JP2585458B2 - 湿気・熱気排出および熱気循環装置並びにそれを利用した建築物 - Google Patents

湿気・熱気排出および熱気循環装置並びにそれを利用した建築物

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JP2585458B2
JP2585458B2 JP2226308A JP22630890A JP2585458B2 JP 2585458 B2 JP2585458 B2 JP 2585458B2 JP 2226308 A JP2226308 A JP 2226308A JP 22630890 A JP22630890 A JP 22630890A JP 2585458 B2 JP2585458 B2 JP 2585458B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は冬期には湿気のみ、冬期以外には湿気と熱気
との両方を排出するようにし、冬期には熱気を循環する
ようにした湿気・熱気排出および熱気循環装置並びにそ
の装置を利用した建築物に関するものである。
(従来の技術) 一般に、我が国の古来の建築物は夏期における高温多
湿という気候・風土を考えて、夏を旨とした建築様式で
あった。
最近の建築物では地震、冬期への対策として、基礎を
連続基礎とし、室内の気密性の向上を図るアルミサッシ
等が利用され、床、壁および天井には断熱材が挿入さ
れ、一年間を通して住みやすい快適な建築物となってき
ている。
しかし、その反面、連続基礎は通気性が悪く、シロア
リの発生や木材等の腐れという種々の弊害を引き起こ
し、建物の耐久性を著しく低下させる最大の要因となっ
ている。
これら要因を解決するために、従来、壁厚内に省エネ
ルギーおよび快適性を確保するために断熱層を介在して
外壁側に通気層を形成し、この通気層に外壁下部から小
屋裏を通って外気に流れる上昇気流を生じさせている。
そして、壁内に侵入した湿気がその通気層に逃げやすい
ように外壁側に防水透湿シート(水滴は通さず、通常水
滴の250万分の1の粒子である水蒸気状の湿気を通す材
料)を設けている。こうして、壁内から出てきた湿気を
前記した通気層の上昇気流で外気に抜く通気工法が採用
されている。
また、冬期以外には壁面および屋根面の通気層を利用
して床下から小屋裏までの上昇気流によって空気を循環
させる。そして、冬期には壁、屋根面の通気層の空気を
太陽熱により加熱し、この空気に働く浮力により上昇し
ようとする上昇気流により空気を流通させ、小屋裏の温
かい空気を北壁や床下の冷えた部分に回すエアーサイク
ル工法が採用されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記通気工法では、湿気が壁内部にこもらないから、
壁の内部結露および表面結露を防ぐと共に、建物の居住
性を高めるという利点がある。しかし、冬期において
は、床下および小屋裏空間が外気に対して開放さている
ため、これらの開口を通して外気が侵入する欠点があ
る。そのため、床下、小屋裏空間が冷えたり、壁内の湿
気は上昇気流により小屋裏へ抜けるが、この湿気は小屋
裏内に充満し、木材の含水率が高まる等の欠点がある。
また、エアーサイクル工法では、夏期において壁空洞
(壁面通路)の上昇気流により建物内の湿気を小屋裏か
ら外気に逃がすので、室内がムシムシせず、この結果、
木材も乾燥する。さらに、木材が温かい空気に触れ、冬
期において建物内に温度差が生じにくいために、建物内
に温度の低い部分がなくなるので、北側押入も乾燥し、
布団や衣類等もじめじめすることがなく、結露が生じに
くい等といった利点がある。
しかし、次のような欠点がある。
(1)夏期の熱気が壁内、屋根面に設けた通気層を通っ
て小屋裏へ上昇するが、この熱が小屋裏で拡散され、思
うように外気に抜けない。
(2)冬期に小屋裏換気口、床下換気口の全ての換気口
を閉め切ってしまうと、建物内に湿気がこもってしま
う。
本発明は以上の利点と欠点とを併せ持つ通気工法とエ
アーサイクル工法のそれぞれの利点をうまく取入れ、そ
れぞれの持つ欠点を除去した湿気・熱気排出および熱気
循環装置並びにそれを利用した建築物を提供することを
目的とする。
さらに、本発明は健康住宅或いは省エネルギー住宅等
としての通気工法およびエアーサイクル工法のそれぞれ
の利点を利用して、日本の気候・風土である高温多湿と
いう厳しい自然条件を克服するすることを目的とする。
(課題を解決するための手段) これらの目的を達成するために、湿気・熱気および熱
気循環装置としては、建築物の壁体内に断熱層と壁体内
の湿気を通す透湿性防水・防風層を組み合わせた構成よ
