JP2585290B2 - 移動通信システムの位置報知方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、複数の無線ゾーン内で移動する複数の移動
無線機を有する移動通信システムの位置報知方式に関す
るものである。

（従来の技術） 従来において、無線ゾーン（またはサービスエリア）
の一部が重複するように複数の固定無線機を配置し、各
無線ゾーン内で移動する移動無線機と有線電話回線との
間の通信を行うようにした移動通信システムがある。

第２図はこの種の移動通信システムの従来構成を示す
システムブロック図である。第２図において、3a〜3eは
移動無線機、41〜43は固定無線機、51〜53は無線ゾー
ン、6a〜6eは有線電話回線、７は回線制御装置である。
ここで、3aは6aと、3bは6bと、3cは6cと、3dは6dと、3e
は6eとそれぞれ対応している。また、51〜53は41〜43の
固定無線機がそれぞれカバーする無線ゾーンである。

まず、回線接続動作について説明する。有線電話回線
6aに着呼があると、回線制御装置７は回線6aと対応する
移動無線機3aが存在する無線ゾーン51の固定無線機41を
起動し、該固定無線機41から着呼信号を送出させる。移
動無線機3aはその着呼信号を受信するとサウンダを鳴ら
し、利用者に知らせる。利用者がオフフックによって応
答するた、移動無線機3aは固定無線機41を介して回線制
御装置７へ応答信号を返す。回線制御装置７はこれを検
出して、有線電話回線6aを固定無線機41へと接続し、回
線6aと移動無線機3aとの間を通話可能にする。

一方、利用者が移動無線機3aから固定無線機41を介し
て回線制御装置７へと発呼信号を送出すると、回線制御
装置７は有線電話回線6aと固定無線機41とを接続し、有
線電話網への発呼を可能とする。

ところで、前述の有線電話回線6aへの着呼時、回線制
御装置７が固定無線機41を介して移動無線機3aへの着呼
信号を送出するためには、回線制御装置７は移動無線機
3aの所在位置が無線ゾーン51であることを予め把握して
いる必要がある。

また同様に、移動無線機3aから固定無線機41を介して
回線制御装置７へと発呼信号を送出するためには、移動
無線機3aは自分の所在位置が無線ゾーン51であることを
予め把握している必要がある。

そこで、従来においては回線制御装置７は次のように
して各移動無線機3a〜3eの所在位置を検出するようにし
ている。すなわち、回線制御装置７は、固定無線機41〜
43に対して時間をずらしながら位置報知信号の送出指示
信号を与え、各固定無線機41〜43から位置報知信号と各
固定無線機固有の識別信号をその送信タイミングが重複
しないように送出させる。すると、これら位置報知信号
と識別信号は各固定無線機の無線ゾーン内に位置してい
る移動無線機についてのみ受信される。

例えば、移動無線機3aが破線で示すような位置に存在
していた場合、固定無線機43からの識別信号と位置報知
信号のみを受信するため、移動無線機3aが自分が固定無
線機43の無線ゾーン53内に存在しているものとして認識
する。そこで、移動無線機3aは固定無線機43の識別信号
を含む位置登録信号を送信し、当該固定無線機43を介し
て回線制御装置７に自己が存在する無線ゾーンの位置登
録を行う。この位置登録は固定無線機の識別番号の形で
登録される。

一方、移動無線機3aが矢印で示すように移動した場
合、固定無線機41および42からの識別信号と位置報知信
号を受信するが、固定無線機43からの識別信号と位置報
知信号は受信不能になるため、移動無線機3aは自分が固
定無線機41および42の無線ゾーン51,52内に存在してい
るものとして認識し、前述の場合と同様にして回線制御
装置７に対する位置登録を行う。以上のようにして、回
線制御装置７は各移動無線機3a〜3eがいずれの無線ゾー
ンに存在しているかを認識し、また各移動無線機3a〜3e
は自分がいずれの無線ゾーンに存在しているかを認識す
ることができる。

第３図は、移動無線機の位置登録動作を示すフローチ
ャートであり、まずステップS10において位置報知信号
監視用のタイマを所定時間値にセットすると共に、フラ
グA,B「０」にセットする。この後、位置報知信号と固
定無線機識別信号の受信動作に移るが、この時、既に登
録してある固定無線機の識別信号を受信したならばフラ
グＡをＡ＝１にセットし（ステップS11,S12）、逆に未
登録の固定無線機の識別信号を受信したならばフラグＢ
をＢ＝１にセットする（ステップS13,S14）。この動作
を位置報知信号監視用のタイマに設定された時間が経過
するまで継続し、タイムアウトになったならば（ステッ
プ15）、フラグA,Bの状態によってＡ＝0,B＝１の場合に
は移動無線機は新たな固定無線機の無線ゾーン内に移動
したもと判定し、この新たな位置での位置登録を行う
（ステップS16,S17）。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、従来のシステムでは固定無線機の識別信号
を不揮発性メモリ等の記憶手段に固定値として制定して
いたため、第３図で示した位置登録動作が正常に行なわ
れているか否かを試験する際に、複数の固定無線機を実
際に配置し、かつ試験対象の移動無線機を移動させなけ
ればならないという不具合であった。

