JP2585154Y2 - 浄水器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、水道水その他の水をよ
り良質な飲用水に浄化する浄水器に係わり、詳しくは浄
水器のカートリッジ構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、浄水器として活性炭を用いて水道
水中の不純物、不快臭原因物質を吸着除去して水を浄化
するものが知られている。この浄水器を使用した浄水装
置には、浄水器と水道の間の原水流路中にバルブを設け
る元止め方式と、浄水器と浄水出口の間にバルブを設け
る先止め方式とに分類される。この内、先止め方式は浄
水装置からシンクまでの配管は１ライン有れば良く、配
管が簡単で工事が容易であり、しかも安全な水栓が使用
可能である。反面、先止め方式はバルブが浄水器より浄
水出口よりに配置されるため、浄水器に常時水圧がかか
ることになり、浄水器自体に高い強度を必要としてい
る。このため、カートリッジはステンレス製の容器に収
容されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、カートリッ
ジの原水入口、浄水出口を有する面は円周部分に較べ強
度が十分ではない。又、ステンレス製の容器はカートリ
ッジの内部の水によって冷却されることになり、外表面
に結露が発生し収納場所が水濡れするとともに、場合に
よっては腐食等の原因になるという問題がある。

【０００４】この考案は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものであって、その目的
とするところは、水道の高圧にも耐えうる強度を有する
とともに、結露の少ない浄水器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第１の考案においては、金属製の収納容器と、そ
の収納容器内に収納され、原水の流入口及び浄水の流出
口を有する筒状のカートリッジとからなり、前記カート
リッジ内に原水を濾過して浄化する浄化手段を設けた浄
水器において、前記カートリッジの流入口及び浄水の流
出口を有する面と、カートリッジ底面との少なくとも一
方の面に、その中心から円周方向に延びる複数のリブを
設けたことをその要旨としている。

【０００６】又、第２の考案では、前記カートリッジ
は、その外周面の軸方向に複数の溝を設けたことをその
要旨としている。

【０００７】

【作用】上記構成により、第１の考案では、カートリッ
ジの流入口及び浄水の流出口を有する面と、カートリッ
ジ底面との少なくとも一方の面に設けられた複数のリブ
のために強度が保たれ、カートリッジは水道の圧力が加
わっても破損するようなことがない。

【０００８】又、第２の考案では、カートリッジの外周
面に設けられた溝のために、金属製の収納容器とカート
リッジの間に空気層が形成される。この空気層の断熱効
果により収納容器がカートリッジ内部の水によって容易
に冷却されることはない。

【０００９】

【実施例】以下に本考案を具体化した一実施例について
図面に従って説明する。図１に示すように、ＡＢＳ樹脂
からなる円筒状のカートリッジ２は、同じく円筒状のス
テンレス容器１内に収容され、カートリッジ２とステン
レス容器１とのクリアランスは挿入に差し支えない程度
に小さくなっている。ステンレス容器１には蓋３が嵌着
され、その蓋３には後述するノズル９，１０をカートリ
ッジ２に接続するための孔が４が形成されている。又、
容器１の底面は凹面状に形成されており、カートリッジ
２の底面と接している。

【００１０】カートリッジ２のハウジング５は円筒周壁
６と、その円筒周壁６の底部開口に固定された底壁７と
により構成され、円筒周壁６はブロー成型により、底壁
７は射出成型により製造されてる。ハウジング５の上部
開口には、キャップ８がパッキン２５を用いて取り付け
られている。キャップ８は射出成型により製造される。
このキャップ８には前記接続管が挿入されるカートリッ
ジノズル９，１０が嵌着されている。カートリッジ２内
には活性炭ケース１１と、中空糸ケース１２とが挿入さ
れ、カートリッジキャップ８の内側に嵌着されている。
そして、二つのケース１１，１２は中仕切り１３を介し
て接続され、活性炭ケース１１の両端にはフィルター１
４，１４ａが嵌着されている。

【００１１】活性炭ケース１１及び中空糸ケース１２の
外径はカートリッジハウジング５の内径より小さく形成
されており、そのためにできる間隙は流体通路１５とし
て使用されている。すなわち、流体通路１５はノズル９
の流入口１６から活性炭ケース１１及び中空糸ケース１
２の外側を通り、カートリッジ２の底を経て前記両ケー
ス１１，１２の内側からノズル１０の流出口１７まで形
成されている。中仕切り１３は円板状で複数の孔が形成
され、流体通路１５の水を通過させる構造となってい
る。中空糸ケース１２の中には、濾過手段である中空糸
膜１９が収容されている。中空糸膜１９は多数の中空糸
をＵ字型に束ねられており、その端部は注型樹脂からな
る固定部１８により固定されている。又、中空糸膜１９
の材質はポリスルホンを使用しており、原水中の一般細
菌、にごりのもととなる鉄錆等の微小な塵が除去され
る。

