JP2584786B2 - 溶射皮膜の封孔処理方法 - Google Patents

溶射皮膜の封孔処理方法

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JP2584786B2 JP62218565A JP21856587A JP2584786B2 JP 2584786 B2 JP2584786 B2 JP 2584786B2 JP 62218565 A JP62218565 A JP 62218565A JP 21856587 A JP21856587 A JP 21856587A JP 2584786 B2 JP2584786 B2 JP 2584786B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、基体上に形成された溶射皮膜の多数のポア
を封孔する処理方法の改良に関する。
(従来の技術) 従来より、例えば特公昭51-35568号公報に開示されて
いるように、鋳物鋳造時にガス抜きが悪かったがために
鋳造欠陥として巣が生じた場合、例えばSiO2,Na2O,LiO2
およびグリセリン等よりなる含浸剤を上記鋳物の巣に含
浸せしめることにより封孔する処理方法が知られてい
る。
しかし、封孔処理する対象が例えばセラミック等の溶
射皮膜のポアである場合には、該ポアは上記鋳物の鋳造
欠陥による巣に比べて極めて小さいことから、上述の如
き含浸剤を用いるやり方ではポアを確実に封孔処理し難
いという問題がある。
そこで、上記含浸剤に替えてアクリル系樹脂を真空加
圧によって溶射皮膜のポアに含浸させることにより封孔
する処理方法が一般に知られている。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、上記のアクリル系樹脂を用いる封孔処理方
法では、セラミック等の溶射皮膜に対し高い封孔性を有
しているものの、含浸剤がアクリル系樹脂であるため耐
熱性があまり良くないという欠点を有している。したが
って、例えば自動車等車両用エンジン部品としてセラミ
ック溶射層を形成したピストン等には、該ピストンが高
温高圧条件下で使用されることから、含浸剤としてアク
リル系樹脂を用いることは好ましくない。
そこで、耐熱性の向上を図り得る手段として、例えば
シリカ等の耐熱性に優れた無機物を主成分とする無機系
溶液をセラミック溶射皮膜のポアに含浸させることが考
えられる。しかし、この場合にあっては、上記シリカ等
の無機物が溶媒中に分散しているため、溶媒中に完全に
溶解するアクリル系樹脂に比べて含浸効果が低下し、所
期の目的とする封孔効果を得ることができないという問
題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、上述の如きアクリル系樹脂の優れ
た封孔性能と無機物の優れた耐熱性能とを有効に活用す
ることにより、セラミック等の溶射皮膜の多数のポアを
確実に封孔処理するとともに、優れた耐熱性をも付与
し、これにより自動車等車両用エンジンの高温高圧条件
下で使用されるピストン等の部品への適用を可能とせん
とすることにある。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明の解決手段は、基
体上に形成された溶射皮膜の多数のポアを封孔する処理
方法として、まず、上記溶射皮膜にアクリル系樹脂を含
浸することにより、上記各ポアをアクリル系樹脂により
封孔する。次いで、該各ポア表面部の上記アクリル系樹
脂層を溶解除去する。その後、該溶解除去部に無機系溶
液を含浸する方法にする。
(作用) 上記の構成により、本発明方法では、基体上に形成さ
れた溶射皮膜の多数のポア内にアクリル系樹脂が含浸さ
れ、さらにこのポア表面部に無機物が含浸されることか
ら、上記アクリル系樹脂の特性により上記各ポアが確実
に封孔されるとともに、無機物の特性により耐熱性の向
上が図られ、これにより自動車等車両用エンジンの高温
高圧条件下で使用されるピストン等の部品への適用化が
図られることとなる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図(a)〜(d)は本発明の実施例に係る溶射皮
膜封孔処理方法の処理工程を模式的に示す。その封孔処
理要領を説明するに、まず、第1図(a)に拡大詳示す
るように、例えば表面にZrO2(92重量%)−Y2O3(8重
量%)の組成からなる層厚約200μmのセラミック溶射
皮膜1を形成した鋳鉄製の基体2を用意する。そして、
この場合の上記セラミック溶射皮膜1の表面粗さはRa:1
0.2μmであり、その表面には多数のポア3,3,…が形成
されている。
次いで、第1図(b)に拡大詳示するように、上記セ
ラミック溶射皮膜1の表面にアクリル酸を主成分とした
有機系樹脂(以下、アクリル系樹脂という)を塗布し、
例えば15mmHg以下×15分の真空条件、7kg/cm2×15分の
加圧条件の下で、上記アクリル系樹脂をセラミック溶射
皮膜1の各ポア3内に含浸させた後、例えば90℃×15分
の加熱条件の下で乾燥させることにより、アクリル系樹
脂4にて上記各ポア3を封孔する。
その後、第1図(c)に拡大詳示するように、上記セ
ラミック溶射皮膜1中の各ポア3にアクリル系樹脂4を
形成した基体2を例えばトルエン等の溶剤中に浸漬する
ことにより、上記各ポア3表面部のアクリル系樹脂層4
を溶解除去する。
しかる後、第1図(d)に拡大詳示するように、Si
O2:水=15重量%:85重量%の配合組成からなる耐熱性
に優れた無機系溶液を上記セラミック溶射皮膜1の各ポ
ア3表面部に塗布して含浸した後、例えば100℃×60分
の加熱条件の下で乾燥させることにより、上記セラミッ
ク溶射皮膜1表面全体にSiO2からなる無機物5を含浸す
る。
このように、本実施例では、上記セラミック溶射皮膜
1の各ポア3がアクリル系樹脂4により封孔処理され、
