JP2586537B2 - 自動二輪車等のシート取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は鞍乗型後２輪車両等の自動二輪車等のシート
取付装置に関する。

（従来の技術） 鞍乗型後２輪車両と言われる鞍乗型３輪車や鞍乗型４
輪車は、操舵用前輪とトレッドの大きい一対の後輪で支
持され、上部後半部の後輪に挟まれた位置に縦長の鞍乗
型シートが配置され、このシートに跨ったライダが棒ハ
ンドルで操舵しながらエンジンの動力によって走行する
ようになっている。

鞍乗型シート１は、第５図に示すように、底板２の前
部に、車体フレームのシートブラケットに係合するフッ
ク３が設けられ、底板２の後部に一対のブラケット４を
介してレバー５が回転自在に支持される。レバー５には
鉤形の一対のシートロック６がレバー５とともに回転可
能に固定される。また、レバー５の前方にはガイドボス
７が突設される。

一方、車体フレームにはシート１のフック３が係合す
る図示しないシートブラケットが設けられるとともに、
車体フレームの後端部に、第６図に示すように、一対の
シートレール９を連結するブリッジチューブ10が設けら
れる。このブリッジチューブ10にはシート１のシートロ
ック６が係合されるシートロックキャッチャ11と、シー
ト１のガイドボス７が嵌合可能なシートガイドプレート
12が溶接固定される。

シート１を車体フレームに取り付ける場合には、まず
フック３を車体フレームのシートブラケットに係合さ
せ、次にシート１の後部を車体フレームに接近させて、
ガイドボス７をシートガイドプレート12のガイド穴13に
嵌合させる。そして、レバー５を手動により回転させる
と、鉤形のシートロック６がシートロックキャッチャ11
に係合し、シート１の取付が完了する。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の取付装置においては、一対のシートレール９に
ブリッジチューブ10が溶接され、このブリッジチューブ
10にコの字状に成形された一対のシートロックキャッチ
ャ11と、ガイド穴13が形成されたシートガイドプレート
12が溶接される。したがって、部品点数が多く、また溶
接箇所が多いため部品同士の寸法精度が出にくい。さら
に、シートロックキャッチャ11をコの字状に曲げ加工す
る必要があるため製作工数が掛り、コストが高いという
問題がある。

本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、部品
点数を減らすことができるとともに、部品精度を向上さ
せることができ、さらに生産コストの低減を図ることが
できる自動二輪車等のシート取付装置を提供することを
目的とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明に係る自動二輪車等のシート取付装置は、シー
トの底板に、ガイドボスが設けられるとともに、ブラケ
ットを介してレバーが回転可能に支持され、このレバー
にシートロックが設けられた自動二輪車等のシート取付
装置において、車体フレームの後方に設けられる一対の
シートレールの後端部がガイドプレートにより連結さ
れ、このガイドプレートは上記シートのガイドボスを嵌
合可能なガイド穴が形成されるとともに、後端部に上記
シートのシートロックを逃げる切欠き部が形成され、こ
の切欠き部に上記シートロックを係合可能なシートロッ
クフックが設けられたものである。

（作用） シートレールの後端部がガイドプレートにより連結さ
れ、このガイドプレートにシートのガイドボスを嵌合可
能なガイド穴が形成されたから、ガイドプレートが従来
のブリッジチューブとガイドプレートとを兼ねることが
できる。したがって、部品点数が減少するとともに、溶
接箇所が減少し、部品精度が向上する。

また、ガイドプレートの後端部にシートのシートロッ
クを逃げる切欠きが形成され、この切欠き部分にシート
のシートロックを係合可能なシートロックフックが設け
られたから、シートロックフックを曲げ加工無しで使う
ことができ、製作工数が減少されるため、生産コストの
低減を図ることができる。

（実施例） 本発明に係る自動二輪車等のシート取付装置の一実施
例について図面を参照して説明する。

第２図は本発明に係る自動二輪車等のシート取付装置
の一実施例を備えた鞍乗型４輪車両を示す側面図であ
る。第２図において車体フレーム15の前方には前輪16が
設けられ、前輪16はハンドル17によって操舵される。

車体フレーム15の後部には後輪18が設けられ、この後
輪18は車体中央部に搭載されたエンジン19によって回転
駆動される。車体フレーム15の後方上部にはシート１が
取り付けられる。

シート１は、第５図に示すように、底板２の前部に、
車体フレームのシートブラケットに係合するフック３が
設けられ、底板２の後部に一対のブラケット４を介して
レバー５が回転自在に支持される。レバー５には鉤形の
一対のシートロック６がレバー５とともに回転可能に固
定される。また、レバー５の前方にはガイドボス７が突
設される。

