JP2584833B2 - 低温軽圧定着方法 - Google Patents

低温軽圧定着方法

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JP2584833B2 JP63182016A JP18201688A JP2584833B2 JP 2584833 B2 JP2584833 B2 JP 2584833B2 JP 63182016 A JP63182016 A JP 63182016A JP 18201688 A JP18201688 A JP 18201688A JP 2584833 B2 JP2584833 B2 JP 2584833B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法,静電印刷法,磁気記録法など
に用いられるマイクロカプセル型のトナーの定着方法に
関する。
〔従来技術の説明〕
通常、静電写真あるいは静電印刷あるいは磁気記録プ
ロセスにおいて、そのコピー画像は感光体ドラム上に形
成された静電潜像をトナーと呼ばれる粉体インク上の物
質を用いて現像を行い、さらに転写工程によって記録媒
体例えば普通紙やOHP用紙等に転写させ、次いで定着工
程において転写された画像を記録媒体表面に固着させる
方法が用いられている。記録媒体上に形成された未定着
画像は保持されてはいるが安定な状態で固着していない
ので、一般的には溶剤,圧力,熱等の作用により画像を
定着せしめるという方法をとっている。この中でも加熱
定着工程においては、対向したロール間に一定の圧力を
加え、さらに少なくとも一方を加熱せしめるヒートロー
ル定着法と呼ばれるものが有効である。このヒートロー
ル定着法は圧力接触・搬送を行わない他のフラツシユ定
着法、オーブン定着法等と比べると低電力であるうえ高
速化の面でも有利で、しかも定着器内での紙づまりによ
る火災に対する危険性も少ない、という特徴を有してい
るため最も一般的に用いられている。ヒートロール定着
装置を構成する加熱ロールとしては円筒状芯金の表面を
フツ素樹脂等の耐熱性樹脂で被覆し、対向したロールと
しては有効なニツプ幅が形成されるよう円筒状芯金の表
面にシリコーンゴム,フツ素ゴム等の耐熱弾性体を被覆
したものが使用されている。しかしながら、該耐熱性樹
脂は、一般に熱伝導率が悪いため、連続コピーを行う場
合、加熱ロール表面から多量の熱が急激に失われるた
め、熱源からの熱供給量が不十分になりやすく、加熱ロ
ールの表面温度が低下し、定着不良を起こしやすい。さ
らに高速での定着になればなるほど、多大の加熱エネル
ギーが必要となり、特に最近のOA機器を用いた複写作業
の効率化のためにも高速定着が指向されている。
そして、従来の熱定着方式で定着速度を上げる目的
で、トナーのバインダー樹脂の軟化点を下げて、容易に
熱定着をする様な試みがなされているが、樹脂の軟化点
を下げると、使用中にトナー粒子が凝集したり、ブロツ
キングを起こすというトラブルを生じる。このように、
より高速の熱ローラー定着に適し、しかもローラーオフ
セツトがなく、かつ凝集,ブロツキング等のトナー特性
のすぐれたトナーが強く望まれている。
更に定着時に於いてロールとトナー像とが接触するた
め、トナーの一部が該ロール表面上に転写され結果的に
ロール表面が汚れ、記録媒体の後端又は次に給紙される
媒体更には裏地に再転写され定着される所謂オフセツト
現象が起き易い。この対策として、少なくとも一方のロ
ール表面にシリコーンオイル等の離型材を定期的又は断
続的に供給し塗布しているが塗布装置が複雑となり、大
型化を招く上、更には離型材によって用紙を汚したり、
離型材がこぼれたりするなどの問題が多発している。
他方、特公昭51−23354号公報に記載されているよう
に、このようなオフセツト現象は低分子量樹脂を用いた
場合に生じ易い。それ故に同公報にも記載されているよ
うに、架橋された樹脂を用いることにより、オフセツト
現象をある程度防止できると考えられるが、当然のこと
ながら、単に架橋された樹脂を利用するだけでは、定着
温度が上昇し未定着域での低温オフセツトの問題が発生
する。
従来の様な単純粉砕法トナーとした場合には高速定着
性と耐トナーブロツキング,耐ケーキング性という相反
する要素の両立が困難で、ある程度の妥協点を求めるし
かないのが現状である。
上述のごとく多くの問題を解決する方法として、高速
熱定着あるいは低熱エネルギー消費を目的としたマイク
ロカプセル型の熱定着トナーが提案されている。
このタイプのカプセルトナーは芯材料として、より熱
熔融し易い低融点成分を用い、殻材料により融点の高
い、かつトナーとして必要な帯電性、流動性等の特性を
有する成分を用いる構成であり、例えば特公昭49−1588
号公報には、ワツクスを芯材料としたポリスチレンカプ
セルあるいは、水溶液を芯材料としたポリスチレンカプ
セルの例がある。
しかしながら、低温定着性及びオフセツト防止効果に
有効な芯粒子を現像に寄与すべき殻材料で実用に耐えう