りなる透湿性断熱層を設け、この壁体内を内、外壁通気
層の二層に区分せしめる。
そして、屋根面における屋根下地材の下面に透湿性断
熱層および又は断熱層を設け、屋根下地材と透湿性断熱
層および又は断熱層との間に通気層を介在せしめる。
さらに、小屋裏内に透湿防風性断熱材製仕切層を設
け、小屋裏内を上下に二分せしめ、この小屋裏上部に小
屋裏換気口を設けて換気専用スペースとせしめ、小屋裏
下部に床下と連結するファン付きパイプを設ける。
この透湿防風性断熱材仕切層に自動開閉式換気口を設
け、冬期以外には開放せしめ、冬期には閉塞せしめる。
この小屋裏下部に冬期に閉塞して断熱を行う強制換気
扇もしくは自然換気口を設け、冬期以外には小屋裏下部
を強制換気もしくは自然換気せしめる。
前記外壁通気層内に下部より、壁体内および屋根面に
外気からの風を流通せしめる。また、床下に公知の開閉
式床下換気口を設け、冬期以外には内壁通気層および間
仕切壁空洞内に開閉式床下換気口より外気からの風を取
入れ、流通せしめる。
そして、小屋裏換気口より排出せしめたり、強制換気
扇もしくは自然換気口による通気を行わしめ、湿気と熱
気を排出せしめる。
また、冬期においては前記強制換気扇もしくは自然換
気口や自動開閉式換気口および開閉式床下換気口を閉塞
せしめ、前記同様に外壁通気層に直接外気からの風を取
入れせしめる。
それから、内壁通気層では、昼間の日射側の窓からの
日射熱や、建物内部からの暖房器・照明器具からの生活
エネルギーの熱により、内壁が暖められる。その熱の熱
伝導により内壁通気層内の空気が暖められ、日射側壁体
の内壁通気層から小屋裏下部に上昇気流が生じ、この上
昇気流により生じる床下の負圧によって非日射側壁体の
内壁通気層と間仕切壁空洞とに下降気流が生じる。これ
ら上昇気流と下降気流とにより小屋裏下部の暖かい空気
を床下方向へ建物全体を包み込むように循環せしめ、湿
気のみを排出せしめて熱気のみを循環せしめる。
さらに、前記湿気、熱気および熱気循環装置を利用し
た建築物としては、壁体内に断熱層と壁体内の湿気を通
す透湿性防水・防風層を組み合わせた構成よりなる透湿
生断熱層を設け、壁体内の内部を内、外壁通気層の二層
に区分せしめる。
そして、屋根面の屋根下地材下面に通気層を介在させ
て透湿性断熱層又は上部に透湿生断熱層、下部には断熱
層を設け、湿気のみは棟部の透湿性断熱層より小屋裏へ
抜かしめ、熱気は遮断せしめる。
この小屋裏内を上部と下部に分割する透湿防風断熱材
製仕切層を設け、この透湿防風性断熱材製仕切層に自動
開閉仕切換気口を設け、小屋裏上部に換気専用スペース
とするための小屋裏換気口を設け、小屋裏下部に冬期に
閉塞して断熱を行う強制換気扇もしくは自然換気口を設
ける。
また、床下に公知の開閉式床下換気口を設け、冬期以
外には内壁通気層および間仕切壁空洞内に開閉式床下換
気口より外気からの風を取入れ、流通せしめる。
そして、壁体下部からの外気を外壁通気層、屋根面の
通気層を介して前記小屋裏換気口、換気扇から湿気と熱
気を排出せしめる。
さらに、冬期には前記強制換気扇もしくは自然換気口
や自動開閉式換気口および開閉式床下換気口を閉塞せし
め、内壁通気層では、昼間の日射側の窓からの日射熱
や、建物内部からの暖房器・照明器具からの生活エネル
ギーの熱により、内壁が暖められる。その熱の熱伝導に
より内壁通気層内の空気が暖められ、日射側壁体の内壁
通気層から小屋裏下部に上昇気流が生じ、この上昇気流
により生じる床下の負圧によって非日射側壁体の内壁通
気層と間仕切壁空洞とに下降気流が生じる。これら上昇
気流と下降気流とにより小屋裏下部の暖かい空気を床下
方向へ建物全体を包み込むように循環せしめる。
一方、冬期以外には開閉式床下換気口からの外気を内
壁通気層内、間仕切壁空洞内をそれぞれ介して前記小屋
裏換気口、換気扇から湿気および熱気と共に排出せしめ
る。
さらに、前記小屋裏下部と床下間にファン付きパイプ
を設けたものである。
(作用) 冬期以外の春、夏、秋期においては、小屋裏の強制換
気扇もしくは自然換気口20又は、小屋裏を上下に二分し
ている透湿防風性断熱材仕切層16に設けた自動開閉式換
気口40および開閉式床下換気口28を開放する。そして、
昼間には外気から直接に外壁通気層5へ下部より涼しい
風を取入れる。それと共に、開閉式床下換気口28から床
下26へ流れてきた涼しい風は風圧および換気することで
負圧となった小屋裏11内への空気の移動によって内壁通
気層4や間仕切壁空洞25内を上昇して、建物内を涼しく
できる。また、外壁通気層5下部より外壁通気層5内に
取入れられた涼しい風は外気からの風圧および前記負圧
による空気の移動により外壁通気層5内を流れて行き、
途中で、軒天換気口39からの外気の涼しい風と合流して
