JP2585047Y2 - 作業車の走行系油圧制御装置 - Google Patents
作業車の走行系油圧制御装置Info
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- JP2585047Y2 JP2585047Y2 JP10191391U JP10191391U JP2585047Y2 JP 2585047 Y2 JP2585047 Y2 JP 2585047Y2 JP 10191391 U JP10191391 U JP 10191391U JP 10191391 U JP10191391 U JP 10191391U JP 2585047 Y2 JP2585047 Y2 JP 2585047Y2
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- Japan
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- hydraulic
- hydraulic clutch
- traveling
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- Control Of Transmission Device (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、トラクタ等の作業車に
おいて、その走行用変速装置の変速操作に連動して走行
用油圧クラッチを自動的に断続制御するようにした作業
車の走行系油圧制御装置に関する。
おいて、その走行用変速装置の変速操作に連動して走行
用油圧クラッチを自動的に断続制御するようにした作業
車の走行系油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の作業車において、その走行
用変速装置の変速操作に連動して走行用油圧クラッチを
自動的に断続する、いわゆるノンクラッチ変速を行うも
のが従来知られており、例えば特開昭63−15157
4号公報には、走行用トランスミッションを油圧ピスト
ンを介して変速操作するための変速バルブ及びこの変速
バルブの切換操作に連動して変速用クラッチの油圧ピス
トンへの油路を断続制御するコントロールバルブを備え
た作業車が開示されている。
用変速装置の変速操作に連動して走行用油圧クラッチを
自動的に断続する、いわゆるノンクラッチ変速を行うも
のが従来知られており、例えば特開昭63−15157
4号公報には、走行用トランスミッションを油圧ピスト
ンを介して変速操作するための変速バルブ及びこの変速
バルブの切換操作に連動して変速用クラッチの油圧ピス
トンへの油路を断続制御するコントロールバルブを備え
た作業車が開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このようなノンクラッ
チ変速を行う作業車にあっては、変速用クラッチを断続
制御するコントロールバルブが応答性よく確実に作動す
ることが重要であり、そうでないと円滑で確実なノンク
ラッチ変速は期待できない。
チ変速を行う作業車にあっては、変速用クラッチを断続
制御するコントロールバルブが応答性よく確実に作動す
ることが重要であり、そうでないと円滑で確実なノンク
ラッチ変速は期待できない。
【0004】そこで本考案は、円滑で確実なノンクラッ
チ変速を可能とする作業車の走行系油圧制御装置を提供
することを目的とする。
チ変速を可能とする作業車の走行系油圧制御装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため本考案
は、変速レバーに連動して切換操作される変速制御弁
と、この変速制御弁の各切換位置に応じて作業車の走行
用変速装置を変速操作する一群の油圧アクチュエータ
と、上記変速制御弁の切換動作に連動して作業車の走行
用油圧クラッチを断続制御する油圧クラッチ制御弁とを
備える作業車の走行系油圧制御装置において、前記油圧
クラッチ制御弁は、変速制御弁に連動されたカムとバネ
とによって一側に向けて押動され、また、一群のパイロ
ット圧ドレン制御弁に接続する油路のパイロット圧によ
って他側に向けて押動されるスプールを有し、上記変速
制御弁のニュートラル位置及び各切換途中位置では、カ
ム及びバネの押動操作力によりスプールがパイロット圧
に抗し一側に移動して走行用油圧クラッチが切断するよ
うに切換わり、また、この走行用油圧クラッチの切断状
態が、油圧アクチュエータの変速作動に連動して切換わ
るパイロット圧ドレン制御弁のパイロット圧の消圧とバ
ネの押動操作力とによって維持され、さらに、変速制御
弁の各切換位置では、油圧アクチュエータの変速作動の
完了に伴ってパイロット圧ドレン制御弁が油路にパイロ
ット圧を発生させる結果、このパイロット圧によってス
プールが他側に向けて移動して走行用油圧クラッチが接
続するように切換わる構成としたことを手段としてい
る。
は、変速レバーに連動して切換操作される変速制御弁
と、この変速制御弁の各切換位置に応じて作業車の走行
用変速装置を変速操作する一群の油圧アクチュエータ
と、上記変速制御弁の切換動作に連動して作業車の走行
用油圧クラッチを断続制御する油圧クラッチ制御弁とを
備える作業車の走行系油圧制御装置において、前記油圧
クラッチ制御弁は、変速制御弁に連動されたカムとバネ
とによって一側に向けて押動され、また、一群のパイロ
ット圧ドレン制御弁に接続する油路のパイロット圧によ
って他側に向けて押動されるスプールを有し、上記変速
制御弁のニュートラル位置及び各切換途中位置では、カ
ム及びバネの押動操作力によりスプールがパイロット圧
に抗し一側に移動して走行用油圧クラッチが切断するよ
うに切換わり、また、この走行用油圧クラッチの切断状
態が、油圧アクチュエータの変速作動に連動して切換わ
るパイロット圧ドレン制御弁のパイロット圧の消圧とバ
ネの押動操作力とによって維持され、さらに、変速制御
弁の各切換位置では、油圧アクチュエータの変速作動の
完了に伴ってパイロット圧ドレン制御弁が油路にパイロ
ット圧を発生させる結果、このパイロット圧によってス
プールが他側に向けて移動して走行用油圧クラッチが接
続するように切換わる構成としたことを手段としてい
る。
【0006】
【作用】このような手段では、変速制御弁がニュートラ
ル位置にあるとき、あるいは任意の切換位置から他の変
速位置に向けてその切換途中位置にあるとき、これに連
動するカムとバネとの押動操作力によってスプールがパ
イロット圧に抗して移動することで油圧クラッチ制御弁
が切換わり、走行用油圧クラッチが自動的に切断され
る。そのため、作業者は走行変速を行うにあたっていち
