JPS6316347Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば1200〜15000Hzの周波数を媒
体として化粧用イオン化成分を皮膚内に吸収作用
させる美容エレクトロパフに関するものである。

薬物をイオン化して人体の組織内に導入する治
療法をイオントホレーゼと呼ぶが、このイオント
ホレーゼが最初に行われたのは古く、約200年前
から始められたといわれている。

その後、様々な実験を経て昭和30年代には日本
においても研究が盛んになり種々な薬物によるイ
オントホレーゼが行われた。

しかし当時は医療用電子工学の分野がまだ未発
達であつたために、そのイオントホレーゼ用の機
器についても電池を用いた直流や電燈線交流を整
流した直流通電法によるイオントホレーゼしか採
用されていなかつた。

このような直流通電法によるイオントホレーゼ
には、生体に電圧をかけると、分極作用が起り生
体への電流が流れにくくなり、また有効な電流値
となるように電圧をかけると激痛及び皮膚炎を起
しやすい等の問題点があつた。その後の医療技術
及びその機器の発展等により、低周波通電による
イオントホレーゼが開発されている。この低周波
通電によるイオントホレーゼは、以前の直流通電
によるイオントホレーゼと比較して欠点も少な
く、治療効果も大なるものであつた。

この低周波通電法によるイオントホレーゼとは
低い周波数（厚生省においては３〜1200Hzの範
囲）のパルス波を人体に流し、その電流によつて
イオントホレーゼを行うもので、その利点として
は、パルス波のため体内への電流が流れやすい。
また通電時の疼痛が少ない等の長所があつたが、
その反面に筋肉通電時の刺激が強く不快感がある
ために、低周波によるイオントホレーゼによる有
効性は認められながらも普及に欠けるものがあつ
た。このようなことから、本考案者等は、人体に
おける刺激性のないパルス波（1200〜15000Hz）
を利用し、しかも比較的短時間にイオン化薬物を
皮膚に作用させて美容に役立たせることができる
美容電子パフを先に開発して出願も済ませている
が、本考案はこの美容電子パフの改良であつて、
人体皮膚の所望面にイオン化薬物を効率よく作用
させしかも衛生的に使用することができる美容エ
レクトロパフを提供することを目的とするもので
ある。即ち、この美容エレクトロパフは、例えば
パルス発生回路からのパルスが付与される関電極
の表面に、イオン化化粧水を含浸せしめた例えば
綿帯よりなるパツトを添設し、このパツトを皮膚
面に当接しながらイオン化化粧水を皮膚へ作用さ
せるものであるが、このパツトの使用頻度がかさ
むことによつて該パツトが汚損し衛生的にも不具
合が生じてくるため、このパツトは定期的に新品
と交換することが必要となつてくる。

本考案はかかることから鑑みてなされたもので
汚損されたパツト材を適宜時に剥離して、新しい
パツト材を表面に露出させることがきわめて容易
に行なえる美容パフを提供することを目的とする
ものである。

以下に本考案を図面に示す実施例に基いて詳細
に説明する。

１は器状に形成された美容エレクトロパフのケ
ース本体であつて、このケース本体１内には、皮
膚に作用させるための1200〜15000Hzのパルスを
発生させるパルス発生回路（図示せず）が内装さ
れている。２は、このケース本体１の平面におい
て、ケース本体１と一体に設けられている関電極
であつて、この関電極２は、皮膚との接触を容易
ならしめるために、曲面形状に形成されている。
３は上記ケース本体１の外側周面に取付けられて
いる不関電極であつて、この不関電極３と前記関
電極２との間で人体皮膚へパルス電流が通電され
る構造となつている。４はケース本体１の周壁に
おいて形成されている上下方向の溝５内で、上下
方向に摺動可能に嵌合されているパツト押え環で
あつて、このパツト押え環４の上側周縁部にはパ
ツト押え鍔６が形成されている。７は、上記の関
電極２上に添設されるパツト材であつて、このパ
ツト材７は各層毎に分離可能な複数層のパツト材
で構成されており、このパツト材７は上記パツト
押え鍔６の押圧力で関電極上に押圧保持されてい
るものである。８はパツト材７上に被せられるキ
ヤツプである。

そしてこの美容エレクトロパフの使用に際して
は、複数層に形成されたパツト材７に所定のイオ
ン化化粧水を含浸せしめた後、このケース本体１
内に組込まれているパルス発生回路を動作させ、
さらに不関電極３を握りながらそのパツト材７を
皮膚面に当接することにより、化粧水の通電性に
より、パルス電流がイオン化化粧水と共に皮膚へ
作用し美容効果が得られるものである。

このような美容操作の末、表層のパツト材７が
汚染されたときはパツト押え環４による押圧力を
解いて表層パツト材７を剥離すれば、次層のパツ
ト材が表面に出される。次いで、そのパツト材を
パツト押え環４で押圧すれば、前記同様にして再
使用が続けられる。

以上のように本考案よりなる美容エレクトロパ
フは、各層毎に分離可能な複数層のパツト材７を
重ねて関電極２上に添設保持せしめたものである
から、その美容エレクトロパフの使用に際して汚
損された表層のパツト材７を除去し、次層のパツ
ト材７を表層に露出させて再化粧することがで
き、従つてきわめて衛生的な美容エレクトロパフ
が提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案よりなる美容エレクトロパフの実
施例を示した一部切裁側面図である。 １……ケース本体、２……関電極、３……不関
電極、４……パツト押え環、５……溝、６……パ
ツト押え鍔、７……パツト材、８……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース本体に設けた電極上に、各層毎に分離可
   能な複数層のパツト材を重合すると共に、これら
   パツト材の周縁部をケース本体に設けられたパツ
   ト押え環によつて挾持することを特徴とする美容
   エレクトロパフ。