きベルト締付具の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等に積載された積荷を固定す
るために、積荷に掛け渡されたベルトの一端を締付具の
巻取りシャフトに巻回し、操作レバーを回動操作するこ
とによりラチェット歯車の作用で巻取りシャフトをベル
ト巻取り方向へ回動させ、該巻取りシャフトに巻回され
たベルトを巻き込んで引き締めていた。ところが、この
ような締付具は相当な長さのベルトを有するので、不使
用時においてはこの長いベルトがかえって作業の邪魔に
なり、もつれたり踏んづけられて損傷することが多かっ
た。
【0003】そこで、不使用時にも簡単にベルトが収納
できる巻取り装置付きのベルト締付具が、例えば実開平
2−65738号公報にて提案されている。これは締付
具の巻取り装置からベルトを引き出して積荷に掛け渡
し、ベルトの一端に取付けられた係止金具等の係止手段
を車両等に結合すると、まず余分に引き出されたベルト
の弛み分が巻取りシャフトを常時ベルト巻き込み方向に
付勢するばね手段により巻取りシャフトへ巻き取られ
る。そして、この状態で操作部材を反時計回り方向、時
計回り方向へと往復回動することにより巻取りシャフト
を間歇的にベルト巻き込み方向に強制回転させ、ベルト
を増し締めして積荷を緊締するようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
開平2−65738号公報に開示された締付具において
は、巻取りシャフトをベルト巻き込み方向へ回転させて
ベルトを増し締める場合、操作部材を反時計回り方向及
び時計回り方向へ往復回動操作してベルトを緊張させる
と共に、そのままベルト緊張状態を保持するために操作
部材を少なくとも3段階回動操作せねばならず、操作が
面倒という問題があった。
【0005】即ち、ベルトを自由に引き出せるように、
支持ラチェットと操作ラチェットをラチェット歯と非係
合な状態に保持させておき、ベルトを積荷に掛け渡した
後、まずラチェット歯に支持ラチェットと操作ラチェッ
トを係合させるようにベルト引出し方向へ操作部材を回
動し、次に操作ラチェットをラチェット歯に係合させた
ままベルト巻取り方向へ回動させることでベルトを増し
締める。更に、この状態で操作部材を反時計回り方向及
び時計回り方向へ往復回動操作することにより巻取りシ
ャフトを間歇的にベルト巻き込み方向に強制回転させ、
ベルトを増し締める。そして最後に、操作部材に形成さ
れている押え片で支持ラチェットを外側から押さえ、ラ
チェット歯に支持ラチェットが係合してベルト引出し方
向への回動を阻止している回動ロック状態を保持するよ
うに操作部材をベルト引出し方向に回動させなければな
らなかった。
【0006】従って、本考案の目的は上記課題を解消す
ることに係り、操作部材をベルト巻き込み方向に回動す
るだけでベルトの充分な増し締めと、巻取りシャフトの
ベルト引出し方向への回動ロック状態の保持とを可能と
する巻取り装置付きベルト締付具を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の上記目的は、ベ
ースと、該ベースに回動可能に支持されると共にばね手
段によりベルト巻取り方向に付勢された巻取り軸と、該
巻取り軸に連結されたラチェット歯と、前記ベースに回
動自在に支持されると共にベルト引出し方向に付勢され
た操作部材と、該操作部材に支持され前記ラチェット歯
に噛み合い可能な係合部材と、該係合部材を前記ラチェ
ット歯に噛み合っていない状態に保持する第1の案内部
分とラチェット歯に噛み合ってさらに前記巻取り軸のベ
ルト巻取り方向への強制回転を可能とする第2の案内部
分を有し前記ベースに形成されたガイド孔と、前記ラチ
ェット歯と係合してベルト引出し方向の回転を阻止可能
なロック手段と、該ロック手段をラチェット歯と非係合
な状態に係止可能なロック係止手段と、前記操作部材が
ベルト巻取り方向へ回転された際に該ロック係止手段に
よるロック手段の係止状態を解除可能な解除手段とを備
えた巻取り装置付きベルト締付具により達成される。
【0008】
【作用】本考案の上記構成によれば、使用していない
時、ベルトは巻取り軸に巻き取られ収納されている。次
にベルトで積荷を車体等に固定する場合には、はじめに
ベルトをベルト締付具から引出して積荷に掛け渡し、ベ