る程度に迄十分に被覆せしめたマイクロカプセルトナー
は、現在に至るまで実用化されていない。この原因の一
つには、芯粒子に対しカプセル化しやすい材料が、即ち
トナーとしての現像適正、特に荷重制御性を良好に付与
するとは限らず、材料選択の巾が極めて狭いことにあ
る。
又、現像過程で受ける衝撃力によって、壁材が剥離す
る等の問題もあり、被覆の完全さ、被覆の丈夫さ等マイ
クロカプセルトナーを実用化する上で数多く解決しなけ
ればならない点が残っているのが現状である。
従来、これら問題を解決するため多数の製造方法が提
案されている。(近藤保“マイクロカプセル”)例えば
スプレードライヤー法,静電合体法,液中乾燥法,界面
重合法,相分離法,In−situ重合法及びこれらの組合せ
方法等が開示されている。
カプセル化する工程に於いて、殻材料を溶解又は分散
せしめた溶液中に芯粒子を分散せしめ、二流体ノズル又
はデイスクアトマイザーを用いて分散液を吐出させ、芯
粒子表面上に殻材を被覆せしめるスプレー法を採用せし
めた場合、粒子同士が合一した粗大粒径を有するカプセ
ルトナーが得られたり、殻材料のみからなる所謂フリー
シエルと呼ばれる粒子も副生される事もある。カプセル
化する工程に界面重合法を用いた場合に於いては一般的
に反応に長時間を費やし結果的に生産性の低下を招く。
更には該界面重合法は利用できる材料の選択の巾が非常
に狭いため界面重合法を用いて得られたカプセルトナー
としての特性、例えば摩擦帯電特性等を適切にコントロ
ールすることが極めて困難となる。
更にカプセル化する工程に相分離方法を用いた場合に
おいても種々の問題点を有している。ここで述べる相分
離方法とは殻材料に対し十分な溶解性を示す。所謂、良
溶媒を用い可溶化せしめた溶媒中に実質的に殻材料に対
し溶解しえない非溶媒を添加せしめる事により良溶媒中
に分散又は可溶化せしめておいた芯粒子表面上に殻材を
被覆せしめる方法である。この方法に於いては、良溶媒
中に芯粒子を分散せしめる過程で芯粒子を構成している
バインダーが良溶媒に実質的に溶解しない事が必要であ
る。仮に一部可溶化した場合には得られる殻膜中に芯材
料が混入し摩擦帯電特性の不安定化及びスリーブ汚染等
を招く。更には一旦可溶化された芯材料が非溶媒の作用
で析出する事で着色剤を含まず、トリボの極めて高いカ
プセルトナーが副生するため地カブリやスリーブムラ等
の発生原因となり易い。又、相分離法に於いては、殻材
料に対する良溶媒及び非溶媒の選択が極めて重要であ
る。即ち選択を誤ると殻材料の析出が早すぎてしまい、
製品の安定性及び再現性が乏しくなり逆に析出点が遅す
ぎると装置が大きくなり生産性の低下を招く。
〔発明の目的〕
本発明の目的は上述の如き問題点を解決した熱定着性
トナーの定着方法を提供するものである。さらに本発明
の目的は、特に定着法が良好で耐オフセツト性の良好な
低温軽圧定着用の定着方法を提供するものである。
更に、本発明の目的は、荷重性が良好でしかも使用中
に常に安定した荷重性を示し、鮮明でカブリのない画像
の得られる低温軽圧定着用トナーの定着方法を提供する
ものである。
更に、本発明の目的は、流動性に優れ、凝集を起さ
ず、耐衝撃性にも優れている低温軽圧定着用トナーの定
着方法を提供するものである。
更に、本発明の目的は、トナー保持部材或いは感光耐
表面への付着物の少ない低温軽圧定着用トナーの定着方
法を提供するものである。
本発明の別の目的は、接着・凝集することなく、被覆
の完全性が高く、機能分離性に優れたマイクロカプセル
トナーの定着方法を提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明の特徴とするところは低熱定着性、耐オフセツ
ト性を芯材料で達成し、同時に殻材料で凝集性、ブロツ
キング性、現像性等の一般トナー特性を達成するカプセ
ル構造の易熱定着性トナー構成にある。
本発明に関わるカプセル構造の熱定着性トナーに於い
ては、芯材料として、従来そのブロツキング性、凝集性
等の性質上単独では使えなかったTgの低い材料で、しか
も耐オフセツト性の良好なものを用いて熱定着性の大半
の機能を分担させ、また殻材料として乾式トナーの現像
性、保存性等のトナー特性を従来通り、あるいはそれ以
上に有する材料を用い、いわゆる機能分離型にすること
で本発明の諸目的を達成しえた。
具体的には、本発明は、ガラス転移温度(Tg)が60℃
以下であり、軟化点が60〜130℃の範囲内である樹脂成
分を含有する芯材料によって形成された芯粒子を数平均
分子量が3000〜300000の範囲内である高分子化合物を有
する殻材料によって形成された殻膜で被覆したカプセル
トナーを、定着ローラー表面温度が60〜100℃の範囲内
であり、かつ線圧が5〜15Kg/cmの範囲内である定着手
段で転写材表面に定着させることを特徴とする低温軽圧
定着方法に関する。
〔発明の具体的な説明〕
本発明に用いられる芯材料としては、ガラス転移温度
(Tg)が60℃以下、軟化点60〜130℃の範囲内のものが
