JP2585945B2 - 燃料脈動圧緩衝バルブとこれを有する燃料供給系統 - Google Patents

燃料脈動圧緩衝バルブとこれを有する燃料供給系統

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JP2585945B2 JP3886093A JP3886093A JP2585945B2 JP 2585945 B2 JP2585945 B2 JP 2585945B2 JP 3886093 A JP3886093 A JP 3886093A JP 3886093 A JP3886093 A JP 3886093A JP 2585945 B2 JP2585945 B2 JP 2585945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複合圧力波動抑制機
能を有し、空気/蒸気の駆逐とチエックができるバルブ
を備えた燃料供給系統に関し、特に、ディーゼル機関又
は中分留燃料の燃焼装置、ガソリン,アルコールその他
これに代わる燃料を用いる装置のようなものに燃料を送
給するための燃料供給弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特に、ディーゼル機関,ガソリン,ター
ビンエンジンのような内燃機関に燃料を供給するシステ
ムは、そのエンジンの燃焼部分に燃料を圧送するための
高圧ポンプを具備している。ここに例示するのは、新世
代の電子制御されたディーゼルエンジンであり、これ
は、ユニット化された燃料噴射器と、スロットル部体の
ところ又は各シリンダのところあるいはその双方のとこ
ろに燃料噴射器をともなったエンジンとを有している。
新しく出現しつつある燃料噴射器を用いたディーゼルエ
ンジンやガソリン/ガスホールエンジンは、燃料タンク
に戻される過給の燃料を操作するときに、通常運転の際
の開閉動作で脈動圧を生じる傾向がある。流動している
液体が突然とまったり、遮断されたり、又はあるバルブ
動作に晒されたりすると、その液体がそのエネルギ又は
脈動圧を吸収するだけの十分な弾力性を有していないの
で、ある波動圧が形成される。
【0003】また、混入した空気又は燃料の蒸気は、こ
れらのシステムにおいて故障又はベーパロックの原因と
なり、燃料の正しい供給量の制御や正規の燃焼を妨げ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる波動圧あるいは
脈動圧は、入ってくる燃料を介して、燃料ポンプやセン
サーのような他の機器に回帰するのであるが、そこでそ
の脈動は、疲労破壊を惹起し、バルブ,ガスケット,固
定機械要素,センサーその他燃料システム機器を阻害す
る。
【0005】そこで、液体の移動が突然停止してバルブ
又は燃料噴射器が急停止することで惹起される脈動圧の
規模を小さくするようなシステムのための、しかも混入
した空気,ガス又は蒸気を、燃料ポンプと内燃機関との
間でそのシステム内を流れる液体から自動的に駆逐する
ように動作する手段が要望される。また、液体の過度な
戻流や吸い上げを、バルブ表面を精密に仕上げる必要の
ある可動部分を有するバルブを用いずに抑止したり、ま
た通常のような、ウエイト又はスプリングを有するチェ
ックバルブを用いたのと同じように液体の流れを規制で
きるシステムが要望されている。
【0006】この発明はかかる問題点を解決することを
課題としている。而して、この発明の目的は、一つのバ
ルブで、脈動圧の規模を低減したり、混入空気,ガス等
これに類するものを自動的に駆逐したり、吸い上げ抑止
