JP2578029Y2 - 油圧式変速装置 - Google Patents

油圧式変速装置

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JP2578029Y2
JP2578029Y2 JP6545192U JP6545192U JP2578029Y2 JP 2578029 Y2 JP2578029 Y2 JP 2578029Y2 JP 6545192 U JP6545192 U JP 6545192U JP 6545192 U JP6545192 U JP 6545192U JP 2578029 Y2 JP2578029 Y2 JP 2578029Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、トラクタ等のノンクラ
ッチ車に装備され、走行伝動系に油圧クラッチを介装
し、変速操作を開始するときに前記油圧クラッチを「切
り」操作し、変速操作を終了したときに前記油圧クラッ
チを「入り」操作する油圧機構を有する油圧式変速装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクタ等のノンクラッチ車に装
備されている油圧クラッチは、クラッチ操作用切換えバ
ルブにより、油圧クラッチの「入り」,「切り」を切換
え操作しているのが一般的である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記従来技術のよう
に、クラッチ操作用切換えバルブにより、油圧クラッチ
の「入り」,「切り」を切換え操作していると、切換え
バルブへの油路が長くなって、途中の油路の抵抗によっ
て圧油の圧力が低下し、油圧クラッチの切れが悪くな
る、という問題点があった。本考案は、上記の問題点を
解決することを目的になされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本考案は、 走行伝動系に油圧クラッチを介装し、変速操作を開
始するときに前記油圧クラッチを「切り」操作し、変速
操作を終了したときに前記油圧クラッチを「入り」操作
する油圧機構を有する油圧式変速装置において、上記油
圧機構と油圧クラッチとの間にシャトル弁を配設すると
共に、シャトル弁には、上記油圧クラッチ「切り」操作
時に圧油をバイパスさせる機能と、上記油圧クラッチ
「入り」操作時に圧油投入流量を規制する機能とを持た
せたこと、 上記シャトル弁を、油圧クラッチに圧油を供給する
送油管に配設したこと、 上記シャトル弁を、閉じる方向にばねにより付勢さ
せたこと、をそれぞれ特徴とする。
【0005】
【作用】上記の構成によって本考案の油圧式変速装置
は、 油圧機構と油圧クラッチとの間に設けたシャトル弁
に、油圧クラッチ「切り」操作時に圧油をバイパスさせ
る機能と、油圧クラッチ「入り」操作時に圧油投入流量
を規制する機能を持たせているので、油圧クラッチの
「切れ」特性が良くなり、ギヤ鳴りのない油圧式変速が
行える。 シャトル弁を油圧クラッチに圧油を供給す
る送油管に配設しているので、油 圧機構の構成が簡単となり、油圧式変速装置がコンパク
トになる。 シャトル弁が閉じる方向にばねにより付勢されてい
るので、チェック弁が閉じると直ちに油圧クラッチへ送
油され、油圧式変速装置の応答性がよい。
【0006】
【実施例】以下、本考案の一実施例を添付の図面を参照
して具体的に説明する。図2は本考案が適用されるトラ
クタ1を示し、このトラクタ1は、操縦座席2の側方
に、シフトレバー3aと、N(ニュートラル)、1〜8
の各シフト位置が示された変速ガイド3bとからなる走
行用変速操作装置3を設けている。シフトレバー3aに
は、その変速操作によって回動するように、図1に示す
ロータリ式変速バルブ6が連繋され、シフトレバー3a
の変速操作に連動して回動し、変速制御弁を切換えて、
走行用油圧クラッチ12を自動的に断続するノンクラッ
チ変速が行われるようになっている。
【0007】シフトレバー3aにより切換操作されるロ
ータリ式変速バルブ6の外周部に位置決めプレート6a
が設けられ、ロータリ式変速バルブ6の回転により変速
制御弁が切換えられた各切換位置に保持すると共に、各
切換位置に応じて、走行用油圧クラッチ12を断続制御
する油圧クラッチ制御弁10のスプールを切換え操作す
るようにしている。ロータリ式変速バルブ6には、走行
用変速装置を変速操作する油圧アクチュエータである第
