JP2585094Y2 - 改良された試料試験スライドおよび便潜血試験方法 - Google Patents

改良された試料試験スライドおよび便潜血試験方法

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Description

【考案の詳細な説明】 考案の分野 本考案は、試料を試験する装置に関し、特に、便潜血
用の改良された試料試験スライドに関する。
考案の背景 便の潜血試験は、便試料中の比較的少量の血液の検出
において人気のある手法として広く使用されている。こ
の広い使用および人気は、便潜血試験がその実施上、非
侵入で、簡単かつ廉価であることに主として起因する。
試料中の便潜血の存在が大腸癌またはその前兆に関係す
るかもしれない徴候であることから、便潜血試験はふる
い分け手段としてしばしば日常的に使用される。便潜血
試験による患者の日常的なふるい分けは、病気を容易に
処理できる段階での大腸癌の検出を助けている。
便潜血試験の人気のある形においては、便試料が表面
すなわち試験試料配置側に塗布される、グアヤック処理
された試験シートを利用している。便試料は、試験シー
トを通して拡散する傾向があり、試験試料配置側と反対
の側のシート上に領域を規定する。試験材料が塗布され
る側と反対の側のシート部位はシートの裏面すなわち現
像側であり、便試料が試験シートの試験材料配置側から
拡散している範囲を以下においては拡散領域または拡散
範囲という。現像溶液が拡散領域に直接的にシートの現
像側に供給され、それにより色の変化が現れると、血液
が便試料内に存在するかも知れない。
できるだけ便利でかつ美的に得られる方法で便潜血試
験の試料を、得ること、移すこと、および処理すること
が必要になっている。広い日常的に入手することができ
る試料採集装置の１つとして、折り重ねられた紙または
カードボードから形成されたスライドがある。このスラ
イドは、便試料が試験シートの試験材料配置側に形成さ
れた試験窓すなわち穴を介して供給されるグアヤック処
理済紙と、試料の適用が終了した後に閉じられるカバー
とを含む。スライドの背面にあるフラップは、グアヤッ
ク処理済紙の現像側を現しかつ続いて現像剤を１以上の
穴とちょうど反対側の試験シートの現像側の領域にすな
わち拡散領域に直接的に供給すべく開かれる。陽性の結
果、すなわち便試料への血液の存在は通常青色の出現に
より決定され、またその度合は便試料中の血液量の情報
を提供する。
便潜血試験用の試料スライドは、一般に、各種サイズ
の複数の試験窓を有する。試験窓を介して適用する試料
の量を標準化する試みと、提供試料の過不足を軽減する
努力とにおいて、試料提供のための指導が通常患者に対
して行われる。これらの指導は、一様ではないが、試験
窓に塗布される試料の量を制限する努力、すなわち薄い
塗布、豆粒状のサイズ、またはマッチ棒の頭のサイズで
提供する努力を患者に指導することを意図する。研究所
に回されたスライド上の試料の量は、完全な試験のため
には不十分な微量から、技術的および感覚的な問題を発
生する過剰量まで変化する。試験材料配置側の試料が多
すぎると、スライドの現像側が分散試料により色付けさ
れた斑点で完全に覆われることがしばしばある。これ
は、困難かつ通常不可能な色強度に依存した試験結果を
招く。
試験スライドを現像する専門家がエラーをすることが
ある。例えば、専門家が現像剤を現像側と反対側すなわ
ち試験スライドの試験材料配置側に不注意に加えると、
試料は現像溶液で溢れ、試料の復元のために不可解な、
不正確なまたは誤解を招く結果を導く。また、現像溶液
の適用のための指導は、現像溶液を分散領域に直接適用
することを必要とする。特に不十分な量の試料が提供さ
れたとき、充分な試料に補正することを試みるべく過剰
の現像溶液をその領域に加えることがしばしばある。こ
れは、現像溶液が分散領域に溢れ、色強度が人為的に変
更されて、不可解な、不正確な、または誤解を招く結果
を導く。
試験スライドに加えられる試料の量が患者により異な