流れて行く。
また、壁体1,2内の断熱層と壁体内の湿気を通す透湿
性防水・防風層を組み合わせた構成よりなる透湿性断熱
層3を通して出てきた室内からの湿気は、外壁通気層5
および屋根面通気層10を流れて行く。
そして、棟部の透湿性断熱層12より、小屋裏換気専用
スペース(小屋裏上部11a)へ流れて行き、小屋裏換気
口19や小屋裏下部11bの強制換気扇もしくは自然換気口2
0から排出する。
また、屋根面6,7に挿入した断熱層および透湿性断熱
層9、又は透湿性断熱層12により猛烈な日射熱の大半は
遮断される。それでも、小屋裏下部11bへ侵入してきた
熱は内壁通気層4を上昇してきた熱と共に、小屋裏下部
11bの強制換気扇もしくは自然換気口20より排出され
る。又は小屋裏11を上下に二分している透湿防風性断熱
材製仕切層16に設けられた自動開閉式換気口40により小
屋裏換気専用スペース(小屋裏上部11a)へ排出され
る。
次に、春、夏、秋期における冬期以外の夜間には、前
記昼間の日射側の壁体1および屋根面6に当たる日射熱
37がないだけで、前記同様に外壁通気層5、内壁通気層
4および間仕切壁空洞25内に涼しい風が取入れられる。
そして、建物全体を包むように流れるので、建物全体が
涼しくかつ各室23内からの熱気や湿気もスムーズに換気
専用スペース11aや小屋裏下部11bの強制換気扇もしくは
自然換気口20から排出される。又は小屋裏11を上下に二
分する透湿防風性断熱材製仕切層16に設けられた自動開
閉式換気口40から排出される。
さらに、冬期においては、開閉式床下換気口28および
小屋裏下部11bの強制換気扇もしくは自然換気口20およ
びこの自動開閉式換気口40を閉塞する。そして、昼間は
外壁通気層5には下部より直接外気から風が入る。
また、各室23内から発生した湿気は、壁体1,2内の断
熱層と湿気を通す透湿性防水・防風層を組み合わせた構
成よりなる透湿性断熱層3を通して外壁通気層5にでて
くる。
前記外壁通気層5の下部より直接入った外気からの風
がこの風圧、負圧による空気の移動で外壁通気層5にで
てきた前記湿気と共に、軒天換気口39よりの風と合流し
て、屋根面通気層10内に流入する。この屋根面通気層10
内に流入した湿気は屋根面6,7の透湿性断熱層12から換
気専用スペース11aに導き、小屋裏換気口19より排出す
る。
また、日射側の窓ガラス35からの熱や室内からの熱に
より内壁通気層4内が暖められ、日射側壁体1の内壁通
気層4で床下26から小屋裏下部11bへの上昇気流が発生
する。一方、日の当たらない間仕切壁空洞25や非日射側
の壁体2の内壁通気層4ではこの上昇気流により負圧と
なった床下26へ小屋裏下部11bの空気が下方に引っ張ら
れ下降気流が発生する。こうして、日が当たる窓ガラス
35からの熱や各室23内からの熱によって次々と暖かい空
気を増しながら、小屋裏下部11bの暖かい空気は小屋裏
下部11bから床下26にかけて建物全体を覆うように循環
する。
また、冬期の夜間には日が沈み、外気の冷たい風が外
壁通気層5下部から風圧および負圧による空気の移動に
より外壁通気層5を通過し、この風と軒天換気口39から
の風圧により通過した風とが合わさって屋根面通気層10
を通過する。そして、外壁通気層5と屋根面6,7の温度
が低下し始めても、建物を取囲む断熱層3,9,12等が冷気
の侵入をシャットアウトして室内の暖かい空気を逃さな
い。さらに、室内からの熱や内壁38、床下26等に昼間蓄
えられた熱や地熱が内壁通気層4内や小屋裏下部11b等
の建物全体を包み込む。この場合も室内からのさまざま
な湿気が壁体1,2内や小屋裏下部11b内に侵入しても、壁
体1,2内では断熱層と透湿性防水・防風層を組み合わせ
た構成よりなる透湿性断熱層3から外壁通気層5に出
す。
そして、外壁通気層5に出てきた湿気は外気の風圧お
よび負圧による空気の移動により前記同様に換気専用ス
ペース11aに取入れられ、排出される。また、前記湿気
が侵入した小屋裏下部11bでは小屋裏11を二分する透湿
防風性断熱材製仕切層16から、その湿気を上部の換気専
用スペース11aに取入れ排出する。
(実施例) 以下に、本発明に係る湿気・熱気排出および熱気循環
装置並びにそれを利用した建築物の実施の一例を示した
添付図面に基づいて詳細に説明する。
第1図は本発明の湿気・熱気排出および熱気循環装置
を利用した建築物の縦断面図を示し、第2図は冬期以外
の昼間の空気の流れを示した同縦断面図で、第3図は冬
期以外の夜間の空気の流れを示した同縦断面図である。
第4図〜第6図はそれぞれ冬期の昼間の空気の流れを
示した同窓部の縦断面図で、第7図は冬期の夜間の空気
の流れを示した同窓部の縦断面図である。
