JP5237865B2 - 車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置 - Google Patents

車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置 Download PDF

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Description

本発明は、前後方向及び幅方向の双方に沿って所定間隔をおいて多数の固縛孔が形成されて、被運搬車両のタイヤを載置する床板材が、荷台の幅方向の両端部に当該荷台の前後方向に沿って固定された車両運搬車において、一人の作業者の片手操作により、締付ベルトを介して被運搬車両のタイヤを前記床板材に固縛するための固縛装置に関するものである。
車両運搬車は、運搬効率を高めるために二階部分を備えたものが多用されている。一方、車両運搬車に対する被運搬車両の搬入、及び搬出は勿論のこと、車両運搬車の荷台に対する被運搬車両の固定、及びその解除までも、当該車両運搬車の運転手が一人で行っているのが実情である。このため、荷台の一階部分においては、荷台に対する被運搬車両の固定、及びその解除は、両手を使用した比較的安定した姿勢で行うことが可能であるが、二階部分においては、荷台の側方からよじ登った姿勢で上記各作業を行わざるを得ず、一方の手で自身の身体を支えるために、前記固定及び解除の各作業は片手で行わざるを得ない。
また、締付ベルトにより被運搬車両を安定して固縛するには、当該締付ベルトがタイヤの幅方向の中央部に配置され、しかも運搬途中においても締付ベルトがタイヤの幅方向にずれないことも必要となり、現実の使用に耐え得るタイヤの固縛装置には、上記した厳しい各条件が要求される。
従来のタイヤの固縛装置の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。この固縛装置は、リング状をした固縛ベルトをタイヤの上部に鉢巻き状に巻き付け、当該固縛ベルトの外側にフックを引っ掛けて、タイヤに対して斜外方を向く張力が作用するように、前記フック、及び周辺のフレームに固定された複数のシーブにワイヤーロープを側面視でハの字状に引っ掛ける構成の被運搬車両の固縛装置が開示されている。しかし、上記固縛装置は、タイヤの上部のみに引っ掛けられるリング状の固縛ベルトの使用により、タイヤに対して斜外下方を向く張力を作用させて、被運搬車両を荷台に固定しているため、荷台に対してタイヤをしっかり固縛できず、繰り返して作用する加減速度によって、荷台に対するタイヤの固縛が緩む恐れがある。また、側面視でワイヤロープをハの字状に配置する複数のシーブは、荷台のフレームに固定されているため、荷台に対する被運搬車両の位置、即ちタイヤの位置が大きく変更された場合は、固縛不能か、又は困難となる問題もあった。
また、上記固縛装置では、車両運搬車の二階部分に載置された被運搬車両のタイヤを一人の作業者の片手操作により行うことは、到底不可能である。更に、タイヤの外周面に沿って締付ベルトを巻き付けた状態で、当該締付ベルトに張力を付与して荷台に対してタイヤを固縛できれば、荷台に対してタイヤをしっかり固定できるが、本固縛構造の実現には次の問題がある。タイヤの外周面に沿って締付ベルトを巻付け可能にするには、当該タイヤの前後に締付ベルトの位置を定めるためのシーブを配置する必要があるが、当該シーブの配置位置が定められていては、荷台に対する被運搬車両の幅方向の位置が変動した場合に対応できず、結果として、シーブに対応する位置に被運搬車両が載せられた場合にのみ締付け可能であって、平面視において締付ベルトが斜めに掛けられたりして、荷台に対する全ての被運搬車両の配置に対応できない。
特開2005−335581号公報
本発明は、多数の滑止め孔が形成された床板材を備えた車両運搬車において、前記滑止め孔を固縛孔として利用することにより、一人の作業者による片手操作が可能であって、しかも被運搬車両の幅方向の配置位置が多少変動しても、締付ベルトの使用により前記床板材に対してタイヤをしっかりと固縛できる装置の提供を課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、前後方向及び幅方向の双方に沿って所定間隔をおいて多数の固縛孔を備え、被運搬車両のタイヤを載置する床板材が、荷台の幅方向の両端部に当該荷台の前後方向に沿って固定された車両運搬車において、先端部に先端フックが連結された締付ベルト、及びシーブ付フックを介して被運搬車両のタイヤを前記床板材に固縛するための固縛装置であって、上面部及び対向する両側面部のうち少なくとも一方の側面部に前記先端フック、及びシーブ付フックを自立姿勢で係合可能な複数のフック係合孔がそれぞれ所定ピッチをおいて形成され、複数の係合部を介して前記床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記床板材に載せられたタイヤに近接した状態で当該タイヤの前方、及び後方にそれぞれ配置される一対のフック係合具と、前記床板材に着脱可能に固定されるか、或いは当該床板材に一体に固定されて、前記締付ベルトに張力を付与するために前記床板材における被運搬車両の搬入・搬出に支障がなく、しかも当該被運搬車両のタイヤの配置位置に近接した位置に配置されるベルト締付機とを備え、被運搬車両のタイヤの前方、及び後方にそれぞれ配置された一対のフック係合具に形成された複数のフック係合孔のうち最適なフック係合孔を選択して、各フック係合具の各フック係合孔に前記先端フック、及びシーブ付フックを自立姿勢で係合させた状態で、前記ベルト締付機の操作によりタイヤに対して締付ベルトを締め付けることにより、一人の作業者の片手操作により、床板材の幅方向に対するタイヤの載置位置とは無関係に、常にタイヤの幅方向の中央部において締付ベルトを巻付可能にしたことを特徴としている。
車両運搬車に載せられた被運搬車両は、左右の各タイヤがそれぞれ荷台に設けられた床板材に載った状態となっている。多くの場合は被運搬車両の対角線方向に配置された2本のタイヤに近接した状態で、当該タイヤの前後にフック係合具をそれぞれ配置して、各フック係合具に設けられた複数の係合部を介して荷台の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して各フック係合具を係合させる。その後に、締付ベルトの先端部に連結された先端フック、及びシーブ付フックを、タイヤの前後に配置された各フック係合具に形成された複数のフック係合孔のうち、タイヤの幅方向の中央部に締付ベルトが配置可能なフック係合孔を選択して、当該選択されたフック係合孔に各フックを挿入して係合させる。
フック係合具の上面部に形成されたフック係合孔に先端フック、及び/又はシーブ付フックを挿入した場合には、当該各フックの先端部は、フック係合具の側面部に形成されたフック係合孔を通って当該フック係合具の外側に突出すると共に、当該各フックの一部(最も低い部分)が床板材における固縛孔に臨む部分に当たると共に、フック係合孔と、当該フック係合孔に挿入されることにより係合されたフックとの間には、当該フック係合孔に対するフックを挿入して係合するのに十分な隙間が形成されているのみで、余分な隙間が形成されていないために、当該各フックは、「自立姿勢」を維持して各フック係合孔に係合される。また、フック係合具の側面部に形成されたフック係合孔からフックの先端部を挿入して、当該フックの先端部をフック係合具の内部に収容させたままの状態、或いは当該フックの先端部がフック係合具の上面部のフック係合孔から僅かに突出している状態のいずれにおいても、上記した理由によって、フックは自立姿勢を維持する。ここで、先端フック又はシーブ付フックの「自立姿勢」とは、「各フックがフック係合孔に係合した状態において、横倒しになることなく起立姿勢を維持していること」をいう。このため、床板材の固縛孔に係合されたフック係合具のフック係合孔に対して先端フック又はシーブ付フックを挿入するのみで、当該フックは横倒しになることなく自立姿勢を維持するので、フック係合具のフック係合孔に対してフックを挿入して係合させる作業は、作業者の片手で行える。