ることに依存する問題の多くは、そのような試験スライ
ドと患者の未熟さによるものと推定される。例えば、便
試料材料の性質上、試験スライドへの試料の適用は個人
個人により異なる。それ故に、どの程度の試料を試験窓
範囲に配置すべきかを患者に指導しても、多くの患者か
ら一定量の試料を得ることはできない。加えて、不十分
な量の試料または過剰の量の試料を含む試験スライド試
験を実行することを試みる専門家は、患者またはその担
当医に不正確な結果を提供するおそれがある。このた
め、不正確な量の試料を補正することを、たとえ正しく
ないとしても、試みる医療専門家は、必要な追加試験を
導かない結果、または不必要な追加試験を導く結果を患
者またはその担当医に提供することになる。従って、そ
のような誤りを提供する専門家は、法律的な債務を負う
ことになる。
試験の実行が、能率的で単純な試料収集／現像法とと
もに、患者による使用の容易さ、再生可能性等に依存す
ることから、これらのファクタを得る改良された試料試
験スライドが望まれているのみならず、必要である。
考案の概略 本考案は、上記した制限および不都合を解決すること
にある。
本考案の試料スライドの最も好ましい実施例は、試験
材料配置側および試験シート部位を備えるフロント・パ
ネルと、試験シートの反対側が露出される現像側を有す
るバック・パネルとを含む。試験材料配置側は少なくと
も１つの穴を有しており、該穴は試験試料を該穴を介し
て試験シートに受けるように形付けられている。指示手
段は、前記穴とちょうど反対側の試験シート部位の近く
にあって直接その上ではない試験シートの現像側部位に
配置されている。穴に対する指示手段の位置は、試料ス
ライドの性能に重要かつ必須である。指示手段は、試験
シートに直接的に印刷されたターゲットであることが最
も好ましい。
穴の寸法および形状は、穴が試験材料で完全に充満さ
れるらうに形付けられる。穴の幅は、好ましくは、穴の
高さより小さい。より好ましくは、２つの穴をフロント
・パネルに形成することであり、またインナ・エッジが
各アウタ・エッジに対し本質的に非平行である穴の配置
関係とすることがより好ましい。最も好ましくは、穴の
それぞれがＣ字状の形状を有し、各Ｃ字状の穴の内側部
位が指示手段と面することである。
穴に対する指示手段の位置は、現像溶液が指示手段に
加えられたとき、溶液が穴とちょうど反対の試験シート
部位を経て完全に移るような位置である。
試料スライドを使用するとき、患者は、穴を例えば便
試料で充満させる。次いで、現像溶液が指示手段上に加
えられる。その溶液は、試験シートを介して移動する傾
向を有しており、従って穴と反対側の分散領域を含む試
験シート範囲を経て移動する。穴に対して規定された位
置に指示手段を明確に配置することにより、現像溶液
は、斑点領域からはなれるように移動して、その色強度
を驚異的にかつ突然に高め、それにより従来の試料試験
スライドに比べて色強度の識別性が容易になる。
図面の簡単な説明 第１図は、本考案の試料試験スライドの好ましい一実
施例を示す正面図から見た斜視図であって、複数の試験
窓がＣ字状の形を有しかつ各試験窓が他と対向する斜視
図である。
第２図は、第１図に示す試料試験スライドのバック・
パネルを示す斜視図である。
第３図は第１図の試料試験スライドのバック・パネル
を示す裏面図であって試験スライドを破線で示す裏面図
である。
好ましい実施例の説明 第１図および第２図を参照するに、本考案に従う装置
の最も好ましし実施例は試料スライド100の形をしてお
り、試料スライド100はフロント・パネル105とバック・
パネル115とを含む。フロント・パネル105は対応するフ
ロント・パネル・カバー・フラップ107（図１に開放し
た状態で示す）を有しており、バック・パネル115は対
応するバック・パネル・カバー・フラップ117を有して
いる。パネル105はその中央部に試験材料（試料）配置
範囲を含み、該試験材料配置範囲は、好ましくは、２つ
の穴110,120と、両パネル105,115間に配置された吸湿材