建築物の壁体1,2は、それぞれ日射側の南面と非日射
側の北面のものである。透湿性断熱層3は、断熱層と壁
体内の湿気を通す透湿性防水・防風層を組み合わせた構
成よりなり、熱気を通さず、湿気のみを通すもので、壁
体1,2内を二つに区切り、内壁通気層4と外壁通気層5
との二層の通気層とするものである。
そして、南北の屋根面6,7は、それぞれ屋根下地材8
上に屋根用防水材を施し、石綿系屋根材茸きとしたもの
である。この屋根面6,7の屋根下地材8下面との間に通
気層10を介在して断熱層および又は透湿性断熱層9を設
け、この断熱層および又は透湿性断熱層9は小屋裏11へ
の日射熱の侵入を防ぐために挿入せしめたものである。
また、本実施例においては、屋根面6,7の小屋裏上部11a
に透湿性断熱層12、小屋裏下部11bから軒先部にかけて
断熱層および又は透湿性断熱層9を設けたものである。
そして、この屋根面6,7の断熱層および又は透湿性断熱
層9の軒先部に隙間15を設け、前記壁体1,2の外壁通気
層5からの熱気および湿気と共に後述の軒天換気口39よ
りの外気と合流し、屋根面6,7の通気層10に排出する。
透湿防風性断熱材製仕切層16は、小屋裏11の中間部の
もや17,17の下面に付設したもので、小屋裏11を上部11a
と下部11bとに二分するものである。この透湿防風性断
熱材製仕切層16は熱気を通さずに湿気だけ通し、冬期以
外の春、夏、秋において屋根面6,7で日射熱37を遮熱し
た際の湿気を通し、熱気が小屋裏下部11bに侵入しない
ようにする。また、冬期には内壁空洞内即ち南北の壁体
1,2の内部で、床部26から小屋裏下部11bにかけての間を
後述の室23内からの熱気で暖め、包み込むものである。
そして、台所および浴室等の各室23から出る湿気のみは
建物内にこもらないようにするために、この透湿防風性
断熱材製仕切層16を通して小屋裏下部11bより小屋裏上
部11aに抜くものである。
小屋裏換気口19は、小屋裏上部11aに設けた前記湿気
と熱気とを外気に排出するもので、この小屋裏上部11a
を換気専用スペースとするものである。
また、この小屋裏下部11bに強制換気扇もしくは自然
換気の換気口20を設けたものである。そして、この換気
口20は冬期以外には前記透湿性断熱層3,3で囲まれた内
壁通気層4および後述の間仕切壁空洞25等の内壁空洞や
小屋裏下部11bへ侵入してきた熱気および湿気を排出す
るものである。この強制換気扇もしくは自然換気の換気
口20は冬期には閉塞して断熱を行うものである。
また、前記透湿防風性断熱材製仕切層16に自動開閉式
換気口40を設け、冬期以外には、前記内壁空洞や小屋裏
下部11bへ侵入してきた熱気および湿気を小屋裏上部11a
に排出し、冬期には閉塞して断熱を行うものである。
断熱層22は、天井面21の上部に設けたもので、小屋裏
下部11bの熱気が前記内壁空洞を床18と天井面21とで区
切った各室23内へ侵入しないようにすると共に、各室23
内での冷暖房効果を高めるためのものである。
間仕切壁24は、各室23を区画するために設けたもの
で、それぞれの上部と下部とを断熱材等で閉塞しないよ
うにする。そして、間仕切壁24,24間に間仕切壁空洞25
を設け、この間仕切壁空洞25を小屋裏下部11bから床下2
6へ或いはその逆に空気(風)が流れるものである。
そして、ファン付きパイプ27は、両端を開口し、小屋
裏下部11bと床下26間とに設備したもので、夏期には床
下26の冷気を小屋裏下部11bに送り込み、冬期には小屋
裏下部11bの熱気を床下26に送り込む。
公知の開閉式床下換気口28は、連続基礎29の外周の各
通気口30にそれぞれ設備し、春夏秋の冬期以外には開い
た状態とし、床下26へ外気を取入れるものである。そし
て、内壁通気層4および間仕切壁空洞25内に床下換気口
28より外気からの風を取入れ、流通せしめ、小屋裏換気
口19より排出せしめたり、強制換気扇もしくは自然換気
口20による通気を行わしめ、湿気と熱気を排出せしめ
る。
また、冬期においては前記強制換気扇もしくは自然換
気口20や自動開閉式換気口40および開閉式床下換気口28
を閉塞せしめ、開閉式床下換気口28よりの外気の侵入を
防止し、建物内部の熱気が逃げないようにするものであ
る。
それで内壁通気層4では、昼間の日射側の窓34からの
日射熱37や、建物内部からの暖房器・照明器具からの生
活エネルギーの熱により、内壁38が暖められる。その熱
の熱伝導により内壁通気層4内の空気が暖められ、日射
側壁体の内壁通気層4から小屋裏下部11bに上昇気流が
生じ、この上記気流により生じる床下26の負圧によって
非日射側壁体2の内壁通気層4と間仕切壁空洞25とに下
降気流が生じる。これら上昇気流と下降気流とにより小