望ましい。Tgが60℃を越えるか、軟化点が130℃を越え
ると熱定着時に過大の熱エネルギーが必要となり、高速
熱定着性が悪化する。そして、軟化点が60℃未満の場合
は、定着時耐オフセツト性が不良になる。具体的には、
ポリエチレンワツクス,酸化ポリエチレン,パラフイ
ン,高級脂肪酸,高級脂肪酸エステル,高級脂肪酸アミ
ド,高級脂肪酸金属塩,高級アルコール,エチレン−酢
酸ビニル共重合体,シリコーンオイル,フツ化炭素オイ
ル,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−アク
リル共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,環化ゴ
ム等が単独もしくは2種以上混合して、あるいは反応さ
せることによって、これら芯物質を与える芯材原料とし
て使用できる。
本発明に用いられる芯粒子は、上述したような芯物質
を用い、各種製法により製造することが可能である。こ
のような芯粒子製造法としては、例えば、公知の乾式お
よび湿式トナーの製法がそのまま使用できる。例えば、
乾式製法としては、ポリエステル樹脂,スチレン系樹脂
と他の配合物をあらかじめ微粒状にして混合し、熱溶融
混練によって均一混合した後、エアージエツト粉砕、風
力分級機等で一定粒径の芯粒子を得る方法や直流電圧を
印加し、デイスクアトマイザーから芯材料を吐出させる
特開昭58−216736号公報記載の方法を用いる静電霧化方
法、二流体ノズルを用い芯粒子を形成させる特開昭59−
120263号公報記載の溶媒スプレー方法、水系媒体中で造
粒する特開昭59−127062号公報記載の懸濁造粒法が好ま
しく用いられる。懸濁造粒法とは、常圧下又は加圧下に
於いて芯物質を水系媒体中で造粒し、芯粒子を製造する
方法を用いることが、粒度分布がシヤープになる点から
好ましい。
例えば水性溶媒中に難水溶性分散剤を用い、芯粒子を
造粒せしめる方法を用いる際には、該分散剤が水系媒体
中にて解離し誘起する電荷と、反対電荷を誘起せしめる
カチオン性付与化合物またはアニオン性付与化合物を組
み合わせるのが良い。水系媒体中にて難水溶性分散剤の
存在下で芯粒子を得る場合、得ようとする芯粒子に対し
十分に小さな粒径を有する分散剤を用いる事が一般的で
ある。つまり分散剤の粒径が非常に小さいと、分散剤粒
子表面がエネルギー的に著しく活性化されているため、
分散剤粒子の芯粒子表面上への選択的付着性が増大す
る。
本発明において、水等の極性溶媒を芯粒子の分散媒体
として用いる場合に於いては、分散剤にも極性の強い官
能基を具備させる事が有利であり、これら分散剤が芯粒
子表面上を占有する事で、イオン的能力相互作用によ
り、更に所望する芯粒子の微粒化が可能となる。又、こ
のような官能基を有効に生かす事により、例えば必要と
しない時には、分散剤を除去せしめる事も期待される。
つまり、所望の粒径を得ようとした場合には、難水溶性
分散剤の添加量を任意に選択する事で可能となる。
しかしながら、このような選択された分散剤を用いた
だけでは、芯粒子表面上にのみ選択的に且つ均一に分散
剤が付着するとは限らず、均一な粒子を得ようとするに
は不十分な場合がある。分散剤を芯粒子表面上に均一に
付着させるためには、微粒化しようとする芯物質中に、
更に、該分散剤が水系媒体中にて解離し誘起する電荷と
反対電荷を誘起せしめるカチオン性付与化合物、または
アニオン性付与化合物を組み合わせる事が好ましい。
例えば、水中でアニオンとして解離しうる分散剤の代
表例としてはシリカ,ベントナイト等があり、これらに
対するカチオン性付与化合物としては一般に疎水性アミ
ンが用いられる。特に好ましくは、芯物質に含まれる他
の成分と十分相溶性の高いカチオン性付与化合物とし
て、長鎖の脂肪族アミン、又はポリエチレンとアミン基
を含有するモノマーから生成せしめたグラフト用化合物
等がある。具体的にはデユオミンT(ライオン・アーマ
ー社)、ポリエチレンワツクスを加熱溶解せしめた後、
アミノ基含有ビニル単量体とラジカル開始剤とを含む非
プロトン性極性溶媒を加え、再び加熱する事により得ら
れたアミノ変性ワツクス等がある。
他方、水中でカチオンとして解離しうる分散剤として
は、例えば酸化アルミニウムがある。これに対するアニ
オン性付与化合物としては、疎水性長鎖脂肪族カルボン
酸、例えばステアリン酸,オレイン酸等がある。又、長
鎖脂肪族ジカルボン酸、無水カルボン酸例えばC8α−オ
レフインと無水マレイン酸との反応物、又はその半エス
テル等がある。
本発明に於いて芯物質中に磁性物質を含有せしめる場
合には、磁性物質として、鉄,コバルト,ニツケル或い
はマンガン等の強磁性の元素及びこれらの元素を含むマ
グネタイト,フエライト等の合金、化合物などを用いる
事ができる。この磁性物質を着色剤(の全部又は一部)
と兼用させてもよい。更に、この磁性物質の粒子は、各
種疎水化剤(例えばシランカツプリング剤,チタンカツ
プリング剤)、界面活性剤等により処理されていてもよ