最後に、ベルト締付機を片手で操作して、先端部が先端フックを介して一方のフック係合具に係合されていると共に、中間部が別のフック係合具に係合されたシーブ付フックのシーブに巻き掛けられている締付ベルトに対して張力を付与して締付けると、当該締付ベルトによりタイヤが締め付けられる。タイヤを締め付けている締付ベルトは、平面視においてタイヤの幅方向の中央部に配置されるため、当該締付ベルトに作用する張力は、床板材に対してタイヤを垂直下方に押し付ける押付け力として作用し、しかも締付ベルトの中間部はシーブに巻き付けられていて、タイヤに対する締付ベルトの巻付け角度が大きくなるように確保されているので、床板材に対してタイヤが強固に固定される。
このように、タイヤの前後に配置された各フック係合具のフック係合孔に対する先端フック、及びシーブ付フックの係合操作、及びベルト締付機による締付ベルトの締付操作は、いずれも一人の作業者の片手により行えるので、車両運搬車の二階部分におけるタイヤの締付操作を一人で行える。なお、被運搬車両の搬出時には、上記と逆の順序で、ベルト締付機による締付ベルトを緩める作業、及びフック係合具に対する各フックの係合解除作業を行えばよいので、これらの各作業も当然に一人の作業者の片手作業により行える。
また、請求項2の発明は、前後方向及び幅方向の双方に沿って所定間隔をおいて多数の固縛孔を備え、被運搬車両のタイヤを載置する床板材が、荷台の幅方向の両端部に当該荷台の前後方向に沿って固定された車両運搬車において、先端部に先端フックが連結された締付ベルトを介して被運搬車両の前タイヤを前記床板材に固縛するための固縛装置であって、上面部及び対向する両側面部のうち少なくとも一方の側面部に前記先端フックを自立姿勢で係合可能な複数のフック係合孔が所定ピッチをおいて形成され、複数の係合部を介して前記床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記床板材に載せられた前タイヤの後方に配置される一対のフック係合具と、前記被運搬車両の前タイヤを当てて停止させるためのタイヤ止め具本体が、複数の係合部を介して前記床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記タイヤ止め具本体の長手方向の一端部に配置されたベルト締付機の巻取軸が当該タイヤ止め具本体の長手方向に延長されて、当該延長部の先端部がタイヤ止め具本体に回転可能に支持され、前記巻取軸には、前記締付ベルトの余長部を巻取るためのベルト巻取体がスライド可能に取付けられた構成のタイヤ止め具とを備え、前記ベルト締付機は、締付機本体に対して巻取レバーが一体に連結された構成であり、被運搬車両の前タイヤの後方に配置されたフック係合具に形成された複数のフック係合孔のうち前タイヤ配置位置との関係で最適なフック係合孔を選択すると共に、前記タイヤ止め具のベルト巻取体を前タイヤ配置位置との関係で最適位置にスライドさせて、フック係合具のフック係合孔に前記先端フックを自立姿勢で係合させた状態で、前記タイヤ止め具に備え付けのベルト締付機の操作により前タイヤに対して締付ベルトを締め付けることにより、一人の作業者の片手操作により、床板材の幅方向に対する前タイヤの載置位置とは無関係に、常に前タイヤの幅方向の中央部において締付ベルトを巻付可能にしたことを特徴としている。
請求項2の発明は、車両運搬車の荷台に被運搬車両を載せて搬送する際に必ず使用されるタイヤ止め具にベルト締付機を備え付けて、当該タイヤ止め具に本来の車止め機能に加えて、タイヤの固縛機能を付加したことに特徴が存在する。前タイヤの後方に配置するフック係合具の構成、及び先端フックの係合作用は、請求項1の発明におけるフック係合具と同一であるので、タイヤの固縛機能を備えたタイヤ止め具を中心にして、請求項2の発明の作用を説明する。
まず、請求項1の発明と同様にして、荷台に載せられた被運搬車両の前タイヤの幅方向の中央部に締付ベルトが配置されるように、当該前タイヤの前方、及び後方にタイヤ止め具、及びフック係合具をそれぞれ配置して、各係合部を介して荷台の幅方向に沿った複数の固縛孔に係合させる。まず、前タイヤとの関係で適正位置に配置されたフック係合具の複数のフック係合孔のうち、前タイヤの幅方向の中央部に締付ベルトが配置される特定のフック係合孔を選択して、当該選択されたフック係合孔に、締付ベルトの先端部の先端フックを係合させて、自立させておく。次に、前タイヤの幅方向の中央部に締付ベルトが配置されるように、タイヤ止め具に一体化されたベルト締付機の巻取軸に嵌め込まれているベルト巻取体を適正位置までスライドさせ、この状態で、タイヤ止め具の長手方向の一端部に備え付けられているベルト締付機を片手で操作して、締付ベルトに張力を加えて床板材に対して前タイヤを押し付けると、当該前タイヤは床板材に対して固縛される。
請求項2の発明においても、前タイヤの後方に配置されたフック係合具に対する先端フックの係合操作、及びタイヤ止め具に備え付けのベルト締付機の締付操作は、いずれも一人の作業者の片手により行えるので、車両運搬車の二階部分に載せられた被運搬車両の前タイヤを床板材に対して固縛できる。
請求項2の発明によれば、被運搬車両の搬送に不可避なタイヤ止め具にベルト締付機を備え付けることにより、当該タイヤ止め具を前タイヤの固縛装置の構成要素としていると共に、締付ベルトの途中部分を巻き掛けるシーブが不要となって、前タイヤの固縛に必要な締付ベルトの有効ベルト長を最短にでき、その結果、固縛装置の構成が簡単となる。また、請求項2の発明を構成するベルト締付機は、締付機本体に対して巻取レバーが一体に連結された構成であるので、別体の巻取レバーの場合には、当該巻取レバーを手で持って被運搬車両の周辺を移動することにより、当該被運搬車両を損傷させる恐れがあるが、この恐れがないと共に、別途巻取レバーを準備して用意する必要性、及びその紛失の恐れもない。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記フック係合具は、底部が開口された角筒状のフック係合具本体と、上部が開口した短角筒状をしていて、前記床板材における固縛孔に臨む部分に係合される床板材係合孔が、対向する両側板部に一端が開口状態で前記フック係合具本体の幅方向に沿って形成され、前記フック係合具本体の開口底面よりも下方に配置される一対の係合体とで構成され、前記フック係合具本体と一対の係合体とは、一体に固着されていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、フック係合具本体を傾斜姿勢にして、荷台の幅方向に沿った一対の固縛孔に対して一対の係合体を挿入して、各係合体の床板材係合孔に対して床板材における固縛孔に臨む部分を挿入して、フック係合具本体を徐々に水平姿勢に戻すことにより、固縛孔に係合が完全に挿入された形態となって、床板材(固縛孔)に対してフック係合具が係合される。よって、外観上は、一対の係合体が露出せずに、床板材に対してフック係合具を単に載せたのみの状態となるため、床板材(固縛孔)に対してフック係合具の係合操作が容易であると共に、一対の係合体が全く障害とならない。また、フック係合具本体の底部が開口しているので、当該フック係合具本体の底面開口を超えてフックの一部を配置したり、更には当該フックの一部を固縛孔に配置することが可能となって、当該フック係合具本体の高さをそれ程高くしなくても、当該フック係合具本体、或いは床板材の固縛孔に対する係合の自由度が高まる利点がある。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記フック係合具には、係合部を介して当該フック係合具を床板材における固縛孔に臨む部分に係合させた状態で、当該係合部の床板材係合孔と反対側の部分と、固縛孔の周縁部との間に形成される隙間を閉塞するための隙間閉塞具がフック係合具の側板部に回動可能に取付けられていることを特徴としている。