屋裏下部11bの暖かい空気を床下26方向へ建物全体を包
み込むように循環せしめるものである。また、外壁通気
層5には前記同様に直接外気からの風を取入れせしめる
から、断熱層と壁体内の湿気を通す透湿性防水・防風層
を組み合わせた構成よりなる透湿性断熱層3よりでてく
る湿気を換気専用スペース11aに取入れ排出する。
断熱層31は、連続基礎29外面に設備したもので、夏期
に連続基礎29部分からの熱気の侵入を防ぐと共に、冬期
には連続基礎29を畜熱体とし、床下26の保温を行って温
度の低い部分をなくすためのものである。防湿コンクリ
ート32は、地盤33からの湿気の発生を押えるために、ポ
リエチレンフィルム41等を敷きつめ、土間コンクリート
を打設したものである。
南面の日射側壁体1に付設した窓34は、窓ガラス35を
嵌め込んだ引き違い戸36等を設備したものである。
次に湿気・熱気排出および熱気循環装置の春、夏、秋
の冬期以外と冬期の昼夜間における作動態様について説
明する。
先ず冬期以外の春、夏、秋の昼間においては、第2図
に示すように小屋裏下部11bに強制換気扇もしくは自然
換気口20又は透湿防風性断熱材製仕切層16に設けた自動
開閉式換気口40および開閉式床下換気口28を開放する。
日射側の壁体1および屋根面6には日射熱37が当たる。
そして、これら壁体1,2の外壁通気層5下部への外気か
らの涼しい風は風圧および小屋裏11a,11bが換気される
ことにより生ずる負圧による空気の移動と、壁体1の外
壁通気層5と屋根面6の通気層10内の空気が日射熱37で
温められて生ずる上昇気流とにより壁体1,2内の外壁通
気層5を流れる。また、軒天換気口39よりの涼しい外気
と合流し、屋根面6,7の通気層10内を空気(風)が流れ
て行く。また、内壁通気層4から断熱層と透湿性防水・
防風層を組み合せた構成よりなる透湿性断熱層3を通し
て外壁通気層5に出てきた湿気は、軒天換気口39よりの
涼しい外気と合流し、屋根面6,7を上方に流れる。そし
て、透湿性断熱層12より小屋裏上部11aに取入れられ、
小屋裏換気口19より排出する。
一方、開閉式床下換気口28から床下26に流れた涼しい
風は風圧および前記負圧による空気の移動により壁体1,
2の内壁通気層4および間仕切壁空洞25を上昇する。そ
して、台所や浴室等の各室23内からの湿気や熱気および
照明器具等からの熱気を小屋裏下部11bに導き、強制換
気扇もしくは自然換気口20から排出する。又は、透湿防
風性断熱材製仕切層16の自動開閉式換気口40から小屋裏
上部11aに導き、小屋裏換気口19より排出する。
また、この小屋裏下部11bの湿気の一部はこの下部11b
と換気専用スペースの小屋裏上部11aとを隔てる透湿防
風性断熱材製仕切層16を通して小屋裏上部11aに侵入
し、前記同様に小屋裏換気口19より排出するものであ
る。
さらに、日射側の屋根面6での湿気は、軒天換気口39
よりの涼しい風と合流し、前記壁体1の外壁通気層5に
出てきた湿気と共に屋根面6の棟部の透湿性断熱層12よ
り小屋裏上部11aに抜く。しかし、この屋根面6への猛
烈な日射熱37による熱気は透湿性断熱層12により遮断
し、小屋裏上部11aに侵入することを防止するものであ
る。
また、小屋裏下部11bに滞留した熱気はファン付きパ
イプ27から床下26の涼しい空気を小屋裏下部11bに送り
込んで、冷やし、小屋裏下部11bの温度上昇を防止する
ものである。
さらに、屋根面6,7の屋根下地材8の下方に通気層10
を介在して断熱層および又は透湿性断熱層9と透湿性断
熱層12を設け、屋根面6,7への日射熱37を徹底的に遮断
するので、小屋裏11の温度が上がらない。従って、各室
23内への熱の侵入を押えることができる。
次に、冬期以外の夜間においては、第3図に示すよう
に、日射側の壁体1、屋根面6への日射熱37がなくな
る。そして、壁体1,2の外壁通気層5の下部より直接、
また同内壁通気層4と間仕切壁空洞25への開閉式床下換
気口28よりそれぞれ涼しい風をその風圧および負圧によ
る空気の移動によって取入れて建物全体を包み込むよう
に流れて行く。
前記昼間に屋根面6で遮断された熱気は壁体1の外壁
通気層5下部よりの涼しい風によって冷やされ、その際
に発生する湿気は棟部の透湿性断熱層12より換気専用ス
ペース11aに取入れ、小屋裏換気口19から排出する。
次に、冬期においては、強制換気扇もしくは自然換気
の換気口20又は小屋裏を上下に二分した透湿防風性断熱
材製仕切層16に設けられた自動開閉式換気口40および開
閉式床下換気口28を閉塞する。そして、その昼間には第
4図〜第6図に示すように、日射側の壁体1および天井
面6には弱いながらも日射熱37がある。それで、第4図