料製の試験シート101とを備える。
第２図に開放状態で示すフラップ117は、ヒンジとし
て作用する折り目130と、複数の穴111の輪郭とにより規
定される。穴111は、それぞれがブリッジ部117a,117bを
含む複数のブリッジを規定するように互いに離されてい
る。ブリッジを保持するフラップ117は、ブリッジが破
壊されるまで所定の位置にあり、試験シート101の背後
を露出すべく穴111に沿って開かれる。図示の実施例に
おいて、シート101は試薬を保持するろ紙であり、前記
試薬は血液および過酸化物溶液からのヘモグロビン化合
物と反応して可視の色付き化合物を形成する。このよう
な試験シートは、ファットマン・グレード ＃１ フィ
ルタ・ペーパー（英国ケント州のファットマン・ペーパ
ー・リミテッド社）。試薬は、例えば、グアヤック、テ
トラメチルベンジジン、オルソトリジンおよび他の類似
の色原体とすることができる。図示の実施例において
は、シート101に保持された試薬はグアヤックである。
グアヤック保持試験シートおよびそれに提供された試薬
の成果を示すために好適な監視部を規定する範囲は、20
0で示されるが、例えば、米国特許第4,365,970号に記載
された形であってもよい。
試料スライド100は、好ましくは、紙またはカード・
ボードの単一シートまたはパネルから形成される。カー
ド・ボードは、第１図および第３図に示す穴110,120
と、フラップ107,117を規定するミシン目とを形成する
ようにダイスで切断される。タブ109は、フラップ197の
他端に形成される。タブ109は、フロント・パネル105の
外縁部150付近に形成された半円形のスリット109aに係
合することができるように適合されている。スリット10
9aは、例えば、スライド100の製造工程の間にダイスに
よる切断によって形成される。
試料シート101は、適宜な粘着剤すなわち接着剤によ
り配置されかつ固定される。フロント・パネル105とバ
ック・パネル115とは、縁部150に沿って折られており、
また適宜な粘着剤すなわち接着剤により共に押圧されか
つ保持される。粘着剤190の滴下は、スライド100が使用
のために用意されるまで、フロント・パネル105とフロ
ント・パネル・カバー・フラップ107とを維持する。
試験シート101へ現像溶液を配置するために、試験シ
ート101への現像溶液の配置を指示する手段が穴110,120
と反対側の試験シート領域に提供されている。例えば、
好ましくは第２図および第３図に示すターゲット830の
形のターゲット範囲を試験シート101に直接印刷するこ
とができる。ターゲット830は、現像溶液を試験シート1
01に適用するように医学の専門家を指導するための最も
好ましい手段である。指示用の他の手段としては、例え
ば、試験シート101への現像溶液の配置を指導するため
の各種印刷部がある。
指示手段（すなわち、指導手段）の位置は重要であ
る。指示手段が穴に対して適切に配置され、穴の寸法、
形状または配置状態、もしくは用いるろ紙の種類に関係
ないことを確実にすることにより、種々の利点を得るこ
とができる。事実、指示手段に対する穴の位置は、現像
溶液が試験試料に接触し、それにより反応物を形成する
ように反応し、その反応物を斑点領域に隣接する試験シ
ートの比較的清潔な領域に斑点領域から離して維持する
ことを確実にする目的により決定される。これらの理由
のために、指示手段の位置は、以下に詳細に説明するよ
うに、穴の位置に関係して都合よく決められる。
図示の実施例と共に第３図を参照するに、ターゲット
830は、穴110および120のアウタ・エッジ110aおよび120
aから、穴の幅の、約1.5倍と約2.5倍との間、より好ま
しくは約2.0倍の箇所に都合よく配置される。本考案に
おいて用いる用語「アウタ・エッジ」とはターゲット83
0を含むターゲット範囲から最遠に配置された穴の外縁
部として規定され、「インナ・エッジ」とはアウタ・エ
ッジと反対の穴の内縁部として規定され、「倍」とは乗
算またはかけ算のような数学的な選択的用語である。
