JP2585926Y2 - 出力部材に複合運動を行なわせる装置 - Google Patents

出力部材に複合運動を行なわせる装置

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JP2585926Y2
JP2585926Y2 JP1991006109U JP610991U JP2585926Y2 JP 2585926 Y2 JP2585926 Y2 JP 2585926Y2 JP 1991006109 U JP1991006109 U JP 1991006109U JP 610991 U JP610991 U JP 610991U JP 2585926 Y2 JP2585926 Y2 JP 2585926Y2
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平三郎 加藤
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Sankyo Manufacturing Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、組立機械用ヘッド、自
動パーツハンドリング、産業用ロボットなどの産業用自
動機械に使用されている出力部材に複合運動を行なわせ
る装置に係わり、特に簡易な機構をもって出力部材を所
定の2次元領域内で複合運動させることができる装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の装置として、特公昭55−
4978号公報に提案されているものがある。
【0003】当該提案のものは、図3に示すように、入
力軸1の等速回転を2つの出力軸2,3のそれぞれ独立
した揺動回転に変換する伝動手段4と、この伝動手段4
のケーシング5にその入力軸1に対して平行に配設され
た案内ロッド6と、この案内ロッド6に摺動移動自在に
嵌装された摺動ブロック7と、この摺動ブロック7に前
記案内ロッド6に対して直角に交叉して形成された摺動
溝8と、この摺動溝8に一端が滑り対偶で係合され他端
が前記伝動手段4の一方の出力軸2に固着された摺動ブ
ロック駆動用のレバー9と、前記案内ロッド6に直角に
交叉して前記摺動ブロック7に摺動移動自在に嵌合され
た摺動棒10と、この摺動棒10の一端に固定されて設
けられ前記案内ロッド6に対して平行な摺動溝部11を
有する係合部材12と、この係合部材12の摺動溝部1
1に一端が滑り対偶で係合され他端が前記伝動手段4の
他方の出力軸3に固着された摺動棒駆動用のレバー13
と、前記摺動棒10の他端に固定されて設けられた出力
部材14とからなっており、出力部材14は摺動ブロッ
ク7の摺動方向(Y軸方向)と摺動棒10の摺動方向
(X軸方向)とに沿って、2つのレバー9,13のそれ
ぞれの揺動に応じて複合運動されつつ平行に移動され、
かつその運動し得る領域Aは摺動ブロック7の往復摺動
ストロークS1 と摺動棒10の往復摺動ストロークS2
とによって形成される2次元の矩形平面内になってい
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案の装置にあっては、レバー9,13を介して出力部材
14に平行運動を行なわせているため、出力部材14に
対する反力が大きくなるとレバー9,13の曲げ変形が
無視できなくなり、所定の動作精度を維持することが困
難になる。また、入力軸1の等速回転運動を出力軸2,
3の各々独立した揺動回転運動に変換するために2個の
グロボイダルカムを使用しており各々の出力軸2,3の
揺動回転運動を決定するカムの形状加工工程が複雑であ
る。さらに、出力部材14の平行運動を所定の動作精度
で行なわせるためにはケーシング5への各部品の組付け
精度を所定の範囲に保たなければならず、組立工数が多
くなりがちである。しかも、出力部材14の運動軌跡を
変更するにあたっては、2個のグロボイダルカムのカム
形状を各々変更しなければならず、繁雑な工程を要する
という問題点があった。
【0005】本考案は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、簡易な構造をもって所定
の2次元領域内で出力部材に複合運動を行なわせ得る装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の目的を達
成するために、ハウジングに回転自在に軸支された入力
軸と、該ハウジング内で該入力軸に軸着され、前記入力
軸の回転角度に応じた径方向の変位量を付与する外周面
形状を有して形成された周面カムと、該周面カムの外周
面に形成され、前記入力軸の回転角度に応じた軸方向の
変位量を付与する無端状の溝カムと、該溝カムに係合す
ると共に前記周面カムに当接して滑動する滑動部材と、
該滑動部材に一体的に設けられて前記ハウジング外に露
出された出力部材と、該出力部材に一体的に設けられる
と共に、前記入力軸の軸方向への移動と該入力軸に直交
する2軸の内一方の軸方向への移動とを許容されて前記
ハウジングに係合され、該出力部材の運動を規制する規
制部材とを備えて出力部材に複合運動を行なわせる装置
を構成する。
【0007】
【作用】前記構成を有する本考案によれば、入力軸が回
転されるとこの入力軸に軸着された周面カムが入力軸と
同一の回転速度で回転するので、この周面カムの外周面
に当接している滑動部材およびそれに一体的に設けられ
ている出力部材は、入力軸の回転角度に応じて前記周面
カムの外周面形状に従った前記入力軸径方向の変位を与
えられる。
【0008】また、これと同時に前記滑動部材は、周面