に示すように、壁体1,2の外壁通気層5下部からの外気
は主として風圧および小屋裏上部11aの換気により生じ
た負圧による空気の移動により、壁体1,2の外壁通気層
5および屋根面6,7の通気層10を流れる。また、各室23
内から発生し、壁体1,2の断熱層と透湿性防水・防風層
を組み合わせた構成よりなる透湿性断熱層3を通して外
壁通気層5に出てきた湿気は屋根面6における棟部の透
湿性断熱層12より換気専用スペース11aに取入れる。さ
らに、各室23内から発生した湿気は、小屋裏下部11bか
ら透湿防風性断熱材製仕切層16を通して換気専用スペー
ス11aに導かれ、前記換気専用スペース11aに上昇してき
た湿気と共に小屋裏換気口19から排出する。
また、壁体1の内壁通気層4では、第5図に示すよう
に、壁体1の窓34の窓ガラス35からの日射熱37により暖
められ、また、各室23からの熱によりこの内壁通気層4
が暖められる。すると、この内壁通気層4に上昇気流が
発生し、床下26から小屋裏下部11bへ空気が流れ、床下2
6は負圧となる。また、日の当たらない間仕切壁空洞25
や非日射側壁体2の内壁通気層4では、負圧となった床
下26方向へ空気が引っ張られて下降気流が生じる。よっ
て、小屋裏下部11bから床下26への暖かい空気の循環が
生じる。
また、第6図に示すように、日の当たる窓ガラス35か
らの日射熱37や各室23内からの熱で暖められた小屋裏下
部11bの空気をファン付きパイプ27で床下26へ送り込
み、床下26を暖めることができる。
このようにして日が当たる窓ガラス35からの日射熱37
や各室23内からの熱によって次々と暖かい空気を増しな
がら建物全体を覆うように循環して行く。
そして、冬期の夜間には第7図に示すように、日射側
の壁体1および屋根面6には日射熱37がなくなる。そし
て、前記同様に、壁体1,2の外壁通気層5下部からの外
気は風圧および小屋裏上部11aの換気による負圧により
壁体1,2の外壁通気層5内を流れ、軒天換気口39からの
外気と合流し、屋根面6,7の通気層10を流れる。また、
各室23から発生し、壁体1,2の断熱層と透湿性防水防風
層を組み合わせた構成からなる透湿性断熱層3を通して
外壁通気層5に出てきた湿気は、軒天換気口39よりの外
気と合流する。この湿気は、屋根面6の棟部の透湿性断
熱層12より換気専用スペース11aに取入れられ、各室23
から発生し、小屋裏下部11bから透湿防風性断熱材製仕
切層16を通して換気専用スペース11aに出てきた湿気と
共に小屋裏換気口19から排出する。
この外気の冷たい空気により壁体1,2の外壁通気層5
や屋根面6,7の温度が低下し始めても、建物を取囲む断
熱層3,9,12,16等が外気の侵入をシャットアウトして、
各室23内の暖かい空気の散逸を防止する。
また、各室23内からの熱や内壁38、床下26等に昼間蓄
えられた熱が内壁通気層4内や小屋裏下部11b等の建物
全体を包み込む。
(発明の効果) 本発明は、以上詳説したように、以下の効果を有する
ものである。
A.冬期以外の昼間において (1)内壁空洞や壁体1,2内の熱気と湿気とを内外壁通
気層4,5、屋根面6,7の通気層10および間仕切壁空洞25か
ら小屋裏換気口19や強制換気扇もしくは自然換気口20に
より排出するので、各室23内がムシムシしない。また、
木材等が乾燥して腐れない。
(2)小屋裏11や壁体1,2内に風(空気)の流れが発生
し、シロアリ、ダニ、カビ等の発生を押えることができ
る。
(3)日射側の屋根面6の日射熱37を断熱層9,12により
徹底的に遮断するので、小屋裏11の温度が上昇せず、各
室23内への熱の侵入を押えることが可能となり、冷房効
果を高めることができ、省エネルギーとなる。
(4)また床下26の涼しい空気をファン付きパイプ27に
より小屋裏下部11bに送り込んで、この下部11bの温度上
昇を押えるから、冷房効果を高めることができ、省エネ
ルギーとなる。
(5)屋根下地材8と断熱層9,12との間に通気層10を設
けたため、屋根下地材8のむれによる結露を起こすこと
がない。そして、屋根面6,7の透湿性断熱層12により湿
気を換気専用スペース11aに取入れ、湿気をスムーズに
排出するので、屋根面6,7での結露を防止できる。
B.次に冬期以外の夜間には (1)昼間に外出時等に窓34のサッシを閉め切っていて
も、熱気の侵入を防ぎ、各室23内から熱気と湿気を排出
するので、夜間も涼しく快適となる。
(2)壁体1,2の内外壁通気層4,5、間仕切壁空洞25内の
空気による換気冷却により建物全体を涼しくすることが
できる。
(3)昼間の屋根面6,7の断熱層9,12による遮熱によ
り、小屋裏11内に熱気がこもらないために、また涼しい