床板材における固縛孔に臨む部分に対してフック係合具を係合・解除可能にするために、係合部における荷台の前後方向に沿った寸法を小さくせざるを得ない場合があり、床板材における固縛孔に臨む部分をフック係合具の係合部を係合させた状態において、当該係合部の床板材係合孔と反対側の部分と、固縛孔の周縁部との間に隙間が形成されることがある。しかし、請求項4の発明によれば、フック係合具に前記隙間を閉塞させるための隙間閉塞具が回動可能に取付けられているので、係合操作時においては、係合部の係合が可能なように前記隙間閉塞具を回避させておき、係合部が係合された後に、前記隙間閉塞具を回動させて、前記隙間を閉塞させる。これにより、車両運搬車が被運搬車両を運搬することなく空荷で走行する場合において、床板材に対するフック係合具の係合が解除されなくなる。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記フック係合具の長手方向の両端部は、傾斜した閉塞板部で閉塞されていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、角筒状のフック係合具の長手方向の両端部が開口されたままであると、当該開口部分が他の部材と引っ掛かったり、或いは開口構造によりフック係合具の強度自体も弱いが、フック係合具の両端開口が傾斜した閉塞板部で閉塞されることにより、引掛り部がなくなると共に、フック係合具自体の強度も高まる。
また、請求項6の発明は、請求項2ないし5のいずれかの発明において、前記タイヤ止め具本体は、締付ベルトにおけるベルト巻取体に巻取られていない余長部、或いは締付ベルトの全体を収容するためのベルト収容空間部を備えていることを特徴としている。
車両運搬車に載せられる被運搬車両には、種々のタイプがあり、それに応じてタイヤサイズも異なるので、締付ベルトのベルト長は、有効長(締付張力が作用する部分の長さ)よりも遥かに長く設けられているため、余長部が必然的に発生する。請求項6の発明では、タイヤ止め具本体に、締付ベルトの余長部を収容するための収容部を備えているので、締付ベルトの余長部を収容部に収容して被運搬車両を搬送することにより、搬送時に締付ベルトの余長部が伸びたままとなるのを防止できる。また、タイヤ止め具は、一台の被運搬車両の搬入及び搬出の都度脱着し、車両運搬車の空荷走行の場合には、タイヤ止め具は所定の保管場所に保管しておくのであるが、この際に、締付ベルトの全体をベルト収容空間部に収容しておくことにより、長い締付ベルトの取り扱いが容易となる。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記タイヤ止め具本体は、そのベルト収容空間部に収容された締付ベルトの余長部、或いは締付ベルトの全体を覆うためのネットを備えていることを特徴としている。
請求項7の発明によればタイヤ止め具本体のベルト収容空間部に収容された締付ベルトの余長部、或いは締付ベルトの全体が不意に飛び出すのを確実に防止できる。
また、請求項8の発明は、請求項2ないし7のいずれかの発明において、前記タイヤ止め具本体に設けられた複数の係合部は、短角筒状をしていて、前記床板材における固縛孔に臨む部分に係合される床板材係合孔が、対向する両側板部に一端が開口状態で前記タイヤ止め具本体の幅方向に沿って形成され、前記タイヤ止め具本体の底面よりも下方に配置される係合体で構成されることを特徴としている。
請求項8の発明の作用効果は、請求項3の発明の作用効果と実質的に同一である。
請求項9の発明は、請求項2ないし7のいずれかの発明において、前記タイヤ止め具本体に設けられた複数の係合部は、当該タイヤ止め具本体の底面から斜下方に向けて突出した状態で一体に形成された一対の係合棒で形成されていることを特徴としている。
請求項9の発明によれば、タイヤ止め具本体に設けられる複数の係合部が簡単な構成となって、固縛孔に対する係合及びその解除の各作業が容易となる。
請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかの発明において、タイヤの周方向の一部のみに部分的に配置されるベルトスリーブを備え、前記締付ベルトは、前記ベルトスリーブの内側に挿通して使用されることを特徴としている。
締付ベルトは、広い幅を有しており、しかもタイヤに対する巻付角度は、大きな程、固縛効果が高まるので、可能な限り大きくしている。この性質の異なる二つの要素が重畳して、タイヤの外周面と幅広の締付ベルトとの密着面積が大きくなって、両者間の摩擦抵抗が大きくなる結果、ベルト締付機による締付ベルトの締付力の一部が前記摩擦抵抗により相殺されて、締付ベルトの締付力を大きくしても、床板材に対する固縛効果が高まらない現象が発生する。請求項10の発明によれば、タイヤの周方向の一部のみに配置されるベルトスリーブ内に締付ベルトを通しているので、前記摩擦抵抗を低減させることができて、締付ベルトの締付力に対応した固縛効果を得ることができる。
また、請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記ベルトスリーブは、タイヤの最も高い部分を基準にして、ベルト締付機の配置側と反対側の配置長が、当該ベルト締付機の側の配置長よりも長くなるように当該タイヤに対して配置されることを特徴としている。
タイヤの外周面と、当該タイヤに巻き掛けられた締付ベルトとの間の摩擦抵抗は、タイヤの最も高い部分を基準にして、ベルト締付機の配置側と反対側であることが分かっている。このため、請求項11の発明では、ベルトスリーブは、タイヤの最も高い部分を基準にして、ベルト締付機の配置側と反対側の配置長が、当該ベルト締付機の側の配置長よりも長くなるように当該タイヤに対して配置することにより、前記摩擦抵抗も最も効果的に低減させられる。
請求項1の発明によれば、前後方向及び幅方向の双方に沿って所定間隔をおいて多数の固縛孔を備え、被運搬車両のタイヤを載置する床板材が、荷台の幅方向の両端部に当該荷台の前後方向に沿って固定された車両運搬車において、先端部に先端フックが連結された締付ベルト、及びシーブ付フックを介して被運搬車両のタイヤを前記床板材に固縛するに際して、上面部及び対向する両側面部のうち少なくとも一方の側面部に、前記先端フック及びシーブ付フックを自立姿勢で係合可能な複数のフック係合孔が所定ピッチをおいて形成され、複数の係合部を介して床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記床板材に載せられたタイヤの前方、及び後方に配置される一対のフック係合具を使用しているので、タイヤの前後に配置された各フック係合具のフック係合孔に対する先端フック、及びシーブ付フックの係合操作、及びベルト締付機による締付ベルトの締付操作は、いずれも一人の作業者の片手により行えるので、車両運搬車の二階部分におけるタイヤの締付、及びその解除の操作を一人で行える。
請求項2の発明によれば、車両運搬車の荷台に被運搬車両を載せて搬送する際に必ず使用されるタイヤ止め具にベルト締付機を備え付けて、当該タイヤ止め具に本来の車止め機能に加えて、タイヤの固縛機能を付加してあるので、荷台に載せられた被運搬車両の前タイヤの幅方向の中央部に締付ベルトが配置されるように、当該前タイヤの前方に配置されたタイヤ止め具に設けられた巻取軸の軸方向に対するベルト巻取体の位置を定めると共に、当該前タイヤの後方に配置されたフック係合具の複数のフック係合孔のうち最適なフック係合孔を選択して、当該フック係合孔に、締付ベルトの先端部の先端フックを自立姿勢を維持して係合させ、この状態でベルト締付機により締付ベルトに張力を加えると、張力が付与された締付ベルトにより床板材に対して前タイヤが固縛される。このように、請求項2の発明においても、前タイヤの後方に配置されたフック係合具に対する先端フックの係合操作、及びタイヤ止め具に備え付けのベルト締付機の締付操作は、いずれも一人の作業者の片手により行えるので、車両運搬車の二階部分に載せられた被運搬車両の前タイヤを床板材に対して固縛できる。また、締付機本体に対して巻取レバーが一体に連結された構成であるので、別体の巻取レバーの場合には、当該巻取レバーを手で持って被運搬車両の周辺を移動することにより、当該被運搬車両を損傷させる恐れがあるが、この恐れがないと共に、別途巻取レバーを準備して用意する必要性、及びその紛失の恐れもない。