【００１２】又、活性炭ケース１１には同じく濾過手段
である活性炭２０が収容されている。この活性炭２０は
銀添着粒状活性炭を使用しており、粒状活性炭２０とし
て、３２〜６０meshのものが選択されている。活性炭２
０の吸着作用により原水中の残留塩素や、その他臭いの
成分が除去される。

【００１３】一方、カートリッジ２の外形について、図
２及び図３に示すように、カートリッジハウジング５の
円筒周壁６外周面の軸方向及び同様にカートリッジキャ
ップ８外周面に複数の溝２１，２２が等間隔をおいて形
成されている。カートリッジキャップ８のノズル９，１
０の突設されている面には、その流出口１７側のノズル
１０を中心に円周方向に向かって放射状に延びる複数の
リブ２３が等間隔をおいて形成されている。さらに、図
７に示すように、カートリッジ２の底面、すなわち底壁
７の底面にも中心から円周方向に向かって放射状に延び
る複数のリブ２４が等間隔をおいて形成されている。

【００１４】さて、接続管（図示しない）より原水がカ
ートリッジノズル９に流入すると、原水は流入口１６か
ら流体通路１５を通り活性炭ケース１１に流入する。こ
の時、ケース１１底部に設けられたフィルター１４ａに
より比較的径の大きい塵が除去される。そして、活性炭
２０内を通過し、活性炭２０の吸着作用により原水中の
残留塩素や、その他臭いの成分が除去される。さらに、
原水はフィルター１４を通過し中空糸ケース１２内の中
空糸膜１９により、原水中の一般細菌、にごりのもとと
なる鉄錆等の微小な塵が除去され流出口１７からノズル
１０、接続管を経て浄水として供給される。

【００１５】この場合、浄水器は先止め方式であるた
め、原水は水道水の圧力を有している。従って、原水が
流入すると、ＡＢＳ樹脂で形成されたカートリッジ２の
円筒周壁６は原水の圧力により若干拡径する。そして、
カートリッジ２が収容されているステンレス容器１に当
接されるが、ステンレスの剛性のため変形はそこで終了
する。この場合、円筒周壁６は溝２１により強度が増し
ている。一方、カートリッジ２の軸方向の強度につい
て、底壁７及びノズル９，１０の突設されている面はス
テンレス容器１に当接し、円周方向に形成されたリブ２
３，２４のため、さらに強度が増し、変形量は極めて小
さく抑えられている。

【００１６】以上のように、この実施例の浄水器におい
ては、カートリッジキャップ８、底壁７の底面に形成し
たリブ２３，２４及びハウジング外周面に形成された溝
２１のためにカートリッジ２の強度を増すことができ、
割れ等の破損を防止することができる。

【００１７】又、この実施例においては、前記ハウジン
グ５の溝２１のために側面が容器１に当接しても空気層
が形成され、その断熱効果により容器１が冷却されるこ
とが少なく、容器１の結露を防止することができる。

【００１８】なお、この考案は前記実施例の構成に限定
されるものではなく、例えば、中空糸膜１９の材質をポ
リスルホン以外の例えば、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系等を使用してもよい。

【００１９】さらに、濾過材としてイオン交換樹脂を加
える等、この考案の趣旨から逸脱しない範囲で、任意に
変更して具体化することも可能である。

【００２０】

【考案の効果】第１の考案によれば、カートリッジの流
入口及び浄水の流出口を有する面に、その中心から円周
方向に複数のリブを設けたことにより、カートリッジの
強度を向上できるという効果を奏する。

【００２１】又、第２の考案によれば、カートリッジの
外周面の軸方向に複数の溝を設けたため、同様に強度を
増すとともに、溝に形成された空気層の断熱効果により
容器の結露を防止できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を具体化した浄水器の一実施例を示す断
面図である。

【図２】カートリッジの正面図である。

【図３】カートリッジの背面図である。

【図４】カートリッジの右側面図である。

【図５】カートリッジの左側面図である。

【図６】カートリッジの平面図である。

【図７】カートリッジの底面図である。

【符号の説明】

１ 容器、２ カートリッジ、１６ 流入口、１７ 流
出口、１９ 浄化手段である中空糸膜、２０ 浄化手段
である活性炭、２１ 溝、２３，２４ リブ。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製の収納容器と、その収納容器内に
   収納され、原水の流入口及び浄水の流出口を有する筒状
   のカートリッジとからなり、 前記カートリッジ内に原水を濾過して浄化する浄化手段
   を設けた浄水器において、 前記カートリッジの流入口及び浄水の流出口を有する面
   と、カートリッジ底面との少なくとも一方の面に、その
   中心から円周方向に延びる複数のリブを設けたことを特
   徴とする浄水器。
2. 【請求項２】 前記カートリッジは、その外周面の軸方
   向に複数の溝を設けたことを特徴とする請求項１に記載
   の浄水器。