指示手段を穴に関して位置決める他の選択的な手法と
して、指示手段が複数の穴の間の中間点または中央に配
置されるように、１つの穴のアウタ・エッジと少なくと
も１つの他の穴のアウタ・エッジとの間の距離を、穴の
幅の、約3.0倍と約5.0倍との間、より好ましくは4.0倍
としても都合が良い。さらに他の選択的な手法として、
指示手段を穴のほぼ中心から、穴の幅の２分の１の、約
2.0倍と約4.0倍との間、より好ましくは約3.0倍の箇所
に配置しても都合が良い。本考案において、各穴の「ほ
ぼ中心」とは、第３図において符号110d,120dに近い
点、すなわち穴の内側にあって高さの約２分の１と幅の
約２分の１に近い点として規定される。
穴の幅は、穴の高さ（すなわち長さ）より小さいこと
が好ましい。「高さ」は第１図において距離“h"として
規定され、「幅」は第１図において距離“w"として規定
される。穴の高さが穴の幅の、約５倍から約1.5倍であ
ると、都合がよい。高さが穴の幅の約４倍であることが
最も好ましい。幅は、長さにおいて、約0.25cmから約1.
00cm、より好ましくは約0.50cmであることが都合が良
い。
２つの穴を利用するときは、両穴のインナ・エッジが
互いに本質的に不平行であることが重要である。本考案
において用語「平行」とは、その一般的な定義、すなわ
ちどこでも等距離であることによって規定される。ま
た、「本質的に不平行」とは、穴の両インナ・エッジ間
の相対的な関係を表す。このため、２つの穴の両インナ
・エッジは、両インナ・エッジ間の距離が本質的の等距
離でないならば、本質的に不平行である。２より多い穴
を利用するときは、それらの穴のインナ・エッジが互い
に本質的に不平行であることが重要である。直線状のイ
ンナ・エッジを有する単一の穴を利用するときは、穴の
頂部内縁角部と指示手段との間の距離が前記頂部内縁角
部と反対の内縁角部と指示手段との間の距離より本質的
に大きいかまたは本質的に小さいことが重要である。こ
の企画の基に、指示手段を三角形の頂点として説明する
ことができ、それにより三角形は、指示手段から頂部内
縁角部までの直線、インナ・エッジ、並びに指示手段お
よび頂部内縁角部と反対の内縁角部からの線により形成
される。この筋書において、このように形成された三角
形は、等辺三角形ではなく、上記のように異なる長さを
与えられる。
各穴のインナ・エッジは、インナ・エッジまたはその
全体が曲線により規定されるように、曲線であることが
最も好ましい。もし、穴のインナ・エッジの一部だけが
曲線であるならば、その残りの部分を他の穴のインナ・
エッジと平行にすることができる。このような状態にお
いて、インナ・エッジの少なくとも２分の１を曲線とす
ることが好ましい。曲線を穴の内側に配置することが好
ましい。第３図を参照するに、実施例であって制限され
ない方法により、インナ・エッジ部110c,120cは互いに
平行であるが、インナ・エッジ部110b,120bは、穴110,1
20の両インナ・エッジが互いに本質的に不平行となるよ
うな曲線である。
各穴のアウタ・エッジは、曲線とすることができる。
アウタ・エッジ全体が曲線であることが好ましい。従っ
て、最も好ましい実施例においては、各穴はＣ字状の形
状を有する。本考案において、「Ｃ字状」とは、第１図
および第３図に示された穴の形状を説明することを意味
する。最も好ましくは、穴が互いに対向することであ
る。
図示の実施例において、穴の最適な測定値は、各穴の
高さが約2.0cm、各穴の幅が約0.5cm、穴のアウタ・エッ
ジ間の距離が約2.0cm、各穴のアウタ・エッジとターゲ
ット830との間の距離が約1.0cm、各穴のほぼ中央とター
ゲット830との間の距離が約0.75cmとなることである。
試料スライド100の使用において、便試料は、穴110,1
20が試料で完全に充満されるように、穴110,120を介し
て試験シート101に置かれる。患者は、フロント・パネ
ル・カバー・フラップ107を折り目230に沿って折り、タ