いち走行用油圧クラッチをクラッチペダル等によって切
断操作する必要がない。
ル位置にあるとき、あるいは任意の切換位置から他の変
速位置に向けてその切換途中位置にあるとき、これに連
動するカムとバネとの押動操作力によってスプールがパ
イロット圧に抗して移動することで油圧クラッチ制御弁
が切換わり、走行用油圧クラッチが自動的に切断され
る。そのため、作業者は走行変速を行うにあたっていち
いち走行用油圧クラッチをクラッチペダル等によって切
断操作する必要がない。
【0007】引続き変速レバーにより変速制御弁を任意
の切換位置に切換操作すると、その切換位置に対応した
油圧アクチュエータが作動して作業車の走行用変速装置
が所望の変速段に変速操作される。そして油圧アクチュ
エータの作動が停止して変速操作が完了すると、パイロ
ット圧によりスプールが移動して油圧クラッチ制御弁が
切換わり、走行用油圧クラッチが自動的に接続される。
ここで油圧アクチュエータが作動中である間は、対応す
るパイロット圧ドレン制御弁がパイロット圧を消圧する
ので、油圧クラッチ制御弁はそのスプールがバネ力によ
ってフルストローク移動した走行用油圧クラッチを切断
する切換状態にあり、走行用油圧クラッチの切断状態が
油圧アクチュエータの作動中、確実に維持される。
の切換位置に切換操作すると、その切換位置に対応した
油圧アクチュエータが作動して作業車の走行用変速装置
が所望の変速段に変速操作される。そして油圧アクチュ
エータの作動が停止して変速操作が完了すると、パイロ
ット圧によりスプールが移動して油圧クラッチ制御弁が
切換わり、走行用油圧クラッチが自動的に接続される。
ここで油圧アクチュエータが作動中である間は、対応す
るパイロット圧ドレン制御弁がパイロット圧を消圧する
ので、油圧クラッチ制御弁はそのスプールがバネ力によ
ってフルストローク移動した走行用油圧クラッチを切断
する切換状態にあり、走行用油圧クラッチの切断状態が
油圧アクチュエータの作動中、確実に維持される。
【0008】このように油圧クラッチ制御弁は、変速操
作の初期には応答性よく切換わって走行用油圧クラッチ
を切断し、油圧アクチュエータが作動する変速操作中は
走行用油圧クラッチの切断状態を確実に維持し、油圧ア
クチュエータの作動が停止して変速操作が確実に完了し
た時点でパイロット圧により切換わって走行用油圧クラ
ッチを接続するのであり、円滑で確実なノンクラッチ変
速が可能となる。
作の初期には応答性よく切換わって走行用油圧クラッチ
を切断し、油圧アクチュエータが作動する変速操作中は
走行用油圧クラッチの切断状態を確実に維持し、油圧ア
クチュエータの作動が停止して変速操作が確実に完了し
た時点でパイロット圧により切換わって走行用油圧クラ
ッチを接続するのであり、円滑で確実なノンクラッチ変
速が可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本考案の一実施例を添付の図面を参照
して具体的に説明する。図2は一実施例が適用される作
業車としてのトラクタの概略構成を示しており、このト
ラクタ1は、運転席シート2の側方に主変速レバー3、
副変速レバー4、シャトル変速レバー5をそれぞれ分離
配置して備えている。
して具体的に説明する。図2は一実施例が適用される作
業車としてのトラクタの概略構成を示しており、このト
ラクタ1は、運転席シート2の側方に主変速レバー3、
副変速レバー4、シャトル変速レバー5をそれぞれ分離
配置して備えている。
【0010】ここで前記トラクタ1の駆動系を図3によ
り概略的に説明すると、エンジン6にメインクラッチ7
を介して接続する走行用変速装置8が、第2主変速機構
9、第1主変速機構10、走行用油圧クラッチ11、前
後進切換機構12、第1副変速機講13、第2副変速機
講14及びディファレンシャル装置15を介してトラク
タ1の後輪16に伝動構成されることで、駆動輪を回転
駆動する走行駆動系が構成されている。また、上記走行
用変速装置8が第1PTO変速機構17、第2PTO変
速機構18、伝動軸19、第3PTO変速機構20を介
してPTO軸21に伝動構成されることで、作業機等の
動力源となるPTO軸21を回転駆動するPTO軸駆動
系が構成されている。
り概略的に説明すると、エンジン6にメインクラッチ7
を介して接続する走行用変速装置8が、第2主変速機構
9、第1主変速機構10、走行用油圧クラッチ11、前
後進切換機構12、第1副変速機講13、第2副変速機
講14及びディファレンシャル装置15を介してトラク
タ1の後輪16に伝動構成されることで、駆動輪を回転
駆動する走行駆動系が構成されている。また、上記走行
用変速装置8が第1PTO変速機構17、第2PTO変
速機構18、伝動軸19、第3PTO変速機構20を介
してPTO軸21に伝動構成されることで、作業機等の
動力源となるPTO軸21を回転駆動するPTO軸駆動
系が構成されている。
【0011】前記第1主変速機構10は、ニュートラル
段から第1速段または第2速段への切換を行うもので、
油圧アクチュエータとしての第1油圧シリンダ22によ
り変速操作されるようになっている。また第2主変速機
構9は、ニュートラル段から第3速段または第4速段へ
の切換を行うもので、油圧アクチュエータとしての第2
油圧シリンダ23により変速操作されるようになってい
る。また、さらに第1副変速機講13は、前後進切換機
構12の出力回転をH段,L段の高低2段に切換えるも
ので、油圧アクチュエータとしての第3油圧シリンダ2
4により変速操作されるようになっている。そしてこれ
ら第1油圧シリンダ22、第2油圧シリンダ23及び第
3油圧シリンダ24は、前記主変速レバー3によって切
換操作される後述の変速制御弁の切換位置に応じて作動
制御されるようになっている。
段から第1速段または第2速段への切換を行うもので、
油圧アクチュエータとしての第1油圧シリンダ22によ
り変速操作されるようになっている。また第2主変速機
構9は、ニュートラル段から第3速段または第4速段へ
の切換を行うもので、油圧アクチュエータとしての第2
油圧シリンダ23により変速操作されるようになってい
る。また、さらに第1副変速機講13は、前後進切換機
構12の出力回転をH段,L段の高低2段に切換えるも
ので、油圧アクチュエータとしての第3油圧シリンダ2
4により変速操作されるようになっている。そしてこれ
ら第1油圧シリンダ22、第2油圧シリンダ23及び第
3油圧シリンダ24は、前記主変速レバー3によって切
換操作される後述の変速制御弁の切換位置に応じて作動
制御されるようになっている。
【0012】また、前後進切換機構12は、走行用油圧
クラッチ11の出力回転をそのまま又は反転して第1副
変速機講13に伝達するもので、前記シャトル変速レバ