い。この磁性物質の含有量は、芯物質中の全ての樹脂10
0重量部に対して、15〜180重量部(更には50〜150重量
部)が好ましい。
本発明の芯物質中には、着色剤を磁性物質と併用又は
単独で用いる事もできる。このような着色剤としては、
例えば、各種のカーボンブラツク,アニリンブラツク,
ナフトールイエロー,モリブデンオレンジ,ローダミン
レーキ,アリザリンレーキ,メチルバイオレツトレー
キ,フタロシアニンブルー,ニグロシンメチレンブル
ー,ローズベンガル,キノリンイエロー等が挙げられ
る。
着色剤の添加量は、芯粒子の結着樹脂100部に対し、
0.1〜20部が好ましい。
更に、これら芯物質の結着樹脂と磁性物質(必要に応
じて着色剤)とからなる芯物質の溶融混合物の、120℃
におけるずり速度10sec-1で測定したみかけ粘度は、ず
り速度0.5sec-1で測定したみかけ粘度の1/5以下である
ことが、トナーの定着性、製法上から望ましい。
このように、ずり速度が速くなると、みかけ粘度が低
くなることは、一般にチキソトロピー性と呼ばれるが、
このチキソトロピー性の高い芯物質は、定着時における
ずりによるトナーの変形を助長し、定着性を向上させ
る。
又、後記するように、この芯物質を溶融混練後、水系
媒体中に投入して、分散剤,乳化剤等の存在下にてホモ
ミキサー等による強力な剪断力を付与することにより造
粒する方法においては、該剪断時、芯物質のみかけ粘度
が低くなることによって、造粒性が向上し、一方、剪断
後は、みかけ粘度が高くなることにより、粒同士の合一
や、粒子内部の着色剤、磁性体等の凝集、偏りが抑制さ
れる。
又、一般に定着性の良好な樹脂は、比較的低溶媒粘度
のため、溶融混練時、着色剤,磁性体等の顔料と結着樹
脂との間でのシエア(剪断力)が働かず、このため顔料
の結着樹脂中への分散が不充分となり易い傾向がある。
その結果、トナー粒子内部に着色材料が存在しない粒
子、あるいはトナー粒子中の着色材料が偏在する粒子が
多数生成し、これがトナーとしての性能を低下させ、ひ
いてはトナーの画像性、耐久性、安定性などに悪影響を
およぼす傾向がある。
従って、トナー粒子中の顔料粒子(磁性体粒子を包含
する趣旨で用いる。)の粒径は、5μm以下、好ましく
は2μm以下になるように分散させることが望ましい。
このために、従来トナー成分の溶融分散法として用いら
れていた二本ロール,二軸型押出機ニーダーなどより
も、メデイアを用いた、アトライター類,ボールミル
類,サンドミル類により、充分長い時間溶融混練、分散
することが望ましい。
顔料物質の分散の程度を見るためには、トナーをエポ
キシ樹脂などの包埋樹脂中に分散させ硬化した後、ミク
ロトームなどで超薄切片にし、透過型の電子顕微鏡で観
察することにより知ることができる。又、粒度ゲージ
(例えばグラインドゲージ、ヨシミツ精機株式会社製II
I型)を用いることによっても、顔料物質の分散性を知
ることができる。
以上において、本発明のマイクロカプセルトナー製造
法において用いられる芯物質について主に説明した。
本発明に用いられる殻材料としては、相分離法に用い
られる溶媒に対して十分な溶解性と溶媒を除去した際良
好な成膜性を有する必要から数平均分子量が3,000〜30,
000の範囲内の交叉結合を有しない高分子化合物が一般
に用いられる。具体例としては、次の様なモノマー類か
ら成るホモポリマー,コポリマーの如き樹脂がある。ス
チレン(St)、p−クロルスチレン、p−ジメチルアミ
ノ−スチレンなどのスチレン及びその置換体;アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタ
クリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル(BMA)、メタクリル酸N,N−ジメチルアミ
ノエチルエステル(DM)、アクリル酸N,N−ジメチルア
ミノエチルエステル、メタクリル酸N,N′−ジエチルア
ミノエチルエステル(DE)、アクリル酸N,N−ジエチル
アミノエチルエステル、メタクリル酸2−ピペリジノエ
チルエステル、アクリル酸2−ピペリジノエチルエステ
ル、メタクリル酸2−メチルアミノ−2−メチル−1プ
ロパノールエステル、アクリル酸2−メチルアミノ−2
−メチル−1−プロパノールエステル、などのアクリル
酸あるいはメタクリル酸のエステル又はエステル誘導
体;無水マレイン酸あるいは無水マレイン酸のハーフエ
ステル、ハーフアミドあるいはジエステルイミド、ビニ
ルピリジン、ビニルカルバゾール、5−エチル−2−ビ
ニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、N,N
−ジビニルアニリン、トランス−1,2−ビス(2−ピリ
ジル)エチレン、2−ビニルキノリン、2−(N,N−ジ
メチルアミノ)−4−ビニルピリミジン、4−ビニルピ
リミジン、3−シンナモイルピリジン、4−メタクリル
オキシベンジリデンアニリン、ジアリルメラミン、2,4
