以下に本発明の例である実施形態を、図面を用いて説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態による微弱電流シートを示している。図1は、本実施形態の微弱電流シート1の構造を分解して示しており、図2は、電流の流れを示した微弱電流シート1の横断面を示している。
図1に示すように、微弱電流シート1は、導電シート2と、正電極箔3と、負電極箔4と、絶縁材5とを有している。
導電シート2は、導電性を有するシート状のものであればよく、アルミ板を含む金属シート、金属膜や金属シートを含む樹脂シート、導電体や導電性繊維を混入させた樹脂シート等を用いることができる。また、導電シート2は硬さのある板状のものであっても良い。
正電極箔3と負電極箔4は、電位差を有する異なる金属からなり、形態としては薄膜でも薄い金属片でもよい。また、正電極箔3と負電極箔4は、導電シート2に蒸着やスパッタリングやメッキによって導電シート2上に形成した層でもよい。
これらは、異種金属接触腐食や局部電池とも呼ばれる標準電極電位から、正電極箔3はカソード部品とも呼ばれ、例えば金(Au+)、原子量197.2、標準電極電位は+1.50ボルト、負電極箔4はアノード部品とも呼ばれ、例えば、アルミニウム(Al+++)原子量26.97、標準電極電位は-1.337ボルト、亜鉛(Zn++)原子量65.38、標準電極電位-0.762ボルト、となる。導電シート2上に形成しやすく、肌に障害のない金属を適宜選択することが好ましい。
また、これらの各電極箔の表面に小さな凸凹を設けるとことで、肌との接触を滑らかにしたり、肌との接触を促進したり、均一にする事が出来る。凸凹は、例えばサンドブラスト仕上げの様なものや、筋状や、網状、イボ状などの模様を設けても良い。
絶縁材5は、絶縁体からなり、シート状のもの、あるいは、膜や層のようなものである。絶縁材5は、正電極箔3と負電極箔4の間に設けられ、導電シート2を覆うようになっている。絶縁材5はシール状のものでもよいし、溶剤に溶かした絶縁体を塗布したものでもよい。
以後の各説明で、例えば、導電シート2にアルミニウムのシートを使用して、正電極箔3に例えば金を使用した場合に、導電シート2(アルミニウムシート)をそのまま負電極箔4とすることで、新たな負電極箔を形成することを不要とすることができる。
また、正電極箔3を例えば、銀(Ag+)原子量107.88、標準電極電位は+0.799や、銅(Cu++)原子量63.54、標準電極電位+0.345で導電シート2を構成することで、正電極箔3を導電シート2で賄うことが出来るため、正電極箔を形成することを不要とすることができる。
絶縁材5は、導電シート2を覆うようになっていればよいが、図1に示すように、正電極箔3と負電極箔4の対向する縁部の内側の所定位置まで延在するようにしてもよい。すなわち、正電極箔3と負電極箔4の対向する縁部は絶縁材5の一部と重なり合っているようにしてもよい。このように絶縁材5が正電極箔3と負電極箔4の対向する縁部の内側の所定位置まで延在することにより、正電極箔3と負電極箔4が導電シート2に短絡して電流が流れるのを防止することができる。
図2は、微弱電流シート1の断面と微弱電流シート1の周囲で流れる電流を示している。
正電極箔3と負電極箔4は、電位差を有しているため、人の肌6に触れると、肌6を介して電池回路を形成する。すなわち、負電極部からイオンが電離し、電子が導電部を通って正電極部に移動し、正電極部と負電極部に電位差が生じる。ここで、正電極部とは、正電極箔のうち肌に当たって正電極として作用する部分をいい、同様に、負電極部とは、負電極箔のうち肌に当たって負電極として作用する部分をいう。また、導電部とは、例えば導電シートのように正電極部と負電極部を電気的に接続する部分をいう。
正電極部と負電極部の電位差によって、皮膚の真皮層に微弱電流7が流れる。この電流は微弱であるため、皮膚の表面の角質層を損傷せずに、真皮層以下の細胞組織に流れ、細胞組織のイオン配列を整え、皮膚に対しては美容効果を有し、ツボに流れれば人体の生体活動を活性化し、病気の治癒や予防に効果を有する。また、メイクの汚れや古い角質はプラスイオンの性質があるといわれている。上記のように、正電極部に移動した電子に、プラスイオンの性質を有するメイクの汚れ等が引き寄せられ、普段の肌ケアでは取り除けない毛穴の奥の汚れを、取り除くことが可能となる。
また、例えば四十肩などは筋肉を覆う筋膜の劣化により発生する。一般に、筋肉は筋膜に覆われ,この筋膜の劣化やひずみが筋肉痛や神経痛を起こすと言われている。筋膜は筋肉を包む膜であり、細かいところでは筋繊維を、大きなところでは体全体を包む膜である。この筋膜の劣化やひずみによって引き起こされる筋肉痛や神経痛に対して微弱電流が有効である。
また、トリガーポイントとは、筋膜の短縮に伴う筋膜の機能障害を誘発するポイントで、それ自体が痛みを誘発し他の部位の痛みの原因にもなる。トリガーポイントは機械的に連結する部位への過負荷により生みだされることもあるといわれている。さらに、トリガーポイントは、一度委縮や癒着を起こしてしまうとコリや痛みを招き、その解消に時間を要する。トリガーポイントの発生部位はそれぞれ繊維方向の違う筋膜の重なる点であることが多く、それらの点は東洋の経穴やツボとも類似しており、筋膜に関係するトリガーポイントに刺激を与えてほぐすことで治療をすることができる。
さらに近年、筋膜の委縮・癒着を正常な状態に戻す筋膜リリースが注目を浴びている。筋膜リリースは、筋膜のスムーズな交差運動、毛細血管の血流の促進、筋肉の柔軟性向上、関節の可動域の拡大、また知覚神経の向上に効果があると言われている。
微弱電流シート1から流れる微弱電流7が、皮膚下にある筋膜やトリガーポイントに刺激を与えることで,トリガーポイントの痛み軽減、委縮・癒着の解消や、筋膜リリースの効果を期待することができる。
ところで、電極箔の縁では、角等の鋭角的な部分から電流8が放出される。また、電極箔の縁であって導電部の縁と接触する部分では、短絡的に肌6を介して電子の流れ9が流れる。この部分に汗が付着すると短絡しやすい。このような電流は皮膚の表層の角質層にしか届かず、通常は問題にならないが、電流の損失になるとともに、長時間使用した際に皮膚が赤くなることがある。また、電極板の角が皮膚を押し付けるため、押し付け箇所の電気抵抗が少なくなり、他より過度に電流が流れやすくなる。このため、電極板の周囲の皮膚が赤くなることを増進することになる。そこで、このような電流損失を防止するように、図3、4のような変形例が考えられる。