タイヤ固縛装置B1 により荷台の左右両端部の床板材Pに載せられた被運搬車両CのタイヤTが固縛された状態の斜視図である。 同じく平面図である。 同じく締付ベルトVの締付け前の状態の側面図である。 同じく締付ベルトVの締付け後の状態の側面図である。 フック係合具Aに対する先端フックF1 の係合状態、及び床板材Pを示す部分拡大斜視図である。 フック係合具Aに対するシーブ付フックF2 の係合状態、及び床板材Pを示す部分拡大斜視図である。 締付ベルトVの斜視図である。 ベルト締付機D1 の縦断面図である。 フック係合具Aを斜下方から見た分解斜視図である。 (a),(b)は、それぞれフック係合具Aを斜上方及び斜下方から見た斜視図である。 (a),(b)は、床板材Pの固縛孔Hに対してフック係合具Aを係合させる順序を示す断面図である。 フック係合具Aが固縛孔Hに係合された状態における係合体16の部分の平面断面図である。 タイヤTの前側に配置されたフック係合具Aの第1及び第2の各フック係合孔19,22に先端フックF1 が自立姿勢で係合された状態の側面断面図である。 (a),(b)は、それぞれタイヤTの後側に配置されたフック係合具Aの第2フック係合孔22にシーブ付フックF2 が係合された状態、並びに第1及び第2の各フック係合孔19,22にシーブ付フックF2 が係合された状態の側面断面図である。 タイヤ固縛装置B2 により荷台の左右両端部の床板材Pに載せられた被運搬車両CのタイヤTが固縛された状態の斜視図である。 同じく平面図である。 同じく側面図である。 (a),(b)は、それぞれベルト締付機D2 を一体に備えたタイヤ止め具Sを斜上方及び斜下方から見た斜視図である。 ベルト巻取体36のスライド構造を主体に示すタイヤ止め具Sの平面断面図である。 タイヤ止め具Sのベルト巻取体36に対する締付ベルトVの巻取構造を主体に示す模式的横断面図である。 ベルト巻取体36に対する締付ベルトVの巻取初期の状態を示す模式的断面図である。 タイヤ止め具Sのベルト締付機D2 の側の側面図である。 タイヤ止め具Sと飛出し防止ネット45とを分離させた状態の斜視図である。 タイヤ止め具本体31のベルト収容空間部44に締付ベルトVの余長部V’を収容した状態の斜視図である。 タイヤ止め具本体31のベルト収容空間部44に締付ベルトVの全体を収容した状態の斜視図である。 一対の係合棒48を備えたタイヤ止め具Sが床板材Pの固縛孔Hに係合される前後を示す斜視図である。 同じく係合状態の模式的断面図である。
以下、請求項1及び同2の各発明について、実施例を挙げて更に詳細に説明する。
最初に、請求項1の発明に係るタイヤ固縛装置B1 について説明する。図1は、タイヤ固縛装置B1 により荷台の左右両端部の床板材Pに載せられた被運搬車両CのタイヤTが固縛された状態の斜視図であり、図2は、同じく平面図であり、図3及び図4は、それぞれ締付ベルトVを締め付ける前後の状態の側面図であり、図5及び図6は、それぞれフック係合具Aに対する先端フックF1 及びシーブ付フックF2 の各係合状態、及び床板材Pを示す部分拡大斜視図であり、図7は、締付ベルトVの斜視図である。
車両運搬車の荷台の幅方向Qの両端部には、多数の固縛孔Hが形成された床板材Pが当該荷台の前後方向に沿って配置されて、被運搬車両の左右の各タイヤTは、荷台の左右両端部に配置された各床板材Pに載せられて、本発明に係るタイヤ固縛装置B1 により締付ベルトVを用いて床板材Pに対して固縛される。床板材Pは、図1〜図6に示されるように、板厚3mm程度の亜鉛メッキを施した鋼鈑系の金属であって、車両運搬車の荷台に固定配置した状態において、幅方向Q及び前後方向Rに沿った多数の固縛孔Hが形成されている。固縛孔Hは、床板材Pの幅方向Qに沿って小判形状であって、固縛孔Hの間の板体部91における当該固縛孔Hに臨む全周部分は、僅かに上面側に向けて膨出されていて、固縛孔Hの周縁部にはのこ刃状をした凹凸部92が形成されている(図3〜図6参照)。固縛孔Hの長さと幅は、ほぼ(70×30mm)である。床板材Pに固縛孔Hを形成する本来的な目的は、タイヤTに対する滑り抵抗の付与と、当該床板材P自体の軽量化であるが、請求項1の発明においては、既に車両運搬車に取付けられている床板材Pに設けられた孔を、締付ベルトVを介してタイヤTを固縛する際の固縛孔として使用するものである。なお、床板材Pは、一定幅の一定長さの床板材の単板を多数成形して、車両運搬車の荷台に前後方向に連続するように、溶接等により荷台のフレームに固定される。
請求項1の発明のタイヤ固縛装置B1 は、先端部に先端フックF1 が連結された締付ベルトVと、床板材Pに載せられたタイヤTの位置に対応して、前記先端フックF1 及び締付ベルトVの中間部を巻き掛けるシーブ3を備えたシーブ付フックF2 の前記床板材P(又は車両運搬車の荷台)の幅方向Qに沿った係合位置を変更可能にするためにタイヤTに近接して当該タイヤTの前後に配置される一対のフック係合具Aと、先端フックF1 がフック係合具Aに係合されて、タイヤTに巻き掛けられた締付ベルトVに張力を付与するためのベルト締付機D1 とを備えている。先端フックF1 及びシーブ付フックF2 の係合部(引掛り部)は、2本の棒材が幅方向に重なりあって幅広となった構成であり、この幅広の構成が、後述するフック係合具Aの円形の第1及び第2の各フック係合孔19,22に対して係合された場合における自立姿勢を維持し易くしている。また、ベルト締付機D1 は、図1及び図2に示されるように、床板材Pにおける被運搬車両Cの搬入・搬出に支障がなく、しかもタイヤTに近接した位置である床板材Pの幅方向Qの外側端部に、溶接等により床板材Pに一体に固定されている。なお、ベルト締付機D1 は、床板材Pに対して着脱可能にしてもよい。
次に、図7を主体にして、締付ベルトVについて説明する。締付ベルトVは、ボリエステル等から幅広に成形されていて、先端部に先端フックF1 が連結金具1を介して連結され、当該締付ベルトVの途中部分を巻き掛けて方向を変換させるためのシーブ付フックF2 を備えている。シーブ付フックF2 は、ブラケット部2に支持されたシーブ3に当該締付ベルトVが巻き掛けられる。締付ベルトVの余長部は、ベルト締付機D1 に巻き取られる。また、大きな巻付角度で締付ベルトVをタイヤTに巻き付けた状態で、ベルト締付機D1 により当該締付ベルトVに張力を加えた場合に、当該締付ベルトVとタイヤTの外周面との摩擦抵抗により、ベルト締付機D1 により付与される張力が締付ベルトVに有効に作用しない現象が発生する。この現象を解消するために、締付ベルトVは、当該締付ベルトVの幅よりも僅かに大きな内幅を有していて、タイヤTの外周面の周方向の一部のみに配置されるベルトスリーブ10に挿入されて使用される。ベルトスリーブ10は、ナイロン等から製作され、使用状態で扁平筒状となる。
また、本発明のタイヤ固縛装置B1 を構成するベルト締付機D1 は、タイヤTの外周面に巻き掛けられる締付ベルトVに張力を付与できればいかなる構造であっても構わない。図1〜図4及び図8に示されるベルト締付機D1 は、ラチェット機構をした形式のものであって、軸方向の両端部に一対のラチェット4を一体に取付けた巻取軸5が先端部に回転可能に支持された締付機本体6と、前記一対のラチェット4に対して係合・離脱するラチェット係合板7を備え、前記巻取軸5に対して回動可能に支持されて当該巻取軸5に対して締付ベルトVを巻き取るための巻取レバー8とから成り、巻取軸5を中心にして巻取レバー8を往復回動させると、往回動時には圧縮バネ9により各ラチェット4に付勢状態で係合しているラチェット係合板7により巻取軸5が回動されて締付ベルトVを所定長さだけ巻き取ると共に、復回動時には、前記ラチェット係合板7が各ラチェット4の爪部の上端面を滑って元の位置に戻ることにより、締付ベルトVを徐々に巻き取って当該締付ベルトVに所定の張力を付与する構成である。また、締付ベルトVの巻取時には、圧縮バネ20の付勢力により、逆転防止係合板11が各ラチェット4に係合していて、締付ベルトVの巻取時における巻取軸5の逆回転を防止している。なお、締付ベルトVを巻き戻すには、巻取レバー8を通常の巻取回動端を超えて回動させて、締付機本体6の先端のカム板12の係合凹部12aに逆転防止係合板12を係合させることにより、逆転防止係合板11とラチェット4との係合が解除されて、締付ベルトVが巻き戻される。