外気を取入れて熱気のこもった日射側の屋根面6を冷ま
すため、ほてり現象が起こらず、安眠が可能となる。
(4)また床下26の涼しい空気をファン付きパイプ27に
より小屋裏下部11bに送り込んでこの下部11bの温度上昇
を押えるから、前記Aの(4)と同様の効果がある。
C.冬期の昼間には (1)強制換気扇もしくは自然換気口20および開閉式床
下換気口28、透湿防風性断熱材製仕切層16の自動開閉式
換気口40を閉じる。すると、日の当たるガラス窓35や各
室23からの熱によって日射側壁体1の内壁通気層4内の
空気が暖められ、床下26から小屋裏下部11bへの上昇気
流が生じる。そして、この上昇気流により床下26が負圧
となり、日と当たらない北側の壁体2の内壁通気層4や
間仕切壁空洞25内では、空気が床下26に引っ張られて下
降気流が生じ、小屋裏下部11bから床下26へ内壁空洞内
で暖かい空気を循環させる。これにより、建物内での温
度分布がほぼ一定となり、暖房効果を高めることがで
き、省エネルギーとなる。
(2)また、小屋裏下部11bでの暖かい空気をファン付
きパイプ27により床下26に送り込み、床下26を暖めてい
く。それで、床下26の温度分布がほぼ一定となり、廊下
や北側の室23の床も冷たくなく、健康的となる。
(3)前記建物内の温度差が小さいから、空気が寒い方
から暖かい方向に流れる隙間風が各室23内に入ってくる
ことが少なくなる。
(4)台所、浴室およびその他の各室23の暖房器から出
た湿気等の種々の湿気が壁体1,2内、或いは小屋裏下部1
1bへ侵入する。すると、壁体1,2では中間の断熱層と透
湿性防水・防風層を組み合わせた構成よりなる透湿性断
熱層3が湿気だけを外壁通気層5まで通す。そして、そ
の湿気は外壁通気層5下部よりの風圧および負圧による
空気の移動と共に軒天換気口39よりの外気と合流して、
屋根面6,7のそれぞれ棟部の透湿性断熱層12から換気専
用スペース11a内に取入れられる。また、小屋裏下部11b
ではこの湿気は換気専用スペース11aとこの下部11bとを
区分する透湿防風性断熱材製仕切層16を通して換気専用
スペース11aに取入れられ、小屋裏換気口19から排出さ
れるから木材等が腐れることがない。
(5)屋根面6で日射熱37を遮熱することにより、発生
する湿気は通気層10を経て上昇し、透湿性断熱層12によ
り換気専用スペース11aに取入れられるので、屋根面6
で結露が発生しない。
D.冬期の夜間においては 壁体1,2の外壁通気層5や軒天換気口39より屋根面6,7
の通気層10を介して冷気が侵入してくるが、断熱層3,9,
12等により建物を包み込んでいるため、各室23内への冷
気の侵入を遮断することができ、安眠が可能となる。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明に係る湿気・熱気排出および熱気循環
装置並びにそれを利用した建築物の実施の一例を示した
もので、第1図は本発明の概略を示す縦断面図である。
第2図は冬期以外の昼間の空気の流れを示す同縦断面
図、第3図は同夜間の空気の流れを示す同縦断面図であ
る。第4図〜第6図は冬期の昼間の空気の流れを示す窓
部で切断した同縦断面図で、第4図は外壁通気層を外気
が流れる状態、第5図は内壁通気層および間仕切壁空洞
を空気が循環する状態、第6図は第5図にさらにファン
付きパイプを作動させた状態のものである。第7図は冬
期の夜間の空気の流れを示す窓部の同縦断面図である。 1,2……壁体、3……断熱層と透湿性防水・防風層を組
み合わせた構成よりなる透湿性断熱層、4……内壁通気
層、5……外壁通気層、6,7……屋根面、8……屋根下
地材、9……断熱層および又は透湿性断熱層、10……通
気層、11……小屋裏、11a……小屋裏上部(換気専用ス
ペース)、11b……小屋裏下部、12……透湿性断熱層、1
5……隙間、16……透湿防風性断熱材製仕切層、17……
もや、18……床、19……小屋裏換気口、20……強制換気
扇もしくは自然換気の換気口、21……天井面、22……断
熱層、23……室、24……間仕切壁、25……間仕切壁空
洞、26……床下、27……ファン付きパイプ、28……開閉
式床下換気口、29……連続基礎、30……通風口、31……
断熱層、32……防湿コンクリート、33……地盤、34……
窓、35……窓ガラス、36……引き違い戸、37……日射
熱、38……内壁、39……軒天換気口、40……自動開閉式
換気口、41……ポリエチレンフィルム。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物の壁体内に断熱層と壁体内の湿気を
    通す透湿性防水・防風層を組み合わせた構成よりなる透