ー5に連動するシフトレール25を介して切換操作され
るようになっている。さらに第2副変速機講14は、第
1副変速機講13の出力回転をH段,L段の高低2段に
切換えるもので、前記副変速レバー4に連動するシフト
レール26を介して変速操作されるようになっている。
クラッチ11の出力回転をそのまま又は反転して第1副
変速機講13に伝達するもので、前記シャトル変速レバ
ー5に連動するシフトレール25を介して切換操作され
るようになっている。さらに第2副変速機講14は、第
1副変速機講13の出力回転をH段,L段の高低2段に
切換えるもので、前記副変速レバー4に連動するシフト
レール26を介して変速操作されるようになっている。
【0013】図1は前記走行用油圧クラッチ11の断続
制御、及び第1油圧シリンダ22ないし第3油圧シリン
ダ24の作動制御を行う走行系油圧制御装置の油圧回路
を示している。この油圧回路は、前記トラクタ1に装備
されるパワーステアリング装置用油圧制御装置27やク
イックターン装置用油圧制御装置28と共用したもの
で、これらの油圧制御装置27,28にもオイルポンプ
29からの圧油を供給する分流弁30と、この分流弁3
0を介して圧油がそれぞれ供給される変速制御弁31及
び油圧クラッチ制御弁32とを備えている。そして上記
変速制御弁31には各第1油圧シリンダ22、第2油圧
シリンダ23、第3油圧シリンダ24がそれぞれ接続さ
れ、上記油圧クラッチ制御弁32には走行用油圧クラッ
チ11が接続されている。
制御、及び第1油圧シリンダ22ないし第3油圧シリン
ダ24の作動制御を行う走行系油圧制御装置の油圧回路
を示している。この油圧回路は、前記トラクタ1に装備
されるパワーステアリング装置用油圧制御装置27やク
イックターン装置用油圧制御装置28と共用したもの
で、これらの油圧制御装置27,28にもオイルポンプ
29からの圧油を供給する分流弁30と、この分流弁3
0を介して圧油がそれぞれ供給される変速制御弁31及
び油圧クラッチ制御弁32とを備えている。そして上記
変速制御弁31には各第1油圧シリンダ22、第2油圧
シリンダ23、第3油圧シリンダ24がそれぞれ接続さ
れ、上記油圧クラッチ制御弁32には走行用油圧クラッ
チ11が接続されている。
【0014】前記分流弁30は、オイルポンプ29に対
して並列に接続する2つの圧力制御弁30a,30b
と、その一方の圧力制御弁30aの下流側に接続する切
換弁30cとを備えたもので、この切換弁30cが油路
L1を介して前記変速制御弁31及び油圧クラッチ制御
弁32にそれぞれ接続し、油路L2を介してクイックタ
ーン装置用油圧制御装置28に接続している。また他方
の圧力制御弁30bが油路L3を介してパワーステアリ
ング装置用油圧制御装置27に接続している。
して並列に接続する2つの圧力制御弁30a,30b
と、その一方の圧力制御弁30aの下流側に接続する切
換弁30cとを備えたもので、この切換弁30cが油路
L1を介して前記変速制御弁31及び油圧クラッチ制御
弁32にそれぞれ接続し、油路L2を介してクイックタ
ーン装置用油圧制御装置28に接続している。また他方
の圧力制御弁30bが油路L3を介してパワーステアリ
ング装置用油圧制御装置27に接続している。
【0015】前記切換弁30cは、バネ復帰型の電磁切
換式のものであり、バネ復帰状態では油路L1をドレン
側へ連通させ、かつ油路L2と圧力制御弁30aとを遮
断すると共に、通電時には油路L1とドレン側との連通
を遮断し、かつ油路L1,L2を圧力制御弁30aを介
してオイルポンプ29に接続しするようになっている。
そしてこの切換弁30cの通電状態で油路L1の圧油が
油路L2側へ逆流するのを防止するため、分流弁30内
の油路L1には逆止弁30dが介設されている。
換式のものであり、バネ復帰状態では油路L1をドレン
側へ連通させ、かつ油路L2と圧力制御弁30aとを遮
断すると共に、通電時には油路L1とドレン側との連通
を遮断し、かつ油路L1,L2を圧力制御弁30aを介
してオイルポンプ29に接続しするようになっている。
そしてこの切換弁30cの通電状態で油路L1の圧油が
油路L2側へ逆流するのを防止するため、分流弁30内
の油路L1には逆止弁30dが介設されている。
【0016】そして、前記切換弁30cの通電を制御す
るマイクロスイッチ33,34がそれぞれ前記シフトレ
ール25,26の移動を検出すべくこれに接触して設け
られ、シャトル変速レバー5の切換操作及び副変速レバ
ー4の変速操作の際には常閉の接点を有するマイクロス
イッチ33またはマイクロスイッチ34がオフして切換
弁30cをバネ復帰させることで油路L1をドレン側へ
連通するようになっている。
るマイクロスイッチ33,34がそれぞれ前記シフトレ
ール25,26の移動を検出すべくこれに接触して設け
られ、シャトル変速レバー5の切換操作及び副変速レバ
ー4の変速操作の際には常閉の接点を有するマイクロス
イッチ33またはマイクロスイッチ34がオフして切換
弁30cをバネ復帰させることで油路L1をドレン側へ
連通するようになっている。
【0017】変速制御弁31はN(ニュートラル)及び
F1ないしF8の各切換位置が連続するロータリ切換式
のもので、前記主変速レバー3によって切換操作される
ようになっている。そしてこの変速制御弁31の各切換
位置に応じて第1油圧シリンダ22、第2油圧シリンダ
23及び第3油圧シリンダ24がそれぞれ伸縮制御され
る。例えばN位置では、第1油圧シリンダ22及び第2
油圧シリンダ23が共に中立の中間伸張位置に制御され
ることで、第1主変速機構10及び第2主変速機構9が
共にニュートラル段に変速操作される。また、N,F
1,F2,F3,F4の各切換位置では第3油圧シリン
ダ24が収縮限に達して第1副変速機講13が低速のL
段となり、F5,F6,F7,F8の各切換位置では第
3油圧シリンダ24が伸張限に達して第1副変速機講1
3が高速のH段となる。そしてF1,F2,F5,F6
の切換位置では第2主変速機構9がニュートラル段であ
るのに対し、第1油圧シリンダ22が伸縮制御され、第
1主変速機構10はF1,F5の切換位置で第1速段
に、F2,F6の切換位置で第2速段にそれぞれ変速操
作される。また、F3,F4,F7,F8の切換位置で
は第1主変速機構10がニュートラル段であるのに対
し、第2油圧シリンダ23が伸縮制御されることで第2
主変速機構9はF3,F7の切換位置で第3速段に、F
4,F8の切換位置で第4速段にそれぞれ変速操作され
る。
F1ないしF8の各切換位置が連続するロータリ切換式
のもので、前記主変速レバー3によって切換操作される
ようになっている。そしてこの変速制御弁31の各切換
位置に応じて第1油圧シリンダ22、第2油圧シリンダ