チェックバルブのように機能するバルブを提供すること
である。また、この発明の目的は、小型でコンパクト
で、しかも安価に製造組立ができそして取付けが容易
で、通常のメンテナンスを必要とすることなく作動させ
ることのできるバルブを提供することである。
【0007】また、この発明の他の目的は、家庭暖房や
ディーゼル用の燃料等の中油を用いて、低温環境で運転
されるが、パラフィンやゼリー状燃料、又は現に用いら
れているチェックバルブでは一般的である弁座のような
精密な仕上げがしてある部品や表面での氷結によって、
詰まりを生じることのないバルブを提供することであ
る。なお、ここで問題にしている特に氷結は、その位置
が流入出ポートやブリードオリフィスから離れたバルブ
の底部となるようにしてあるので、この目的が達成され
るのである。
【0008】また更に、この発明の目的は、ワックス状
/又はゼリー状の燃料がその導入側のポートと排出側の
ポートとを通じて、エンジンで形成されたその脈動圧が
そのバルブ内で消散されて、同時にワックスの結晶を溶
解するような方法で流動させることができるような前記
バルブを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、かかる課題
を達成するために、請求項1では、燃料脈動圧緩衝バル
ブを、内部チャンバを有するハウジングと前記内部チ
ャンバ内に延び、且つ前記内部チャンバに燃料を送通さ
せるために所望燃料レベルよりも上位の高さで前記内部
チャンバに開口しているポートを有している導入管と、
前記内部チャンバ内に延びている排出管と、を有してお
り、前記排出管は、これに前記内部チャンバ内の燃料の
下流で連通するために通じている複数のポートを有して
おり、前記排出管の複数のポートが、前記所望燃料レベ
よりも低い部位で前記内部チャンバ内に開口してい
て、前記排出管のポートの下流で生じた脈動が、前記内
部チャンバ内で消散される構成とした。
【0010】また、請求項2では、請求項1に記載の燃
料脈動圧緩衝バルブにおいて、更に前記内部チャンバ内
に前記導入管のポートより高い位置に開口して、混入し
た空気や蒸気を前記内部チャンバから駆逐するためのブ
リードオリフィスを有しているようにした。そして、請
求項3では、同じく請求項1に記載の燃料脈動圧緩衝バ
ルブにおいて、更に前記内部チャンバの空腔内から液体
を選択的に排出するために前記内部チャンバの低い部位
に配置されたドレンバルブを有しているものとした。
【0011】請求項4では、同じく請求項1に記載の燃
料脈動圧緩衝バルブにおいて、更に前記脈動を緩衝する
ために前記内部チャンバの圧力変動を吸収可能な圧縮可
能チャンバを有していることを特徴としている。請求項
5では、請求項4に記載の燃料脈動圧緩衝バルブにおい
て、前記圧縮可能チャンバを、前記内部チャンバの中で
圧縮可能な部材で構成した。
【0012】請求項6では、請求項4に記載の燃料脈動
圧緩衝バルブにおいて、前記圧縮可能チャンバを、前
ウジングの内部への開口に連絡している第2ハウジン
グで構成した。請求項7では、請求項6に記載の燃料脈
動圧緩衝バルブにおいて、前記内部チャンバと前記圧縮
可能チャンバとは、可撓性膜によって隔離されており
前記圧縮可能チャンバは、その中に圧縮された気体を有
している。
【0013】請求項8では、少なくとも一つの燃料噴射
器を備えた形式の内燃機関の燃料供給系統において、そ
の燃料供給系統が、燃料供給源と、前記燃料噴射器に対
して燃料を圧送する手段と、前記燃料供給源に前記燃料
噴射器から未使用燃料を回収するための燃料戻流ライン