1の主変速シリンダ7、第2の主変速シリンダ8、副変
速シリンダ9がそれぞれ接続されている。
【0008】そして、上記各変速シリンダ7、8、9に
はそぞれれチェック弁7a、8a、9aが設けられ、各
変速操作が終了した後に初めて走行用油圧クラッチ12
に圧油が送られるようになっている。即ち、油圧源4か
らの圧油を切り換えて変速操作を開始するときに油圧ク
ラッチ12を「切り」操作し、変速操作を終了したとき
に油圧クラッチ12を「入り」操作する油圧機構(油圧
式変速装置)5を構成している。なお、図示しないが、
前・後進切換え機構が別途設けられ、その切換えられた
回転出力が副変速シリンダ9により切換えられる。
【0009】上記位置決めプレート6aには、シフトレ
バー3aの各シフト位置に対応してN(ニュートラル)
及び1ないし8(ポート)の各切換えレンジが刻設さ
れ、これに油圧クラッチ制御弁10のスプールが摺接し
ていて、ロータリ式変速バルブ6の変速制御弁の切換え
と同時に、油圧クラッチ制御弁10のポートが切換えら
れようになっている。そして副変速シリンダ9は、ニュ
ートラルNからH(高)、L(低)の切換えをA、Bレ
ンジ(ポート)で行い、第1の主変速シリンダ7は、ニ
ュートラルNから1速と2速の切換えをC〜Eレンジ
(ポート)で行い、、第2の主変速シリンダ8は、ニュ
ートラルNから3速と4速の切換えをF〜Hレンジ(ポ
ート)で行うようにしている。
【0010】上記油圧クラッチ制御弁10の油圧経路下
手側には、昇圧制御バルブ11が設けられ、走行用油圧
クラッチ12への圧油をゆっくりと立ち上げるようにし
ている。この昇圧制御バルブ11の下手側の油圧機構5
と油圧クラッチ12との間には、図3ないし図5に詳細
に示すシャトル弁13が配設されている。このシャトル
弁13は、油圧クラッチ12の「切り」操作時に圧油を
バイパスさせる機能と、油圧クラッチ12の「入り」操
作時に圧油投入流量を規制する機能とを有し、油圧クラ
ッチ12に圧油を供給する送油管14に配設されてい
る。また、シャトル弁13にはばね15が設けられ、シ
ャトル弁13を閉じる方向に付勢している。
【0011】そして、上記走行用油圧クラッチ12、ロ
ータリバルブ6、位置決めプレート6a、油圧クラッチ
制御弁10、第1の主変速シリンダ7、第2の主変速シ
リンダ8、副変速シリンダ9、昇圧制御バルブ11、シ
ャトル弁13等により、油圧機構(油圧式変速装置)5
を構成し、油圧源4からの圧油を切り換えてノンクラッ
チシフトの変速操作を行うようにしている。
【0012】一方、図6にも示すように、シフトレバー
3aによりスライドするラックシャフト16が設けら
れ、このラックシャフト16はピニオンギヤ17と歯合
していてロータリ式変速バルブ6を回転させる。18、
19、20は第1の主変速シリンダ7のピストン7bを
作動させる油圧ポートであり、ボール21、ピン22、
チェック弁ボール23、バルブシート24、戻しバネ2
5を介してチェック弁7aを作動させるようになってい
る。26はシフトフォークで、ピストン7bの押し,引
きでジョイント27、28を介して変速するようになっ
ている。
【0013】次に、このように構成された一実施例によ
る油圧式変速装置について、その作用を説明する。ま
ず、前・後進切換え機構を前・後進のいずれかにシフト
し、シフトレバー3aを変速ガイド3bに沿って、ニュ
ートラルNポジションから所望変速位置(1から8ま
で)に移動させてシフトする。すると、シフトレバー3
aの変速操作に連動してロータリ式変速バルブ6が回動
し、位置決めプレート6aにより、変速制御弁が切換え
られる切換位置に保持され、また、同時に油圧クラッチ
制御弁10のスプールが切換え操作され、圧油が昇圧制
御バルブ11、シャトル弁13を介して走行用油圧クラ
ッチ12に供給される。
【0014】ロータリ式変速バルブ6が回動して変速制
御弁が切換えられると、変速装置を変速操作する第1の
主変速シリンダ7、第2の主変速シリンダ8、副変速シ
リンダ9のいずれかが作動して変速装置を切換え、変速
操作が終了した後にチェック弁7a〜9aのいずれかを
介して走行用油圧クラッチ12に圧油が送られる。ま
た、油圧クラッチ制御弁10のスプールが切換えられる
ことにより、昇圧制御バルブ11に圧油が送られ、圧油
をゆっくりと立ち上げてシャトル弁13を介して走行用
油圧クラッチ12に送り、クラッチを接続してトラクタ
1が走行する。
【0015】このようなノンクラッチ変速操作時に、本