そして、ベルト締付機D1 との関係における請求項1の発明の意義は、ベルト締付機D1 の構造自体ではなくて、当該ベルト締付機D1 を床板材Pに固定する構造、及びその位置に存在する。ベルト締付機D1 は、図1及び図2に示されるように、被運搬車両Cの搬入・搬出に障害とならない床板材Pにおける幅方向Qの外側であって、しかも固縛対象であるタイヤTの近辺に、全体が回動可能なように連結状態で配置される。即ち、図8に示されるように、床板材Pには、上面に回動支持部13aを備えた締付機固定体13が固定され、前記回動支持部13aの外側に、締付機本体6の下端部に設けらた嵌合体14が回動可能に嵌合されることにより、ベルト締付機D1 は、締付機固定体13に回動可能となって連結される。
次に、図1、図9〜図12を参照して、フック係合具Aについて説明する。図9は、フック係合具Aを斜下方から見た分解斜視図であり、図10(a),(b)は、それぞれフック係合具Aを斜上方及び斜下方から見た斜視図であり、図11(a),(b)は、床板材Pの固縛孔Hに対してフック係合具Aを係合させる順序を示す断面図であり、図12は、フック係合具Aが固縛孔Hに係合された状態における係合体16の部分の平面断面図である。フック係合具Aは、締付ベルトVに連結された先端フックF1 及びシーブ付フックF2 を自立姿勢を維持して係合可能にすることにより、一人の作業者の片手のみでフック係合具Aに対する各フックF1 ,F2 の係合及びその解除の各操作を行えるようにした部材である。
フック係合具Aは、底部が開口された扁平角筒状のフック係合具本体15と、床板材Pの幅方向Qに沿った2つの固縛孔Hに対して係合可能なように、前記フック係合具本体15の長手方向に沿って所定間隔をおいて一体に設けられた係合体16と、前記フック係合具本体15における係合体16の床板材係合孔25が開口している側と反対側の側板部21bに回動可能に取付けられた隙間閉塞板17とで構成される。フック係合具本体15の上板部18には、前記各フックF1 ,F2 が挿入可能な大きさの円形の第1フック係合孔19が長手方向に沿って一定間隔をおいて設けられていると共に、前記隙間閉塞板17が取付けられる側板部21bと対向する別の側板部21aには、下端面に開口した半円形の第2フック係合孔22が、長手方向に沿って前記第1フック係合孔19と対応する位置にそれぞれ形成されている。フック係合具本体15の側板部21bには、隙間閉塞板17が回動支持軸23を介して回動可能に支持されている。隙間閉塞板17は、床板材Pの固縛孔Hに係合体16の前後方向に沿ったほぼ半分が挿入された状態で、当該係合体16の端面と、固縛孔Hの周縁部との間に形成される隙間27(図12参照)を閉塞するための部材であって、操作板部17aと閉塞板部17bとから成る。フック係合具本体15の側板部21bにおける隙間閉塞板17と干渉しない部分には、複数の第2フック係合孔22が形成されている。また、フック係合具本体15の長手方向の両端部は、傾斜した閉塞板部26で閉塞されて、当該フック係合具本体15の全体の強度を高めていると共に、開口構造による引掛り部の存在を解消している。
フック係合具本体15に一体に取付けられる一対の係合体16は、その上半部が当該フック係合具本体15の内側に隙間なく挿入される大きさを有していて、対向側板部24には、フック係合具本体15の幅方向に沿って一端が開口した床板材係合孔25が形成されており、対向側板部24における床板材係合孔25の開口部と反対の部分には、前記隙間閉塞板17の閉塞板部17bを挿入可能な一対の突出片24aが形成されており、対向側板部24における一対の突出片24aよりも下方の部分は、フック係合具本体15に一体に取付けられた一対の係合体16を固縛孔Hに係合させる際に、当該係合を可能にするための逃し部24bが設けられている。なお図中、Rは荷台の前後方向(床板材Pの長手方向)を示す。
そして、上記した締付ベルトV、ベルト締付機D1 及び一対のフック係合具Aを用いて車両運搬車の荷台の左右両端部に前後方向に配置した床板材Pに載せられた被運搬車両CのタイヤTを固縛するには、以下のようにして行う。まず、図1〜図3に示されるように、タイヤTに対する締付ベルトVの巻付角度が可能な限り大きくなるような当該タイヤTの前後の複数の固縛孔Hを選択して、タイヤTに近接して、その前後に配置された一対のフック係合具Aを各固縛孔Hに対して係合させる。即ち、フック係合具本体15に回動可能に支持された隙間閉塞板17を作用位置から離反させた状態で、図11(a)に示されるように、床板材Pに対してフック係合具本体15を傾斜させて、床板材Pにおける固縛孔Hに臨む部分を、一対の係合体16に形成された床板材係合孔25に対して相対的に挿入させながら、フック係合具本体15を水平姿勢に戻すと、一対の係合体16のほぼ下半部が固縛孔Hを通して床板材Pの下方に配置されて、図11(b)に示されるように、当該床板材Pに対して一対の係合体16が係合される。次に、隙間閉塞板17を回動させて作用位置に配置させると、当該隙間閉塞板17は、係合体16の一対の突出片24aの間に配置されて、係合体16の端面と固縛孔Hの周縁部との間に、固縛孔Hに対する係合体16の係合を可能にするための隙間27が閉塞される。
また、床板材Pの幅方向Qに沿って配置されるフック係合具Aの前後の関係は、全く問題とならない。即ち、図示の配置例は、タイヤTの前後に配置される一対のフック係合具Aは、いずれも隙間閉塞板17がベルト締付機D1 と対向するように配置されていて、即ち、第2フック係合孔22の形成数が多い側がベルト締付機D1 と反対側に配置されていて、先端フックF1 及びシーブ付フックF2 との係合の関係で、第2フック係合孔22の選択数が多くなるようにしてあるが、反対の配置にすることも可能である。
先端フックF1 及びシーブ付フックF2 を自立姿勢で係合させるためのフック係合具本体15の高さは、フック係合具Aを床板材Pに係合させたままの状態でも被運搬車両CのタイヤTの通過を可能にする程度であるので、フック係合具Aは、被運搬車両Cを搬出した後においても、床板材Pに係合させたままにしておくことが多い。このため、隙間閉塞板17により前記隙間27が閉塞されていない場合には、車両運搬車が被運搬車両Cを運搬することなく空荷で走行する場合において、振動等により床板材Pからフック係合具Aが外れる恐れがあるが、隙間閉塞板17を使用して前記隙間27が閉塞されることにより、床板材Pに対するフック係合具Aの係合が解除されなくなる。
次に、図3、図13及び図14に示されるようにして、タイヤTの前後に配置された各フック係合具Aの第1及び第2の各フック係合孔19,22を使用して、各フック係合具Aに対して締付ベルトVの先端フックF1 及びシーブ付フックF2 を自立姿勢を維持して係合させる。図13は、タイヤTの前側に配置されたフック係合具Aの第1及び第2の各フック係合孔19,22に先端フックF1 が自立姿勢で係合された状態の側面断面図であり、図14(a),(b)は、それぞれタイヤTの後側に配置されたフック係合具Aの第2フック係合孔22にシーブ付フックF2 が係合された状態、並びに第1及び第2の各フック係合孔19,22にシーブ付フックF2 が係合された状態の側面断面図である。
フック係合具Aに形成された複数の第1及び第2の各フック係合孔19,22から1つのフック係合孔19,22を選択する基準は、タイヤTの幅方向の中央部に締付ベルトVが配置されることである。そして、図3に示されるように、締付ベルトVに張力が全く作用せずに僅かの弛みを有する状態となるように、当該締付ベルトVの余長部をベルト締付機D1 の巻取軸5に巻き取っておく。この状態で、作業者の片手操作により、先端フックF1 の先端部をフック係合具Aの第1フック係合孔19に挿入した後に、フック係合具本体15におけるタイヤTと対向しない側板部21aに形成された第2フック係合孔22を通して、先端フックF1 の先端部のみを外部に突出させる。この状態では、当該先端フックF1 の最も低い部分が床板材Pの板体部91に当たると共に、第1及び第2の各フック係合孔19,22と、当該各フック係合孔19,22に挿入されることにより係合された幅広の横断面を有する先端フックF1 との間には、当該フック係合孔19,22に対する先端フックF1 を挿入して係合するのに十分な隙間が形成されているのみで、余分な隙間が形成されていないために、当該先端フックF1 は、「自立姿勢」を維持して各フック係合孔19,22に係合される。