23及び第3油圧シリンダ24がそれぞれ伸縮制御され
る。例えばN位置では、第1油圧シリンダ22及び第2
油圧シリンダ23が共に中立の中間伸張位置に制御され
ることで、第1主変速機構10及び第2主変速機構9が
共にニュートラル段に変速操作される。また、N,F
1,F2,F3,F4の各切換位置では第3油圧シリン
ダ24が収縮限に達して第1副変速機講13が低速のL
段となり、F5,F6,F7,F8の各切換位置では第
3油圧シリンダ24が伸張限に達して第1副変速機講1
3が高速のH段となる。そしてF1,F2,F5,F6
の切換位置では第2主変速機構9がニュートラル段であ
るのに対し、第1油圧シリンダ22が伸縮制御され、第
1主変速機構10はF1,F5の切換位置で第1速段
に、F2,F6の切換位置で第2速段にそれぞれ変速操
作される。また、F3,F4,F7,F8の切換位置で
は第1主変速機構10がニュートラル段であるのに対
し、第2油圧シリンダ23が伸縮制御されることで第2
主変速機構9はF3,F7の切換位置で第3速段に、F
4,F8の切換位置で第4速段にそれぞれ変速操作され
る。
【0018】前記変速制御弁31は各切換位置に連動す
るカム31aを備えており、このカム31aに追従して
スプール32aが押動操作されるように前記油圧クラッ
チ制御弁32が設置されている。この油圧クラッチ制御
弁32は、前記油路L1にオリフィス35を介して連通
するパイロット油路L4のパイロット圧がパイロットピ
ストン32bを介してスプール32aの一端に作用し、
上記カム31aに当接するスプール32aの他端側にバ
ネ32cの付勢力が作用する2位置切換弁である。そし
てこのような油圧クラッチ制御弁32は、変速制御弁3
1がN位置にあるとき及びF1ないしF8の各切換位置
への切換途中にあるときには、カム31aによりスプー
ル32aがパイロット圧に抗して押動操作されて走行用
油圧クラッチ11への油路L5をドレン側へ接続し、変
速制御弁31がF1ないしF8の各切換位置にあるとき
には、パイロット圧により切換わって前記油路L1と走
行用油圧クラッチ11への油路L5とを接続するように
なっている。そして走行用油圧クラッチ11は、油路L
5がドレン側に接続された状態ではトラクタ1の走行駆
動系を切断し、油路L5と油路L1とが接続された状態
では供給される圧油によって作動して走行駆動系を接続
するようになっている。
るカム31aを備えており、このカム31aに追従して
スプール32aが押動操作されるように前記油圧クラッ
チ制御弁32が設置されている。この油圧クラッチ制御
弁32は、前記油路L1にオリフィス35を介して連通
するパイロット油路L4のパイロット圧がパイロットピ
ストン32bを介してスプール32aの一端に作用し、
上記カム31aに当接するスプール32aの他端側にバ
ネ32cの付勢力が作用する2位置切換弁である。そし
てこのような油圧クラッチ制御弁32は、変速制御弁3
1がN位置にあるとき及びF1ないしF8の各切換位置
への切換途中にあるときには、カム31aによりスプー
ル32aがパイロット圧に抗して押動操作されて走行用
油圧クラッチ11への油路L5をドレン側へ接続し、変
速制御弁31がF1ないしF8の各切換位置にあるとき
には、パイロット圧により切換わって前記油路L1と走
行用油圧クラッチ11への油路L5とを接続するように
なっている。そして走行用油圧クラッチ11は、油路L
5がドレン側に接続された状態ではトラクタ1の走行駆
動系を切断し、油路L5と油路L1とが接続された状態
では供給される圧油によって作動して走行駆動系を接続
するようになっている。
【0019】また、前記走行用油圧クラッチ11への油
路L5の途中には、昇圧制御弁36が接続されている。
この昇圧制御弁36は、走行用油圧クラッチ11へ供給
する圧油の圧力を漸次増大させるようにドレン制御する
もので、前記圧力制御弁30aにより設定される圧力よ
り低い圧力で油路L5の圧油をドレンするバネ復帰型内
部パイロット式の圧力制御弁36aと、油路L5にオリ
フィス36bを介して接続して上記圧力制御弁36aに
パイロット圧に対抗する圧力を供給するアキュムレータ
36cと、前記第3油圧シリンダ24に接続するアキュ
ムレータ36dとを備えている。
路L5の途中には、昇圧制御弁36が接続されている。
この昇圧制御弁36は、走行用油圧クラッチ11へ供給
する圧油の圧力を漸次増大させるようにドレン制御する
もので、前記圧力制御弁30aにより設定される圧力よ
り低い圧力で油路L5の圧油をドレンするバネ復帰型内
部パイロット式の圧力制御弁36aと、油路L5にオリ
フィス36bを介して接続して上記圧力制御弁36aに
パイロット圧に対抗する圧力を供給するアキュムレータ
36cと、前記第3油圧シリンダ24に接続するアキュ
ムレータ36dとを備えている。
【0020】さらに、前記パイロット油路L4には、設
定されたパイロット圧の上昇を防止するためのパイロッ
ト圧リリーフ弁37が接続されている。また、パイロッ
ト油路L4には前記第1油圧シリンダ22、第2油圧シ
リンダ23及び第3油圧シリンダ24に対応したパイロ
ット圧ドレン制御弁38,39,40がそれぞれ接続さ
れている。
定されたパイロット圧の上昇を防止するためのパイロッ
ト圧リリーフ弁37が接続されている。また、パイロッ
ト油路L4には前記第1油圧シリンダ22、第2油圧シ
リンダ23及び第3油圧シリンダ24に対応したパイロ
ット圧ドレン制御弁38,39,40がそれぞれ接続さ
れている。
【0021】前記パイロット圧ドレン制御弁38,3
9,40は、スプールが押動操作されるバネ復帰型の2
位置切換弁であり、スプールの押動操作状態ではパイロ
ット油路L4をドレン側に接続してパイロット圧を消圧
し、バネ復帰状態ではパイロット油路L4のドレン状態
を阻止してパイロット圧を保持するようになっている。
そしてパイロット圧ドレン制御弁38は前記第1油圧シ
リンダ22に連動してその中立の中間伸張位置、伸張限
及び収縮限でのみバネ復帰し、その作動中はスプールが
押動操作されるように設置されている。同様にパイロッ
ト圧ドレン制御弁39は前記第2油圧シリンダ23の中
立の中間伸張位置、伸張限及び収縮限でのみバネ復帰
し、その作動中はスプールが押動操作されるように設置
されている。また、パイロット圧ドレン制御弁40は前
記第3油圧シリンダ24に連動してその収縮限及び伸張
限でのみバネ復帰し、その作動中はスプールが押動操作
されるように設置されている。
9,40は、スプールが押動操作されるバネ復帰型の2
位置切換弁であり、スプールの押動操作状態ではパイロ
ット油路L4をドレン側に接続してパイロット圧を消圧
し、バネ復帰状態ではパイロット油路L4のドレン状態