ルトの一端に取付けられた係止金具等の係止手段を車体
等に結合する。この時、ロック手段はロック係止手段に
よりラチェット歯と非係合な状態に保持されており、余
分に引き出されたベルトの弛み分はばね手段の付勢力に
より該巻取り軸に巻き取られる。
【0009】この状態でベルトを緊張させるために操作
部材を操作始発点からベルト巻取り方向へ回動操作する
と、操作部材に移動自在に支持され、ベースに形成され
た長孔であるガイド孔に挿通している係合部材が該ガイ
ド孔に沿って第1の案内部分から第2の案内部分へと移
動して巻取り軸に連結されたラチェット歯に係合する。
【0010】更に操作部材を操作最終点までベルト巻取
り方向へ回動操作すると、係合部材が前記ガイド孔に沿
って第2の案内部分に移動し、巻取り軸をベルト巻取り
方向へ強制回転させる。これと同時に、解除手段がロッ
ク係止手段によるロック手段の係止状態を解除するの
で、ロック手段がラチェット歯に係合してベルト引出し
方向の回転を阻止し、ベルトの緊締状態が維持される。
【0011】そして、さらにベルトの増し締めが必要な
場合は、ベルト引出し方向に付勢されて操作始発点に自
動的に復帰する操作部材を必要に応じてベルト巻取り方
向へ回動操作し、係合部材を介して巻取り軸をベルト巻
取り方向へ強制回転させると、積荷に掛け渡されたベル
トが巻取り軸に引き込まれてしっかりと増し締められ、
積荷を緊締する。
【0012】また、ベルトの緊締状態を解除する際に
は、ラチェット歯に係合したロック手段を解除し、該ロ
ック手段をロック係止手段によりラチェット歯と非係合
な状態に保持させることにより、巻取り軸の回動は自由
となってベルトの緊締が解除される。そして、車体等に
結合したベルトの係止手段を解除するとベルトはばね手
段の付勢力で巻取り軸に巻き取られ、収納される。
【0013】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例
を詳細に説明する。図1乃至図5は、本考案の第1実施
例に基づく巻取り装置付きベルト締付具1を示すもので
ある。ベース2は底板2aと該底板2aの両側縁に相対
向して立設されたベース側板2b,2bとからなる。ま
た、該底板2aには車体等にボルトで取付け可能なよう
に取付け穴14が形成されている。該ベース2には巻取
り軸3が回動自在に支持され、外周にラチェット歯4a
を備えたベルトリール4が一体的に連結されている。該
ベルトリール4にはベルト13が巻回されており、前記
巻取り軸3の一端部と連結された渦巻きばねによる強力
なばね手段5により該ベルト13が常時ベルト巻取り方
向に付勢されるようになっている。
【0014】前記巻取り軸3には操作部材7が回動自在
に支持されており、該操作部材7の一対の側板7a,7
aには相対向する各開口7b,7bを貫通して移動可能
に掛け渡された係合部材9が設けられている。更に、該
側板7aには、巻取り軸3に巻装されると共に一端が前
記ベース側板2bに掛止されたリターンスプリング15
の他端が掛止されており、巻取り軸3を回転中心として
ベルト引出し方向(図1中、反時計回り方向)へ操作部
材7を付勢している。
【0015】前記ベース側板2b,2bには相対向する
各ガイド孔8,8を設け、前記係合部材9の両端部を案
内するようになっている。該ガイド孔8,8は弧状の長
穴であり、前記操作部材7に支持された係合部材9が前
記ラチェット歯4aに噛み合わない第1の案内部分8a
と、噛み合ってベルトリール4をさらにベルト巻取り方
向(図1中、時計回り方向)に強制回転するように該係
合部材9を案内付勢する第2の案内部分8bとを有す
る。更に、該第2の案内部分8bは、前記操作部材7に
支持された係合部材9がベルト引出し方向(図1中、反
時計回り方向)へ移動する際にはラチェット歯4aを乗
り越えることができるだけの幅を有している(図4参
照)。
【0016】又、ベース側板2b,2bには相対向する
各扇状穴16,16を貫通して揺動可能に掛け渡され、
ラチェット歯4aと係合してベルト引出し方向の回転を
阻止可能なロック手段であるロック部材10が設けられ
ている。該ロック部材10は、ロック部材基部10bと
ロック解除レバー10aとを有し、扇状穴16,16に
両端部を支持されたロック部材基部10bが前記ラチェ
ット歯4aと係合する方向(図1中、矢印A方向)にば
