JP2586810Y2 - 液体注出容器の容器体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は液体注出容器の容器体に
関する。

【０００２】

【従来の技術】合成樹脂製の容器体に注出ポンプを着脱
自在に装着して容器体胴部内の液を注出する如く構成し
た液体注出容器が知られている。これ等注出容器の容器
体は、胴部より口頚部を起立した形状の肉厚のものが多
く、一般に使用後はそのまま廃棄されている。

【０００３】一方、近年のゴミ処理事情の悪化に伴い、
廃棄物の重量，嵩を出来るだけ少なくすることが要望さ
れており、その様な実情からプラスチック製品は再生し
て使用することも行なわれているが、この種容器に使用
される容器体は、使用後収納液が容器体内面に付着して
残るため、コスト面から再生が実質的に不可能でそのま
ま廃棄するのが現状である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記した実情
に鑑み、使用後の廃棄物の量を出来るだけ少なくするこ
とが出来る便利な液体注出容器の容器体を提案するもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本請求項１考案の容器体
は上記課題を解決するため、口頚部に注出ポンプを着脱
自在に装着するとともに、該ポンプの作動で胴部内の液
を注出する如く構成した液体注出容器の容器体であっ
て、胴部１０より小径の口頚部１１を起立した保形性を
有する外容器体３と、該容器体３内に離脱可能に装着し
た液体収納袋４とから構成し、該液体収納袋４は、可撓
性材質よりなる扁平袋状をなすとともに、外容器体胴部
１０内に収納して膨張させた液収納用胴部１２と、該胴
部１２上端中央より上方へ延設するとともに、上記外容
器体口頚部１１内周に嵌合させた保形性を有する筒状口
部１３と、該口部上端縁より口頚部１１上面に当接係止
させた外向きフランジ１４とを備え、口部１３外周上部
から外向きフランジ１４下面にわたって外容器体内外を
連通させる連通溝１５を穿設して構成してなることを特
徴とする液体注出容器の容器体として構成した。

【０００６】また、請求項２考案の容器体は、上記液体
収納袋４の口部１３上端開口を押圧破断可能なシール材
１６で閉塞してなる請求項１記載の液体注出容器の容器
体として構成した。

【０００７】

【作用】内容液を使い切った後注出ポンプ２を外し、液
体収納袋４の口部１３を持って引き上げれば収納袋４は
外容器体３から外れる。そしてこの袋４のみを廃棄し
て、液の付着のない外容器体３は回収再利用することが
可能であり、廃棄物の重量，嵩を極めて少ないものとす
ることが出来る。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

【０００９】本考案の容器体１は図１に示す如く注出ポ
ンプ２と組み合わせて使用するもので、外容器体３と液
体収納袋４とから構成している。

【００１０】上記注出ポンプ２は、外容器体３の口頚部
外周に螺着させた装着キャップ５により下端の吸い上げ
パイプ６付きシリンダー７を容器体１内に垂下させ、上
端のノズル８付き押し下げヘッド９を装着キャップ５上
方へ上下動自在に突出した公知機構のものである。

【００１１】又、外容器体３は、図２に示す如く、矩形
筒状の胴部１０上端より小径で円筒形の口頚部１１を起
立して構成しており、合成樹脂により形成された保形性
を有するものである。この外容器体３は保形性を維持で
きる範囲で比較的肉薄に構成している。

【００１２】又、液体収納袋４は、図３に示す如く、合
成樹脂により形成された可撓性を有する扁平袋状の胴部
１２上端中央部より保形性を有する円筒形の口部１３を
上方へ延設して構成している。本実施例では、外容器体
３の胴部１０内形状に合わせて正面横長長方形状で上辺
中央部より矩形状の突出部を突設した一対の合成樹脂製
シート或いはフィルムを用いて、円筒状の口部構成部材
の前後より上記突出部を口部構成部材の外周下部に融
着，接着等の手段で固着するとともに、各シート等の周
縁部を固着して正面横長長方形状の扁平袋状胴部１２を
有する液体収納袋４を形成している。又、口部１３の上
端縁より外容器体口頚部１１上面に当接係止させるため
の外向きフランジ１４を延設しており、更に、筒壁外周
上部から外向きフランジ１４下面にわたって連通溝１５
を穿設して、外容器体口頚部１１に嵌着させた際に外容
器体３内外が連通する如く構成している。上記液体収納
袋４の胴部１２の大きさは、内部に液を充填して膨張さ
せた際、外容器体３の胴部１０内の大きさと略同じか若
干小さく形成している。