カムの外周面に形成されている溝カムにも係合している
ので、周面カムが回転すると、その回転角度に応じた入
力軸軸方向の変位を与えられ、この滑動部材に一体的に
設けられている出力部材も滑動部材と同様の入力軸軸方
向の変位を与えられる。
【0009】一方、出力部材の運動はこの出力部材に一
体的に設けられて装置のハウジングと係合する規制部材
によって入力軸の軸方向と、入力軸と直交する2軸の内
一方の軸方向への移動のみが許容されているので、最終
的に、出力部材は入力軸の軸心に平行ないずれかの平面
内で、周面カムの外周面形状と溝カムの形状とから定め
られる、入力軸の回転角度に応じた複合運動を行なうの
である。
【0010】また、前述のように、1個のカムで出力部
材の運動を直接制御しているので、所定の動作精度を維
持するのが容易である。
【0011】さらに、装置を構成する部品点数を削減す
ることができるので、装置の組立工数を低減することが
でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0012】加えて、出力部材の運動軌跡を変更する際
に、1個のカムのみを交換すればよいので、変更作業が
容易である。
【0013】
【実施例】以下に、本考案の好適な一実施例を、添附図
面に基づき詳述する。図1は本考案に係る出力部材に複
合運動を行なわせる装置の縦断面図を示し、図2はその
図1中のii−ii線矢視断面図を示している。
【0014】図1において、ハウジング20には、一対
のベアリング24a,24bが、一方はハウジング本体
20aに、もう一方はハウジング本体20aに密嵌合さ
れる蓋部20bに固設されている。本実施例にあっては
これらのベアリング24a,24bにはボール・ベアリ
ングを採用している。
【0015】入力軸22は、前記の一対のベアリング2
4a,24bによってハウジング20に対して回転自在
に軸支されている。
【0016】入力軸22には、周面カム26が固着され
ており、この周面カム26は前記の一対のベアリング2
4a,24bに挟まれるようにしてハウジング20内に
配設されている。ここで、図2を参照して周面カム26
の外周面形状について述べると、本実施例にあっては、
その軸心に直交する横断面で見て略楕円形を成してい
る。ただし、この外周面形状は、入力軸の回転角度に応
じて所望の径方向変位が得られるように適宜決定すれば
よく、例えば円筒カムを入力軸22に対して偏心させて
固着することにより入力軸22径方向の変位を与えるよ
うに構成してもよい。
【0017】周面カム26の外周面上には、溝カム28
が無端状に形成されている。この溝カム28は、図1に
示す通り、入力軸22の回転角度に応じて所定の入力軸
22の軸方向の変位を与えるように、蛇行させて設けら
れている。
【0018】この周面カム26と溝カム28とには、滑
動部材30が係合している。滑動部材30は、溝カム2
8内に挿入されてこれに沿って摺動移動自在に係合され
ている丸軸状のカムフォロワ30aと、周面カム26の
外周面に当接されて摺動するスライダー30bとからな
り、カムフォロワ30aは、スライダー30bに植設さ
れている。
【0019】出力部材32はその長辺を入力軸22の軸
方向に直交する方向に沿わせた長方形状の板材でなり、
ハウジング20外に露出されて設けられている。その略
中央部には突出部34が形成されており、この突出部3
4において滑動部材30と一体的に結合されている。す
なわち、本実施例ではこの突出部34がスライダー30
bになっており、この突出部34は、ハウジング20の
上壁面に入力軸22の軸方向に沿って開口された長穴2
0cを挿通されて、周面カム26の外周面に当接してい
る。なお、本実施例にあっては、出力部材32とスライ
ダー30bとが一体的に形成されており、カムフォロワ
30aを別部材としているが、出力部材32とスライダ
ー30bおよびカムフォロワ30aとを一体的に形成す
るようにしてもよい。また、出力部材32とスライダー
30bとカムフォロワ30aとを各々独立の部材として
形成しておき、それらを一体的に結合するようにしても
よい。
【0020】一方、図2に示すように、出力部材32の
一端部側には、ハウジング20に係合して出力部材32
の運動を規制するための規制部材36が一体的に設けら
れている。本実施例では、この規制部材36はハウジン
グ20に向けて出力部材32から直角に延出された平板
材でなり、ハウジング20の内部に画成されている保持
部38に係合されている。保持部38は、ハウジング2
0の内部において入力軸22と平行に配置されて当該ハ
ウジング20に固設された一対の平板40によって構成
され、これらの平板40で画成される保持空間内に規制
部材36が挿入されていて、規制部材36とハウジング
20内に保持空間を画成する平板40とは、平板状のこ
ろがり軸受42を介して係合している。すなわち、出力
部材32は入力軸22の軸方向および入力軸22と直交
する2軸のうちの一方の軸方向への運動のみが許容され
ている。なお、ころがり軸受42は、流体潤滑軸受など
のすべり軸受で代用することも可能である。
【0021】また、出力部材32の他端部側には、当該
出力部材32およびこれに一体化された滑動部材30を
周面カム26の外周面に対して当接させるべく付勢する
ためのスプリング44が設けられている。本実施例にあ
っては、このスプリング44は、ハウジング20の上壁
面に入力軸22の軸方向に沿って開口された長穴20d
を挿通されて出力部材32とハウジング20底部との間
に配設され、両者を結合する引きバネである。なお、出
力部材32がその自重によって充分安定して周面カム2