ブ109をスリット109aから内側に挿入することにより、
試料スライド100を閉じる。試料スライド100は、分析の
ために医師の部屋または研究所に運ばれる。図２を参照
するに、試料スライド100に保持された試料の分析は、
フロント・パネル・カバー・フラップ107を開放して穴1
10,120に接近することなく、好適な方法で実行すること
ができる。バック・パネル・カバー・フラップ117は、
ブリッジ部117a,117bを分離することにより開かれる。
現像溶液は、試料の潜血のためのふるい分け試験を実行
すべく、試験スライド110の背面側からターゲット830に
適用される。
現像溶液は、ろ紙101の現像側に滴下法による最も一
般的な手法で適用される。これらの液滴は、試験シート
100に接触し、それに吸収され、接触点から通常半径方
向外方へ溶液を広げる傾向がある。２〜３滴の現像溶液
が試験シート100のターゲット830に付加される。試験
後、全てのスライド100は、完全に処理される。
シート101は、粘液粘性材料のような他の種類の試料
の収集に適用してもよい。異なる試験を実行することが
できるように、それぞれが異なる試薬をシート101に有
する複数のスライドを並べて配置してもよい。
ターゲット範囲の位置に関するまたは互いに関する穴
のアウタ・エッジの位置の調節が可能であるように、異
なるろ紙を試験シート101に使用することができる。ろ
紙の成分は、綿質性のファイバーであることが好ましい
が、木質性ファイバーと綿質性ファイバーとの組合せ、
ガラス質性ファイバーと綿質性ファイバーとの組合せで
あってもよい。ターゲット範囲に関する穴のアウタ・エ
ッジの位置を決定する上においては、ろ紙の厚さ、粒子
サイズ関係（または粒子サイズ保持率）および流率（ま
たは流動性）からなる３つのファクタが重要である。
ろ紙の厚さは、約0.10mmと約0.26mmとの間であること
が好ましい。最も好ましいろ紙の厚さは、約0.175mmで
ある。約0.175mmを越える厚さのろ紙を使用すると、現
像溶液が移動する範囲が対応して減少し、逆であるとす
なわち約0.175mmに達しない厚さの史を使用すると、逆
になる。これらの変位性を補正するために、少なくとも
２つの手法、すなわち、（１）ろ紙に加える現像溶液の
量を変更すること、または（２）ターゲット範囲に関す
る穴のアウタ・エッジの位置を調節することが可能であ
る。従って、約0.175mmより大きい厚さを有するろ紙の
ためには、２〜３滴以上（約３〜４滴）の現像溶液を使
用するか、または穴従って穴のアウタ・エッジをターゲ
ット範囲の近くに移動させることができる。逆の場合す
なわち約0.175mmに達しない厚さのろ紙の場合には、前
記と逆にすればよい。すなわち、２滴未満（約１滴）の
現像溶液を使用するか、または穴従って穴のアウタ・エ
ッジをターゲット範囲からさらに移動させることができ
る。
ろ紙の粒子サイズ保持率は、電子粒子カウンタの使用
により決定されるように、98％の効率を有するろ紙によ
り保持された球形粒子の平均サイズとして規定される。
この好ましい値は、約1.0ミクロン以下から約7.0ミクロ
ンのオーダのように比較的小さい。より好ましい粒子サ
イズ保持率は、約4.0ミクロンである。粒子サイズ保持
率は、試料がろ紙を介して漏洩するような大きな値では
なく、また同時に試料がろ紙を介して拡散しないような
小さな値でもない。粒子サイズ保持率に関する穴のアウ
タ・エッジの距離の調節は、ろ紙の厚さに関する場合と
同様に行うことができる。従って、粒子サイズ保持率の
値が大きくなると、ターゲット範囲からのアウタ・エッ
ジの距離が大きくなり、粒子サイズ保持率の値が小さく
なると、ターゲット範囲からのアウタ・エッジの距離が
小さくなる。
粒子サイズ保持率に関係して、ろ紙の流率またはリニ
ア・ウィッキングがある。この値は、ろ紙の製造法に依
存して変化する。好ましい流率（ろ紙を所定距離上がる
蒸留水に必要な時間として規定される）は、約0.3cm/分
と約0.9cm/分との間である。より好ましい流率は、約0.