図3は、図1の微弱電流シート1の変形例を示している。なお、以下の図面において、図1と同一の部分には図1と同じ符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図3において、微弱電流シート1aは、導電シート(不図示)上に、正電極箔3と負電極箔4を設けている。この微弱電流シート1aでは、正電極箔3と負電極箔4が、導電シートの周縁の内側の所定位置まで延在している。すなわち、図3に示すように、正電極箔3と負電極箔4は、導電シートの周縁から距離d1のところまでしか延在していない。これに対して、絶縁材5aは、導電シートの周縁(正電極箔3と負電極箔4の外側の所定位置でもよい)から内方に、正電極箔3と負電極箔4の外周部の縁から距離d2の内側の所定位置まで延在している。換言すると、絶縁材5aは正電極箔3と負電極箔4の中心部分を除いて導電シートの全体を覆い、正電極箔3と負電極箔4の外周部の縁の内側の距離d2の位置まで絶縁材5aが延在している。これにより、正電極箔3と負電極箔4は周縁部を除いて露出し、絶縁材5aによって互いに絶縁されている。正電極箔3と負電極箔4の露出した部分がそれぞれ正電極部と負電極部になる。
図4は、微弱電流シート1aの断面を示している。この変形例では図4に示すように、正電極箔3と負電極箔4の外周部の縁は、導電シート2の縁から距離d1の位置にある。正電極箔3と負電極箔4は導電シート2の縁から距離d1の位置まで延在している。これに対して、絶縁材5aの外周部10は、導電シート2の縁から内方に延在し、正電極箔3と負電極箔4の外周部の縁の内側の距離d2の位置まで、正電極箔3と負電極箔4の一部を覆うように重なって延在している。また、正電極箔3と負電極箔4の対向する縁も、絶縁材5aによって覆われるように絶縁材5aの一部と重なっている。
縁からの距離d1は、例えば、0.5mm~10mm、好ましくは1mm~5mmである。また、重なり部分の距離d2は、例えば、0.5mm~6mm、好ましくは1mm~3mmである。
この構造により、電極箔の角からの電流8は、絶縁材5aの外周部10によって遮断され、肌6に流れることがない。また、導電部と電極部の周縁部でも、導電部から正電極部への電流(電子の流れ9)が、絶縁材5aの外周部10によって遮断され、これによって、肌6に流れる本来の微弱電流7が増大されるとともに、長時間使用しても肌が赤くなることがない。
図5は、本発明の他の実施形態の微弱電流シートを示している。図5(a)は、本実施形態の微弱電流シート1bを分解して示した説明図である。図5(b)は図5(a)の矢印A-A方向に見た微弱電流シート1bの断面図である。
微弱電流シート1bは、矩形の導電シート2bの上に細長形状の正電極箔3bと負電極箔4bを設けている。正電極箔3と負電極箔4は、正と負の電極がそれぞれ少なくとも1個あり、それらが互いに離間して正負交互に、かつ、互いにほぼ平行に配置されている。図5(a)の例では、正電極箔3bが1個、負電極箔4bが2個あり、正電極箔3bを中心に配置し、その両側に負電極箔4bを配置している。なお、このように配置することにより、正電極箔3b(正電極部)から両側の負電極箔4b(負電極部)に微弱電流が流れるようになる。
正電極箔3bと負電極箔4bは、導電シート2bの周縁の内側の所定位置まで延在している。図5(a)の例では、正電極箔3bと負電極箔4bは、導電シート2bの周縁の内側の距離d1と距離d1’の位置まで延在している。距離d1は電極箔の長辺と微弱電流シート1bの縁の間の距離、距離d1’は電極箔の短辺と微弱電流シート1bの縁の間の距離である。距離d1と距離d1’は互いに等しくても良い。電極箔の縁を導電シート2bより内側に配置するのは、電極箔の周縁部において導電シート2bから直接短絡的な電流が流れるのを防止するためである。
長手方向の縁からの距離d1は、例えば、0.5mm~15mm、好ましくは1mm~8mmである。また、重なり部分の距離d2は、例えば、0.5mm~8mm、好ましくは1mm~5mmである。
短手方向の縁からの距離d1’は、例えば、0.5mm~10mm、好ましくは1mm~5mmである。また、重なり部分の距離d2’は、例えば、0.5mm~6mm、好ましくは1mm~3mmである。
微弱電流シート1bと正電極箔3bと負電極箔4bの上に絶縁材5bが配置される。絶縁材5bは正電極箔3bと負電極箔4bを除いて導電シート2bの全面を覆っている。さらに、絶縁材5bは、正電極箔3bと負電極箔4bの外側の所定位置(導電シート2bの周縁を含む)から各電極箔の内側の所定位置まで延在している。すなわち、絶縁材5bは、正電極箔3bと負電極箔4bの周縁から内側に距離d2と距離d2’の位置まで延在している。距離d2は電極箔の長辺部分と絶縁材5bの重なりの距離、距離d2’は電極箔の短辺部分と絶縁材5bの重なりの距離である。距離d2と距離d2’は互いに等しくても良い。このように電極箔の縁と絶縁材5bが一部重なるようにするのは、導電シート2bから正電極箔3bと負電極箔4bに直接短絡的な電流が流れるのを防止するためである。
図5(b)は、図5(a)の矢印A-A方向に見た微弱電流シート1bの断面図であるが、正電極箔3bと負電極箔4bの長辺部分が絶縁材5bによって覆われ、導電シート2bから短絡的に電流が流れないことが分かる。
図6は、図5(a)の矢印B-B方向に見た微弱電流シート1bの断面図であるが、正電極箔3bと負電極箔4bの短辺部分が絶縁材5bによって覆われ、導電シート2bから短絡的に電流が流れないことが分かる。
微弱電流シート1bによれば、正電極箔3bと負電極箔4bが互いに離間し、絶縁材5bによって絶縁されている。正電極部と負電極部が人間の肌に接すると、電位差によって負電極部からイオンが電離し、電子が導電部を通って正電極部に集中する。これによって正電極部と負電極部の間に電位差が生じ、人間の肌に微弱電流が流れる。微弱電流シート1bの場合、正電極箔3bの両側に負電極箔4bが配置されているので、微弱電流は中心の正電極部から両側の負電極部に流れる。電極部の縁の部分や導電部の縁の部分が絶縁材5bによって絶縁されているため、短絡的な損失電流がなく、微弱電流が効果的に流れる。
図7は、微弱電流シート1bの変形例を示している。
図7による微弱電流シート1cは、導電シート2cの底面が絶縁シート11によって覆われている。絶縁シート11は好ましくは導電シート2cの周縁部から外側に延在し、絶縁材5cと接続している。すなわち、絶縁材5cは導電シート2cの周縁部を、側面を含めて完全に絶縁し、正電極箔3cの周縁部も絶縁している。
