JP2585591Y2 - ゴムボート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は滑走型ゴムボートの船首
部の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、気胴状のボート本体にエアを
注入してなるゴムボートが、エアーを抜いて折り畳み、
保管、運搬に便利であることから滑走型ゴムボートとし
て用いられている。滑走型ゴムボートは高速性能が要求
され、保針性、旋回性、凌波性、加速性等の操縦性を向
上させるために、ゴムボートの先端をやや上方にそり上
がらせて傾斜して形成されている。また、通常ゴムボー
トの底床部には気胴状のエアキールを設け、底部が断面
Ｖ字状に形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
滑走型ゴムボートはバウ部の形状が変形し易いため、走
行時にバウ部が激しく上下するため走行安定性が低下し
て、あまりスピードを上げられないという問題があっ
た。またエアキールを有する滑走型ゴムボートにおいて
は、エアキールに空気を充填すると、船首（バウ）部が
下がりバウ部の形状が変形し形状保持性が低いという欠
点があった。

【０００４】本考案は上記従来技術の欠点を解消しよう
とするものであり、バウ部の形状保持性に優れた滑走型
ゴムボートを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案のゴムボートは、
気胴状のボート本体にエアを注入してなり、船首部分が
上方そり上がらせて形成されているゴムボートにおい
て、気胴状ボートの最上部付近であって、少なくとも船
首そり上がり開始位置の前後をわたらせるように、硬質
材料からなるハンドル状レールが取り付けられているこ
とを特徴とするものである。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基き本考案の実施例を詳細に説
明する。図１は本考案のゴムボートの１例を示す平面図
であり、図２は図１における側面図である。

【０００７】本考案のゴムボート１は図１及び図２に示
すように硬質材料からなるハンドル状レールがバウレー
ル３として滑走型ゴムボートのボート本体２の船首上面
に取付けられている。バウレール３のボート本体２への
取付け位置は船首のそりあがる位置（図において付合Ａ
で示す位置）から少なくとも後方へ入り込んだ位置から
船首方向に向かって（すなわち、船首のそりあがり開始
位置の前後をわたらせるように）取付けられていればよ
い。

【０００８】また図６に示すように、ハンドル状レール
（バウレール３）は気胴状のボート本体２の内部側表面
（又は図示しないが外部側表面）に取り付けて、バウレ
ール留め座の取り付け位置がボート本体の最上部（図６
中で点線Ｈで示す位置）付近より内側又は外側部に形成
するのではなく、図１及び図２に示すように気胴状ボー
ト本体の最上部付近に取り付けられる。本考案ゴムボー
トは、上記位置にハンドル状レールが取り付られている
為、それ以外の位置に取り付けた場合と比較して船首部
の形状保持性が高く、しかも乗員が容易につかまること
ができるものである。

【０００９】図３はバウレール取付け部の部分拡大図で
ある。バウレール３はボート本体２から着脱可能な構造
であればよく、例えば図３に示すように、ゴムの座台６
にボルト７を埋設したバウレール止め座４をボート本体
２側に設け、バウレール３の脚部に貫通孔８を設け、ナ
ット９で固定するように形成することができる。

【００１０】図４はバウレールの態様を示す説明図であ
る。バウレール３の形状は、図１、２に示す形状以外に
例えば図４に示すような形状に形成可能である。（ａ）
に示すようにボートの船首形状に沿って曲線状（逆Ｕ字
状）に形成したもの、（ｂ）のように胴部の片側ずつ２
つに分割して形成したもの、（ｃ）に示すようにボート
本体２の船首のそりあがる位置から後方に、胴部を橋掛
け状に連結する横レール１１と、該横レール１１の両端
から船首方向に連結して三角形に形成したもの、（ｄ）
のようにボート本体２の船首のそりあがる位置Ａから後
方に、胴部を橋掛け状に連結する横レール１１を設け、
該横レールの中間部から船首方向に縦レール１２を接合
した形状に形成したものなど、各種任意の形状に形成可
能である。また、船首部分のみでなく、船首から船尾に
わたってハンドル状レールを取付けてもよい。

【００１１】図５はバウレールのその他の例を示す斜視
図である。バウレール３は図５に示すようにレールの途
中にジョイント部１０を設けて分割可能に形成すること
ができる。このように形成した場合、ボート本体といっ
しょに収納する場合コンパクトに収納可能となる利点が
ある。またジョイント部によってフレキシブルに形成さ
れるため、船首の形状が多少異なるゴムボートであっ
も、バウレールを共通に使用することができる。

【００１２】バウレール３の材質はバウ部の形状を保持
できる硬質材料であればよく、例えばステンレス、アル
ミニウム、スチール等の金属や、硬質のプラスチック等
が用いられる。

【００１３】本考案のゴムボート１のボート本体２は滑
走型のゴムボートであればよく、例えは図１及び図２に
示すように、チューブ状の胴部２１が前方及び両側の３
方の胴部からなるＵ字状に形成され、該胴部２１の両側
部に橋かけするように船外機取付け用のトランサム板２
２が設けられる。

【００１４】また、胴部２１の底面部には、底板２３が
取りつけられている。更に下部にチューブ状のエアキー
ル５を設けてもよい。また特に図示しないが、胴部の下
部からエアキールの下面を通し断面Ｖ字状に底布を設け
る場合もある。チューブ状に形成された胴部やエアキー
ルは例えばゴム引布等から形成されている。

【００１５】

【考案の効果】以上説明したように本考案のゴムボート
は、硬質材料からなるハンドル状レールをバウレールと
して滑走型ゴムボートのボート本体の船首そり上がり開
始位置の前後にわたさせるように取付けた構成を採用し
たことにより、船首部の形状保持性に優れた滑走用ゴム
ボートが得られ、水面の影響によりバウが激しく上下す
るのを防止して走行安定性が向上し、スピードアップが
図れる。

【００１６】また、水面の急激な変化があって船体が揺
れた場合、乗員はバウレールにつかまって体を保持する
ことができるため、乗員の安全性を確保することができ
る等の効果を有する。

【００１７】また、エアキールを有する滑走型ゴムボー
トの場合には、エアキールに空気を注入した際にバウ部
が下がることなくバウ部の形状保持性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のゴムボートの１例を示す平面図であ
る。

【図２】図１における側面図である。

【図３】バウレール取付け部の部分拡大図である。

【図４】バウレールの他の態様を示す説明図である。

【図５】バウレールの他の例を示す斜視図である。

【図６】バウレール取り付け位置を説明するための部分
平面図である。

【符号の説明】 １：ゴムボート ２：ボート本体 ３：バウレール ４：バウレール止め座 ５：キール Ａ：船首がそり上がり始める位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B63B 7/08

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 気胴状のボート本体にエアを注入してな
   り、船首部分が上方にそり上がらせて形成されているゴ
   ムボートにおいて、気胴状ボートの最上部付近であっ
   て、少なくとも船首そり上がり開始位置の前後をわたら
   せるように、硬質材料からなるハンドル状レールが取り
   付けられていることを特徴とするゴムボート。