−ジメチル−6−ビニル−トリアジン、4,6−ジアミノ
−2−ビニルトリアジン、N−ビニルイミダゾール等の
含窒素ビニル;ビニルホルマール、ビニルブチラール等
のビニルアセタール;塩化ビニル、アクリロニトリル、
酢酸ビニル等のビニルモノマー;塩化ビニリデン、フツ
化ビニリデン等のビニリデンモノマー;エチレン、プロ
ピレン等のオレフインモノマーである。又、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスルホネート、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、ロジ
ン、変成ロジン、テルペン樹脂、フエノール樹脂、脂肪
族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリフエニレンオキサイドの様なポリエーテル
樹脂、或いはチオエーテル樹脂、等の単独重合体、或い
は共重合体、若しくは混合物が使用できる。
好ましくは、相分離法に用いられる溶媒に対し十分な
溶解性を示し、且つ成膜性が良好で湿度、温度変化に対
し安定した特性を示すスチレン−アクリル酸エステル誘
導体又はスチレン−メタクリル酸エステル誘導体からな
る共重合体及びビニリデン誘導体からなる重合体が特に
好ましい。
以上述べた様に、圧力定着用に用いられる芯粒子は一
般的に水系にて製造する事が好ましい。本発明の芯粒子
の製造に関しては水系に限定されるものでなく、通常の
熱定着性トナー製造に於いて用いられている溶融・混練
・粉砕(大気下にて)必要に応じ分級工程を経て製造す
る事も可能である。
加熱定着性トナー用芯物質としては、スチレン−ブタ
ジエン樹脂等の様にゴム弾性を示すもの、或いは三官能
以上の基を有するポリエステル樹脂、或いはカルボン酸
基を含む樹脂を金属で架橋したもの、或いは架橋性モノ
マーを混合して、主鎖間に架橋部を設けたものの様に、
三次元網目構造を持たせたものが、ヒートロール定着器
を用いた場合、熱オフセツトに強く、更にこれらに低分
子量成分を適量混合して分子量分布をブロードにする事
によって定着温度を比較的低くおさえる一方、熱オフセ
ツト性も改善する事ができる。
本発明に用いられるカプセル化方法は、相分離方法が
採用される。相分離方法とは次の工程より構成されてい
る。即ちカプセルトナーの殻膜を形成する高分子重合体
を溶媒に溶かした溶液の中にこの溶媒にとけない固体芯
粒子を溶液中に均一に分散した分散液をつくり、更に該
高分子重合体、及び該芯粒子に対しては溶解性が無く、
該溶媒とは自由に混和する非溶媒を徐々に分散液中に添
加し、均一に混合する事によって良溶媒中に該高分子重
合体に富む微少な油滴が析出する。この時の析出に要す
る両溶媒の混合エンタルピーは5KCal/mol以下であり、
析出する温度を非溶媒の融点以下にコントロールする事
が必要である。発生した油滴はしだいに芯粒子表面上に
集合し結果的に液相被覆を形成させ、更にこの被膜を固
化させた後得られたカプセルトナーを分離する事により
製造される。殻材料が析出する際の殻材を溶解した良溶
媒と非溶媒の混合エンタルピーは、以下の様にして算出
した。
殻材料を溶解した溶液に非溶媒を加え殻材料が析出す
る時の系の化学ポテンシヤルは(1)式のように表わさ
れる。
μ=μ+RTlnX1 ……(1) 他方、非溶媒のモル分率(X1)は(2)のように表わ
される。
(1)式を温度に関し偏微分し、式を整理すると
(3)式が得られる。
(3)式を積分しlnX1と1/Tの関係をプロツトしその
傾きを求めると混合のエンタルピーが得られる。具体的
には100ccの良溶媒に対し殻材料を2.5g可溶化せしめた
均一溶媒を予め一定の温度下にコントロールする。これ
に非溶媒を漸次滴下することにより曇りが消えなくなる
点を析出点と称し各種の溶液温度−5,−10,−20,−30,
−35℃について各々析出点での非溶媒のモル分率と温度
をプロツトしたところ良好な直線性が得られたので、そ
の傾きから殻材料が析出する際の殻材料を溶解した良溶
媒と非溶媒の混合エンタルピーを算出した。結果を表1
に示す。析出の時の混合エンタルピーが5KCal/mol以上
の場合に於いては良溶媒に溶解した殻材料が非溶媒を多
量に添加しても析出しずらく且つ析出に対する温度依存
性が大きいため温度管理がむずかしく製造上極めて不利
である。好ましくは、殻材料が析出する際の殻材を溶解
した良溶媒と非溶媒の混合エンタルピーが0.01〜4KCal/
molの系が有効である。析出の混合エンタルピーが0.01K
Cal/mol以下だと良溶媒に溶解した殻材料がわずかの非
溶媒の添加量で析出してしまい、非溶媒の添加スピード
管理がむずかしくカプセル化の再現性及び安定性に対し
て極めて不利である。
本発明の特長である相分離法によりカプセルトナーを
得る方法においては殻材料の析出する際の温度が、非溶
媒の融点以下に管理する事が必要である。仮に非溶媒の
融点以上でカプセル化を行う場合には予め芯粒子を良溶