導電シート2cの底面が絶縁シート11によって絶縁されていることにより、微弱電流シート1cを使用している時に、導電シート2cの底面から外部に流出する電流がなくなる。これにより、生体との間で形成される電池回路の微弱電流を効果的に使用することができる。
図8は、本発明の他の実施形態による微弱電流シートを分解して示している。
本実施形態の微弱電流シート1dは、絶縁シート11dを有し、絶縁シート11d上に導電体12を有している。導電体12は好ましくは細長形状を有し、その両端部が絶縁シート11dの縁に達しない程度に延在している。
導電体12上には、電位差を有する異なる金属からなり、導電体12に電気接続し、離間して配置された正電極箔3dと負電極箔4dが配置されている。正電極箔3と負電極箔4は好ましくはそれらの端部が絶縁シート11dの縁に達しない程度に延在している。
正電極箔3dと負電極箔4dの上には、絶縁材5dが配置されている。絶縁材5dは、少なくとも正電極箔3dと負電極箔4dの間の導電体12を覆うように配置されている。好ましくは、絶縁材5dは、正電極箔3dと負電極箔4dの対向する縁部の各電極箔の内側の所定位置まで延在している。さらに好ましくは、絶縁材5dは正電極箔3dと負電極箔4dを除く絶縁シート11dの全面を覆うようになっている。好適には、絶縁材5dは正電極箔3dと負電極箔4dの周縁部と一部重なり、正電極箔3dと負電極箔4dの周縁部から各電極箔の内側の所定位置まで延在している。
図9は図8の矢印C-C方向に見た断面図である。
図9から明らかなように、絶縁シート11dが正電極箔3dの端部より長く延伸し、絶縁材5dと接続している。絶縁材5dは、正電極箔3dの端部をその側面を含めて覆い、正電極箔3dの周縁部から正電極箔3dの内側の所定位置まで延伸している。
なお、正電極箔3dと負電極箔4dは、極性ごとに少なくとも1個の電極箔を有し、全体として少なくとも2個の電極箔が正負交互に配置されている。
図10は、保湿剤を有する本発明の他の実施形態による微弱電流シートを示している。
微弱電流シート1eは、図3に示した構造の微弱電流シート1aを有している。すなわち、導電シート2上に正電極箔3と負電極箔4が設けられ、その上に絶縁材5aが設けられている。絶縁材5aは正電極箔3と負電極箔4の周縁部から各電極箔の内側の所定位置まで延在している。正電極箔3と負電極箔4の周縁部を除く部分は露出している。正電極箔3と負電極箔4の上には保湿剤13が配置されている。正電極箔3上の保湿剤13と負電極箔4上の保湿剤13は互いに分離している。これにより、保湿剤13を介して電極部間の電流の流れを防止している。
本来使用時に電極シート状に保湿剤を貼り付ける必要があったが、前もって電極シートに保湿剤13を張り付けて保持することができる。このため、使用時に剥離紙を剥がすだけですぐに使用ができる。
保湿剤13は、例えば、保湿性を有するゲルや、不織布などに水分や、グリセリン、尿素、ヒアルロン酸、コラーゲンなどを含有させたもので、例えば0.5mmから6mmの厚さ、好ましくは1mmから4mmの厚さとしたものである。
図11は、微弱電流シート1eを使用した時の電流の流れを示している。
保湿剤13は、導電性を有し、肌6に密着することができる。ここで電極部は、保湿剤13を介して、肌に当たり正極または負極として作用する。このため、微弱電流シート1eを肌6に貼着すると、保湿剤13が肌6に密着し、正電極箔3(正電極部)と負電極箔4(負電極部)の電位差により、負電極部からイオンが保湿剤13に溶け出す。負電極部の電子は導電シート2(導電部)を通って正電極部に流れ、正電極部が負電極部に対して電位差を有するようになる。保湿剤13は導電性を有しているため、正電極部上の保湿剤13は、負電極部上の保湿剤13に対して電位差を有し、細胞組織内のプラスイオンを吸引することによって肌6内に微弱電流7が流れる。正電極部の保湿剤13と負電極部の保湿剤13が分離していることにより、図11に示すような電流7’が流れず、微弱電流7が肌6の内部を流れる。微弱電流7により肌6の細胞組織のイオン配列が整えられ、皮膚の美容効果、あるいは、病気の治癒や予防効果を奏することができる。
図12は、微弱電流シート1eの変形例を示している。
図12の微弱電流シート1fは、微弱電流シート1eの保湿剤13上に着脱可能な剥離紙14を有している。また、微弱電流シート1eの導電シート2の底面に押え板15を有している。押え板15は導電シート2に接着しておくのがよい。
保湿剤13は、水分を有し、粘着性を有しているため、剥離紙14を貼着しておくことで、使用前において保管や取扱いが容易になる。
押え板15は、例えばスポンジのように、ある程度の厚みを有し、弾力性を有しているものがよい。押え板15を有していることにより、たとえば粘着テープやサポーターによって微弱電流シート1fを皮膚に貼着したときに、押え板15の厚みと弾力性により、微弱電流シート1fを皮膚に密着させておくことができる。
図13は、本発明の他の実施形態による微弱電流シートを分解して示している。
本実施形態の微弱電流シート1gは、図3に示した構造の電極シート1aを有している。すなわち、導電シート2g上に正電極箔3と負電極箔4が設けられ、その上に絶縁材5gが設けられている。絶縁材5gは正電極箔3と負電極箔4の周縁部から各電極箔の内側の所定位置まで延在し、正電極箔3と負電極箔4を、周縁部を除いて露出させている。正電極箔3と負電極箔4の上には保湿剤13が分離して配置されている。
本実施形態では、微弱電流シート1gの正電極箔3と負電極箔4の間の部分が、稜状に折られて分離板1g’を形成している。分離板1g’は、表面が絶縁材5gになっているため、絶縁性を有し、正電極箔3の保湿剤13と負電極箔4の保湿剤13の間で立ち上がって、正電極箔3(正電極部)の保湿剤13と負電極箔4(負電極部)の保湿剤を絶縁することができる。
保湿剤13は、ある程度の流動性を有しているため、長時間使用すると正電極部の保湿剤13と負電極部の保湿剤13が流動して互いに接触し、微弱電流が短絡することが考えられる。しかし、分離板1g’を有することにより、保湿剤13の流動による接触を防止し、長時間微弱電流を人体の細胞組織に流すことができる。
図14は、本発明のさらに他の実施形態による微弱電流シートを分解して示している。
本実施形態の微弱電流シート1hは、導電シート2の上に正電極箔3と負電極箔4を設け、正電極箔3と負電極箔4の上に絶縁材5を設けている。絶縁材5は正電極箔3と負電極箔4の周縁部の内側の所定位置まで延在し、正電極箔3と負電極箔4は周縁部を除いて露出している。