と、前記燃料供給源と前記燃料噴射器との間に配置され
ている燃料脈動圧緩衝バルブと、でなり、燃料が前記燃
料脈動圧緩衝バルブを通じて前記燃料噴射器に圧送され
るように構成されていると共に、前記燃料脈動圧緩衝バ
ルブが、内部チャンバを有するハウジングと、前記内部
チャンバ内に延び、且つ前記燃料供給源から内部チャン
バに燃料を送給するために所望燃料レベルよりも上位の
高さで前記内部チャンバに開口しているポートを有して
いる導入管と、前記内部チャンバ内に延びている排出管
と、でなり、前記排出管が、前記内部チャンバ内の燃料
を前記排出管に送給して燃料噴射器に送給させる複数の
ポートを有しており、前記排出管の複数のポートが、前
所望燃料レベルより低い部位で前記内部チャンバ内に
開口していて、前記排出管のポートの下流で生じた脈動
が前記内部チャンバ内で消散される構成とした。
【0014】そして、請求項9では、請求項8に記載の
燃料供給系統において、前記燃料脈動圧緩衝バルブが、
更に、前記内部チャンバ内に前記導入管のポートより高
い位置に開口しているブリードオリフィスを有してお
り、このブリードオリフィスは、前記燃料戻流ラインに
連通していて、混入した空気や蒸気を前記内部チャンバ
から自動的に駆逐するようにしてある。
【0015】請求項10では、請求項8に記載の燃料供
給系統において、燃料脈動圧緩衝バルブが、更に前記内
部チャンバの空腔内から液体を選択的に排出するため
に、前記内部チャンバの低い部位に配置されたドレンバ
ルブを有している。請求項11では、請求項8に記載の
燃料供給系統において、燃料脈動圧緩衝バルブが、更に
前記脈動を緩衝するために前記内部チャンバの圧力変動
を吸収可能な圧縮可能チャンバを有している。
【0016】更に、請求項12では、請求項11に記載
の燃料供給系統において、前記燃料脈動圧緩衝バルブの
記圧縮可能チャンバを、前記内部チャンバの中で圧縮
可能な部材で構成してある。請求項13では、請求項1
1に記載の燃料供給系統において、前記燃料脈動圧緩衝
バルブの前記圧縮可能チャンバを、前記ハウジングの内
部への開口に連絡している第2ハウジングで構成してあ
る。
【0017】請求項14では、請求項13に記載の燃料
供給系統において、前記燃料脈動圧緩衝バルブの前記
チャンバと前記圧縮可能チャンバとは、可撓性膜によ
って隔離されており、前記圧縮可能チャンバはその中に
圧縮された気体を有している。
【0018】
【作用】この発明は、燃料ポンプと燃料噴射器の間及び
/又は内燃機関の燃料供給回路に配置されたバルブによ
って、脈動圧又は急峻な脈動波形「spikes」を、
エンジン本体等を傷めずに又はエンジン性能を低下させ
ない程度に低減する。ここで、ハウジング内の内部チャ
ンバ内に、導入管が、所望燃料レベルよりも上位の高さ
まで延びて開口していて、燃料ポンプから前記内部のバ
ルブチャンバへ燃料を圧力下で送給連絡しており、その
バルブチャンバ内に延びて開口している排出管が複数の
排出ポートを持ち、そのチャンバからエンジンに燃料を
供給伝送するようになっている。そして、その排出管は
その複数の排出ポートを、そのバルブチャンバの中に、
前述した所望燃料レベルよりも下の部位で開口させてお
り、当該内燃機関内の排出管の下流で生じた脈動は、バ
ルブチャンバ内で消散する。なお、上記所望燃料レベル
とは、本発明に係るバルブを介して燃料が供給される内
燃機関等が順調な運転を維持するために必要な内部チャ
ンバ内の燃料レベルのことである。
【0019】このバルブは、空気/蒸気による燃料流の
減少又は停止を生じたり、各燃焼室への燃料供給量に不