を阻止してパイロット圧を保持するようになっている。
そしてパイロット圧ドレン制御弁38は前記第1油圧シ
リンダ22に連動してその中立の中間伸張位置、伸張限
及び収縮限でのみバネ復帰し、その作動中はスプールが
押動操作されるように設置されている。同様にパイロッ
ト圧ドレン制御弁39は前記第2油圧シリンダ23の中
立の中間伸張位置、伸張限及び収縮限でのみバネ復帰
し、その作動中はスプールが押動操作されるように設置
されている。また、パイロット圧ドレン制御弁40は前
記第3油圧シリンダ24に連動してその収縮限及び伸張
限でのみバネ復帰し、その作動中はスプールが押動操作
されるように設置されている。
【0022】図4は前記変速制御弁31、第1油圧シリ
ンダ22、油圧クラッチ制御弁32、パイロット圧ドレ
ン制御弁38等を集中して組み込んだバルブケース41
の内部を示しており、主変速レバー3を介して回転操作
される変速制御弁31には位置決め孔を有する円盤状の
カム31aが固定され、またこのカム31aに当接する
油圧クラッチ制御弁32のスプール32aが上記変速制
御弁31のバルブボディ42に摺動自在に嵌合されてい
る。
ンダ22、油圧クラッチ制御弁32、パイロット圧ドレ
ン制御弁38等を集中して組み込んだバルブケース41
の内部を示しており、主変速レバー3を介して回転操作
される変速制御弁31には位置決め孔を有する円盤状の
カム31aが固定され、またこのカム31aに当接する
油圧クラッチ制御弁32のスプール32aが上記変速制
御弁31のバルブボディ42に摺動自在に嵌合されてい
る。
【0023】ここで、図5の(a)にも示すように、前
記油圧クラッチ制御弁32は交換可能な調整オリフィス
43を介して油路L1に接続している。また、この油圧
クラッチ制御弁32は、バネ32cの付勢力を受けてい
るスプール32aに対してパイロット圧を作用させるパ
イロットピストン32bが、スプール32aと別体であ
って、スプール32aより細径に形成されてバルブケー
ス41に嵌合している。このため、パイロットピストン
32bはバルブケース41とバルブボディ42との芯ず
れを吸収して円滑に摺動できるようになっている。そし
てこのパイロットピストン32bは、その外周に装着し
たOリング44を介してバルブケース41に摺動自在に
嵌合しており、パイロット圧作用時のシール性を向上し
てスプール32aを円滑に切換動作させるようになって
いる。なお、図5の(b)に示すように、前記油圧クラ
ッチ制御弁32は固定オリフィス45を介して油路L1
に接続するようにしてもよい。
記油圧クラッチ制御弁32は交換可能な調整オリフィス
43を介して油路L1に接続している。また、この油圧
クラッチ制御弁32は、バネ32cの付勢力を受けてい
るスプール32aに対してパイロット圧を作用させるパ
イロットピストン32bが、スプール32aと別体であ
って、スプール32aより細径に形成されてバルブケー
ス41に嵌合している。このため、パイロットピストン
32bはバルブケース41とバルブボディ42との芯ず
れを吸収して円滑に摺動できるようになっている。そし
てこのパイロットピストン32bは、その外周に装着し
たOリング44を介してバルブケース41に摺動自在に
嵌合しており、パイロット圧作用時のシール性を向上し
てスプール32aを円滑に切換動作させるようになって
いる。なお、図5の(b)に示すように、前記油圧クラ
ッチ制御弁32は固定オリフィス45を介して油路L1
に接続するようにしてもよい。
【0024】また、前述のようにパイロットピストン3
2bがスプール32aより細径であってパイロット圧の
受圧面積が小さいことから、スプール32aの移動によ
る油圧クラッチ制御弁32の流路開口面積が充分大きい
ものでありながら、パイロット圧に抗するスプール32
aの押動操作力は比較的に小さなものとなっている。図
6はこのような油圧クラッチ制御弁32におけるスプー
ル32aのストローク特性及び流路開口特性を示してお
り、スプール32aがバネ32cの付勢力を受けていな
いものに較べて本実施例では、スプール32aのストロ
ークSと共に流路開口Bが大幅に大きくなっている。
2bがスプール32aより細径であってパイロット圧の
受圧面積が小さいことから、スプール32aの移動によ
る油圧クラッチ制御弁32の流路開口面積が充分大きい
ものでありながら、パイロット圧に抗するスプール32
aの押動操作力は比較的に小さなものとなっている。図
6はこのような油圧クラッチ制御弁32におけるスプー
ル32aのストローク特性及び流路開口特性を示してお
り、スプール32aがバネ32cの付勢力を受けていな
いものに較べて本実施例では、スプール32aのストロ
ークSと共に流路開口Bが大幅に大きくなっている。
【0025】次に、このように構成された一実施例によ
る作業車の走行系油圧制御装置につき、その作用を説明
する。まず、副変速レバー4またはシャトル変速レバー
5が操作されていない状態ではマイクロスイッチ33,
34はオンであり、分流弁30の切換弁30cは油路L
1を逆止弁30dを介して圧力制御弁30aに連通する
よう切換わっている。このため圧力制御弁30aによっ
て設定された圧力の圧油が変速制御弁31に直接供給さ
れ、油圧クラッチ制御弁32に調整オリフィス43(固
定オリフィス45)を介して供給されている。また、パ
イロット油路L4にはオリフィス35を介して圧油が供
給されている。
る作業車の走行系油圧制御装置につき、その作用を説明
する。まず、副変速レバー4またはシャトル変速レバー
5が操作されていない状態ではマイクロスイッチ33,
34はオンであり、分流弁30の切換弁30cは油路L
1を逆止弁30dを介して圧力制御弁30aに連通する
よう切換わっている。このため圧力制御弁30aによっ
て設定された圧力の圧油が変速制御弁31に直接供給さ
れ、油圧クラッチ制御弁32に調整オリフィス43(固
定オリフィス45)を介して供給されている。また、パ
イロット油路L4にはオリフィス35を介して圧油が供
給されている。
【0026】このような状態で、主変速レバー3がN位
置、即ち変速制御弁31がN位置に切換わっていると
き、第3油圧シリンダ24が収縮限に達して第1副変速
機講13が低速のL段となっており、また、第1油圧シ
リンダ22及び第2油圧シリンダ23が共に中立の中間
伸張位置に制御されて第1主変速機構10及び第2主変
速機構9は共にニュートラル段となっている。そしてこ
のとき、バネ32cと共に変速制御弁31のカム31a
により油圧クラッチ制御弁32のスプール32aが押動
されているため、油圧クラッチ制御弁32は走行用油圧
クラッチ11への油路L5をドレン側へ接続した位置に
切換わっており、走行用油圧クラッチ11はトラクタ1
の走行駆動系を切断している。