6cm/分である。流率値は、試料の分散がろ紙の流率に関
連する点で重要である。従って、流率が大きくなると、
ターゲット範囲からのアウタ・エッジの距離は大きくな
り、流率が小さくなると、ターゲット範囲からのアウタ
・エッジの距離は小さくなる。
考案の効果 本考案により得られる利点は、分散範囲の近くに直接
そこではなく現像溶液を付加し、現像剤が分散範囲を介
して移動するすように、試料シートの所定の位置に所定
の方法で所定量の試料を配置し、それにより拡散領域の
背部に色（グアヤック処理紙を用いた場合、青色）を発
生させ、その反応の判読性を増大しかつ高めることがで
きることを含む。これらの利点は、穴を指示手段に関し
て所定の位置に配置することにより得られる。さらに、
患者が穴を完全に充満させるように構成されるから、試
料スライドに加える試料の量の変化が、そのような変化
と共同して上記の利点と共に回避される。加えて、試料
スライドが分離処理を必要とする付加的な補助部品また
は要素を生じないから、現像終了後にスライド全体を処
理することができ、それにより臨床材料の誤った処理の
可能性が減少する。
本考案は相当詳細に説明しているが、本考案はそのよ
うな実施例に制限されず、種々変更することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) G01N 1/28 G01N 33/50

Claims (22)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】（ａ）少なくとも１つの穴を備えるフロン
    ト・パネルと、 （ｂ）前記フロント・パネルに重ねられるバックパネル
    であって前記フロント・パネルと反対の側に曲げられる
    フラップを備えるバック・パネルと、 （ｃ）前記フロント・パネルと前記バックパネルとの間
    に配置され、前記穴を介して試料を受けるシートと、 （ｄ）前記穴を覆いかつ閉じるように適合されたカバー
    であって前記フロント・パネルに関して前記バック・パ
    ネルと反対の側に配置されたカバーと、 （ｅ）前記シートのバック・パネル側の部位に溶液をお
    くこと指導する指導手段とを含み、 前記指導手段は、溶液が試験試料と接触し、反応物を形
    成すべく試験試料と反応し、反応物を前記穴の領域から
    離れて前記シートの比較的クリーンの範囲にもたらすよ
    うに、前記穴に関係して配置されており、 前記穴は、前記指導手段から遠いアウタ・エッジと、前
    記指導手段に近いインナ・エッジと、所定の幅とを有
    し、前記指導手段は、前記アウタ・エッジから前記穴の
    幅の約1.5倍と約2.5倍との間の箇所に配置されている、
    試料スライド。
  2. 【請求項２】前記穴の幅は、約0.25cmと約1.00cmとの間
    である、請求の範囲１に記載の試料スライド。
  3. 【請求項３】前記幅は約0.50cmである、請求の範囲１に
    記載の試料スライド。
  4. 【請求項４】前記穴は前記幅の約5.0倍と約1.5倍との間
    の長さを有する、請求の範囲１に記載の試料スライド。
  5. 【請求項５】前記穴は前記幅の約4.0倍の長さを有す
    る、請求の範囲２に記載の試料スライド。
  6. 【請求項６】前記穴はＣ字状の形状を有する、請求の範
    囲１に記載の試料スライド。
  7. 【請求項７】前記穴は、前記指導手段の周りを弧状に伸
    びる、請求の範囲１に記載の試料スライド。
  8. 【請求項８】（ａ）少なくとも１つの穴を備えるフロン