正電極箔3と負電極箔4の上には保湿剤13が分離して設けられている。正電極箔3の保湿剤13と負電極箔4の保湿剤13の間には、絶縁性を有し、好ましくは撥水性を有する分離体16が設けられている。例えば発泡スチロールで分離体16を形成することができる。
分離体16を正電極箔3の保湿剤13と負電極箔4の保湿剤13の間に設けることにより、保湿剤13の流動による接触を防止し、長時間微弱電流を人体の細胞組織に流すことができる。
図15は、本発明のさらに他の実施形態による微弱電流シートを分解して示している。
本実施形態の微弱電流シート1iは、導電シート2の上に正電極箔3と負電極箔4を設け、正電極箔3と負電極箔4の上に絶縁材5を設けている。絶縁材5は正電極箔3と負電極箔4の周縁部の内側の所定位置まで延在し、正電極箔3と負電極箔4は周縁部を除いて露出している。正電極箔3と負電極箔4の上には保湿剤13が分離して設けられている。
正電極箔3の保湿剤13と負電極箔4の保湿剤13の間には、分離紙17が設けられている。分離紙17は、絶縁性を有する紙からなり、好ましくは図15に示すように、クランク状に折り曲げられている。絶縁性を有する紙とは、ビニール等の樹脂でコーティングされた紙や、樹脂製の紙を含む。分離紙17がクランク状に折られ、保湿剤13を分離するように挿入されていることにより、保湿剤13が流動しても、互いに接触することがなく、長時間微弱電流を人体の細胞組織に流すことができる。
図16は、本発明のさらに他の実施形態による微弱電流シートを分解して示している。
本実施形態の微弱電流シート1jは、導電シート2を有し、導電シート2の上に長孔18’を有する絶縁シート18を設けている。絶縁シート18の上に、長孔18’の長手方向と直交する方向に、細長状の正電極箔3jと負電極箔4jが設けられている。長孔18’の部分で、正電極箔3jと負電極箔4jの一部が導電シート2と電気的に接続されている。正電極箔3jと負電極箔4jの間の導電シート2の部分は、長孔18’を通して露出している。
正電極箔3jと負電極箔4jの上に絶縁材5jが設けられている。絶縁材5jは、少なくとも長孔18’から露出している正電極箔3と負電極箔4の間の導電シート2を覆うようにする。これによって正電極箔3jと負電極箔4jが互いに絶縁される。図16の例では、絶縁材5jは、長孔18’の全体を覆っている。これによって、正電極箔3jと負電極箔4jはそれぞれ、図16において左右に対称の一対の電極部になっている。
さらに正電極箔3jと負電極箔4jの端部からの短絡的な電流損失を防止するため、正電極箔3jと負電極箔4jは、絶縁シート18の周縁部から所定距離内側の位置までしか延在していない。絶縁材5jは、絶縁シート18の周縁部から内側に延び、正電極箔3jと負電極箔4jの端部から所定距離内側まで延在している。
微弱電流シート1jによれば、微弱電流シート1jを皮膚などに貼着すると、正電極部(正電極箔3jが分割されて形成された正電極部)と負電極部(負電極箔4jが分割されて形成された負電極部)に電位差を生じ、中心部分の正電極部から両側の負電極部に微弱電流が流れる。正電極部と負電極部は、導電部と絶縁されているため、短絡的な電流が流れることがない。また、正電極箔3jと負電極箔4jの両端部では、正電極箔3jと負電極箔4jの端部が導電シート2の周縁部から所定距離内側に位置し、絶縁材5jによって絶縁されているため、導電シート2の周縁部からの電流の流出を防止することができる。このため、電位差電極と生体との間で形成される電池の微弱電流が無駄なく使用され、効果的に美容効果や病気の治癒や予防効果を発揮することができる。
図17は微弱電流シート1jの変形例を示している。
図17の微弱電流シート1jは、弾性体材料によって導電シート2jを形成している。弾性体材料としては、導電性を有するスポンジなどを使用することができる。正電極箔3jと負電極箔4jの端部は導電シート2の周縁部から内側に距離d1の位置まで延在している。絶縁材5jは、導電シート2周縁部から正電極箔3jと負電極箔4jと絶縁シート18jの端部側面を覆い、正電極箔3jと負電極箔4jの端部の内側の距離d2の位置まで延在している。
弾性体材料からなる導電シート2jを使用することにより、凹凸面でも電極箔が皮膚に密着しやすくなる効果を有する。この場合、別個の押え板を導電シート2jに貼着することなく、構造を簡単化することができ、材料費を抑えることができる。微弱電流シート1jをテープやサポーターで皮膚に固定する場合に、凹凸面に密着し、安定的で効果的な微弱電流を得ることができる。
図18は、図17の変形例を示している。
この実施形態の微弱電流シート1kも、弾性体材料によって導電シート2kを形成している。正電極箔3kと負電極箔4kの端部と、導電シート2kの周縁と、絶縁材5jの周縁と、絶縁シート18kの周縁が一致している点で図17の微弱電流シート1jと異なる。
電極箔の端部と導電シートの周縁が一致していることにより、電極箔の端部から短絡電流が流れるが、電極箔の端部が短いため影響が小さく、かつ、電極箔の端部を除く周縁部が導電シート2kから絶縁されているため、微弱電流が効果的に流れる。
以下に、本発明による微弱電流シートの電極構造について説明する。
図19(a)は、基本的な微弱電流シート1mを示している。微弱電流シート1mでは、導電シート2m上に正電極箔3mと負電極箔4mが正負交互に配置され、正電極箔3mと負電極箔4mは導電シート2mと電気接続されている。導電シート2mは、導電性を有するシート状のものであり、板状に限られず、網状や格子状でもよい。導電シート2mは、金属シート、金属膜や金属シートを含む樹脂シート、導電体や導電性繊維を混入させた樹脂シート等を用いることができる。導電シート2mは硬さのある板状のものであっても良い。
正電極箔3mと負電極箔4mは、電位差を有する異なる金属からなり、薄膜でも薄い金属片でもよい。絶縁材5mは、絶縁体からなり、シート状のもの、あるいは、導電シート2m上に形成された膜や層のようなものである。
絶縁材5mは、正電極箔3mと負電極箔4mを絶縁するため、正電極箔3mと負電極箔4mの間の導電シート2mを覆う必要がある。好ましくは、絶縁材5mは、正電極箔3mと負電極箔4mの縁から所定距離内側の位置まで延在している。これは正電極箔3mと負電極箔4mと導電シート2mの短絡を防止するためである。
また、図19(b)は、先に記述したように、導電シート2mを、直接、負電極箔4mとした場合を示す。導電シート2mは、正電極箔3mより低い電位を有している。絶縁材5mによって分離された導電シート2mと正電極箔3mは、肌等に触れると、負電極部と正電極部となって肌との間に電池回路を形成し、微弱電流を流すことができる。この導電シート2mによれば、負電極箔を別個に設ける必要がなく、構造が簡単な微弱電流シートを得ることができる。