【００１３】上記の如く構成した液体収納袋４は、例え
ぼ図４に示す如くその胴部１２を丸めた後、図５に示す
如く外容器体３の口頚部１１上方より挿入してその口部
１３外周を外容器体口頚部１１内周に嵌着させる。そし
て、この状態から直接内容液を充填しても良いし、或い
は一旦口部１３上端よりエアー等を吹き込んで胴部１２
を膨らませた後、液の充填を行っても良い。液の充填の
際連通溝１５が設けてあるため、外容器体胴部１０内の
空気はこの連通溝１５を通り速やかに排出され液の良好
な充填を行える。

【００１４】液充填後はシリンダー７及び吸い上げパイ
プ６を液体収納袋４の胴部１２内に垂下させるととも
に、装着キャップ５を外容器体口頚部１１外周に螺着さ
せて注出ポンプ２を装着する。

【００１５】図６に示す実施例は、液体収納袋４の口部
１３上端開口を押圧破断が可能なシール材１６により閉
塞したものである。このシール材１６は合成樹脂，紙，
金属等よりなるフィルム或いは積層シート等により形成
されたもので、その下面周縁を口部１３の外向きフラン
ジ１４上面に接着，融着等の手段により固着させてい
る。この実施例の容器体では、例えば液充填の際に充填
ノズル１７によりこのシール材１６を押圧破断して充填
することが出来るため、内容物の無菌充填が可能であ
る。

【００１６】

【考案の効果】以上説明した如く本考案容器体は、既述
構成としたことにより、廃棄物は液の付着した液体収納
袋のみで済み、この液体収納袋は可撓性の扁平袋状胴部
を有するものであるから、廃棄物の重量，嵩を極めて少
ないものとすることが出来る。又、残りの外容器体は液
が付着しないので回収しての再利用が可能である。

【００１７】又、液体収納袋は液充填前はその胴部が扁
平状であるため丸める等して簡単に外容器体胴部内に収
納して装着出来、液を使い切った際は容器体口頚部から
口部を外してその胴部を外容器体から抜き出しさえすれ
ば良く、その際、フランジ及び連通溝の存在で口部は容
易に外れ、また、胴部は容積が極小化するため容易に抜
き出すことができ、液体収納袋の着脱を極めて容易に行
えるものである。

【００１８】又、液体収納袋の胴部の正面形状を外容器
体胴部内形状にあわせて形成しておけば、液の充填等に
より外容器体胴部内に効率良く膨張し、ロスが少なく外
容器体胴部内の空隙を充満させることが出来る。

【００１９】又、外容器体内外を連通する連通溝を設け
ているので、液の充填及びポンプによる液の注出を良好
に行えるものである。

【００２０】又、液体収納袋の上端開口を閉塞するシー
ル材を設けたものにあっては、液の充填を衛生的に行え
る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本請求項１に記載された容器体の一実施例を示
す斜視図である。

【図２】同実施例の外容器体を示す斜視図である。

【図３】同実施例の液体収納袋を示す斜視図である。

【図４】同実施例の液体収納袋の胴部を丸めた状態を示
す斜視図である。

【図５】同実施例の液体収納袋を外容器体に装着した状
態を示す斜視図である。

【図６】本請求項２に記載された容器体の一実施例を示
す要部斜視図である。

【符号の説明】

３…外容器体，４…液体収納袋，１０…外容器体胴部，
１１…口頚部，１２…液収納用胴部，１３…口部，１４
…外向きフランジ，１５…連通溝

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口頚部に注出ポンプを着脱自在に装着する
   とともに、該ポンプの作動で胴部内の液を注出する如く
   構成した液体注出容器の容器体であって、胴部１０より
   小径の口頚部１１を起立した保形性を有する外容器体３
   と、該容器体３内に離脱可能に装着した液体収納袋４と
   から構成し、該液体収納袋４は、可撓性材質よりなる扁
   平袋状をなすとともに、外容器体胴部１０内に収納して
   膨張させた液収納用胴部１２と、該胴部１２上端中央よ
   り上方へ延設するとともに、上記外容器体口頚部１１内
   周に嵌合させた保形性を有する筒状口部１３と、該口部
   上端縁より口頚部１１上面に当接係止させた外向きフラ
   ンジ１４とを備え、口部１３外周上部から外向きフラン
   ジ１４下面にわたって外容器体内外を連通させる連通溝
   １５を穿設して構成してなることを特徴とする液体注出
   容器の容器体。
2. 【請求項２】上記液体収納袋４の口部１３上端開口を押
   圧破断可能なシール材１６で閉塞してなる請求項１記載
   の液体注出容器の容器体。