整を生じたりすることが原因で起こる、不整な燃料供給
動作,燃料噴射欠落,突発燃焼等を生じる混入空気やガ
ス蒸気を自動的に駆逐する。このバルブは、吸い上げ抑
止弁のように作用して、燃料噴射器又はバーナーバルブ
かその近くで別なふうに燃料のレベルを落とす液体の逆
流を抑止するものであり、これは、スプリング,ボー
ル,マッシュルームバルブ,又は他のタイプのバルブの
ような可動部分を必要とすることなく、しかも燃料系統
での顕著な圧力低下又は流量制限を伴わずに達成でき
る。
【0020】
【実施例】図1と図2とには、この発明の一つの実施例
として、内燃機関(以下単にエンジンという。)12の
燃料供給で用いられる燃料脈動圧緩衝バルブ10の態様
で示されている。エンジン12は、ユニット化された燃
料噴射器14を用いて、所定量の液体を燃焼させるため
にエンジン12の燃焼室16に、従来の方法により圧送
供給するタイプのものである。燃料は、燃料通路18を
通じて各燃料噴射器14に通じている。この発明の好適
な実施例は、(内燃式)エンジンに関連して開示してあ
ってディーゼル燃料を用いており、ガソリンやその代替
燃料とか、ガスホールを燃料としたエンジンにも同じよ
うに適用できる。
【0021】(内燃式の)エンジン12では、燃料タン
ク20に蓄えられた燃料は、燃料ポンプ22と燃料供給
管24によってバルブ10に圧送供給される。燃料は、
そこでバルブ10から燃料供給パイプライン26を通じ
て燃料通路18に送給連絡する。ユニット化した燃料噴
射器14を用いているディーゼルエンジンでは普通であ
るように、同じ動作で過給燃料は燃料戻流ライン28を
通じて燃料通路18から燃料タンク20に回帰する。
【0022】図2に最も明確に示してあるが、燃料の脈
動圧を緩衝するためのバルブ10は内部チャンバ38を
有するハウジング30で構成されている。ハウジング3
0の底部壁40は、開口部42を有し、そこには、導入
管44が延びている。その導入管44の最下端は、適当
な固定具46を介して燃料導入パイプライン24に接続
し、その導入管44の最上端はそのハウジングの内部チ
ャンバ38に通じる開口している。その底部壁40は、
更に必要によって設けた第2の開口48を包含してお
り、この開口48は、以下に説明するような目的でドレ
ン50と連通してプラグ又はバルブ52によって開閉さ
れる。
【0023】カップ形の部分32の頂部壁53には、開
口54が設けられており、これは排出管56を、適当な
固定具58を介して燃料パイプライン26に接続してい
る。排出管56の下端には、ハウジングの内部チャンバ
38に通じるように、拡開した開口又はポート60を設
けてある。その排出管56は、更に、複数の周面ポート
62を有し、これらは、燃料噴射器14によって形成さ
れたいかなる脈動波も効果的に緩衝するように、ポート
60との関連でその大きさと間隔とを設定してある。ポ
ート60の大きさと数とは、消散される脈動圧の周期と
規模によって決定される。当業者であれば、これらの大
きさは、エンジンの大きさによって決定することができ
る。
【0024】好適な実施例では、4組のポートが設けら
れ、それらの大きさは、0.010,0.020,0.
040,0.080インチの直径とした。その組合せ
は、8−12リッタで300−500馬力のディーゼル
エンジンにおける特定の用途に適用される。ハウジング
30の頂部壁53には、第2の開口64が設けられてお
り、これはオリフィスを形成していて、固定具66によ
り取付けられた管65を介して燃料戻流ライン28に連
絡している。この実施例では、そのオリフィスは、0.
