JP2583834Y2 - 健康増進テープ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は人体の筋肉に沿って貼着
して筋肉痛とか各種の疾病の治療に使用する健康増進テ
ープに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来長手方向に伸縮性を有する一方、幅
方向には伸縮性を有しない接着テープを人体の痛みを有
する部位の筋肉に沿って貼着し、筋肉痛とか各種の疾病
を治療するいわゆるテープ療法と言うのが、例えば実開
昭６４ー２８６８０号公報に示されているように公知と
なっている。

【０００３】このようなテープを貼着することによって
何故各種の疾病が治癒するのかにつての医学的解明は未
だ充分になされていないが、現在考えられていること
は、筋肉痛に限らず多くの疾病の原因は直接的或いは間
接的に筋肉と係わりを持っており、一定の筋肉の伸縮率
に近い伸縮率を有するテープを筋肉に沿って貼着するこ
とによって、緊張しすぎたり或いは緩みすぎている筋肉
を正常な状態に回復させ、これによって各種の疾病が治
癒されると言うことである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なテープはただ単に一定の伸縮性を有するのみで、物理
的に筋肉を所定の伸縮状態に回復させようとするもので
あるから、特に筋肉が老化している場合とか、筋肉の伸
縮が大きくない人体の部位の疾病に対する治療効果はあ
まり期待することが出来なかった。

【０００５】本考案は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は従来の伸縮テープの物理的治療
効果に加えて電気的に筋肉を活性化して、筋肉が老化し
ている場合にも、また筋肉の伸縮が大きくない人体の部
位の疾病の場合にも治療効果を奏することの出来る健康
増進テープを提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
願考案の健康増進テープは長手方向に伸縮性を有する一
方、幅方向には伸縮性を有しない接着テープに電気化学
ポテンシャルの異なる２種の可撓性を有する線材または
細幅な帯材を長手方向に間隔をおいて幅方向に沿って配
設してなるのである。

【０００７】

【作用】上記のテープを筋肉に沿って人体の疾患部に貼
り付けると、そのテープはその伸縮性により当該部位の
筋肉を正常な伸縮性を有する筋肉に回復させる物理的治
療効果を奏し、また電気化学ポテンシャルの異なる２種
の線材または細幅な帯材は、水分を有するテープの内面
と導電性を有する人体とを通って電気回路を形成し、微
電流が人体の当該部位に流通し、当該部位の細胞を電気
的にも活性化することによって物理的及び電気的の両面
から治療効果を奏するのである。

【０００８】

【実施例】以下に本考案の好適な実施例について添付図
面を参照にして詳細に説明する。図１には本考案に係る
健康増進テープが示され、図中、参照番号１は伸縮性を
有する繊維を縦糸とし、伸縮性を有しない繊維を横糸と
して織成してなるテープ基材を示し、このテープ基材の
一方の面、即ち人体に貼着する面には接着剤層２が設け
られ、接着剤層２の上には剥離シート３が被覆されてい
る。上記の構成により、このシート基材１は長手方向に
ある一定の伸縮性を有する一方、横方向には伸縮しない
ように形成されている。上記長手方向の伸縮性として
は、健康な人の筋肉と近似した伸縮性とすることが好ま
しい。

【０００９】本願考案の実施例では、上記テープ基材の
形成にあたりテープ基材の長手方向に所定の間隔をおい
て電気化学ポテンシャルの異なる２種の線材４、５を横
方向に配設している。この２種の線材としては細くて充
分に可撓性を有する銅線とアルミニウム線の組み合わ
せ、またはカーボン繊維とアルミニウム線等の組み合わ
せが実用的であるが、その他種々の組み合わせを採用す
ることができる。要は、両者の電位差が大きいほど好ま
しく、経済的な見地から両者の組み合わせは決定され
る。

【００１０】上記の線材は好ましくは縦糸と横糸の織成
の時に横糸として使用されることであるが、これに限ら
ず接着剤層２の上に接着するようにしてもよい。また、
上記２種の線材の代わりに可撓性を有する細幅の帯状材
を用いても良い。

【００１１】上記のように構成したテープを従来同様に
人体の筋肉疲労部或いは疾患部に筋肉を伸張した状態で
貼付すると、健康な筋肉の伸縮性と同等なテープの伸縮
性により緊張しすぎたり或いは緩みずぎている筋肉を正
常な伸縮状態に回復させようとする力が作用し、筋肉に
起因した疾病に対する治癒力が働く。また、上記のよう
にテープを人体に貼着すると、電気化学ポテンシャルの
異なる２種の線材が直接皮膚に接触することになり、一
方の線材（例えば、カーボン、銅）を陽極とし、他方の
線材（例えば、アルミニウム）を陰極とし、この陽極か
ら人体を通り陰極に至り、そして陰極から人体から浸出
する汗によって水分を帯びたテープの内面を通り陽極に
至る電気回路が形成される。このようにして人体に微電
流が流れると、公知のように当該部位の細胞は活性化さ
れ、筋肉の正常状態への回復は一層促進されることにな
る。

【００１２】尚、図１では説明の便宜上、接着剤層２を
厚くして示しているが、実際は極めて薄く、図２のよう
に人体に貼着した時には電気化学ポテンシャルの異なる
２種の線材４，５は直接皮膚に接触することとなる。

【００１３】

【考案の効果】以上のように、本願考案に係る健康増進
テープは長手方向に伸縮性を有する一方、幅方向には伸
縮性を有しない接着テープの物理的特性により、テープ
を貼着した部位の筋肉を正常な伸縮状態に回復させるこ
とにより、筋肉痛とか当該筋肉に起因する疾病を物理的
に治癒する。また、電気化学ポテンシャルの異なる２種
の可撓性を有する線材または細幅な帯材をテープの長手
方向に間隔をおいて幅方向に沿って配設してなるので、
人体の各部に貼着するためにテープを伸張する際にこの
線材または帯材がこの伸張を妨げることがない。そして
当該テープを貼着した人体の部位には微電流が流れて、
当該部位の細胞を活性化させ、上記筋肉の正常状態への
回復を更に一層促進するとともに、筋肉が老化している
場合にも、また筋肉の伸縮が大きくない人体の部位の疾
病の場合にも上記微電流による治療効果を奏することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るテープを一部破断して示す斜視図
である。

【図２】本考案に係るテープを人体に貼着した場合に、
人体に微電流が流れる状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ シート基材 ２ 接着剤層 ３ 剥離シート ４、５ 電気化学ポテンシャルの異なる２種の線材

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長手方向に伸縮性を有する一方、幅方向に
   は伸縮性を有しない接着テープに電気化学ポテンシャル
   の異なる２種の可撓性を有する線材または細幅な帯材を
   長手方向に間隔をおいて幅方向に沿って配設してなるこ
   とを特徴とする健康増進テープ。
2. 【請求項２】前記接着テープの基材を織布から形成する
   とともに前記の線材または帯材を前記の接着テープの幅
   方向に織り込んでなることを特徴とする請求項１記載の
   健康増進テープ。
3. 【請求項３】前記２種の可撓性を有する線材または細幅
   な帯材の素材を銅とアルミニウムの組み合わせ、または
   カーボンとアルミニウムの組み合わせから選択してなる
   ことを特徴とする請求項１記載の健康増進テープ。