第３図は車体フレーム15を示す斜視図である。車体フ
レーム15は金属チューブを部分毎の所要の形状に成形
し、それらの金属チューブを接続して構成される。接続
には主として溶接手段が用いられる。第３図において車
体中央上部にはメインパイプ21が設けられ、このメイン
パイプ21の前部に前方斜め下方へ延びる一対のダウンチ
ューブ22が接続される。メインパイプ21の後部には下方
へ延びる一対のボディチューブ23が接続され、このボデ
ィチューブ23は車体下方で湾曲し、アンダチューブ24と
なって車体前方へ延び、上記ダウンチューブ22と接続さ
れる。

車体フレーム前方のダウンチューブ22とアンダチュー
ブ24により前輪16が支持され、メインパイプ21の前端に
設けられた図示しないヘッドパイプにステアリングシャ
フトが嵌挿される。また、ボディチューブ23とアンダチ
ューブ24で囲まれた部分にエンジン19が搭載される。

メインパイプ21には第５図に示すシート１のフック３
を係合させるシートブラケット26が固定される。ボディ
チューブ23には後方斜め上方へ延びる一対のシートレー
ル27が接続され、このシートレール27はシートピラー28
によって補強される。

一対のシートレール27の後端部は、第１図に示すよう
に、ガイドプレート29により連結され、このガイドプレ
ート29は第４図に示すように、シート１の底板２に設け
られたガイドボス７を嵌合可能なガイド穴30が形成され
る。ガイドプレート29はプレス加工により製造されるも
ので、溶接により両シートレール27に接続される。

ガイドプレート29の後端部にはシート１のシートロッ
ク６を逃げる切欠き部31が形成され、この切欠き部31に
シート１のシートロック６を係合可能なシートロックフ
ック32が設けられる。シートロックフック32は例えば棒
状部材から成り、切欠き部31を跨いで、ガイドプレート
29に溶接固定される。

次に上記実施例の作用について説明する。

シート１を車体フレーム15に取り付ける場合には、ま
ずシート１のフック３を車体フレーム15のシートブラケ
ット26に係合させ、次にシート１の後部をガイドプレー
ト29に接近させて、ガイドボス７をガイド穴30に嵌合さ
せる。そして、レバー５を手動により回転させると、鉤
形のシートロック６がシートロックフック32に係合し、
シート１が確実に車体フレーム15に取り付けられる。

上記実施例によれば一対のシートレール27の後端部が
ガイドプレート29により連結され、このガイドプレート
29はシート１のガイドボス７を嵌合可能なガイド穴30が
形成されたから、従来のブリッジチューブ10とシートガ
イドプレート12とを兼ねて一体として設けることがで
き、その結果部品点数が減少するとともに、溶接箇所が
減少し、部品精度の向上を図ることができる。

また、ガイドプレート29の後端部にシート１のシート
ロック６を逃げる切欠き部31が形成され、この切欠き部
31にシート１のシートロック６を係合可能なシートロッ
クフック32が跨いで設けられたから、シートロックフッ
ク32のコを字形状に成形する必要はなく、棒材をカット
するだけでよいから、製作工数を減少させることがで
き、生産コストを低減させることができる。

〔発明の効果〕

本発明に係る自動二輪車等のシート取付装置は、車体
フレームの後方に設けられる一対のシートレールの後端
部がガイドプレートにより連結され、このガイドプレー
トはシートのガイドボスを嵌合可能なガイド穴が形成さ
れたから、ガイドプレートが従来のブリッジチューブと
シートガイドプレートとを兼ねることができ、部品点数
を減少させることができるとともに、溶接箇所が減少
し、部品精度の向上を図ることができる。

また、本発明はガイドプレートの後端部にシートのシ
ートロックを逃げる切欠き部が形成され、この切欠き部
にシートのシートロックを係合可能なシートロックフッ
クが設けられたから、シートロックフックの製作工数が
減少し、生産コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る自動二輪車等のシート取付装置の
一実施例を示す斜視図、第２図は上記実施例を備えた鞍
乗型４輪車両を示す側面図、第３図は上記実施例を備え
た鞍乗型車両の車体フレームを示す斜視図、第４図は上
記実施例における取付状態を示す断面図、第５図はシー
トの構成を示す斜視図、第６図は従来のシート取付装置
を示す斜視図である。 １……シート、２……底板、３……フック、４……ブラ
ケット、５……レバー、６……シートロック、７……ガ
イドボス、15……車体フレーム、27……シートレール、
29……ガイドプレート、30……ガイド穴、31……切欠き
部、32……シートロックフック。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シートの底板に、ガイドボスが設けられる
   とともに、ブラケットを介してレバーが回転可能に支持
   され、このレバーにシートロックが設けられた自動二輪
   車等のシート取付装置において、車体フレームの後方に
   設けられる一対のシートレールの後端部がガイドプレー
   トにより連結され、このガイドプレートは上記シートの
   ガイドボスを嵌合可能なガイド穴が形成されるととも
   に、後端部に上記シートのシートロックを逃げる切欠き
   部が形成され、この切欠き部に上記シートロックを係合
   可能なシートロックフックが設けられたことを特徴とす
   る自動二輪車等のシート取付装置。