020インチで、空気や蒸気を燃料戻流回帰ラインに戻
し、且つ所望の70psiの圧力を保っている。
【0025】図1に見るように、エンジンの順調な運転
のために維持すべき燃料通路18内の燃料レベルは、7
0で示した線で表される。これは、(図2の)内部チャ
ンバ38に燃料レベル70に等しいレベル(=所望燃料
レベル)よりも上位で連通している導入管44のポート
45を設け、しかも、排出管56のポート6062
が、前記所望燃料レベルより下位に開口していることに
よって達成することができるものである。この構成は、
燃料が所望レベルあるいはそれより上にあることを保証
する。
【0026】動作においては、燃料は、圧送されて燃料
ポンプ22と燃料管24を通じて内部チャンバ38に満
たされ、そして、排出管56のポート60−62を通じ
て内部チャンバ38に流れ込み、また管26を通じて燃
料通路18に流れ込む。燃料通路18内の過給の燃料は
燃料戻流ライン28を通じて燃料タンクに戻される。脈
動緩衝動作は、更にブリードオリフィス64によって強
化され、燃料は、燃料タンク20に、管65と28とを
通じて一定して戻されることになる。ポート60と62
を通過した後の残圧衝撃(spikes)又は脈動エネ
ルギは、ブリードオリフィス64を通じて更に燃料を強
制供給することによって、全ての残留エネルギを消費す
る。
【0027】図1と図2とに示したように、燃料導入管
44の開口45を、燃料通路,燃料噴射器,スロットル
弁体又はバーナ中に維持される所望の燃料レベルより僅
かに高いレベルに設けることによって、バルブ10は、
また有効な逆止弁(チェックバルブ)として作用する。
燃料の流れが停止すると、吸い上げに必要な負圧が、ブ
リードオリフィス64に取り付けられたパイプライン6
5によって破られ、空気がそのバルブ10に導入管44
の開口45のレベルに入るのを許容することになるだけ
で、その燃料は燃料導入ポート45のレベルまで逆流す
る。エンジン12又は燃料ポンプ22を再始動すると、
その空気は、入ってくる燃料によって迅速に駆逐され、
その空気は、そのブリードオリフィス64から脱出し、
燃料タンク20に戻されるか、あるいは、その空気が大
気中に逃げることができるのであれば他の適当な収容設
備に戻される。
【0028】所望によってドレン50を設けると、必要
な排出ができるように保守サービスを容易にすることが
できる。このドレンは、また、全ての燃料収容装置に適
当なドレン手段を設けることを要求しているUnite
d Coast Guardfor Maline I
nstallationsのような規則の要件も満たし
ている。ハウジング30内ではその低い部分であって燃
料ポート45,60−62やブリードオリフィス64か
ら離れたところに氷結を生じたり集中するので、燃料の
流れを阻害することはない。
【0029】運転中に、燃料が、導入管44を通じてバ
ルブ10中に入り、そして、その燃料レベルが上昇する
と、排出管56を通じて燃料供給ライン26に、またブ
リードオリフィス64を通じて燃料戻流ラインに流れる
燃料によって、内部チャンバ38内の全ての空気は置換
される。燃料噴射器又はバルブ動作によって生じた脈動
圧又は衝撃は、入ってくる燃料を通じて排出管56へと
戻るように、また、前述したように、入ってくる燃料に
そのバルブ10内でその脈動を逐次開放することによっ
てそのエネルギを分散,消散し、しかも燃料中の空気や
蒸気をブリードオリフィス64から漏出するような大き
さと配置としたポート60−62を通じて移動する。
【0030】この脈動圧の緩衝又は除去は、図3に示し
たようなドーム80を付加することによって強化され
る。そのドーム80は、その底部で開けることができ、
而して空気を封入し、これを圧縮して脈動圧の解消を助
長する。所望ならば、拡張可能な膜82をそのドーム8
0の底部に取付けてそこを閉鎖し、そしてバルブ83を
介して適当なガスでドーム80を加圧できるようにす
る。この加圧されたドーム80は、蓄圧器のように作用
して脈動圧の影響で拡大縮小し、更にその脈動を緩衝す
る。このドーム80内が、本発明における「圧縮可能な
チャンバ」に相当する。
【0031】「圧縮可能なチャンバ」の別な態様が、縦
管84の形で図4に示されており、これは、追加の空気
量を供給するのと類似の方法でそのチャンバ38内の脈
動圧を緩衝又は解消する。図5には、この発明の更に別
な態様の代替実施例が示されており、圧縮可能なプラス
チック、ゴム又は圧力下で圧縮可能な他の材料で構成さ
れた、中空の球体90が、チャンバ38の中に配設され
ている。かかる中空の球体90は、脈動の緩衝を補助す
るために上記のような圧縮可能な材料で構成されてい