考案においては、シャトル弁13に、油圧クラッチ12
「切り」操作時に圧油をバイパスさせる機能と、油圧ク
ラッチ12「入り」操作時に圧油投入流量を規制する機
能を持たせているので、油圧クラッチの「切れ」特性が
良く、変速操作時におけるギヤ鳴りを生じるようなこと
がない。
【0016】また、シャトル弁13は、油圧クラッチ1
2に圧油を供給する送油管14に配設されているので、
油圧機構5の構成が簡単となり、油圧式変速装置がコン
パクトに構成することが出来る。さらに、シャトル弁1
3には、弁が閉じる方向にばね15が介装されて付勢し
ているので、第1の主変速シリンダ7、第2の主変速シ
リンダ8、副変速シリンダ9のチェック弁7a〜9aの
いずれかが閉じると、直ちに油圧クラッチ12へ圧油が
送られ、変速装置の応答性がよくなる。
【0017】なお、本考案の油圧式変速装置は、トラク
タ1に限らず他の作業車にも適用出来ることはいうまで
もない。
【0018】
【考案の効果】以上説明したように本考案の油圧式変速
装置によれば、以下の効果を奏することが出来る。 油圧機構と油圧クラッチとの間にシャトル弁を配設
し、このシャトル弁に、油圧クラッチ「切り」操作時に
圧油をバイパスさせる機能と、油圧クラッチ「入り」操
作時に圧油投入流量を規制する機能とを持たせたので、
シャトル弁による油圧クラッチ「切り」時に、油路の面
積が広くなると共に油路の長さが短くなっており、排油
抵抗が少なく、油圧クラッチの「切れ」特性が良好とな
る。従って、ギヤ鳴りのない油圧式変速が実施出来る。
【0019】 シャトル弁を、油圧クラッチに圧油を
供給する送油管に配設したので、油圧機構の構成が簡単
となり、コンパクトな油圧式変速装置を提供することが
出来る。また、排油抵抗が少なくなり、油圧クラッチの
「切れ」が良くなり、変速操作時のギヤ鳴りを解消する
ことが出来る。 シャトル弁を、閉じる方向にばねにより付勢させた
ので、チェック弁が閉じると、直ちに油圧クラッチへ送
油されることになり、圧油の流れに無駄がなく、応答性
のよい油圧式変速装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による油圧式変速装置(油圧機構)の油
圧回路図である。
【図2】本考案が適用されるトラクタの斜視図である。
【図3】油圧クラッチ「入り」状態のときに油圧クラッ
チに圧油を送るときのシャトル弁の状態を示す断面図で
ある。
【図4】油圧クラッチ「切り」状態のときに油圧クラッ
チから排油するときのシャトル弁の状態を示す断面図で
ある。
【図5】シャトル弁部の別実施例を示す断面図で、
(a)は油圧クラッチ「入り」時、(b)は油圧クラッ
チ「切り」時を示す。
【図6】油圧式変速装置(油圧機構)の断面図である。
【符号の説明】
1 トラクタ 2 操縦座席 3 走行用変速操作装置 3a シフトレバー 3b
変速ガイド 4 油圧源 5 油圧機構(油圧式変速装置) 6 ロータリ式変速バルブ 6a 位置決めプレート 7 第1の主変速シリンダ 7a チェック弁 8 第2の主変速シリンダ 8a チェック弁 9 副変速シリンダ 9a チェック弁 10 油圧クラッチ制御弁 11 昇圧制御バルブ 12 走行用油圧クラッチ 13 シャトル弁 14 送油管 15 ばね

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行伝動系に油圧クラッチを介装し、変
    速操作を開始するときに前記油圧クラッチを「切り」操
    作し、変速操作を終了したときに前記油圧クラッチを
    「入り」操作する油圧機構を有する油圧式変速装置にお
    いて、 上記油圧機構と油圧クラッチとの間にシャトル弁を配設
    すると共に、シャトル弁には、上記油圧クラッチ「切
    り」操作時に圧油をバイパスさせる機能と、上記油圧ク
    ラッチ「入り」操作時に圧油投入流量を規制する機能と
    を持たせたことを特徴とする油圧式変速装置。
  2. 【請求項2】 上記シャトル弁を、油圧クラッチに圧油
    を供給する送油管に配設したことを特徴とする請求項1
    記載の油圧式変速装置。
  3. 【請求項3】 上記シャトル弁を、閉じる方向にばねに
    より付勢させたことを特徴とする請求項1または2記載
    の油圧式変速装置。
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