置、即ち変速制御弁31がN位置に切換わっていると
き、第3油圧シリンダ24が収縮限に達して第1副変速
機講13が低速のL段となっており、また、第1油圧シ
リンダ22及び第2油圧シリンダ23が共に中立の中間
伸張位置に制御されて第1主変速機構10及び第2主変
速機構9は共にニュートラル段となっている。そしてこ
のとき、バネ32cと共に変速制御弁31のカム31a
により油圧クラッチ制御弁32のスプール32aが押動
されているため、油圧クラッチ制御弁32は走行用油圧
クラッチ11への油路L5をドレン側へ接続した位置に
切換わっており、走行用油圧クラッチ11はトラクタ1
の走行駆動系を切断している。
【0027】次に、主変速レバー3によって変速制御弁
31をF1位置に切換えると、第1油圧シリンダ22が
伸張して第1主変速機構10が第1速段に変速操作され
る。その際、第1油圧シリンダ22が伸張動作中であっ
て第1速段への変速操作が未完了である場合には、パイ
ロット圧ドレン制御弁38はスプールが押動操作されて
パイロット油路L4をドレン側に接続しており、パイロ
ット圧は消圧している。そこで、油圧クラッチ制御弁3
2はスプール32aがバネ32cの付勢力によってフル
ストローク移動した切換状態にあり、走行用油圧クラッ
チ11の切断状態を確実に維持している。そして第1油
圧シリンダ22が伸張限に達して第1速段への変速操作
が完了すると、パイロット圧ドレン制御弁38がバネ復
帰してパイロット油路L4のドレン状態を阻止するの
で、油圧クラッチ制御弁32はパイロット油路L4のパ
イロット圧によるスプール32aの移動により切換わっ
て油路L1と走行用油圧クラッチ11への油路L5とを
接続し、こうして走行用油圧クラッチ11は圧油の供給
を受けて走行駆動系を自動的に接続する。その際、パイ
ロット圧によるスプール32aの移動に対してはパイロ
ットピストン32bに装着したOリング44及びスプー
ル32aを付勢するバネ32cが抵抗として作用するの
で、スプール32aは緩やかに移動して油圧クラッチ制
御弁32を切り換える。加えて、油圧クラッチ制御弁3
2を介して走行用油圧クラッチ11に供給される圧油の
圧力は、昇圧制御弁36によって漸次増大するように制
御されるので、走行用油圧クラッチ11はショックの少
ない状態で接続してエンストすることなくエンジン6の
動力を後輪16に伝達する。
31をF1位置に切換えると、第1油圧シリンダ22が
伸張して第1主変速機構10が第1速段に変速操作され
る。その際、第1油圧シリンダ22が伸張動作中であっ
て第1速段への変速操作が未完了である場合には、パイ
ロット圧ドレン制御弁38はスプールが押動操作されて
パイロット油路L4をドレン側に接続しており、パイロ
ット圧は消圧している。そこで、油圧クラッチ制御弁3
2はスプール32aがバネ32cの付勢力によってフル
ストローク移動した切換状態にあり、走行用油圧クラッ
チ11の切断状態を確実に維持している。そして第1油
圧シリンダ22が伸張限に達して第1速段への変速操作
が完了すると、パイロット圧ドレン制御弁38がバネ復
帰してパイロット油路L4のドレン状態を阻止するの
で、油圧クラッチ制御弁32はパイロット油路L4のパ
イロット圧によるスプール32aの移動により切換わっ
て油路L1と走行用油圧クラッチ11への油路L5とを
接続し、こうして走行用油圧クラッチ11は圧油の供給
を受けて走行駆動系を自動的に接続する。その際、パイ
ロット圧によるスプール32aの移動に対してはパイロ
ットピストン32bに装着したOリング44及びスプー
ル32aを付勢するバネ32cが抵抗として作用するの
で、スプール32aは緩やかに移動して油圧クラッチ制
御弁32を切り換える。加えて、油圧クラッチ制御弁3
2を介して走行用油圧クラッチ11に供給される圧油の
圧力は、昇圧制御弁36によって漸次増大するように制
御されるので、走行用油圧クラッチ11はショックの少
ない状態で接続してエンストすることなくエンジン6の
動力を後輪16に伝達する。
【0028】引続き、主変速レバー3によって変速制御
弁31をF1位置からF2位置に切換えると、その初期
に油圧クラッチ制御弁32のスプール32aがバネ32
cの付勢力に加えてカム31aによりパイロット圧に抗
して押動操作されることで、油圧クラッチ制御弁32は
走行用油圧クラッチ11への油路L5をドレン側へ接続
するよう切換わり、こうして走行用油圧クラッチ11は
トラクタ1の走行駆動系を自動的に切断する。その際、
パイロット圧リリーフ弁37がパイロット油路L4のパ
イロット圧の上昇を防止しているので、パイロット圧に
抗して押動操作されるスプール32aの作動はスムーズ
であって応答性がよい。このため、油圧クラッチ制御弁
32は応答性よく切換わって走行用油圧クラッチ11が
迅速に切断される。そこで、第1油圧シリンダ22の収
縮により第1主変速機構10は円滑に第2速段に変速操
作される。
弁31をF1位置からF2位置に切換えると、その初期
に油圧クラッチ制御弁32のスプール32aがバネ32
cの付勢力に加えてカム31aによりパイロット圧に抗
して押動操作されることで、油圧クラッチ制御弁32は
走行用油圧クラッチ11への油路L5をドレン側へ接続
するよう切換わり、こうして走行用油圧クラッチ11は
トラクタ1の走行駆動系を自動的に切断する。その際、
パイロット圧リリーフ弁37がパイロット油路L4のパ
イロット圧の上昇を防止しているので、パイロット圧に
抗して押動操作されるスプール32aの作動はスムーズ
であって応答性がよい。このため、油圧クラッチ制御弁
32は応答性よく切換わって走行用油圧クラッチ11が
迅速に切断される。そこで、第1油圧シリンダ22の収
縮により第1主変速機構10は円滑に第2速段に変速操
作される。
【0029】また、第1油圧シリンダ22が収縮動作中
であって第2速段への変速操作が未完了である場合に
は、前述のようにパイロット圧ドレン制御弁38がパイ
ロット油路L4のパイロット圧を消圧しているので、油
圧クラッチ制御弁32はスプール32aがバネ32cの
付勢力によってフルストローク移動した切換状態にあ
り、走行用油圧クラッチ11の切断状態を確実に維持し
ている。そして第1油圧シリンダ22が収縮限に達して
第2速段への変速操作が完了すると、前述のようにパイ
ロット圧ドレン制御弁38がパイロット油路L4のドレ
ン状態を阻止し、油圧クラッチ制御弁32がパイロット
圧により切換わることで、走行用油圧クラッチ11が走
行駆動系を自動的に接続する。
であって第2速段への変速操作が未完了である場合に
は、前述のようにパイロット圧ドレン制御弁38がパイ
ロット油路L4のパイロット圧を消圧しているので、油
圧クラッチ制御弁32はスプール32aがバネ32cの