る。この中空の球体90が本発明における「圧縮可能な
部材」に相当し、中空の球体90内が本発明における
「圧縮可能なチャンバ」に相当する。
【0032】この発明は、主としてディーゼルエンジン
に用いるものであるが、これは、広くガソリンエンジン
やメタノール(アルコール)ジェット、タービン、蒸
気、その他大気より高い圧力を用いて運転される圧力又
は自重で流れる液体燃料の供給システムを用いたパワー
プラント等に広く適用できることは、当業者には理解で
きるであろう。この発明は、また、空気/又は蒸気のク
ッションが性能を損なったり、好ましくない脈動圧を緩
衝したり除去したりしなければならない油圧や流体作動
システムのような他の用途にも応用できる。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、一つのバルブで、脈
動圧の規模を低減したり、混入空気,ガス等これに類す
るものを自動的に駆逐したり、吸い上げ抑止チェックバ
ルブのように機能するバルブを提供することができる。
また、そのバルブは、小型でコンパクトで、しかも安価
に製造組立ができそして取付けが容易で、通常のメンテ
ナンスを必要とすることなく作動させることのできる。
【0034】更に、家庭暖房やディーゼル用の燃料等の
中油を用いて、低温環境で運転されるが、パラフィンや
ゼリー状燃料、又は現に用いられているチェックバルブ
では一般的である弁座のような精密な仕上げがしてある
部品や表面での氷結によって詰まりを生じることがな
い。また更に、ワックス状/又はゼリー状の燃料がその
導入側のポートと排出側のポートとを通じて、エンジン
で形成されたその脈動圧がそのバルブ内で消散されて、
同時にワックスの結晶を溶解するような方法で流動させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のバルブを用いた燃料供給系統を有す
る内燃機関の全体図。
【図2】図1に示されたバルブの縦断面図。
【図3】図2に示されたバルブとは異なる実施例のバル
ブの縦断面図。
【図4】図2及び図3に示されたバルブとは異なる実施
例のバルブの縦断面図。
【図5】図2ないし図4に示されたバルブとは異なる実
施例のバルブの縦断面図。
【符号の説明】
10 バルブ 12 エンジン 14 燃料噴射器 18 燃料通路 20 燃料タンク 24 燃料導入パイプライン 28 燃料戻流ライン 30 ハウジング 38 内部チャンバ 42 開口 44 導入管 45 開口又はポート 54 開口 56 排出管 60 開口又はポート 62 開口又はポート 64 ブリードオリフィス 80 ドーム 82 膜 84 縦管 90 圧縮可能な球体

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部チャンバを有するハウジングと、 前記内部チャンバ内に延び、且つ前記内部チャンバに燃
    料を送通させるために所望燃料レベルよりも上位の高さ
    で前記内部チャンバに開口しているポートを有している
    導入管と、 前記内部チャンバ内に延びている排出管と、 を有しており、 前記排出管は、これに前記内部チャンバ内の燃料の下流
    で連通するために通じている複数のポートを有してお
    り、前記排出管の複数のポートが、前記所望燃料レベル
    よりも低い部位で前記内部チャンバ内に開口していて、
    前記排出管のポートの下流で生じた脈動が、前記内部チ
    ャンバ内で消散される構成としたことを特徴とする、燃
    料脈動圧緩衝バルブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料脈動圧緩衝バルブ
    において、 更に、前記内部チャンバ内に前記導入管のポートより高
    い位置に開口して、混入した空気や蒸気を前記内部チャ
    ンバから駆逐するためのブリードオリフィスを有してい
    る、燃料脈動圧緩衝バルブ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の燃料脈動圧緩衝バルブ
    において、 更に、前記内部チャンバの空腔内から液体を選択的に排
    出するために前記内部チャンバの低い部位に配置された
    ドレンバルブを有している、燃料脈動圧緩衝バルブ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の燃料脈動圧緩衝バルブ
    において、 更に、前記脈動を緩衝するために前記内部チャンバの圧
    力変動を吸収可能な圧縮可能チャンバを有している、燃
    料脈動圧緩衝バルブ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の燃料脈動圧緩衝バルブ