図20は、他の微弱電流シート1nの電極構造を示している。微弱電流シート1nは導電シート2nの上に負電極箔4nを設けている。負電極箔4nの上にさらに正電極箔3nを設けている。負電極箔4nは好ましくは細長形状を有し、正電極箔3nは負電極箔4nと交差して配置されている。負電極箔4nの縁部と導電シート2nの接続する部分、および、正電極箔3nの縁部と負電極箔4nの接続する部分は絶縁材5nによって覆われている。
上記電極箔の極性は反対でもよい。すなわち、導電シート2nの上に正電極箔3nを配置し、その上に負電極箔4nを配置してもよい。
正電極箔3nと負電極箔4nの縁部の接続する部分が絶縁されているため、正電極箔3nの正電極部と負電極箔4nの負電極部は、肌に接触すると電極として電位差を生じ、電池回路を形成することができる。
図21は図20の変形例の平面図と断面図を示している。図21の微弱電流シート1pは、構造的には図20の微弱電流シート1nと同様である。すなわち、導電シート2pの上に負電極箔4pを配置し、負電極箔4pの上に正電極箔3pを配置している。ただし、図21の例では、正電極箔3pと負電極箔4pは円形の形状を有し、絶縁材5pは円環状の形状を有している。負電極箔4pの縁部と導電シート2pの接続する部分、および、正電極箔3pの縁部と負電極箔4pの接続する部分は絶縁材5pによってシールされている。電極箔の極性が反対でもよい点も、微弱電流シート1nの場合と同様である。
微弱電流シート1pは、正電極箔の表面積が大きいため、正電極部からの電流が大きくなる。図21のように、正電極部の周囲を負電極部が取り囲むため、微弱電流が中心から円周部に流れる。この微弱電流シート1pは、トリガーポイントや経絡、ツボなどに適している。
図22は、粘着剤と床板材を設けた微弱電流シートの横断面を示している。
微弱電流シート1の上面には粘着剤19が設けられている。粘着剤19は導電性を有し、好ましくは保湿材を含有している。粘着剤19は微弱電流シート1上に塗布するようにしてよい。粘着剤19の上面には、使用に際して剥離させる剥離紙20が設けられている。
微弱電流シート1の下面には弾力性を有する床板材21が設けられている。床板材21はゴム、ウレタン材、軟質樹脂、スポンジなどを用いて形成することができる。床板材21は微弱電流シート1を皮膚になじむように押し付けるのに好適である。
以下に種々な平面的形状の電極とシート形状を有する微弱電流シートについて説明する。
図23の微弱電流シート1qは、導電シート2qの上に細長形状の正電極箔3qと負電極箔4qを有している。正電極箔3qと負電極箔4qは極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3qと負電極箔4qが正負交互に互いに平行に配置されている。
正電極箔3qと負電極箔4qの間には、絶縁材5qが設けられ、正電極箔3qと負電極箔4qの間の導電シート2qを完全に覆っている。正電極箔3qと負電極箔4qの対向する縁部は好ましくは絶縁材5qと一部重なるようにし、導電シート2qからの短絡電流が電極箔に流れないようにする。
図23(a)は、横長シートの長手方向に対して直交する様に各電極の方向を設けたものを示し、図23(b)は、横長シートの長手方向と平行に各電極の方向を設けたものである。
図23(a)は太い筋肉、例えば、股の筋肉などに用いるときに、シートの長手方向で筋肉を巻くように貼る事で、筋肉の流れの方向に対し直交して電流を流し、筋肉全体を分割する様に電流を流し刺激を与え単一な筋肉に対した対処することが出来る。
一方、図23(b)は、例えば、足の甲の様に指に沿って各筋肉の方向が向いている場所に、長手方向を甲の両側方向に向けて貼る事で、指の筋肉の流れ方向に同一方向に各指に電流を発生させる事により、各指にまとめて刺激を与えることが出来る。
図24の微弱電流シート1rは、図示しない導電シート上に円環形状の正電極箔3rと負電極箔4rを有している。正電極箔3rと負電極箔4rは極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3rと負電極箔4rが正負交互にほぼ等間隔に配置されている。正電極箔3rと負電極箔4rの間には、絶縁材5rが設けられており、正電極箔3rと負電極箔4rの間の導電シートを完全に覆っている。絶縁材5rは、正電極箔3rと負電極箔4rの縁部と一部重なり、導電シートからの短絡電流が電極箔に流れないようにするのが好ましい。
微弱電流シート1rの形状は、皮膚下の筋肉などにポイント的に刺激する場合、例えば、トリガーポイントや経絡、ツボなどに適している。
図25の微弱電流シート1sは、図示しない導電シート上に楕円のリング形状の正電極箔3sと負電極箔4sを有している。正電極箔3sと負電極箔4sは極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3sと負電極箔4sが正負交互にほぼ等間隔に配置されている。正電極箔3sと負電極箔4sの間には、絶縁材5sが設けられており、正電極箔3sと負電極箔4sの間の導電シートを完全に覆っている。絶縁材5sは、正電極箔3sと負電極箔4sの縁部と一部重なり、導電シートからの短絡電流が電極箔に流れないようにするのが好ましい。
図26の微弱電流シート1tは、図示しない導電シート上に楕円の一部が内側に凹んだリング形状の正電極箔3tと負電極箔4tを有している。正電極箔3tと負電極箔4tは極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3tと負電極箔4tが正負交互にほぼ等間隔に配置されている。正電極箔3tと負電極箔4tの間には、絶縁材5tが設けられており、正電極箔3tと負電極箔4tの間の導電シートを完全に覆っている。絶縁材5tは、正電極箔3tと負電極箔4tの縁部と一部重なり、導電シートからの短絡電流が電極箔に流れないようにするのが好ましい。また、この微弱電流シート1tの形状は、皮膚下の筋肉が放射状や扇状に広がる箇所、例えば、肩やお尻、目の下や頬に貼るのに適している。