媒中に分散せしめる際芯材料が可溶化し、次工程で非溶
媒を添加した時、着色剤を含まない芯粒子を核としたカ
プセル化されたトナーが副生したり、可溶化した芯材料
が殻材料の析出する初期に発生する微少な油滴を不安定
化させるため芯粒子を含まない所謂フリーシエルと呼ば
れる粒子を副生し易い。
更に本発明において非溶媒を良溶媒芯粒子分散液に添
加する添加速度は であり、より好ましくは であり、更に好ましくは の範囲で添加速度をコントロールする事が好ましい。
ここで、A:良溶媒中の殻材濃度(g/),B:良溶媒量
(),C:非溶媒添加量速度(ml/分)である。
が、0.01以下だとカプセル化に時間がかかり生産効率が
はなはだ低下する。
が20以上だと添加の際の発熱が激しくなり分散液の温度
コントロールが難しくなる他、カプセルトナー同士の合
一やフリーシエルが生じ好ましくない。
本発明の相分離法を用いるカプセル化工程において
は、殻材料を溶解せしめた良溶媒中に分散剤及び分散助
剤を併用し用いる事も可能である。具体例としては、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、脂肪族α−オレフイ
ン−無水マレイン酸共重合体、有機酸、有機アミン等が
ある。
本発明の製造法によるカプセルトナーに荷電制御、流
動性付与、着色等の目的で各種染顔料、疎水性コロイド
状シリカ等を添加または混合することも可能である。カ
プセルトナーの体積平均粒径は3〜20μmが好ましい。
更に好ましくは8〜15μmが有効である。該トナーは、
着色染顔料を1〜30重量%含んだ更に好ましくは5〜15
重量%を含んだ軟質固体芯の周囲を硬質材料で0.01〜2
μm、好ましくは0.1〜0.6μmの厚さに被覆したもので
ある。
以下に具体的実施例を示し本発明を更に詳細に説明す
る。
(実施例1) ビスフエノールAのポリプロピレンオキシド付加物56
0部を四ツ口フラスコに入れ、攪拌器、コンデンサー、
温度計、ガス導入管をセツトし、マントルヒーター内に
置く。反応容器内を窒素ガス置換した後内容物が50〜60
℃になる様にした時点でフマル酸190部、ハイドロキノ
ン0.4部を添加し、210℃に加熱攪拌する。反応水を連続
除去しつつ約5時間経過した後、反応の終点を見るべく
1時間毎に酸価測定によって反応を追跡する。酸価が約
50になった点で、反応混合物に0.3部のソルビトールを
添加し、さらに酸価が約25になるまで反応を続けた後、
樹脂を室温にまで冷却する。この様にして得られた樹脂
はTg55℃、軟化点95℃であった。
得られたポリエステル100重量部、磁性粉(戸田工業
製マグネタイトEPT−1000)70重量部、低分子量ポリプ
ロピレン(三洋化成工業製ヒスコール660P)5部からな
る混合物をロールで加熱混練した。これを放冷した後、
1〜2mmの粗砕物にし、さらにジエツトミルによる微粉
砕及び風力分級機による分級を行って粒度分布(コール
ターカウンターを用いて測定)が、個数平均粒径9.1μ
m、体積平均粒径10.5μm、体積平均粒径の変異係数が
18.7%である芯粒子を95%の収率で得た。得られた芯粒
子を乾燥後、1フラスコ中でホモミキサーを用い、 を溶液温度−25℃下で十分に分散せしめた後、該分散液
中に該温度を維持しつつ水を1.5ml/分漸次滴下せしめ
た。この時の混合エンタルピーは0.4KCal/molであっ
た。得られたカプセルトナーの粒度分布は個数平均粒径
9.9μm、体積平均粒径が11.5μmであった。
また、体積平均粒径の変異係数が18.0%であった。こ
の粒度分布は、フリーシエル及び合一の少ない状態でカ
プセル化された事を示唆するものである。また、このカ
プセルトナーの摩擦帯電量を、米国特許第4302201号明
細書に記載の方法で測定したところ、+17.0μcoul/gで
あった。この事からも、殻材料が芯粒子を充分被覆して
いる事が理解される。
得られたトナーをこのトナーをOPC感光体を用いた多
色多重可能の複写機であるキヤノン製NP−3525を用いて
画出し評価を行った。
NP−3525ではOPC感光ドラム上の静電潜像を可視像に
する現像工程で、感光体の明部(光が当たった部分)に
トナーが余分に付着して、カブリ現像が発生するのを防
止するため、現像スリーブに感光ドラムの明部電位VL
り高い一定の直流バイアスVDCを印加させる。さらに多
重・多色コピーなどのための指定区分の画像消去を行う
ため、LED、ヒユーズランプ等でドラム電位がそれ以上
下がらないくらいの強い光を当て、明部電位VSLを感光
体に与える。
例えば、正または負荷電性のトナーの中で反極性的に
挙動する成分は感光ドラム上の明部電位VL部、さらにV
SL部に飛びやすく、カブリを発生する。また、この反極
性的成分は、カブリの発生でVDCとVSLのとりうる範囲
(|VDC−VSL|)を小さくし、適正な現像領域を狭めてし
まう。
画出しに用いた機械については、このNP−3525の定着
器部をはずして、外部定着器を新たに取りつけた。この