付勢力によってフルストローク移動した切換状態にあ
り、走行用油圧クラッチ11の切断状態を確実に維持し
ている。そして第1油圧シリンダ22が収縮限に達して
第2速段への変速操作が完了すると、前述のようにパイ
ロット圧ドレン制御弁38がパイロット油路L4のドレ
ン状態を阻止し、油圧クラッチ制御弁32がパイロット
圧により切換わることで、走行用油圧クラッチ11が走
行駆動系を自動的に接続する。
【0030】なお、主変速レバー3によって変速制御弁
31がF2位置ないしF8位置に切換操作された場合に
も、前述と同様に油圧クラッチ制御弁32は変速操作の
初期には走行用油圧クラッチ11を切断すべく応答性よ
くスムーズに切換わり、変速操作中はその切換状態が確
実に維持され、変速操作が完了した時点で走行用油圧ク
ラッチ11を接続すべく切換えられる。
31がF2位置ないしF8位置に切換操作された場合に
も、前述と同様に油圧クラッチ制御弁32は変速操作の
初期には走行用油圧クラッチ11を切断すべく応答性よ
くスムーズに切換わり、変速操作中はその切換状態が確
実に維持され、変速操作が完了した時点で走行用油圧ク
ラッチ11を接続すべく切換えられる。
【0031】一方、シャトル変速レバー5を切換操作す
ると、シフトレール25が移動してマイクロスイッチ3
3がオフし、分流弁30の切換弁30cが非通電となっ
てバネ復帰により油路L1をドレン側へ連通する。そこ
で、変速制御弁31が任意の切換位置にあるときにも油
路L5の圧油がドレンされて走行用油圧クラッチ11は
自動的に切断されるのであり、前後進切換機構12はシ
フトレール25を介して前進段又は後進段に円滑に切換
操作される。そしてこの切換操作が完了すると、マイク
ロスイッチ33がオンして切換弁30cが通電により切
換わり、油路L1が逆止弁30dを介して圧力制御弁3
0a側に接続される。そこで、圧力制御弁30aからの
圧油が油路L1、油圧クラッチ制御弁32、油路L5を
介して走行用油圧クラッチ11に供給され、こうして走
行用油圧クラッチ11が自動的に接続される。なお、副
変速レバー4の切換操作の場合にも切換弁30cが同様
に切換操作されることにより、走行用油圧クラッチ11
は自動的に断続制御される。
ると、シフトレール25が移動してマイクロスイッチ3
3がオフし、分流弁30の切換弁30cが非通電となっ
てバネ復帰により油路L1をドレン側へ連通する。そこ
で、変速制御弁31が任意の切換位置にあるときにも油
路L5の圧油がドレンされて走行用油圧クラッチ11は
自動的に切断されるのであり、前後進切換機構12はシ
フトレール25を介して前進段又は後進段に円滑に切換
操作される。そしてこの切換操作が完了すると、マイク
ロスイッチ33がオンして切換弁30cが通電により切
換わり、油路L1が逆止弁30dを介して圧力制御弁3
0a側に接続される。そこで、圧力制御弁30aからの
圧油が油路L1、油圧クラッチ制御弁32、油路L5を
介して走行用油圧クラッチ11に供給され、こうして走
行用油圧クラッチ11が自動的に接続される。なお、副
変速レバー4の切換操作の場合にも切換弁30cが同様
に切換操作されることにより、走行用油圧クラッチ11
は自動的に断続制御される。
【0032】このように一実施例においては、油圧クラ
ッチ制御弁32は、変速操作の初期には応答性よくスム
ーズに切換わって走行用油圧クラッチ11を切断し、変
速操作中は確実に走行用油圧クラッチ11の切断状態を
維持し、変速操作が確実に完了した時点でパイロット圧
により切換わって走行用油圧クラッチ11を接続するの
であり、円滑で確実なノンクラッチ変速が可能となる。
ッチ制御弁32は、変速操作の初期には応答性よくスム
ーズに切換わって走行用油圧クラッチ11を切断し、変
速操作中は確実に走行用油圧クラッチ11の切断状態を
維持し、変速操作が確実に完了した時点でパイロット圧
により切換わって走行用油圧クラッチ11を接続するの
であり、円滑で確実なノンクラッチ変速が可能となる。
【0033】なお、前述した一実施例においては、分流
弁30内の油路L1に逆止弁30dを介設したので、ク
イックターン装置用油圧制御装置28が作動する場合に
も油路L1から油路L2に圧油が逆流することがない。
従って、油路L1、パイロット油路L4、油路L5内の
圧油の圧力低下を防止でき、第1油圧シリンダ22、第
2油圧シリンダ23、第3油圧シリンダ24、油圧クラ
ッチ制御弁32、走行用油圧クラッチ11等を確実に作
動させて安定した走行状態を保つことができる。
弁30内の油路L1に逆止弁30dを介設したので、ク
イックターン装置用油圧制御装置28が作動する場合に
も油路L1から油路L2に圧油が逆流することがない。
従って、油路L1、パイロット油路L4、油路L5内の
圧油の圧力低下を防止でき、第1油圧シリンダ22、第
2油圧シリンダ23、第3油圧シリンダ24、油圧クラ
ッチ制御弁32、走行用油圧クラッチ11等を確実に作
動させて安定した走行状態を保つことができる。
【0034】
【考案の効果】以上説明したとおり本考案によれば、変
速制御弁がニュートラル位置にあるとき、あるいは任意
の切換位置から他の変速位置に向けてその切換途中位置
にあるとき、変速制御弁に連動するカムの押動操作力及
びバネ力によって油圧クラッチ制御弁のスプールがパイ
ロット圧に抗して一側に向けて移動することで油圧クラ
ッチ制御弁が走行用油圧クラッチを切断すべく自動的に
切換わり、その際、油圧クラッチ制御弁のスプールは特
にカムによって移動するのであり、走行用油圧クラッチ
の切断はタイミングよく確実に行われる。
速制御弁がニュートラル位置にあるとき、あるいは任意
の切換位置から他の変速位置に向けてその切換途中位置
にあるとき、変速制御弁に連動するカムの押動操作力及
びバネ力によって油圧クラッチ制御弁のスプールがパイ
ロット圧に抗して一側に向けて移動することで油圧クラ
ッチ制御弁が走行用油圧クラッチを切断すべく自動的に
切換わり、その際、油圧クラッチ制御弁のスプールは特
にカムによって移動するのであり、走行用油圧クラッチ
の切断はタイミングよく確実に行われる。
【0035】また、変速レバーにより変速制御弁を任意
の切換位置に切換操作すると、その切換位置に対応した
油圧アクチュエータが作動して作業車の走行用変速装置
が所望の変速段に変速操作される。そして油圧アクチュ
エータの作動が停止して変速操作が完了すると、パイロ
ット圧により油圧クラッチ制御弁のスプールが他側に向
けて移動して油圧クラッチ制御弁が切換わり、走行用油
圧クラッチが自動的に接続される。ここで油圧アクチュ
エータが作動中であって変速操作が未完了の間は、油圧
アクチュエータの変速作動に連動して切換わるパイロッ
ト圧ドレン制御弁が油圧クラッチ制御弁のスプールに対