一方、シーブ付フックF2 に関しては、被運搬車両Cのボディ93との間隔を可能な限り大きく確保するために、フック係合具本体15におけるベルト締付機D1 と反対側である側板部21aに形成された第2フック係合孔22を使用する。即ち、図4及び図14(a)に示されるように、フック係合具本体15の側板部21aに形成された第2フック係合孔22からシーブ付フックF2 の先端部を挿入して、当該先端部をフック係合具本体15の内部に収容したままの状態にして放置すると、半円形の第2フック係合孔22とシーブ付フックF2 との間の隙間が殆どなくなると共に、フック係合具本体15のコーナー部で当該シーブ付フックF2 の一部が支持されることにより、放置しても横倒しになることなく「自立姿勢」を維持する。上記操作も、作業者の片手操作により容易に行える。
また、シーブ付フックF2 に関しても、図14(b)に示されるように、上記した先端フックF1 の係合状態と同様にして、シーブ付フックF2 の先端部を、フック係合具本体15の上面の第1フック係合孔19から挿入した後に、側板部21bに形成された第2フック係合孔22から僅かに突出させると、当該シーブ付フックF2 のわん曲部が、フック係合具本体15の底部開口を超えて固縛孔Hに入り込んだ形態となって、自立姿勢を維持させることができる。このように、フック係合具本体15の上板部18に形成された第1フック係合孔19、及び各側板部21a,21bに形成された第2フック係合孔22のいずれを選択するかは、フックF1 ,F2 と被運搬車両Cのボディ93との距離の確保性、及びフックF1 ,F2 の自立安定性の面から判断することになる。
これにより、図4に示されるように、締付ベルトVが僅かに緩んだ状態で、タイヤTの前後に配置された各フック係合具Aに対して締付ベルトVの先端フックF1 及びシーブ付フックF2 がそれぞれ自立姿勢を維持して係合される。一方、締付ベルトVを挿通しているベルトスリーブ10のタイヤTの周方向に沿った配置位置は、タイヤTの最も高い部分を基準にして、ベルト締付機D1 の配置側と反対側の配置長が、当該ベルト締付機D1 の側の配置長よりも長くなるような位置とすることが望ましい。タイヤTの外周面と、当該タイヤTに巻き掛けられた締付ベルトVとの間の摩擦抵抗は、タイヤTの最も高い部分を基準にして、ベルト締付機D1 の配置側と反対側であって、当該タイヤTの中心に対して斜上方であることが分かっているので、ベルトスリーブ10は、上記位置に配置することが適切である。
上記の状態で、ベルト締付機D1 の巻取レバー8の操作により締付ベルトVに張力を加えると、締付ベルトVは、平面視においてシーブ3の部分において床板材Pの幅方向に沿った配置位置が変更されて、タイヤTに巻き掛けられている締付ベルトVが当該タイヤTに密着して、前記張力によりタイヤTは、床板材Pに押し付けられることにより固縛される。また、ベルトスリーブ10の使用により、ベルト締付機D1 の側の締付ベルトVの張力は、タイヤTの中心に対してベルト締付機D1 と反対側の部分にも効果的に及ぶので、締付ベルトVに作用する張力に応じたタイヤTの固縛力を確保できる。
また、フック係合具Aには、床板材Pの幅方向Qに沿って一定間隔をおいて複数の第1及び第2の各フック係合孔19,21が形成されているので、床板材Pの幅方向Qに沿ったタイヤTの配置位置との関係で最適な第1及び第2の各フック係合孔19,21を選択することにより、締付ベルトVをタイヤTの幅方向の中央部に配置することができ、しかもベルト締付機D1 により締付ベルトVに張力を付与してタイヤTを固縛した後には、締付ベルトVがタイヤTの幅方向にずれないので、搬送途中においてタイヤTの固縛が緩むこともない。
また、上記実施例では、フック係合具Aを構成するフック係合具本体15の形状は、底部を有しない角筒状であるために、フックF1,F2 の一部をフック係合具本体15の底部開口を超えて下方に配置することが可能となったり、或いはフックF1,F2 の一部を固縛孔Hに配置することが可能となって、当該フックF1,F2 を「自立姿勢」を維持してフック係合具本体15に係合させ易くなる利点がある。しかし、フック係合具本体に関しては、上面部に第1フック係合孔が形成可能であると共に、相対向する各側面部の少なくとも一方に第2フック係合孔が形成可能な断面形状を有するものであれば、いかなる断面形状であってもよい。例えば、底部を有する角筒状であってもよく、更に断面が半楕円状の筒体であってもよい。
なお、ベルト締付機D1 は、締付ベルトVにおけるシーブ3と当該締付ベルトVとの間の部分の配置位置を、床板材Pの幅方向Qに沿ったタイヤTの配置位置との関係において、使用状態において床板材Pに対して回動可能な構造であることは必要であるが、床板材Pに対して固定された構造にすることは必ずしも必要ではなく、床板材Pに対して着脱可能な構造にしてもよい。この構造により、被運搬車両Cの変更に対応可能となる。
次に、請求項2の発明に係るタイヤ固縛装置B2 について説明する。図15は、タイヤ固縛装置B2 により荷台の左右両端部の床板材Pに載せられた被運搬車両CのタイヤTが固縛された状態の斜視図であり、図16は、同じく平面図であり、図17は、同じく側面図であり、図18(a),(b)は、それぞれベルト締付機D2 を一体に備えたタイヤ止め具Sを斜上方及び斜下方から見た斜視図であり、図19は、ベルト巻取体36のスライド構造を主体に示すタイヤ止め具Sの平面断面図であり、図20は、タイヤ止め具Sのベルト巻取体36に対する締付ベルトVの巻取構造を主体に示す模式的横断面図であり、図21は、ベルト巻取体36に対する締付ベルトVの巻取初期の状態を示す模式的断面図である。
タイヤ固縛装置B2 は、車両運搬車の荷台に被運搬車両を載せて搬送する際に必ず使用されるタイヤ止め具にベルト締付機を一体に備え付けて、当該タイヤ止め具に本来の車止め機能に加えて、タイヤの固縛機能を付加した構成が特徴である。従って、タイヤ固縛装置B2 は、請求項1の発明に係るタイヤ固縛装置B1 を構成するフック係合具A、及び締付ベルトV、及び固縛機能を備えたタイヤ止め具Sとで構成される。
固縛機能を備えたタイヤ止め具Sは、図17〜図19に示されるように、側面形状が三角形状をしたタイヤ止め具本体31の長手方向の一端部にベルト締付機D2 を一体に備え付けた構成である。タイヤ止め具本体31は、幅方向の両端部が同方向に起立されたフランジ部により補強されたアングル材を使用して構成され、幅方向に所定間隔をおいて配置された2本のアングル材の長手方向の両端部が三角形状の一対の連結側板部32で溶接により一体化されることにより、前記2本のアングル材は底板部33を形成しており、一方の連結側板部32は、直角に折り曲げられて前記底板部33の底面と同一面上に連続して配置されることにより、ベルト締付機D2 の設置台板部34となっている。一対の連結側板部32における前タイヤTと対向する側の傾斜辺の斜上端部には、タイヤ当て板部35が前記設置台板部34の部分まで延長して溶接により一体化されている。
設置台板部34には、巻取軸5’がタイヤ止め具本体31の長手方向に沿うようにベルト締付機D2 が溶接により一体化されていて、当該ベルト締付機D2 の巻取軸5’は、隣接する一方の連結側板部32を貫通されて、他方の連結側板部32に回転可能に支持されている。巻取軸5’は、図20及び図21に示されるように、断面三日月状をした一対の巻取軸分割体5'aの平面部を所定間隔をおいて対向させた状態を維持して、支持部である締付機本体6及び連結側板部32に支持されている。また、図18〜図21に示されるように、一対の連結側板部32の間に配置された巻取軸5’には、ベルト巻取体36が当該巻取軸5’の軸方向に沿ってスライド可能に支持されている。即ち、ベルト巻取体36は、巻取軸5’の外側に嵌合されるリング状をした一対の鍔体37が、巻取軸5’の外周面に近接して配置される複数本(実施例では4本)の連結ロッドを兼用した巻取ロッド38により連結されることにより全体がドラム状になっていて、巻取軸5’に対する回転を防止するために、一対の巻取軸分割体5'aの間の隙間39に挿入された回転防止板41がそれぞれ一対の鍔体37の外側面に一体に取付けられた構成である。この構造により、ベルト巻取体36は、巻取軸5’に対する回転を防止された状態で、一対の連結側板部32の間に配置された巻取軸5’の全域に亘ってスライド可能となる。なお、ベルト締付機D2 の基本構成は、実施例1のベルト締付機D1 と同一であって、締付機本体6に対して巻取レバー8が分離されることなく一体となって連結された構成である。