図27の微弱電流シート1uは、図示しない導電シート上に楕円の一部の曲線形状の正電極箔3uと負電極箔4uを有している。正電極箔3uと負電極箔4uは極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3uと負電極箔4uが正負交互にほぼ等間隔に配置されている。正電極箔3uと負電極箔4uの間には、絶縁材5uが設けられており、正電極箔3uと負電極箔4uの間の導電シートを完全に覆っている。絶縁材5uは、正電極箔3uと負電極箔4uの縁部と一部重なり、導電シートからの短絡電流が電極箔に流れないようにするのが好ましい。また、この微弱電流シート1uの形状は、皮膚下の筋肉が扇状に広がる部分、例えば、目の下や頬に貼るのに適している。また、膝下や、足の内果及び外果周辺、肩に貼るのに適している。
図28の微弱電流シート1vは、図示しない導電シート上に、曲線のリング形状であってほぼ中心部分で対称に分割された形状の正電極箔3vと負電極箔4vを有している。正電極箔3vと負電極箔4vは極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3vと負電極箔4vが正負交互にほぼ等間隔に配置されている。正電極箔3vと負電極箔4vの間、および、電極箔を対称に分割する部分には、分割絶縁ライン22が設けられており、導電シートを完全に覆っている。絶縁材5vは、正電極箔3vと負電極箔4vの縁部と一部重なり、導電シートからの短絡電流が電極箔に流れないようにするのが好ましい。この微弱電流シート1vの形状は、目の下や頬に貼るのに適している。
図29の微弱電流シート1wは、図示しない導電シート上に正電極箔3wと負電極箔4wを有している。正電極箔3wと負電極箔4wは細長形状を有し、極性ごとに少なくとも1個を有し、全体として少なくとも2個の正電極箔3wと負電極箔4wが正負交互にほぼ平行に配置されている。
絶縁材5wは開口部23を有している。開口部23は、正電極箔3wおよび負電極箔4wと直交する方向に列状に配列され、正電極箔3wおよび負電極箔4wと直交する方向に見た場合に、開口部23を介して正電極露出部24と負電極露出部25が交互に露出するようになっている。
なお、正電極箔3wと負電極箔4wの間の部分を絶縁材でシールし、さらに、正電極箔3wと負電極箔4wと直交するように、細長形状の絶縁材を設けることにより、格子状に正電極露出部24と負電極露出部25を形成してもよい。また、ここでは、正電極露出部24と負電極露出部25の形状は四角形を示しているが、円形などの他の形状でも良い。
図30の微弱電流シート1wは、図29と同様の構造のものであるが、外形が三日月形の形状を有している。このような形状の微弱電流シート1wは目の下や頬に貼るのに適している。絶縁材5wの開口部23は、微弱電流シート1wの外形に合わせて適宜配列することができる。
1wの形状は、大きな筋肉の周辺に、平均的にむらなく刺激を与えたいときに適している。
図31は、貼り付けシートを設けた微弱電流シートを示している。微弱電流シート1xは外形が三日月形の形状を有している。貼り付けシート26は微弱電流シート1xより大きく、同様の三日月形の形状を有し、全面に粘着剤を有している。微弱電流シート1xは貼り付けシート26の上に貼着されると、図31に示すように、貼り付けシート26の周縁部が微弱電流シート1xの周縁から延出している。貼り付けシート26の周縁部が肌等に粘着することにより、貼り付けシート26によって微弱電流シート1xを肌等に固定することができる。微弱電流シート1xの電極の構造は任意のものにすることができる。微弱電流シート1xはその形状により、目の下や頬に貼るのに適している。貼り付けシート26により、微弱電流シート1xを肌に固定することができ、仕事や家事をしながら使用することができる。なお、微弱電流シート1xに替えて、貼り付けシート26は他の如何なる機能性シートに使用することもできる。ここで、機能性シートとは、人体に治療や美容の機能を及ぼすシートをいい、微弱電流シートを含み、例えば磁気シート、湿布、膏薬、美顔マスクなどをいう。貼り付けシート26によれば、これら機能性シートを人体に簡便にしっかり固定することができる。
図32は再使用するのに適した微弱電流シートを示している。微弱電流シート1xは図31と同様のものであって、外形が三日月形の形状を有している。貼り付けシート26aは、外形が三日月形の形状を有しているが、内部に開口部27を有している。開口部27の周縁部は微弱電流シート1xの周縁部と重なる形状を有し、一部に微弱電流シート1xの周縁部と重ならない剥離部27’を有している。剥離部27’は微弱電流シート1xの周縁の外側に突出するような形状を有し、好ましくは微弱電流シート1xの外周の曲率の変化が大きいところ、例えば図32に示すような微弱電流シート1xの両端部に設けられる。なお、剥離部27’は、一つでも複数でもよい。
貼り付けシート26aは、全面に粘着剤を有し、微弱電流シート1xと重ねると図32に示すように、微弱電流シート1xの周縁部と一部重なり、微弱電流シート1xの周縁部の外側に延在する部分を有している。これにより、使用時には、貼り付けシート26aの周縁部が肌等に粘着し、微弱電流シート1xを肌等に固定することができる。微弱電流シート1xの電極の構造は任意のものにすることができる。微弱電流シート1xはその形状により、目の下や頬に貼るのに適している。
保管時には、貼り付けシート26aに図示しない剥離紙やフイルムを貼着しておくようにする。本実施形態では、微弱電流シート1xの周縁部の一部が、貼り付けシート26aと重ならない剥離部27’になっている。使用時には、この剥離部27’によって貼り付けシート26aからフイルムを容易に剥がすことができる。使用後は、再び貼り付けシート26aに剥離紙やフイルムを貼着することにより、微弱電流シート1xを繰り返し使用することができる。
ここでは示さないが、貼り付けシート26aに、開口部27を設けず全面をシートとし、粘着剤を有し開口部27に匹敵する部分を糊殺しシートを張り、同様の効果としてもよい。
また、貼り付けシート26aに、開口部27を設けず全面をシートとし、開口部27の部分に匹敵する部分に糊を塗らないことで同様の効果としてもよい。
なお、微弱電流シート1xに替えて、貼り付けシート26aは他の如何なる機能性シートに使用することもできることは図31の貼り付けシート26と同様である。
図33は、他の再使用に適した微弱電流シートを示している。微弱電流シート1xは図31,32と同様のものであって、外形が三日月形の形状を有している。貼り付けシート26bは、外形が三日月形の形状を有しているが、内部に開口部28を有している。開口部28の周縁部は微弱電流シート1xの周縁部と重なる形状を有し、一部は微弱電流シート1xの外周とちょうど重なる(一致する)剥離部28’になっている。剥離部28’は、好ましくは微弱電流シート1xの外周の曲率の変化が大きいところ、例えば図33に示すような微弱電流シート1xの一端部に設けられる。なお、剥離部28’は、一つに限られず複数あってもよい。