6の外周面に追従して運動可能であるという条件の下で
は、スプリング44は省略することができる。
【0022】次に、以上のように構成された実施例の作
用について説明する。ハウジング20に対して一対のベ
アリング24a,24bによって回転自在に軸支されて
いる入力軸22が回転されると、この入力軸22にハウ
ジング20内において軸着されている周面カム26が、
入力軸22と同一の回転速度で回転する。このとき、入
力軸22の軸心から周面カム26の外周面までの距離
は、入力軸22の回転角度と周面カム26の外周面形状
とに応じて変化する。一方、出力部材32に一体的に形
成されているスライダー30bは、周面カム26の外周
面に当接されているので、出力部材32の入力軸22の
軸心からの距離は、入力軸22の回転角度に応じて変化
する。つまり、出力部材32は、入力軸22の回転によ
って、図1X軸方向への変位が与えられることになる。
【0023】また、出力部材32と一体的に結合されて
いる滑動部材30のカムフォロワ30aは、周面カム2
6の外周面に形成されている溝カム28に係合してお
り、その溝カム28は入力軸22すなわち周面カム26
の回転角度に応じて、所定の軸方向の変位が得られるよ
うに形成されているので、入力軸22が回転し、周面カ
ム26が回転すると、滑動部材30とそれに一体的に結
合されている出力部材32は、上記X軸方向への変位と
同時に、入力軸22の回転角度に応じた軸方向への変
位、すなわち図1Y軸方向への変位が与えられることに
なる。
【0024】一方、出力部材32の一端部近傍に、出力
部材32から一体的に突設されている平板状の規制部材
36は、ハウジング20の内部に一対の平板40によっ
て画成されている保持空間に挿入されていて、この規制
部材36は、ハウジング20に対して、軸受42を介し
て、この規制部材36自体を含む平面内での運動のみが
許容されているので、この規制部材36に一体的に結合
されている出力部材32は、そのX軸,Y軸廻りの振れ
が抑止されるのである。
【0025】また、出力部材32の他端部は、スプリン
グ44を介してハウジング20の底部側へ付勢されてい
る。すなわち、出力部材32に一体的に結合されている
突出部34は、周面カム26の外周面に向けて付勢され
ているので、突出部34は、安定して周面カム26の外
周面に追従することができ、出力部材32の図1X軸方
向の踊りを抑止することができる。
【0026】また、前述のように、1条の溝カム28が
その外周面に形成された周面カム26で出力部材32の
運動を直接制御しているので、所定の動作精度を維持す
るのが容易である。
【0027】加えて、出力部材32の運動軌跡を変更す
る際には、1条の溝カム28がその外周面に形成された
周面カム26のみを交換すればよいので、変更作業が容
易である。
【0028】さらに、装置を構成する部品点数を削減す
ることができるので、装置の組立工数を低減することが
でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0029】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば、
次のような優れた効果を発揮する。 (1)出力部材の2次元領域内における運動を1個のカ
ムで直接制御しているので、所定の動作精度を容易に確
保することができるばかりか、その1個のカムを交換す
るのみで、容易に運動軌跡を変更することができる。 (2)装置の部品点数を大幅に削減し得るので、装置の
組立工数低減および製造コストの低減を可及的に図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る出力部材に複合運動を行なわせる
装置の好適な一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1中のii−ii線矢視断面図である。
【図3】従来の装置を示す平面図である。
【符号の説明】
20…ハウジング 20a…ハウジング本体 20b…蓋部 20c,20d…長穴 22…入力軸 24a,24b…ベアリング 26…周面カム 28…溝カム 30…滑動部材 30a…カムフォロワ 30b…スライダー 32…出力部材 34…突出部 36…規制部材 38…保持部 40…平板 42…軸受 44…スプリング

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに回転自在に軸支された入力
    軸と、該ハウジング内で該入力軸に軸着され、前記入力
    軸の回転角度に応じた径方向の変位量を付与する周面カ
    ムと、該周面カムの外周面に形成され、前記入力軸の回
    転角度に応じた軸方向の変位量を付与する無端状の溝カ
    ムと、該溝カムに係合すると共に前記周面カムに当接し
    て滑動する滑動部材と、該滑動部材に一体的に設けられ
    て前記ハウジング外に露出された出力部材と、該出力部
    材に一体的に設けられると共に、前記入力軸の軸方向へ
    の移動と該入力軸に直交する2軸の内一方の軸方向への
    移動とを許容されて前記ハウジングに係合され、該出力
    部材の運動を規制する規制部材と、を備えたことを特徴
    とする出力部材に複合運動を行なわせる装置。
JP1991006109U 1991-01-23 1991-01-23 出力部材に複合運動を行なわせる装置 Expired - Lifetime JP2585926Y2 (ja)

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