そして、図20及び図21に示されるように、締付ベルトVの先端部を一対の巻取軸分割体5'aの間の隙間39を通して、ベルト余長部V’を形成しておいて、ベルト締付機D2 の巻取レバー8の往復回動操作により、前タイヤTの外周面に巻き掛けられている締付ベルトVを巻き取ると、巻取軸5’と一体回転するベルト巻取体36の4本の巻取ロッド38の外周部に、締付側の締付ベルトVとベルト余長部V’とが二枚重ねとなって巻き取られる。なお、図21において、Uは、締付ベルトVに張力を付与する際のベルト締付機D2 の巻取軸5’の回転方向を示す。
また、図17及び図18(b)に示されるように、タイヤ止め具本体31の底板部33及び設置台板部34の裏面には、タイヤ止め具Sの長手方向(巻取軸5’の軸方向)に沿って所定間隔をおいて床板材Pの固縛孔Hに係合される一対の係合体42が溶接により一体化されている。一対の係合体42の機能は、フック係合具Aの係合体16と同一であって、当該一対の係合体42と、タイヤ止め具本体31の底板部33及び設置台板部34の裏面との間に床板材係合孔43が形成される。
そして、タイヤ止め具Sとフック係合具Aと締付ベルトVとで構成されるタイヤ固縛装置B2 を使用して、以下のようにして、被運搬車両Cの前タイヤTのタイヤ止めと固縛とを同時に行う。まず、車両運搬車に搬入される被運搬車両Cの前後方向の位置は予め定められているので、個々の被運搬車両Cを搬入する前に床板材Pの設定位置にタイヤ止め具Sを設置する。即ち、図16に示されているように、タイヤ止め具Sに一体に備え付けられたベルト締付機D2 が被運搬車両Cのボディ93と接触しないように、床板材Pの幅方向に沿った位置を選択して、当該床板材Pの2つの固縛孔Hに対してタイヤ止め具本体31の底板部33の裏面に一体に取付けられた一対の係合体42を係合させる。また、被運搬車両Cのタイヤサイズは予め分かっているので、載置予定の前タイヤTの後方における最適の2つの固縛孔Hを選択して、当該2つの固縛孔Hに対してフック係合具Aの一対の係合体16を係合させた後に、当該一対の係合体16における床板材係合孔25と反対側の端面と、固縛孔Hの周縁部との間に形成される隙間に隙間閉塞板17の閉塞板部17bを挿入して、前記隙間を閉塞しておく。
上記の状態で、車両運搬車に対して被運搬車両Cを搬入させて、前タイヤTがタイヤ止め具Sに当たって停止した後に、図15〜図17に示されるように、フック係合具Aに形成された複数の第1フック係合孔19のうち、前タイヤTの幅方向の中央部に締付ベルトVが配置されるような第1フック係合孔19を選択して、作業者の片手操作により、当該選択された第1フック係合孔19に対して締付ベルトVの先端フックF1 の先端部を挿入した後に、側板部21aに形成された第2フック係合孔22から突出させて、フック係合具Aに対して先端フックF1 を自立姿勢を保持して係合させる。次に、前タイヤTの幅方向の中央部に締付ベルトVが配置されるように、タイヤ止め具Sに設けられたベルト締付機D2 の巻取軸5’に対してベルト巻取体36をスライドさせて、当該ベルト巻取体36を適正位置に配置する。
その後に、図22に示されるようにして、締付機本体6に対して巻取レバー8を往復回動させて、巻取軸5’を図22で時計方向に所定角度ずつ回動させて、当該巻取軸5’に締付ベルトVを巻き取ることにより、前タイヤTに緩んだ状態で巻き掛けられている締付ベルトVに張力が付与されて、床板材Pに対して前タイヤTが固縛される。図22において、巻取レバー8は、実線と二点鎖線で示される間を回動し、この間では、圧縮バネ20に付勢されて逆転防止係合板11がラチェット4に係合しているために、巻取軸5’の逆回転が防止されているが、同図で2点鎖線で示されるように、ラチェット係合板7をカム板12の係合凹部12aに係合させた状態では、当該ラチェット係合板7とラチェット4との係合が解除されるために、巻取軸5’は逆回転可能となって締付ベルトVが緩められる。なお、巻取レバー8 は、ベルト締付機D’の先端部の斜上方に配置されたタイヤ当て板部34との干渉を回避させる配置関係からして、巻取レバー8の回動角度(θ)は、前記ベルト締付機D1 の巻取レバー8の回動角度に比較して小さい。
また、タイヤ止め具本体31の長手方向の一端部に一体に固定されたベルト締付機D2 は、締付機本体6に対して巻取レバー8が一体に連結された構成であって、当該巻取レバー8を取り外すことができないので、別体の巻取レバーの場合には、当該巻取レバーを手で持って被運搬車両の周辺を移動することにより、当該被運搬車両を損傷させる恐れがあるが、この恐れがないと共に、別途巻取レバーを準備して用意する必要性、及び巻取レバーの紛失の恐れもない。
なお、実施例1においても説明したように、フック係合具Aの高さは低くて、そのまま放置しても被運搬車両Cの搬入・搬出に支障はないが、タイヤ止め具Sは、そのままでは被運搬車両Cの搬入・搬出ができないので、1台の被運搬車両Cの搬入及び搬出の都度、設置したり、或いは取り外す。
また、タイヤ止め具本体31における巻取軸5’の延長部が配置されている部分は、左右一対の連結側板部32、底板部33及びタイヤ当て板部35で囲まれて大きな空間部を形成しており、当該空間部は、被運搬車両Cの運搬時において締付ベルトVの余長部V’を収容したり、或いは車両運搬車の空荷運転時において締付ベルトVの全体を収容したりするベルト収容空間部44として機能する。締付ベルトVの余長部V’は相当に長く、そのまま放置した場合には、運搬時において車両運搬車の側方から大きく後方に流されたりして危険であると共に、車両運搬車の空荷運転時に床板材Pからタイヤ止め具Sを取り外して保管する際に、相当の長さを有する締付ベルトVの取り扱いが厄介となるが、前記ベルト収容空間部44に無造作に収容することにより、上記不具合を一掃できる。
また、図23〜図25に示されるように、タイヤ止め具本体31のベルト収容空間部44の開口を、粗い網目であって、しかも伸縮性を有する素材から成る飛出し防止ネット45で覆うと、ベルト収容空間部44に無造作に収容された締付ベルトVの余長部V’、或いは締付ベルトVの全体が飛び出すのを効果的に防止できると共に、タイヤ止め具本体31に飛出し防止ネット45を取付けたままで、当該ネット45を伸ばして形成される隙間から締付ベルトV、或いはその余長部V’を簡単に押し込んで収容できる。また、タイヤ止め具本体31に対する飛出し防止ネット45の取付けは、図23に示されるように、ベルト収容空間部44の開口の四隅部に明けられた孔46に短い結束紐47を通して、方形状をした飛出し防止ネット45の四隅部をそれぞれ結束紐47で結束すると、当該ネット45の長辺部の全体が非拘束となって、ベルトVの挿入開口を形成し易くなる。
また、タイヤ止め具Sは、車両運搬車に対する一台の被運搬車両Cの搬入及び搬出を行う毎に、床板材Pに対して着脱を行うので、床板材Pの固縛孔Hに対する係合構造は、上記した係合体42に限られず、図26及び図27に示されるように、タイヤ止め具本体31の底板部33に、当該タイヤ止め具本体31の長手方向に沿って所定間隔をおいて一対の係合棒48が溶接により一体に固着されていて、当該一対の係合棒48をそれぞれ固縛孔Hに挿入して係合させるようにしてもよい。被運搬車両Cを搬入すると、その前タイヤTによりタイヤ止め具Sが僅かに前方にスライドさせられて、一対の係合棒48の基端部が固縛孔Hの周縁部に当接することにより、その位置を超えてスライド不能になると共に、係合棒48は、固縛孔Hの幅を遥かに超える長さを有しているので、前タイヤTによりタイヤ止め具本体31が所定角度を超えて前方に回動されることもない。