貼り付けシート26bは、全面に粘着剤を有し、微弱電流シート1xと重ねると図33に示すように、微弱電流シート1xの周縁部と一部重なり、一部は微弱電流シート1xの周縁部と重ならない剥離部28’になっている。微弱電流シート1xの周縁部の外側には、接着剤を有する貼り付けシート26bが延在している。
使用時には、貼り付けシート26bの周縁部が肌等に粘着し、微弱電流シート1xを肌等に固定することができる。微弱電流シート1xの電極の構造は任意のものにすることができる。微弱電流シート1xはその形状により、目の下や頬に貼るのに適している。
保管時には、貼り付けシート26bに図示しない剥離紙やフイルムを貼着しておくようにする。
使用時には、貼り付けシート26bから剥離紙やフイルムを剥がして使用するが、本実施形態では、微弱電流シート1xの周縁部の一部が、接着剤を有していない剥離部28’になっているため、フイルムを容易に剥がすことができる。
使用後は、再び貼り付けシート26bに剥離紙やフイルムを貼着することにより、微弱電流シート1xを繰り返し使用することができる。
なお、微弱電流シート1xに替えて、貼り付けシート26bは他の如何なる機能性シートに使用することもできることは図31の貼り付けシート26と同様である。
図34は、さらに他の再使用に適した微弱電流シートを示している。微弱電流シート1xは図31,32,33と同様のものであって、外形が三日月形の形状を有している。貼り付けシート26cは、外形が三日月形の形状を有しており、開口部を有しておらず、周縁糊付け部29と中央糊付け部29’を有している。周縁糊付け部29は内縁がちょうど微弱電流シート1xの外周と重なる(一致する)ようになっている。一方、中央糊付け部29’の外周は、微弱電流シート1xの外周の内側に位置している。すなわち、貼り付けシート26cは、微弱電流シート1xと重ねると、図34に示すように、微弱電流シート1xの外側に周縁糊付け部29を有し、微弱電流シート1xの周縁部は貼り付けシート26cに粘着しないようになっている。
使用時には、貼り付けシート26cの周縁糊付け部29が肌等に粘着し、微弱電流シート1xを肌等に固定することができる。微弱電流シート1xの電極の構造は任意のものにすることができる。微弱電流シート1xはその形状により、目の下や頬に貼るのに適している。
保管時には、貼り付けシート26cに図示しない剥離紙やフイルムを貼着しておくようにする。
使用時には、貼り付けシート26cから剥離紙やフイルムを剥がして使用するが、本実施形態では、微弱電流シート1xの周縁部が貼り付けシート26cに粘着していないため、フイルムを容易に剥がすことができる。
使用後は、再び貼り付けシート26cにフイルムを貼着することにより、微弱電流シート1xを繰り返し使用することができる。
また、中央糊付け部29’は三日月型をしているが、形状は複数の丸形形状などの点々模様などでも良い。
なお、微弱電流シート1xに替えて、貼り付けシート26cは他の如何なる機能性シートに使用することもできることは図31の貼り付けシート26と同様である。
図35は、微弱電流シートの貼り付けテープを示している。微弱電流シート1xは必須ではないが押さえパッド30を有している。貼り付けテープ31は、弾性部32と粘着部33を有している。弾性部32は微弱電流シート1xの形状に応じて任意の形状にすることができる。図35の例では、微弱電流シート1xが三日月形の形状を有しているため、弾性部32を図示するようにT字状の形状にしている。弾性部32は、伸縮性のある材料からなり、例えばゴムや伸縮性織物を用いていることができる。
粘着部33は弾性部32の端部に設けられている。使用するときは、粘着部33を図35に示す矢印方向に引っ張って肌に貼着する。弾性部32は伸長して微弱電流シート1xを肌に密着させる。微弱電流シート1xは押さえパッド30を有しているため、肌の凹凸に密着することができる。特に、目じり等の目の周辺や、口元などの細かい部位に使用するのに適している。
図36は、微弱電流シート1xに押さえパッド30を設けたものの断面図である。押さえパッド30は柔軟性と弾力性を有する材料からなり、例えばシリコンゴムなどを用いることができる。高い柔軟性と弾力性を兼ね備えた押さえパッド30を用いることにより、微弱電流シート1xを肌に密着させることができる。
図37は、図36のものにさらに貼り付けテープ31を加えたものの断面図を示している。貼り付けテープ31は、微弱電流シート1xと押さえパッド30より大きいものとする。貼り付けテープ31は粘着剤を有し、微弱電流シート1xと押さえパッド30を貼着し、その周縁部が微弱電流シート1xと押さえパッド30の周縁部から延出し、肌に貼着することができる。押さえパッド30を有することにより、微弱電流シート1xは肌に密着することができる。なお、微弱電流シート1xの下面に保湿シートを設けるようにしてもよい。
図38は、本発明の他の実施形態による微弱電流シートの斜視図(図38(a))と使用状態の説明図(図38(b))を示している。
本実施形態の微弱電流シート1yは、押さえ補助具34を有している。押さえ補助具34は、横長な概略矩形の形状を有し、本体部35の両端部が立ち上がり部36と水平部37を有するように屈曲している。水平部37は、孔38を有し、それらの孔38に紐39が取り付けられている。紐39は、好ましくはループ状になっており、ゴム等の弾性を有するものとすることができる。紐39は柔軟な紐で両端を結べるようなものにしてもよい。
押さえ補助具34の本体部35の底面には微弱電流シート1yが取り付けられている。微弱電流シート1yは取り替え可能に押さえ補助具34に貼着されるようにしてもよい。
この実施形態の微弱電流シート1yと押さえ補助具34は、例えば顔に使用することができ、図38(b)に示すように、押さえ補助具34の立ち上がり部36を利用して鼻40の横に押さえ補助具34を配置し、微弱電流シート1yを頬などに当てる。しかる後に、紐39を耳などに掛けるようにする。立ち上がり部36はある程度の弾性を有しているため、紐39によって引っ張られることにより、微弱電流シート1yを頬などに押し当てることができる。本実施形態によれば、頬などにある程度の圧力で微弱電流シート1yを押し当てることができ、微弱電流シート1yの浮き上がりを防止することができる。
図30から図34において三日月形の微弱電流シートを示しているが、形状は円形や楕円形などの形状でもかまわないものである。