ね17で付勢されている。
【0017】また、前記ベース側板2bに突設された支
軸19には、ロック部材10をラチェット歯4aと非係
合な状態に係止可能なロック係止手段であるカム部材6
が回動自在に軸支されており、他端をベース側板2bに
掛止されたねじりコイルばね20によってロック部材1
0を係止する方向(図1中、矢印B方向)へ回転付勢さ
れている。そして、該カム部材6の揺動端に形成された
係止部6aは、係止状態のロック部材10が矢印A方向
へ回転しようとする際にはこれを阻止すると共に、該カ
ム部材6に非係止状態のロック部材10が矢印Aと反対
方向へ回転させられて該係止部6aに当接した際にはね
じりコイルばね20の付勢力に抗して該カム部材6を矢
印Bと反対方向へ揺動させてロック部材10を係止可能
とするカム形状を有しいる。尚、ベース側板2bに突設
された円柱状突起であるストッパー12は、前記カム部
材6がねじりコイルばね20の付勢力により所定以上矢
印A方向へ回転するのを規制している。
【0018】更に、前記カム部材6が配設された側の前
記側板7aの揺動端側の下端縁には解除手段である解除
爪7cが突設されており、該解除爪7cは前記操作部材
7がベルト巻取り方向へ回転された際に、カム部材6の
上端縁に当接すると共にこれをベース下方へ押圧し、ね
じりコイルばね20の付勢力に抗してカム部材6を矢印
Bと反対方向へ揺動させることができる。
【0019】そして、一端がベルトリール4に巻回され
たベルト13は、前記ベース側板2b,2bの上端部固
定されたベルトガイド18の挿通口を挿通させられ、そ
の他端には図示しない係止金具等の係止手段が取付けら
れる。次に、上記巻取り装置付きベルト締付具1の作動
を説明する。巻取り装置付きベルト締付具1は、取付け
穴14に挿通されるボルトによって車両に固定されてい
る。図1において、操作部材7はリターンスプリング1
5のばね力によってベルト引出し方向(図1中、反時計
回り方向)に付勢され、係合部材9が第1の案内部分8
aであるガイド孔8,8上端の位置にあるので、該係合
部材9はベルトリール4のラチェット歯4aに非係合の
状態である。また、ロック部材10のロック部材基部1
0bは、ねじりコイルばね20により矢印B方向へ付勢
されたカム部材6の係止部6aによって係止され、ラチ
ェット歯4aと非係合な状態に保持されている。このた
め、一端がベルトリール4と連結されたベルト13は、
ばね手段5によりベルト巻取り方向に付勢されているも
のの引出しは自由であり、この時点で積荷へのベルト掛
け渡しを行い、該ベルト13の係止金具(図示せず)を
図示しない車体の係合部に結合する。ここで、ベルト1
3に生じた弛み分はばね手段5によってベルトリール4
に巻き取られる。
【0020】その後、ベルト13を緊張させるために操
作部材7をベルト巻取り方向(図1中、時計回り方向)
へ回動操作すると、係合部材9が各開口7b,7b内を
揺動すると共にガイド孔8に沿って案内され、ラチェッ
ト歯4aと係合するガイド孔8,8下方の第2の案内部
分8bへと移動する。操作部材7を更にベルト巻取り方
向へ回動操作すると、係合部材9がベルトリール4のラ
チェット歯4aをベルト巻取り方向へ付勢し、強制的に
ベルトリール4をベルト巻取り方向に回転させ、増し締
めが行われる。そして、図3に示されるように、ガイド
孔8,8の下端位置まで係合部材9が移動するように操
作部材7を回動操作すると、前記側板7aに突設された
解除爪7cがカム部材6の上端縁に当接すると共にこれ
をベース下方へ押圧し、ねじりコイルばね20の付勢力
に抗してカム部材6を矢印Bと反対方向へ揺動させる。
そこで、カム部材6によりラチェット歯4aと非係合な
状態に係止されていたロック部材10は、該カム部材6
による係止状態が解除され、ばね17の付勢力により前
記ラチェット歯4aと係合する方向(図3中、矢印A方
向)に回動される。従って、ロック部材10はラチェッ
ト歯4aと係合して巻取り軸3のベルト引出し方向の回
転を阻止し、ベルト13の緊締状態を維持する。
【0021】そして、リターンスプリング15のばね力
によってベルト引出し方向に付勢されている操作部材7
は該締付具の操作者が手を離すと同時に自動的にベルト
引出し方向に回動するが、この際、図4に示すようにガ
イド孔8,8の下端位置から上方へ移動する係合部材9