外部定着器はPC−30(キヤノン製)の定着器構成と形状
的には同じであるが、定着ローラー部の表面を加熱でき
るように改良したものである。このような定着器構成に
改良したNP−3525で、定着ローラー表面温度を70℃、線
圧を7Kg/cmに設定し、前述のトナーを画出ししたとこ
ろ、カブリのない鮮明な画像が得られベタ濃度1.36であ
り、定着性,オフセツトもともに十分であった。またV
SL部の反転カブリもなく、(|VDC−VSL|)=220Vであ
り、広い適正現像領域が得られた。また、1万枚の複写
を繰り返し行ったが、ベタ濃度の変動も±0.07と安定
し、VSL部の反転カブリも初期と同じく全くなく、(|V
DC−VSL|)の値も200Vとほとんど変化はなかった。
さらに環境条件を35℃,85%及び15℃,10%にしたとこ
ろ、いずれも常温常湿と同様良好な画像が得られ、耐久
によっても大きな変化はみられなかった。
また、このカプセルトナーを45℃の雰囲気に長時間放
置したが、ブロツキング,ケーキング等は見られなかっ
た。
(実施例2) 市販カルナバワツクス(野田ワツクス社製)1Kgを2
の四つ口フラスコ中に取り、窒素雰囲気中にて容器内
を1〜2mmHg迄減圧せしめた。この減圧状態を維持しつ
つ、容器内を250℃迄加熱し、8時間反応させた。この
際得られたカルナバワツクスの酸価は0.5であった。
このカルナバワツクス(ビツカース硬度Hv=3.6)400
gと、ポリワツクス655(ベトロライト社製:臨界表面張
力γc=31dyne/cm)200gと、更にSPO145(日本精蝋社
製、圧縮弾性率E=15Kg/mm2)400gとを2の四つ口フ
ラスコ中に投入した後、n−ブチル−4,4−ビス−tert
−ブチルパーオキシバレエート(パーヘキサV日本油脂
社製、10時間の半減期を温度105℃)1gを添加し、容器
内を150℃迄加熱して2時間加熱処理した。
更に、上記処方の混合物を、120℃にてアトライター
を用い、200rpmで3時間混練して芯物質を得た。
該混練物(芯物質)の120℃における、ずり速度10sec
-1のみかけ粘度は600cps、ずり速度0.5sec-1のみかけ粘
度は6500cpsであった。
又、混練物中のマグネタイト粒子の粒径は、最大1.5
μmであった。
他方、20アジホモミキサー(特殊機化工業社製)中
に、予め水18と、水中で負にイオン化する親水性シリ
カ(アエロジール#200:日本アエロジル社製)20gとを
採取し、90℃に加温して分散媒とした。このようにして
得た分散媒中に、上記混練物(芯物質)1Kgを投入し、
上記アジホモミキサーの周速20m/sec、パス回数6.9回/m
inの条件にて1時間造粒を行った。造粒終了後、熱交換
機を用い、30℃まで分散液を冷却した後、この分散液中
に水酸化ナトリウム50gを添加し、5時間攪拌を続け
て、芯粒子を得た。
得られた球状芯粒子を蛍光X線分析法で分析したとこ
ろ、残存シリカの存在は観察されなかった。
更に、遠心分離機を用いて芯粒子の濾過、水洗を行
い、粒度分布(コールターカウンターを用いて測定)
が、個数平均粒径9.1μm、体積平均粒径10.5μm、体
積平均粒径の変異係数が18.7%である芯粒子を得た。
上記処方で、実施例1と同様にして芯粒子100gを上記
殻材料の溶解された溶液中に溶液温度−25℃以下に分散
せしめた後、該分散液中に該温度を維持しつつ水を2.0m
l/分の速度で漸次滴下せしめた。この時の混合エンタル
ピーは0.6KCal/molであった。得られたカプセルトナー
の粒度分布は(コールターカウンターを用いて測定した
ところ)個数平均粒径が10.1μmであり、体積平均粒径
が11.6μmであった。また、カプセルトナーの摩擦帯電
量を実施例1と同様に測定したところ+18.5μcoul/gで
あり、実施例1と同様に定着器を改造したNP3525を用
い、画出しを行ったところ、ベタ濃度1.40でカブリのな
い鮮明な画像が得られ80℃,10Kg/cmで十分な定着性を示
し、オフセツトも軽微であった。このトナーを45℃の雰
囲気でブロツキングテストを行ったがケーキングは認め
られなかった。
(実施例3) 実施例2に記載の方法でカプセル化する工程に於い
て、析出時の温度を−5℃に維持しつつ水を2.0ml/分で
漸次滴下しカプセルトナーを得た。得られたカプセルト
ナーの粒度分布は個数平均粒径で10.8μmであり、体積
平均粒径が12.5μmであった。また、このカプセルトナ
ーの摩擦帯電量は+16.5μcoul/gであった。実施例1と
同様に定着器を改造したNP3525を用い画出しを行ったと
ころ、ベタ濃度1.37でカブリのない鮮明な画像を得るこ
とができ、80℃、10Kg/cmで十分な定着性を示し、オフ
セツトおよびブロツキングともに良好であった。
(実施例4) 実施例2に記載の方法でカプセル化する工程に於い
て、析出時の温度を−10℃に維持しつつ水を2.0ml/分で
漸次滴下しカプセルトナーを得た。得られたカプセルト
ナーの粒度分布は個数平均粒径で10.5μmであり、体積