するパイロット圧を消圧するので、スプールがバネ力に
よって一側に向けてフルストローク移動した切換状態に
あり、ここでも走行用油圧クラッチの切断状態が確実に
維持される。
の切換位置に切換操作すると、その切換位置に対応した
油圧アクチュエータが作動して作業車の走行用変速装置
が所望の変速段に変速操作される。そして油圧アクチュ
エータの作動が停止して変速操作が完了すると、パイロ
ット圧により油圧クラッチ制御弁のスプールが他側に向
けて移動して油圧クラッチ制御弁が切換わり、走行用油
圧クラッチが自動的に接続される。ここで油圧アクチュ
エータが作動中であって変速操作が未完了の間は、油圧
アクチュエータの変速作動に連動して切換わるパイロッ
ト圧ドレン制御弁が油圧クラッチ制御弁のスプールに対
するパイロット圧を消圧するので、スプールがバネ力に
よって一側に向けてフルストローク移動した切換状態に
あり、ここでも走行用油圧クラッチの切断状態が確実に
維持される。
【0036】このように油圧クラッチ制御弁は、変速操
作の初期にはタイミングよく切換わって走行用油圧クラ
ッチを切断し、変速操作中は走行用油圧クラッチの切断
状態を確実に維持し、変速操作が確実に完了した時点で
切換わって走行用油圧クラッチを接続するのであり、円
滑で確実なノンクラッチ変速が可能となる。
作の初期にはタイミングよく切換わって走行用油圧クラ
ッチを切断し、変速操作中は走行用油圧クラッチの切断
状態を確実に維持し、変速操作が確実に完了した時点で
切換わって走行用油圧クラッチを接続するのであり、円
滑で確実なノンクラッチ変速が可能となる。
【図1】本考案による作業車の走行系油圧制御装置の一
実施例を示す油圧回路図である。
実施例を示す油圧回路図である。
【図2】一実施例が適用されるトラクタの概略構成図で
ある。
ある。
【図3】一実施例が適用されるトラクタの駆動系の概略
構成図である。
構成図である。
【図4】一実施例におけるバルブケースの内部構造を示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】(a)及び(b)はそれぞれ一実施例における
油圧クラッチ制御弁の具体的構成を示す断面図である。
油圧クラッチ制御弁の具体的構成を示す断面図である。
【図6】一実施例における油圧クラッチ制御弁の特性図
である。
である。
1 トラクタ 3 主変速レバー 8 走行用変速装置 11 走行用油圧クラッチ 22 第1油圧シリンダ 23 第2油圧シリンダ 24 第3油圧シリンダ 31 変速制御弁 31a カム3 32 油圧クラッチ制御弁 32a スプール 32b パイロットピストン 32c バネ 37 パイロット圧リリーフ弁 38 パイロット圧ドレン制御弁 39 パイロット圧ドレン制御弁 40 パイロット圧ドレン制御弁 41 バルブケース 42 バルブボディ 43 調整オリフィス 44 Oリング 45 固定オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 63:46 審査官 林 直生樹 (56)参考文献 実開 昭59−186135(JP,U) 実開 昭60−45933(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 41/00 - 41/28
Claims (1)
- 【請求項1】 変速レバーに連動して切換操作される変
速制御弁と、この変速制御弁の各切換位置に応じて作業
車の走行用変速装置を変速操作する一群の油圧アクチュ
エータと、上記変速制御弁の切換動作に連動して作業車
の走行用油圧クラッチを断続制御する油圧クラッチ制御
弁とを備える作業車の走行系油圧制御装置において、前
記油圧クラッチ制御弁は、変速制御弁に連動されたカム
とバネとによって一側に向けて押動され、また、一群の
パイロット圧ドレン制御弁に接続する油路のパイロット
圧によって他側に向けて押動されるスプールを有し、上
記変速制御弁のニュートラル位置及び各切換途中位置で
は、カム及びバネの押動操作力によりスプールがパイロ
ット圧に抗し一側に移動して走行用油圧クラッチが切断
するように切換わり、また、この走行用油圧クラッチの
切断状態が、油圧アクチュエータの変速作動に連動して
切換わるパイロット圧ドレン制御弁のパイロット圧の消
圧とバネの押動操作力とによって維持され、さらに、変
速制御弁の各切換位置では、油圧アクチュエータの変速
作動の完了に伴ってパイロット圧ドレン制御弁が油路に
パイロット圧を発生させる結果、このパイロット圧によ
ってスプールが他側に向けて移動して走行用油圧クラッ
チが接続するように切換わる構成としたことを特徴とす
る作業車の走行系油圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10191391U JP2585047Y2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 作業車の走行系油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10191391U JP2585047Y2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 作業車の走行系油圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0541942U JPH0541942U (ja) | 1993-06-08 |
JP2585047Y2 true JP2585047Y2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=14313154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10191391U Expired - Lifetime JP2585047Y2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | 作業車の走行系油圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2585047Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-11-15 JP JP10191391U patent/JP2585047Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0541942U (ja) | 1993-06-08 |
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