は、前記ラチェット歯4aを乗り越えながらガイド孔
8,8上端の位置に復帰可能であるので、操作部材7は
何の支障もなく図5に示すような操作始発点に復帰する
ことができる。
【0022】そこで、図5に示すような状態にある巻取
り装置付きベルト締付具1においてさらにベルト13の
増し締めが必要な場合、該ラチェット歯4aは前記ロッ
ク部材10によってベルト引出し方向の回転を阻止され
ているが、ベルト巻取り方向の回転は可能であるので、
前記操作部材7を必要に応じてベルト巻取り方向へ適宜
回動操作するだけで、係合部材9を介してラチェット歯
4aをベルト巻取り方向へ強制回転させることができ、
ベルト13の充分な増し締めと、巻取り軸3のベルト引
出し方向への回動ロック状態の保持とが完了する。
【0023】従って、操作部材7は常にベルトの増し締
め開始位置に自動的に復帰し、ベルト巻取り方向へのみ
回動操作すれば良いので、増し締め作業の簡便化が計
れ、積荷が車体に確実に固定されると共に操作部材7の
足踏み操作も可能となる。次に、ベルト13の緊締状態
を解除するときは、前記ロック部材10のロック解除レ
バー10aを図5中矢印C方向に操作し、ロック部材基
部10bを矢印Aと反対方向に揺動させる。すると、カ
ム部材6の係止部6aに当接した該ロック部材基部10
bは、ねじりコイルばね20の付勢力に抗して該カム部
材6を矢印Bと反対方向へ揺動させながら矢印Aと反対
方向へ揺動し、該カム部材6の係止部6aによって係止
されるので、ラチェット歯4aと非係合な状態に保持さ
れる。
【0024】そこで、ベルトリール4に連結しているば
ね手段5の持つ張力だけがベルト13に作用し、ベルト
リール4は自由に回転可能となるので、前記ベルト13
の係止金具(図示せず)を図示しない車体の係止部から
解除するとベルトリール4に連結しているばね手段5の
付勢力によってベルト13がベルトリール4に巻き込ま
れ、収納される。
【0025】図6乃至図8は、本考案の第2実施例に基
づく巻取り装置付きベルト締付具21を示しており、上
記第1実施例の巻取り装置付きベルト締付具1と同様の
構成部分は同符号を付して詳細な説明を省略する。巻取
り装置付きベルト締付具21は、操作部材7がベルト巻
取り方向へ回転された際に、カム部材6によるロック部
材10の係止状態を解除可能な解除手段として解除レバ
ー22を有している。
【0026】前記解除レバー22は、カム部材6が配設
された側のベース側板2bに突設された支軸23に回動
自在に軸支されており、他端を該ベース側板2bに掛止
されたねじりコイルばね25によって図6中矢印D方向
へ回転付勢されているが、該解除レバー22の一方の揺
動端部22aがベース側板2bに突設された円柱状突起
であるストッパー24に当接して所定以上矢印D方向へ
回転するのを規制されている。又、該解除レバー22の
他方の揺動端部22bは、カム部材6の上端縁に当接し
ている。更に、解除レバー22の揺動端部22aは、操
作部材7がベルト巻取り方向へ回転された際に、側板7
aの揺動端側の下端縁に当接すると共にベース下方へ押
圧されるので、ねじりコイルばね25及びねじりコイル
ばね20の付勢力に抗してカム部材6を矢印Bと反対方
向へ揺動させることができる。
【0027】また、巻取り装置付きベルト締付具21の
操作部材7には、係合部材9を常時ラチェット歯4aと
係合可能な方向へ付勢するための板ばね26が取付けら
れており、該操作部材7をベルト巻取り方向へ回動して
該係合部材9をガイド孔8,8の下端位置まで移動させ
る際に、該係合部材9がラチェット歯4aと非係合な方
向へ逃げることを阻止している。勿論、該板ばね26
は、上記第1実施例の巻取り装置付きベルト締付具1に
も取付けることができる。
【0028】次に、上記巻取り装置付きベルト締付具2
1の作動を簡単に説明する。巻取り装置付きベルト締付
具21は、図6において、操作部材7はリターンスプリ
ング15のばね力によってベルト引出し方向(図6中、
反時計回り方向)に付勢され、係合部材9が第1の案内
部分8aであるガイド孔8,8上端の位置にあるので、
該係合部材9はベルトリール4のラチェット歯4aに非
係合の状態である。また、ロック部材10のロック部材
基部10bは、カム部材6の係止部6aによって係止さ
れ、ラチェット歯4aと非係合な状態に保持されてい