    ト・パネルと、 （ｂ）前記フロント・パネルに重ねられるバック・パネ
    ルであって前記フロント・パネルと反対の側に曲げられ
    るフラップを備えるバック・パネルと、 （ｃ）前記フロント・パネルと前記バックパネルとの間
    にあって、前記穴を介して試料を受ける位置に配置され
    るシートと、 （ｄ）前記穴を覆いかつ閉じるように適合されたカバー
    であって前記フロント・パネルに関して前記バック・パ
    ネルと反対の側に配置されたカバーと、 （ｅ）前記シートのバック・パネル側の部位に溶液をお
    くことを指導する指導手段とを含み、 前記穴は、前記指導手段から遠いアウタ・エッジと、前
    記指導手段に近いインナ・エッジと、所定の幅とを有
    し、また前記指導手段の周りを弧状に伸びており、 前記指導手段は、前記アウタ・エッジから前記穴の幅の
    約2.0倍の箇所に配置されている、試料スライド。
  9. 【請求項９】前記幅は約0.50cmである、請求の範囲８に
    記載の試料スライド。
  10. 【請求項１０】（ａ）第１の穴と少なくとも１つの他の
    穴とからなる少なくとも２つの穴を備えるフロント・パ
    ネルであって各穴が所定の幅、アウタ・エッジおよびイ
    ンナ・エッジを有するフロント・パネルと、 （ｂ）前記フロント・パネルに重ねられるバック・パネ
    ルであって前記フロント・パネルと反対の側に曲げられ
    るフラップを備えるバック・パネルと、 （ｃ）前記フロント・パネルと前記バックパネルとの間
    にあって少なくとも１つの穴を介して試料を受ける位置
    に配置されるシートと、 （ｄ）前記穴を覆いかつ閉じるように適合されたカバー
    であって前記フロント・パネルに関して前記バック・パ
    ネルと反対の側に配置されたカバーと、 （ｅ）前記シートの前記バック・パネルの側の部位に溶
    液をおくことを指導する指導手段とを含み、 前記指導手段は、前記第１の穴と前記他の穴との間のほ
    ぼ第１の穴と前記他の穴との間のほぼ中央にあって前記
    穴と反対の側の前記シート上に配置されており、 前記穴の前記インナ・エッジは本質的に互いに非平行で
    あり、 第１の穴の前記アウタ・エッジと少なくとも１つの他の
    穴の前記アウタ・エッジとの間の距離は、前記第１の穴
    の幅の約3.0倍と約5.0倍との間である、試料スライド。
  11. 【請求項１１】前記穴の幅は、約0.25cmと約1.00cmとの
    間である、請求の範囲10に記載の試料スライド。
  12. 【請求項１２】前記幅は約0.50cmである、請求の範囲10
    に記載の試料スライド。
  13. 【請求項１３】（ａ）第１の穴と少なくとも１つの他の
    穴とからなる少なくとも２つの穴を備えるフロント・パ
    ネルであって各穴が所定の幅、アウタ・エッジおよびイ
    ンナ・エッジを有するフロント・パネルと、 （ｂ）前記フロント・パネルに重ねられるバック・パネ
    ルであって前記フロント・パネルと反対のフラップを備
    えるバック・パネルと、 （ｃ）前記フロント・パネルと前記バックパネルとの間
    に配置され、少なくとも１つの穴を介して試料を受ける
    シートと、 （ｄ）少なくとも１つの前記穴を覆いかつ閉じるように
    適合されたカバーと、 （ｅ）前記シートの前記バック・パネルの側の部位に溶
    液をおくことを指導する指導手段とを含み、 前記指導手段は、前記第１の穴と前記他の穴との間のほ
    ぼ第１の穴と前記他の穴との間のほぼ中央にあって前記