図39は、本発明の他の実施形態による微弱電流シートを示している。図39(a)は本実施形態による微弱電流シート1zの構成を分解して示している。図39(b)は本実施形態による微弱電流シート1zの使用状態を示している。図40は本実施形態による微弱電流シート1zの変型例を示している。
図39(a)に示すように、本実施形態の微弱電流シート1zは、正電極片41と、負電極片42と、導電片43とを有している。
正電極片41は、絶縁材からなる貼り付けシート26zを有している。貼り付けシート26zは、裏面の全面に粘着剤を有し、導電性材料からなる正電極箔3zを貼着している。貼り付けシート26zは、正電極箔3zと相似の形状を有し、正電極箔3zより大きい寸法を有し、正電極箔3zを貼着したときに、正電極箔3zの周縁から延出している。これにより、貼り付けシート26zの周縁部で肌等に粘着することにより、正電極箔3zを肌等に密着させることができる。貼り付けシート26zは、開口部49を有し、裏面に正電極箔3zを貼着したときに、開口部49から正電極が表面に露出し、正電極露出部44になっている。
一方、負電極片42も絶縁材からなる貼り付けシート26zを有し、裏面の全面に粘着剤を有している。貼り付けシート26zの裏面にも導電性材料からなる負電極箔4zが貼着されている。正電極片41と同様に、負電極片42の貼り付けシート26zは負電極箔4zより大きい寸法を有し、負電極箔4zの周縁から延出しているため、負電極箔4zを肌等に貼り付けることができる。負電極片42の貼り付けシート26zも開口部49を有し、負電極箔4zを貼着したときに、開口部49から負電極が露出し、負電極露出部45になっている。
導電片43は、正電極片41と負電極片42を導通させるための条片であって、絶縁材からなる貼り付けシート46を有している。貼り付けシート46は、裏面の全面に粘着剤を有し、導電シート47を貼着している。貼り付けシート46は導電シート47より大きい寸法を有し、特に両端部において導電シート47の周縁から外側に延在し、導電シート47を正電極片41や負電極片42上に貼り付けられるようになっている。導電片43の中央部分の裏面には、導電シート47の両端部を露出させつつ、導電シート47の両端部の間の部分を絶縁する裏面絶縁部48が設けられている。
図39(b)は、微弱電流シート1zを組み立てた使用状態を示している。
微弱電流シート1zを使用するには、正電極片41と負電極片42を別々に身体の所望の部位に貼着する。所望の身体の部位とは、微弱電流を流したいと思う部分であり、例えば身体のツボの部分や筋肉が凝った部分である。貼り付けシート26zが正電極箔3zや負電極箔4zの周縁から延出しているため、正電極箔3zや負電極箔4zを身体の任意の部分に貼着することができる。
しかる後に、導電片43の裏面の導電シート47の両端部をそれぞれ、正電極箔3zの正電極露出部44と、負電極箔4zの負電極露出部45に合わせて導電片43を貼着する。このように導電片43を貼着することにより、正電極箔3zと負電極箔4zが電気的に接続され、かつ、導電片43の裏面の中央部分は裏面絶縁部48によって絶縁され、正電極箔3zと負電極箔4zが肌等に接触した状態になる。正電極箔3zと負電極箔4zは電位差を有しているため、身体を介して電池回路が形成され、正電極箔3zと負電極箔4zの間で微弱な電流が身体に流れるようになる。この微弱電流は、皮膚の表面の角質層を損傷せずに、真皮層以下の細胞組織に流れ、皮膚に対しては美容効果を有し、ツボに対しては生体活動の活性化や病気の治癒や予防の効果を有する。
本実施形態によれば、導電片43の導電シート47の両端部と正電極露出部44と負電極露出部45を接続させることができれば、生体電池を形成できるため、正電極片41と負電極片42の間の距離に多少のばらつきがあっても、使用することができる。このため、ツボ等の個体間で異なる位置に対応でき、個別にもっとも有効な場所に使用することができる。
図40は、微弱電流シート1zの変形例を示している。この実施形態による微弱電流シート1zzは、導電片43zzが異なる他は、図39(a),39(b)の微弱電流シート1zと同様の構成を有している。
本実施形態の導電片43zzは正電極片41と負電極片42の間の距離の変化に対応できるようになっている。具体的には、導電片43zzの貼り付けシート46zzと導電シート47zzを、アーチ状の湾曲部、あるいは、蛇腹状の屈曲部を有するようにしている。これにより、湾曲部や屈曲部の伸縮によって正電極片41と負電極片42の間の距離の変化を吸収することができる。
あるいは、導電片43zzの貼り付けシート46zzと導電シート47zzを、伸縮性のある部材で構成するようにしてもよい。具体的には例えば、貼り付けシート46zzを、弾性を有する樹脂材料によって形成し、導電シート47zzは湾曲する導線を埋設した伸縮性シートによって形成することができる。本実施形態によれば、正電極片41と負電極片42の間の距離の変化に合わせて導電片43zzを伸縮させ、正電極片41と負電極片42を導通させることができる。
またあるいは、正電極露出部44と負電極露出部45を横長形状にし、導電シート47zzの両端部の露出部も少し長く設けるようにしても良い。この方法により、正電極片41と負電極片42の間の距離が変化しても、導電シート47zzと正電極露出部44と負電極露出部45の接続部分をずらすことにより、両電極片41,42を互いに電気的に接続することができる。これによって、正電極片41と負電極片42の間の距離の変化を吸収することができる。
なお、上記導電片43と導電片43zzは、貼り付けシートと導電シートを有する構成としたが、これに限られず、導電片は正電極片と負電極片の導電部を電気的に接続できれば足り、例えば、可撓性の導電体(シート形状でなくても良い)からなり、導電体の表面と正電極片と負電極片に接触する裏面の中央部分が絶縁されているもので良い。
また、上記正電極箔3zと負電極箔4zは、貼り付けシート26zの周縁部によって粘着するようになっているが、正電極箔3zと負電極箔4z自体に粘着剤を有するようにしても良い。
さらにまた、上記正電極片41と負電極片42は、楕円形状としたが、任意の形状であって良い。また、電極片には保湿材を組み合わせても良い。さらに、保湿剤は例えば正電極側だけの片側としても良い。また、ここでは、二つの電極片を示すが、3個以上の複数の電極片で構成してもよく、導電片は複数の電極片の電極露出部に対応したものとしてもよい。さらには、一連の導電片に3個以上の複数の電極片を連続して連ねてもよい。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。