A:フック係合具
1,B2 :タイヤ固縛装置
C:被運搬車両
1,D2 :ベルト締付機
1 :先端フック
2 :シーブ付フック
P:床板材
Q:床板材の幅方向
R:荷台の前後方向
S:タイヤ止め具
T:タイヤ
V:締付ベルト
V’:締付ベルトの余長部
5,5’:ベルト締付機の巻取軸
5'a:巻取軸分割体
6:締付機本体
8:巻取レバー
10:ベルトスリーブ
15:フック係合具本体
16:係合体
17:隙間閉塞板
18:フック係合具本体の上板部(上面部)
19:第1フック係合孔
21a,21b :フック係合具本体の側板部(側面部)
22:第2フック係合孔
26:閉塞板部
31:タイヤ止め具本体
36:ベルト巻取体
44:ベルト収容空間部
45:飛出し防止ネット

Claims (11)

  1. 前後方向及び幅方向の双方に沿って所定間隔をおいて多数の固縛孔を備え、被運搬車両のタイヤを載置する床板材が、荷台の幅方向の両端部に当該荷台の前後方向に沿って固定された車両運搬車において、先端部に先端フックが連結された締付ベルト、及びシーブ付フックを介して被運搬車両のタイヤを前記床板材に固縛するための固縛装置であって、
    上面部及び対向する両側面部のうち少なくとも一方の側面部に前記先端フック、及びシーブ付フックを自立姿勢で係合可能な複数のフック係合孔がそれぞれ所定ピッチをおいて形成され、複数の係合部を介して前記床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記床板材に載せられたタイヤに近接した状態で当該タイヤの前方、及び後方にそれぞれ配置される一対のフック係合具と、
    前記床板材に着脱可能に固定されるか、或いは当該床板材に一体に固定されて、前記締付ベルトに張力を付与するために前記床板材における被運搬車両の搬入・搬出に支障がなく、しかも当該被運搬車両のタイヤの配置位置に近接した位置に配置されるベルト締付機と、を備え、
    被運搬車両のタイヤの前方、及び後方にそれぞれ配置された一対のフック係合具に形成された複数のフック係合孔のうち最適なフック係合孔を選択して、各フック係合具の各フック係合孔に前記先端フック、及びシーブ付フックを自立姿勢で係合させた状態で、前記ベルト締付機の操作によりタイヤに対して締付ベルトを締め付けることにより、一人の作業者の片手操作により、床板材の幅方向に対するタイヤの載置位置とは無関係に、常にタイヤの幅方向の中央部において締付ベルトを巻付可能にしたことを特徴とする車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  2. 前後方向及び幅方向の双方に沿って所定間隔をおいて多数の固縛孔を備え、被運搬車両のタイヤを載置する床板材が、荷台の幅方向の両端部に当該荷台の前後方向に沿って固定された車両運搬車において、先端部に先端フックが連結された締付ベルトを介して被運搬車両の前タイヤを前記床板材に固縛するための固縛装置であって、
    上面部及び対向する両側面部のうち少なくとも一方の側面部に前記先端フックを自立姿勢で係合可能な複数のフック係合孔が所定ピッチをおいて形成され、複数の係合部を介して前記床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記床板材に載せられた前タイヤの後方に配置される一対のフック係合具と、
    前記被運搬車両の前タイヤを当てて停止させるためのタイヤ止め具本体が、複数の係合部を介して前記床板材の幅方向に沿った複数の固縛孔に対して解除可能に係合されて、前記タイヤ止め具本体の長手方向の一端部に一体に配置されたベルト締付機の巻取軸が当該タイヤ止め具本体の長手方向に延長されて、当該延長部の先端部がタイヤ止め具本体に回転可能に支持され、前記巻取軸には、前記締付ベルトの余長部を巻取るためのベルト巻取体がスライド可能に取付けられた構成のタイヤ止め具と、を備え、
    前記ベルト締付機は、締付機本体に対して巻取レバーが一体に連結された構成であり、
    被運搬車両の前タイヤの後方に配置されたフック係合具に形成された複数のフック係合孔のうち前タイヤ配置位置との関係で最適なフック係合孔を選択すると共に、前記タイヤ止め具のベルト巻取体を前タイヤ配置位置との関係で最適位置にスライドさせて、フック係合具のフック係合孔に前記先端フックを自立姿勢で係合させた状態で、前記タイヤ止め具に備え付けのベルト締付機の操作により前タイヤに対して締付ベルトを締め付けることにより、一人の作業者の片手操作により、床板材の幅方向に対する前タイヤの載置位置とは無関係に、常に前タイヤの幅方向の中央部において締付ベルトを巻付可能にしたことを特徴とする車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  3. 前記フック係合具は、底部が開口された角筒状のフック係合具本体と、上部が開口した短角筒状をしていて、前記床板材における固縛孔に臨む部分に係合される床板材係合孔が、対向する両側板部に一端が開口状態で前記フック係合具本体の幅方向に沿って形成され、前記フック係合具本体の開口底面よりも下方に配置される一対の係合体とで構成され、前記フック係合具本体と一対の係合体とは、一体に固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  4. 前記フック係合具には、係合部を介して当該フック係合具を床板材における固縛孔に臨む部分に係合させた状態で、当該係合部の床板材係合孔と反対側の部分と、固縛孔の周縁部との間に形成される隙間を閉塞するための隙間閉塞具がフック係合具の側板部に回動可能に取付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  5. 前記フック係合具の長手方向の両端部は、傾斜した閉塞板部で閉塞されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  6. 前記タイヤ止め具本体は、締付ベルトにおけるベルト巻取体に巻取られていない余長部、或いは締付ベルトの全体を収容するためのベルト収容空間部を備えていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  7. 前記タイヤ止め具本体は、そのベルト収容空間部に収容された締付ベルトの余長部、或いは締付ベルトの全体を覆うためのネットを備えていることを特徴とする請求項6に記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  8. 前記タイヤ止め具本体に設けられた複数の係合部は、短角筒状をしていて、前記床板材における固縛孔に臨む部分に係合される床板材係合孔が、対向する両側板部に一端が開口状態で前記タイヤ止め具本体の幅方向に沿って形成され、前記タイヤ止め具本体の底面よりも下方に配置される係合体で構成されることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  9. 前記タイヤ止め具本体に設けられた複数の係合部は、当該タイヤ止め具本体の底面から斜下方に向けて突出した状態で一体に形成された一対の係合棒で形成されていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  10. タイヤの周方向の一部のみに部分的に配置されるベルトスリーブを備え、前記締付ベルトは、前記ベルトスリーブの内側に挿通して使用されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
  11. 前記ベルトスリーブは、タイヤの最も高い部分を基準にして、ベルト締付機の配置側と反対側の配置長が、当該ベルト締付機の側の配置長よりも長くなるように当該タイヤに対して配置されることを特徴とする請求項10に記載の車両運搬車における被運搬車両のタイヤ固縛装置。
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