    穴と反対の側の前記シート上に配置されており、 各穴の前記インナ・エッジは本質的に互いに非平行であ
    り、 第１の穴の前記アウタ・エッジと少なくとも１の他の穴
    の前記アウタ・エッジとの間の距離は、前記第１の穴の
    幅の約4.0倍である、試料スライド。
  14. 【請求項１４】前記穴の幅は、約0.25cmと約1.00cmとの
    間である、請求の範囲13に記載の試料スライド。
  15. 【請求項１５】前記幅は、約0.50cmである、請求の範囲
    13に記載の試料スライド。
  16. 【請求項１６】（ａ）少なくとも１つの穴を備えるフロ
    ント・パネルと、 （ｂ）前記フロント・パネルに重ねられるバック・パネ
    ルと、 （ｃ）前記フロント・パネルと前記バック・パネルとの
    間に配置されるシートと、 （ｄ）前記シートのバック・パネル側の部位に溶液をお
    くこと指導する指導手段とを含み、 前記穴は、前記指導手段から遠いアウタ・エッジと、前
    記指導手段に近いインナ・エッジと、所定の幅とを有
    し、前記指導手段は、前記アウタ・エッジから前記穴の
    幅の約1.5倍と約2.5倍との間の箇所に配置されている、
    試料スライド。
  17. 【請求項１７】前記穴の幅は約0.25cmと約1.00cmとの間
    である、請求の範囲16に記載の試料スライド。
  18. 【請求項１８】前記幅は約0.50cmである、請求の範囲16
    に記載の試料スライド。
  19. 【請求項１９】前記穴は前記幅の約5.0倍と約1.5倍との
    間の長さを有する、請求の範囲16に記載の試料スライ
    ド。
  20. 【請求項２０】前記穴はＣ字状の形状を有する、請求の
    範囲16に記載の試料スライド。
  21. 【請求項２１】（ａ）試料受け側を有する試料受けシー
    トと、 （ｂ）前記シートの試料受け側に臨む少なくとも１つの
    穴と、 （ｃ）前記シートの範囲の近くに溶液を配置することを
    指導する指導手段とを含み、 前記穴は、前記指導手段から遠いアウタ・エッジと、前
    記指導手段に近いインナ・エッジと、所定の幅とを有
    し、前記範囲は、前記アウタ・エッジから前記穴の幅の
    約1.5倍と約2.5倍との間の箇所に配置されている、試料
    スライド。
  22. 【請求項２２】（ａ）本質的にＣ字状の形状を有する少
    なくとも２つの穴を備えるフロント・パネルであって各
    穴が所定の幅、アウタ・エッジおよびインナ・エッジを
    有するフロント・パネルと、 （ｂ）前記フロント・パネルに重ねられるバック・パネ
    ルであって前記フロント・パネルと反対の側に曲げられ
    るフラップを備えるバック・パネルと、 （ｃ）前記フロント・パネルと前記バックパネルとの間
    にあって少なくとも１つの穴を介して試料を受ける位置
    に配置されるシートと （ｄ）前記穴を覆いかつ閉じるように適合されたカバー
    であって前記フロント・パネルに関して前記バック・パ
    ネルと反対の側に配置されたカバーと、 （ｅ）前記シートのバック・パネル側に溶液をおくこと
    指導する手段とを含み、 前記穴は、前記指導手段から遠いアウタ・エッジと、前
    記指導手段に近いインナ・エッジと、所定の幅とを有
    し、前記穴の幅は、約0.5cmであり、 前記指導手段は、前記アウタ・エッジから前記穴の幅の
    約1.5倍と約2.5倍との間の箇所に配置されている、試料
    スライド。
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