JP2585860Y2 - 編成布帛表皮材の吊り込み構造 - Google Patents

編成布帛表皮材の吊り込み構造

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JP2585860Y2
JP2585860Y2 JP6910193U JP6910193U JP2585860Y2 JP 2585860 Y2 JP2585860 Y2 JP 2585860Y2 JP 6910193 U JP6910193 U JP 6910193U JP 6910193 U JP6910193 U JP 6910193U JP 2585860 Y2 JP2585860 Y2 JP 2585860Y2
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尚喜 冨永
輝久 冨永
良則 柳田
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高島屋日発工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は車両用シートカバー等に
用いられる、3次元立体編みにより形成された編成布帛
表皮材の吊り込み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用シートカバーは、織布を裁断した
複数枚のピースを縫い合わせて製造され、その裏面に係
止手段を設けてクッション体に係止させるのが普通であ
る。しかし最近では3次元立体編みと呼ばれる技術が開
発されており、例えば特開平2-128784号公報に示される
ように、3次元立体編みにより編成布帛表皮材を製造す
ると同時に、その裏面にループ状の吊り布帛を一体的に
形成し、この吊り布帛を利用してクッション体への吊り
込みを行うことが提案されている。
【0003】ところがこの3次元立体編みは、図7に示
すように横方向(ウエル方向)にはループ状の吊り布帛
21を形成することができるものの、縦方向(コース方
向)にはループを形成することができない。このため、
縦方向については図8に示すように、編成布帛表皮材22
のバック表皮23をCリング24によってモールドパッド25
内のワイヤ26に固定する方法を取ることとなり、フロン
ト表皮27にダブリが出るという問題があった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案は上記した従来
の問題点を解決して、3次元立体編みにより製造された
編成布帛表皮材を、その縦方向についてもフロント表皮
にダブリを生じさせることなくクッション体へ吊り込む
ことができる編成布帛表皮材の吊り込み構造を提供する
ためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本考案は、編成布帛表皮材のフロント表皮
とバック表皮との間の空間に、上面にフロント表皮の固
定部を備えた保持部材を設け、この固定部にフロント表
皮を固定したうえ、保持部材をクッション体に係止させ
たことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本考案の編成布帛表皮材の吊り込み構造によれ
ば、編成布帛表皮材のフロント表皮とバック表皮との間
の空間に設けられた保持部材の固定部にフロント表皮を
固定したうえ、この保持部材をクッション体に係止させ
るので、編成布帛表皮材のバック表皮とともに、フロン
ト表皮をも確実に位置決めすることができる。このた
め、フロント表皮のダブリや、保持部材からの抜けを防
止することができ、見栄えを向上させることができる。
【0007】
【実施例】以下に本考案を図示の実施例によって更に詳
細に説明する。図1及び図2は第1の実施例を示すもの
であり、図1において、1は3次元立体編みされた編成
布帛表皮材、2はそのフロント表皮、3はそのバック表
皮である。また4はフロント表皮2とバック表皮3との
間に形成された空間である。
【0008】3次元立体編み機は図3に示すように、フ
ロント側とバック側の2つのフラット・ニッティング・
ベッド4、5を持ち、それぞれに編針6、7とこれを駆
動するカムボックス8を備えた構造のものである。そし
てフロント側とバック側とを独立して作動させることが
できるので、両側の編針6、7を絡ませずに編むことに
よって、フロント表皮2とバック表皮3との間に空間4
を形成することができる。
【0009】図1に示すように、この空間4の内部には
所要の長さの保持部材9が設けられている。この保持部
材9は上面にフロント表皮2の固定部10を備えた断面が
ほぼU字状のものであり、両側面には貫通孔11が形成さ
れている。この固定部10にフロント表皮2を挿入して固
定したうえ、図2に示すように保持部材9をクッション
体12内のワイヤ13にCリング14により固定する。この結
果、編成布帛表皮材1はバック表皮3とともに、フロン
ト表皮2も確実に位置決めされることとなり、フロント
表皮2のダブリを防止することができる。
【0010】図4、図5に示す第2の実施例では、フロ
ント表皮2とバック表皮3との間に形成された空間4の
内部に、ホットメルトフィルムよりなる保持部材15が挿
入されている。そして図5に示すようにこれを上方から
型16でプレスし、ホットメルトフィルムよりなる保持部
材15を上面にフロント表皮2の固定部10を備えた断面V
字状に成形するとともに、フロント表皮2をその内部に
接着する。その後、この保持部材15を第1の実施例と同
様にクッション体12のワイヤ13にCリング14により固定
する。この実施例においても、編成布帛表皮材1のフロ
ント表皮2も確実に位置決めされることとなり、フロン
ト表皮2のダブリを防止することができる。
【0011】図6に示す第3の実施例では、第1の実施
例と同様の保持部材9を固定するために、クッション体
12の内部に保持部材9を収納できる空洞部を持つ固定部
材17が取り付けられている。その他の構成は第1の実施
例と同様である。
【0012】
【考案の効果】以上に説明したように、本考案の編成布
帛表皮材の吊り込み構造によれば、編成布帛表皮材のフ
ロント表皮をも確実に固定することができ、3次元立体
編みにより製造された編成布帛表皮材を、その縦方向に
ついてもフロント表皮にダブリを生じさせることなくク
ッション体へ吊り込むことができる。よって本考案は従
来の問題点を解消した編成布帛表皮材の吊り込み構造と
して、その実用的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す編成布帛表皮材の断面図及
び保持部材の斜視図である。
【図2】第1の実施例を示す断面図である。
【図3】3次元立体編み機の斜視図である。
【図4】第2の実施例を示す編成布帛表皮材の断面図で
ある。
【図5】第2の実施例を示す断面図である。
【図6】第3の実施例を示す断面図である。
【図7】従来例を示す斜視図である。
【図8】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 編成布帛表皮材 2 フロント表皮 3 バック表皮 4 空間 9 保持部材 10 固定部 12 クッション体 15 第2の実施例の保持部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B68G 7/052 A47C 31/02

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】編成布帛表皮材(1) のフロント表皮(2) と
    バック表皮(3) との間の空間(4) に、上面にフロント表
    皮(2) の固定部(10)を備えた保持部材(9)を設け、この
    固定部(10)にフロント表皮(2) を固定したうえ、保持部
    材(9) をクッション体(12)に係止させたことを特徴とす
    る編成布帛表皮材の吊り込み構造。
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