る。このため、ベルト13はばね手段5によりベルト巻
取り方向に付勢されているものの引出しは自由であり、
この時点で積荷へのベルト掛け渡しを行い、該ベルト1
3の係止金具(図示せず)を図示しない車体の係合部に
結合する。ここで、ベルト13に生じた弛み分はばね手
段5によってベルトリール4に巻き取られる。
【0029】その後、ベルト13を緊張させるために操
作部材7をベルト巻取り方向(図6中、時計回り方向)
へ回動操作すると、係合部材9がガイド孔8に沿って案
内され、ラチェット歯4aと係合するガイド孔8,8下
方の第2の案内部分8bへと移動する。操作部材7を更
にベルト巻取り方向へ回動操作すると、係合部材9がベ
ルトリール4のラチェット歯4aをベルト巻取り方向へ
付勢し、強制的にベルトリール4をベルト巻取り方向に
回転させ、増し締めが行われる。この時、係合部材9は
板ばね26によりラチェット歯4aと係合可能な方向へ
常時付勢されているので、ガイド孔8,8内を移動中に
該係合部材9がラチェット歯4aと非係合な方向へ逃げ
てしまいベルトリール4をベルト巻取り方向に回転し損
なうことがない。
【0030】更に、図7に示されるように、ガイド孔
8,8の下端位置まで係合部材9が移動するように操作
部材7を回動操作すると、前記側板7aの揺動端側の下
端縁が前記解除レバー22の揺動端部22aに当接する
と共にこれをねじりコイルばね25の付勢力に抗してベ
ース下方へ押圧するので、該解除レバー22の揺動端部
22bがねじりコイルばね20の付勢力に抗してカム部
材6を矢印Bと反対方向へ揺動させる。そこで、カム部
材6によりラチェット歯4aと非係合な状態に係止され
ていたロック部材10は、係止状態が解除され、ばね1
7の付勢力により前記ラチェット歯4aと係合する方向
(図7中、矢印A方向)に回動される。従って、ロック
部材10はラチェット歯4aと係合して巻取り軸3のベ
ルト引出し方向の回転を阻止し、ベルト13の緊締状態
を維持する。
【0031】そして、リターンスプリング15のばね力
によってベルト引出し方向に付勢されている操作部材7
は該締付具の操作者が手を離すと同時に自動的にベルト
引出し方向に回動し、図8に示すような操作始発点に復
帰する。そこで、図8に示すような状態にある巻取り装
置付きベルト締付具21においてさらにベルト13の増
し締めが必要な場合は、前記操作部材7を必要に応じて
ベルト巻取り方向へ適宜回動操作するだけで、ベルトリ
ール4をベルト巻取り方向へ強制回転させることがで
き、ベルト13の充分な増し締めと、巻取り軸3のベル
ト引出し方向への回動ロック状態の保持とが完了する。
【0032】次に、ベルト13の緊締状態を解除すると
きは、前記ロック部材10のロック解除レバー10aを
図8中矢印C方向に操作し、ロック部材基部10bを矢
印Aと反対方向に揺動させる。すると、カム部材6の係
止部6aに当接した該ロック部材基部10bは、ねじり
コイルばね20の付勢力に抗して該カム部材6を矢印B
と反対方向へ揺動させながら矢印Aと反対方向へ揺動
し、該カム部材6の係止部6aによって係止されるの
で、ラチェット歯4aと非係合な状態に保持される。そ
こで、ベルトリール4は自由に回転可能となるので、前
記ベルト13の係止金具(図示せず)を図示しない車体
の係止部から解除するとばね手段5の付勢力によってベ
ルト13がベルトリール4に巻き込まれ、収納される。
【0033】従って、上記第1実施例の巻取り装置付き
ベルト締付具1と同様の作用効果が得られる。尚、本考
案の上記各実施例においては、操作部材の回動中心を巻
取り軸と同心としたが、該操作部材をベースに回動自在
に支持する為の支軸を該巻取り軸とは別にベース側板に
設けても良く、操作部材及びガイド孔等の形状や、ロッ
ク手段の構成等は種々の形態を採りうることは勿論であ
る。
【0034】又、本考案の巻取り装置付きベルト締付具
は、車両等に積載された積荷を固定するために使用する
ばかりではなく、運搬すべき物品、その積載形態やその
場所等の諸要件に応じて、ベルト締付具の構造や取付け
形態等は適宜変更して実施することができる。更に、本
考案は台車等に載置された物品を緊締する場合にも使用
でき、この場合においてはベルトの係止手段を係止部に
結合するのではなく、積載物品自体に結合することもあ
り得る。また、その他にベルトの係止手段を同締付具本