さらにセラミック溶射皮膜1表面部の各ポア3が無機物
5により覆われていることから、上記アクリル系樹脂4
の特性により上記各ポア3の封孔性能を向上し得、さら
に無機物5の特性により各ポア3を封孔するアクリル系
樹脂4の劣化を抑制してその耐熱性の向上を図り得る。
したがって、自動車等車両用エンジンの高温高圧条件下
で使用されるピストン等の部品のセラミック溶射皮膜に
対し本封孔処理を施せば、十分に実用に耐えせしめるこ
とができる。
このことを実証するために、本実施例として、表面に
上述の如き要領にてセラミック溶射皮膜1を形成した
後、その各ポア3内をアクリル系樹脂4で封孔処理する
とともに、セラミック溶射皮膜1表面部の各ポア3をSi
O2からなる無機物5で覆った鋳鉄製のテストピース(50
×60×5mm)を3つ用意した。また、比較例(I)とし
て、セラミック溶射皮膜1の各ポア3内をアクリル系樹
脂4で封孔処理したテストピースを3つ用意した。さら
に、比較例(II)として、セラミック溶射膜1の各ポア
3内をSiO2からなる無機物5で封孔処理したテストピー
スを3つ用意した。そして、本実施例および比較例
(I),(II)共、1つは常温のままで、1つは150℃
で1時間加熱した後冷却し、残りの1つは300℃で1時
間加熱した後冷却した。
また、そのテスト要領は、上記各テストピースのセラ
ミック溶射皮膜1上に水を一滴滴下し、その10秒後の水
滴の半径でもって封孔の良否を判断した。このときのテ
スト結果を下記の表1に示す。なお、表1中、数値の単
位はmmである。
このテストデータより明らかなように、本実施例で
は、常温および加熱後のいずれも水滴の半径は小さかっ
た。これは、セラミック溶射皮膜1の各ポア3に対する
水滴の浸透がアクリル系樹脂4によって遮られ、かつ該
アクリル系樹脂4の劣化が無機物5によって抑制されて
封孔性が確保されているものと推量される。しかし、比
較例(I)では、常温および150℃加熱後では水滴半径
が8.8mmおよび10.7mmと本実施例の場合と同様に封孔性
が確保されているものの、300℃に加熱した後では水滴
半径が30.5mmとなた。このことは、セラミック溶射皮膜
1の各ポア3を封孔するアクリル系樹脂1が加熱によっ
て劣化し、各ポア3に対し水滴が浸透した結果、封孔性
が著しく低下しているものと推量される。また、比較例
(II)では、常温および加熱後でも水滴半径の変化はあ
まり見られなかった。このことは、SiO2の優れた耐熱性
特性によるものである。しかし、いずれも本実施例に比
べて水滴半径が大きくなったのは、セラミック溶射皮膜
1の各ポア3に対する無機物5の封孔性が低いことによ
るものであると推量される。
なお、上記実施例では、溶射皮膜がセラミックである
場合を示したが、これに限らず、他の溶射皮膜であって
もかまわない。また、無機系溶液もSiO2を主成分とした
ものに限らず、耐熱性に優れたものであれば如何なるも
のであってもよい。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明方法によれば、基体上に
形成された溶射皮膜の多数のポアにアクリル系樹脂を含
浸することにより、上記各ポアをアクリル系樹脂により
封孔し、各ポア表面部の上記アクリル系樹脂を溶解除去
した後、該溶解除去部に無機系溶液を含浸するので、各
ポアをアクリル系樹脂の特性により確実に封孔し、かつ
無機物の特性により耐熱性の向上を図ることができる。
したがって、自動車等車両用エンジンの高温高圧条件下
で使用されるピストン等の部品のセラミック溶射皮膜に
対し本封孔処理を施せば、十分に実用に耐えせしめるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(d)は本発明の実施例に係る溶射皮膜
封孔処理方法の処理工程図である。 1……セラミック溶射皮膜、2……基体、3……ポア、
4……アクリル系樹脂、5……無機物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−59059(JP,A) 特開 昭60−86259(JP,A) 特開 昭61−253358(JP,A) 特開 昭54−46145(JP,A) 特開 昭54−42044(JP,A) 特開 昭60−100657(JP,A) 特開 昭59−145776(JP,A) 特開 昭59−190354(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に形成された溶射皮膜の多数のポア
    を封孔する処理方法であって、上記溶射皮膜にアクリル
    系樹脂を含浸することにより、上記各ポアをアクリル系
    樹脂により封孔し、次いで、該各ポア表面部の上記アク
    リル系樹脂を溶解除去し、その後、該溶解除去部に無機
    系溶液を含浸することを特徴とする溶射皮膜の封孔処理
    方法。
JP62218565A 1987-09-01 1987-09-01 溶射皮膜の封孔処理方法 Expired - Lifetime JP2584786B2 (ja)

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JP5724750B2 (ja) * 2011-08-23 2015-05-27 日産自動車株式会社 シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック
JP6155739B2 (ja) * 2013-03-22 2017-07-05 セイコーエプソン株式会社 流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、及び、流路ユニットの製造方法

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