平均粒径で12.1μmであった。また、このカプセルトナ
ーの摩擦帯電量は+16.9μcoul/gであった。実施例1と
同様に、NP3525を用いて画出しを行った結果は、ベタ濃
度1.39、カブリのランクも良好であり、また90℃で、8K
g/cmの定着性,オフセツトおよびブロツキングともに良
好であった。
(実施例5) 実施例2に記載の方法でカプセル化する工程に於い
て、良溶媒がアセトンであり析出時の温度を−25℃に維
持しつつ水を2.0ml/分で漸次滴下しカプセルトナーを得
た。この時の混合エンタルピーは1.2KCal/molであっ
た。得られたカプセルトナーの粒度分布は個数平均粒径
で11.3μm、体積平均粒径で12.6μm、トナーの摩擦帯
電量は+17.4μcoul/gであった。また、実施例1と同様
の方法で画出しを行ったところ、ベタ濃度1.30でカブリ
のない画像が得られ、80℃,10Kg/cmでの定着性,オフセ
ツトおよびブロツキングともに良好であった。
(比較例1) カプセルトナーの製造に関しては、実施例1と全く同
じように行ったが、画出しに関しては、定着器部の定着
ローラーの表面温度を180℃、線圧を12Kg/cmに設定して
行ってみたところ、得られた画像は、オフセツトがひど
く、また、紙面の裏側までトナーがしみ込んだものであ
った。
(比較例2) 実施例1に記載のカプセルトナーを用いて、画出しに
ついては、定着器部の定着ローラー表面温度を70℃、線
圧を3Kg/cmに設定して行ってみたところ、ベタ濃度0.75
と薄いうえ、定着性についてても指でこするとはがれる
ように、不十分であった。
(比較例3) 実施例1に記載のカプセルトナーを用いて、画出しに
ついては、外部定着部として市販の複写機PC−30の定着
器(定着ローラーの表面を加熱する加熱手段を持たな
い)を加熱手段を設けずにそのまま用い、常温常湿下、
高温高湿下(35℃、80%)及び低温低湿下(15℃、10
%)の各環境下で行ったところ、常温常湿下及び高温高
湿下では、特に問題はなかったが、低温低湿下では、定
着されたトナー画像を指でこするとはがれてしまい、定
着性が不充分だった。
(比較例4) 実施例2で殻材料としいて用いた数平均分子量20000
のスチレン−メタクリル酸N,N′−ジエチルアミノエチ
ルエステル共重合体(ST−DE)及び数平均分子量5000の
スチレン−メタクリル酸N,N′−ジエチルアミノエチル
エステル共重合体(ST−DE)に代えて、数平均分子量20
00のスチレン−メタクリル酸N,N′−ジエチルアミノエ
チルエステル共重合体(ST−DE)8gを用いることを除い
ては、実施例2と同様にしてカプセルトナーを得た。得
られたカプセルトナーは、粒子の合一が見られ、個数平
均粒径が12.5μm、体積平均粒径が16.5μmであった。
得られたカプセルトナーを用いて実施例2と同様にし
て画出しを行ったところ、ベタ濃度が1.00と低く、カブ
リが多く見られ、さらに、オフセットが生じていた。こ
のカプセルトナーを45℃の雰囲気でブロッキングテスト
を行ったところ、ケーキングが生じた。
(比較例5) 実施例2で殻材料としいて用いた数平均分子量20000
のスチレン−メタクリル酸N,N′−ジエチルアミノエチ
ルエステル共重合体(ST−DE)及び数平均分子量5000の
スチレン−メタクリル酸N,N′−ジエチルアミノエチル
エステル共重合体(ST−DE)に代えて、数平均分子量70
000のスチレン−メタクリル酸N,N′−ジエチルアミノエ
チルエステル共重合体(ST−DE)8gを用いることを除い
ては、実施例2と同様にしてカプセルトナーを得た。得
られたカプセルトナーは、フリーシェルが併産されてお
り、個数平均粒径が9.4μm、体積平均粒径が11.0μm
であった。
得られたカプセルトナーを用いて実施例2と同様にし
て画出しを行ったところ、ベタ濃度が1.05と低く、カブ
リが多く見られた。さらに、得られた画像は、オフセッ
トが生じており、また、定着性が不充分であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度(Tg)が60℃以下であり、
    軟化点が60〜130℃の範囲内である樹脂成分を含有する
    芯材料によって形成された芯粒子を数平均分子量が3000
    〜30000の範囲内である高分子化合物を有する殻材料に
    よって形成された殻膜で被覆したカプセルトナーを、定
    着ローラー表面温度が60〜100℃の範囲内であり、かつ
    線圧が5〜15Kg/cmの範囲内である定着手段で転写材表
    面に定着させることを特徴とする低温軽圧定着方法。
  2. 【請求項2】該カプセルトナーの粒子中の顔料粒子の分
    散粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の低温軽圧定着方法。
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