    湿性断熱層を設け、この壁体内を内、外壁通気層の二層
    に区分せしめ、屋根面における屋根下地材の下面に断熱
    層および又は透湿性断熱層を設け、屋根下地材と断熱層
    および又は透湿性断熱層との間に通気層を介在せしめ、
    小屋裏内に透湿防風性断熱材製仕切層を設け、小屋裏内
    を上下に二分せしめ、この透湿防風性断熱材仕切層に自
    動開閉式換気口を設け、冬期以外には開放せしめ、冬期
    には閉塞せしめ、この小屋裏上部に小屋裏換気口を設け
    て換気専用スペースとせしめ、小屋裏下部に床下と連結
    するファン付きパイプを設け、この小屋裏下部に冬期に
    閉塞して断熱を行う強制換気扇もしくは自然換気口を設
    け、冬期以外には小屋裏下部を強制換気もしくは自然換
    気せしめ、前記外壁通気層内に下部より、壁体内および
    屋根面に外気からの風を流通せしめ、また、床下に公知
    の開閉式床下換気口を設け、冬期以外には内壁通気層お
    よび間仕切壁空洞内に開閉式床下換気口よりの風を取入
    れて流通せしめ、小屋裏換気口より排出せしめたり、強
    制換気扇もしくは自然換気口による通気を行わしめ、湿
    気と熱気とを排出せしめ、また、冬期には前記強制換気
    扇もしくは自然換気口や自動開閉式換気口および開閉式
    床下換気口を閉塞せしめ、前記同様に外壁通気層に直接
    外気からの風を取入れせしめ、内壁通気層では、昼間の
    日射側の窓からの日射熱や、建物内部からの暖房器・照
    明器具からの生活エネルギーの熱により、内壁が暖めら
    れ、その熱の熱伝導により内壁通気層内の空気が暖めら
    れ、日射側壁体の内壁通気層から小屋裏下部に上昇気流
    が生じ、この上昇気流により生じる床下の負圧によって
    非日射側壁体の内壁通気層と間仕切壁空洞とに下降気流
    が生じ、これら上昇気流と下降気流とにより小屋裏下部
    の暖かい空気を床下方向へ建物全体を包み込むように循
    環せしめ、湿気のみを排出せしめて熱気のみを循環せし
    めることを特徴とする湿気・熱気排出および熱気循環装
    置。
  2. 【請求項2】壁体内に断熱層と壁体内の湿気を通す透湿
    性防水・防風層を組み合わせた構成よりなる透湿性断熱
    層を設け、この壁体内の内部を内、外壁通気層の二層に
    区分せしめ、屋根面の屋根下地材下面に通気層を介在さ
    せて通湿性断熱層又は上部に透湿性断熱層、下部には断
    熱層を設け、湿気のみは棟部の透湿性断熱層より小屋裏
    へ抜かしめ、熱気は遮断せしめ、この小屋裏内を上部と
    下部に分割する透湿性防風性断熱材製仕切層を設け、こ
    の透湿防風性断熱材製仕切層に自動開閉式換気口を設
    け、小屋裏上部を換気専用スペースとせしめるための小
    屋裏換気口を設け、小屋裏下部に冬期に閉塞して断熱を
    行う強制換気扇もしくは自然換気口を設け、床下に公知
    の開閉式床下換気口を設け、冬期以外には内壁通気層お
    よび間仕切壁空洞内に開閉式床下換気口よりの風を取入
    れて流通せしめ、壁体下部からの外気を外壁通気層、屋
    根面の通気層を介して前記小屋裏換気口、強制換気扇も
    しくは自然換気口から湿気と熱気を排出せしめ、冬期に
    は前記強制換気扇もしくは自然換気口や自動開閉式換気
    口および開閉式床下換気口を閉塞せしめ、内壁通気層で
    は、昼間の日射側の窓からの日射熱や、建物内部からの
    暖房器・照明器具からの生活エネルギーの熱により、内
    壁が暖められ、その熱の熱伝導により内壁通気層内の空
    気が暖められ、日射側壁体の内壁通気層から小屋裏下部
    に上昇気流が生じ、この上昇気流により生じる床下の負
    圧によって非日射側壁体の内壁通気層と間仕切壁空洞と
    に下降気流が生じ、これら上昇気流と下降気流とにより
    小屋裏下部の暖かい空気を床下方向へ建物全体を包み込
    むように循環せしめ、一方、冬期以外には開閉式床下換
    気口からの外気を内壁通気層内、間仕切壁空洞内を介し
    て前記小屋裏換気口、換気扇から湿気および熱気を共に
    排出せしめることを特徴とする湿気・熱気排出および熱
    気循環装置を利用した建築物。
  3. 【請求項3】小屋裏下部と床下間にファン付きパイプを
    設けたことを特徴とする請求項2記載の湿気・熱気排出
    および熱気循環装置を利用した建築物。
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