本発明の目的は、位置登録動作を簡単に試験すること
ができる移動通信システムの位置報知方式を提供すると
にある。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明では、固定無線機に割当てた識別信号を回線制
御装置からの指示に基づいて変更可能に構成したことに
より、上記目的を達成するものある。

（作用） 固定無線機の識別信号の変更指示を与えると、固定無
線機は回線制御装置から指示された新たな識別信号を含
む位置報知信号を送信する。これによって移動無線機で
は新たな識別信号によって位置登録動作を実行する。従
って、１台の固定無線機で、かつ移動無線機を移動する
ことなくその位置登録動作の正否を試験することができ
る。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例を示す識別信号変更シーケ
ンスを表わすものであり、固定無線機に割当てた識別信
号を変更する必要が生じた場合には、まず回線制御装置
において固定無線機の識別信号変更式キーボード等の端
末を使って入力する（S20）。そして、回線制御装置か
ら固定無線機へと識別信号変更指示信号を送出する（S2
1）。固定無線機ではこの変更指示信号に従って識別信
号を変更する（S22）。次に位置情報を固定無線機から
移動無線機へと送信するに当って、電波干渉が生じない
ように、回線制御装置で固定無線機ごとの送信タイミン
グが異なるように、報知指示を行う（S23）。

これを受けた固定無線機は、変更後の識別信号を含む
位置報知信号を移動無線機へと送信する（S24）。

移動無線機は従来と同様な手順で位置報知信号を受信
しながらその位置検出を行っているが、位置監視用のタ
イマがタイムアウトになったならば（S25）、以前に登
録した固定無線機識別信号と異なる固定無線機識別信号
を含む位置報知信号を受信した場合、新しい位置報知信
号を送信した固定無線機を介して回線制御装置に対して
の位置登録を更新する（S26,S27）。

これを受けた回線制御装置は、移動無線機の位置登録
内容を更新するとともに、該当の固定無線機へと登録完
了信号を送出する（S28,S29） 次に、固定無線機は移動無線機へと登録完了信号を送
信する（S30）。移動無線機はこれを受信して自身の位
置登録内容を更新する（S31）。

ここで、固定無線機の識別信号の変更方法としては次
の変更方法のうちいずれを用いてもよい。

（１）あらかじめ複数の識別信号を固定無線機に記憶さ
せておき、回線制御装置から使用する識別信号を指定す
る。

（２）固定無線機に記憶している一つの識別信号に対し
て一定数の加減算等の演算を回線制御装置からの指示に
よって実行させ、その実行結果を新たな識別信号として
使用させる。

（３）回線制御装置から新たな識別信号そのものを指示
する。

このようにすることにより、固定無線機に割当てた識
別信号を自由に変更することができ、その結果として移
動無線機の位置登録動作の試験を任意の識別信号に対し
て容易に行うことができる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、固定無線機の識
別信号を自由に変更することができるため、一つの固定
無線機のみで、かつ移動無線機を移動することなく、移
動無線機の位置登録動作の正否を容易に試験することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す識別信号変更処理のシ
ーケンス図、第２図は移動通信システムの一般的構成を
示すシステムブロック図、第３図は移動無線機の位置登
録処理のフローシャートである。 3a〜3e……移動無線機、41〜43……固定無線機、51〜53
……無線ゾーン、6a〜6e……有線電話回路、７……回線
制御装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 倫男 東京都日野市旭が丘３丁目１番地の１ 株式会社東芝日野工場内 (56)参考文献 特開 昭51−3594（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の移動無線機と、これら移動無線機と
   の間で無線回線を構成する複数の固定無線機と、これら
   固定無線機と複数の有線電話回線との間に接続され、前
   記移動無線機と有線電話回路との間の通話路を形成する
   回線制御装置とを備え、前記回線制御装置から各固定無
   線機に対して位置報知信号の送出指示を与え、各固定無
   線機から位置報知信号と各固定無線機に固有の識別信号
   を送出させ、各移動無線機は受信した位置報知信号と固
   定無線機の識別信号とに基づいて自己がいずれの固定無
   線機の無線ゾーン内に位置しているかを識別し、その識
   別結果を回線制御装置登録するように構成された移動通
   信システムにおいて、 各固定無線機に割当てた識別信号を回線制御装置からの
   指示に基づいて変更可能に構成したことを特徴とする移
   動通信システムの位置報知方式。