体に結合することもできる。
【0035】
【考案の効果】即ち、本考案によれば、操作部材をベル
ト巻取り方向へ回動操作するだけで、ベース側板に設け
たられたガイド孔を係合部材が移動して巻取り軸をベル
ト巻取り方向に強制回転させてベルトを充分に増し締
め、ロック手段がこの状態を保持する。
【0036】そこで、操作者は操作部材をベルト巻取り
方向へのみ回動操作すれば良いので、増し締め作業の簡
便化が計れ、操作部材の足踏み操作も可能となる。ま
た、不用意にベルトが引き出されることもなく、積荷を
確実に保持することができる。従って、操作部材をベル
ト巻き込み方向に回動するだけでベルトの充分な増し締
めと、巻取りシャフトのベルト引出し方向への回動ロッ
ク状態の保持とを可能とする巻取り装置付きベルト締付
具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に基づく巻取り装置付きベ
ルト締付具のベルト引出し可能状態を示す部分破断正面
図である。
【図2】図1に示した巻取り装置付きベルト締付具の上
面図である。
【図3】図1に示した巻取り装置付きベルト締付具のロ
ック状態を説明するための断面図である。
【図4】図1に示した巻取り装置付きベルト締付具の部
分拡大断面図である。
【図5】図1に示した巻取り装置付きベルト締付具のロ
ック状態を示す断面図である。
【図6】本考案の第2実施例に基づく巻取り装置付きベ
ルト締付具のベルト引出し可能状態を示す部分破断正面
図である。
【図7】図6に示した巻取り装置付きベルト締付具のロ
ック状態を説明するための断面図である。
【図8】図6に示した巻取り装置付きベルト締付具のロ
ック状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 巻取り装置付きベルト締付具 2 ベース 2a 底板 2b ベース側板 3 巻取り軸 4 ベルトリール 4a ラチェット歯 5 ばね手段 6 カム部材 7 操作部材 8 ガイド孔 8a 第1の案内部分 8b 第2の案内部分 9 係合部材 10 ロック部材 10a ロック解除レバー 10b ロック部材基部 12 ストッパー 13 ベルト 14 取付け穴 15 リターンスプリング 16 扇状穴 17 ばね 18 ベルトガイド 19 支軸 20 ねじりコイルばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田中 利治 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)考案者 福田 恵 神奈川県藤沢市遠藤788番地の7 (56)参考文献 実開 平2−65738(JP,U) 実開 平4−130169(JP,U) 特表 昭59−500171(JP,A) 特表 平4−500404(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16G 11/12 B60P 7/06 B25B 25/00 B65D 63/16

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、該ベースに回動可能に支持さ
    れると共にばね手段によりベルト巻取り方向に付勢され
    た巻取り軸と、該巻取り軸に連結されたラチェット歯
    と、前記ベースに回動自在に支持されると共にベルト引
    出し方向に付勢された操作部材と、該操作部材に支持さ
    れ前記ラチェット歯に噛み合い可能な係合部材と、該係
    合部材を前記ラチェット歯に噛み合っていない状態に保
    持する第1の案内部分とラチェット歯に噛み合ってさら
    に前記巻取り軸のベルト巻取り方向への強制回転を可能
    とする第2の案内部分を有し前記ベースに形成されたガ
    イド孔と、前記ラチェット歯と係合してベルト引出し方
    向の回転を阻止可能なロック手段と、該ロック手段をラ
    チェット歯と非係合な状態に係止可能なロック係止手段
    と、前記操作部材がベルト巻取り方向へ回転された際に
    該ロック係止手段によるロック手段の係止状態を解除可
    能な解除手段とを備えた巻取り装置付きベルト締付具。
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