    において、 前記圧縮可能チャンバは、前記内部チャンバの中で圧縮
    可能な部材で構成されている燃料脈動圧緩衝バルブ。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の燃料脈動圧緩衝バルブ
    において、 前記圧縮可能チャンバは、前記ハウジングの内部への開
    口に連絡している第2ハウジングで構成されている、燃
    料脈動圧緩衝バルブ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の燃料脈動圧緩衝バルブ
    において、 前記内部チャンバと前記圧縮可能チャンバとは、可撓性
    膜によって隔離されており、前記圧縮可能チャンバは、
    その中に圧縮された気体を有している、燃料脈動圧緩衝
    バルブ。
  8. 【請求項8】 少なくとも一つの燃料噴射器を備えた形
    式の内燃機関の燃料供給系統において、 その燃料供給系統が、 燃料供給源と、 前記燃料噴射器に対して燃料を圧送する手段と、 前記燃料供給源に前記燃料噴射器から未使用燃料を回収
    するための燃料戻流ラインと、 前記燃料供給源と前記燃料噴射器との間に配置されてい
    る燃料脈動圧緩衝バルブと、 でなり、 燃料が前記燃料脈動圧緩衝バルブを通じて前記燃料噴射
    器に圧送されるように構成されていると共に、 前記燃料脈動圧緩衝バルブが、 内部チャンバを有するハウジングと、 前記内部チャンバ内に延び、且つ前記燃料供給源から内
    部チャンバに燃料を送給するために所望燃料レベルより
    も上位の高さで前記内部チャンバに開口しているポート
    を有している導入管と、 前記内部チャンバ内に延びている排出管と、 でなり、 前記排出管が、前記内部チャンバ内の燃料を前記排出管
    に送給して燃料噴射器に送給させる複数のポートを有し
    ており、 前記排出管の複数のポートが、前記所望燃料レベルより
    低い部位で前記内部チャンバ内に開口していて、前記排
    出管のポートの下流で生じた脈動が前記内部チャンバ内
    で消散される構成としたことを特徴とする、内燃機関の
    燃料供給系統。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の燃料供給系統におい
    て、 前記燃料脈動圧緩衝バルブが、更に、前記内部チャンバ
    内に前記導入管のポートより高い位置に開口しているブ
    リードオリフィスを有しており、このブリードオリフィ
    スは、前記燃料戻流ラインに連通していて、混入した空
    気や蒸気を前記内部チャンバから自動的に駆逐するよ
    にした、燃料供給系統。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の燃料供給系統におい
    て、 燃料脈動圧緩衝バルブが、更に、前記内部チャンバの空
    腔内から液体を選択的に排出するために、前記内部チャ
    ンバの低い部位に配置されたドレンバルブを有してい
    る、燃料供給系統。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の燃料供給系統におい
    て、 燃料脈動圧緩衝バルブが、更に、前記脈動を緩衝するた
    めに前記内部チャンバの圧力変動を吸収可能な圧縮可能
    チャンバを有している、燃料供給系統。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の燃料供給系統にお
    いて、 前記燃料脈動圧緩衝バルブの前記圧縮可能チャンバは、
    前記内部チャンバの中で圧縮可能な部材で構成されてい
    る燃料供給系統。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の燃料供給系統にお
    いて、 前記燃料脈動圧緩衝バルブの前記圧縮可能チャンバは、
    記ハウジングの内部への開口に連絡している第2ハ
    ジングで構成されている、燃料供給系統。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の燃料供給系統にお
    いて、 前記燃料脈動圧緩衝バルブの前記内部チャンバと前記
    縮可能チャンバとは、可撓性膜によって隔離されてお
    り、前記圧縮可能チャンバはその中に圧縮された気体
    有している、燃料供給系統。
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