JP2583776B2 - 熱間鍛造用非調質鋼 - Google Patents

熱間鍛造用非調質鋼

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱間鍛造後、焼入れ、焼もどし等の熱処理を
行わず非調質のままで引張強さ80kgf/mm2以上、シャル
ピー衝撃値5kgfm/cm2以上の高強度、高靭性を有し、か
つ鍛造条件により強度、靭性等の機械的性能が変化しな
い熱間鍛造用非調質鋼に関し、特に高強度と高靭性を必
要とする自動車の足廻り部品に用いられる鋼として有用
なものである。
[従来の技術] 従来、ステアリングナックル、アッパーアーム等の自
動車の足廻り部品に用いられる鋼には、高強度と高靭性
が要求され、機械構造用炭素鋼であるS43C〜S48Cが用い
られ、熱間鍛造により成形後、高強度、高靭性を付与さ
せるため焼入れ焼もどし等の熱処理(以下調質と称す
る。)が施されていた。
しかしこれらの熱処理工程を省略できれば、大幅なコ
スト低減が図られ、省エネルギーの社会的要請に応える
ことができる。そこで熱間鍛造のままで使用することの
できる非調質鋼の開発が近年盛んに行なわれている。
例えば、Cを0.30〜0.50%含有する中炭素鋼に0.03〜
0.20%のVを添加した非調質鋼が提案されている。この
非調質鋼は熱間鍛造後の冷却過程でVの炭窒化物が析出
し、このV炭窒化物がフェライト生地を強化するもので
ある。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら従来開発された非調質鋼は、粗大なフェ
ライト・パーライト組織を有するものであり、靭性は中
炭素鋼の調質材に比べて低いのが欠点である。また、鍛
造条件(加熱温度、鍛造温度、冷却速度等)により強
度、靭性が著しく変化するので、鍛造条件を厳しく管理
する必要があった。
本発明は従来の非調質鋼の前記のごとき問題点に鑑み
てなされたもので、鍛造条件によって強度、靭性等の性
能が変化せず靭性の高い熱間鍛造用非調質鋼を提供する
ことを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は前記目的の下に熱間鍛造用非調質鋼につい
て鋭意研究をした結果、ベイナイト組織にすると加熱温
度および鍛造温度の影響を受け難いことを着目し、ベイ
ナイト生成作用を持つMn量、Cr量を高めベイナイト組織
を得ることを着想した。しかし、ベイナイト組織にする
と靭性が低く、また冷却速度の影響を受け易いという欠
点を有している。そこでベイナイト組織のかかる欠点を
克服するためさらに鋭意研究を重ねた結果、靭性を向上
させるためには低炭素化することが著しく効果があり、
また、Vを添加したベイナイト組織が冷却速度の影響を
受けず、強度の安定化を図ることができ、従来の非調質
鋼に比べて許容される鍛造条件が広く、かつ高い強度お
よび靭性を有し、熱間鍛造のままで従来の中炭素低合金
鋼と同等もしくは同等以上の強度および靭性を確保し得
ることを知見した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものであ
って、本発明の熱間鍛造用非調質鋼は第1発明として重
量比でC;0.05超〜0.25%、Si;0.10〜0.50%、Mn;1.50〜
2.50%、Cr;0.60〜1.50%、V;0.05〜0.30%を含有し、
残部がFeおよび不純物元素からなり、熱間鍛造後空冷し
た組織がベイナイト組織を主体とする組織であることを
要旨とする。また、第2発明は第1発明の被削性を改善
するためにさらにS;0.12%以下、Pb;0.05〜0.30%のう
ち1種または2種を含有し、残部がFeおよび不純物元素
からなり、熱間鍛造後空冷した組織がベイナイト組織を
主体とする組織であることを要旨とする。なお、本願発
明において、ベイナイト組織を主体とする組織とは、10
0%ベイナイト組織である必要はなく、殆どがベイナイ
ト組織であれば足り、若干量の他の組織例えばフェライ
ト・パーライト組織の混合を許容するものである。
[作用] 本発明の熱間鍛造用非調質鋼は、低炭素化により靭性
を向上させ、かつCrおよびMn量を高めることによってベ
イナイト組織としたので、強度および靭性等が加熱温度
および鍛造温度の影響を受けない。すなわち、従来鋼は
加熱温度の上昇により硬さが上昇し、鍛造温度の上昇に
よって衝撃値が低下するが、本発明の熱間鍛造用非調質
鋼は加熱温度や鍛造温度の変化によってこれらの性能が
殆ど影響を受けず高い靭性および強度を示す。
また、本発明鋼のベイナイト組織は、Vを添加するこ
とにより、強度および靭性等の性能が冷却速度に影響さ
れない。
次に本発明にかかる熱間鍛造用非調質鋼において成分
組織を限定した理由について説明する。
C;0.05超〜0.25% Cは強度を確保するために必要な元素であり0.05%以
下であると強度が不足するので下限を0.05%超とした。
また、Cが0.25%を越えると靭性が低下するので、上限
を0.25%とした。
Si;0.10〜0.50% Siは製鋼時の脱酸剤として添加されるものであり、0.
10%は必要である。しかし、0.50%を越えると靭性が低
下するので、上限を0.50%とした。
Mn;1.50〜2.50% Mnは焼入れ性を向上させて組織をベイナイト化するの
に必要な元素である。Mnが1.50%未満であると焼入れ性
が不足しベイナイトの生成が不足し、強度が不足するの
で、下限を1.50%とした。しかし、2.5%を越えると焼
入れ性が向上し過ぎてマルテンサイトが生成され、靭性
が低下するので、上限を2.50%とした。
Cr;0.60〜1.50% Crは組織をベイナイト化するのに必要な元素である。
0.60%未満であると前記効果が不充分であるので、下限
を0.60%とした。しかし、1.50%を越えると前記効果が
飽和するとともに、コスト的に高くなるので、上限を1.
50%とした。
V;0.05〜0.30% Vは微細な炭化物を析出し必要な強度および靭性を得
るのに必要な元素である。0.05%未満ではその効果が不
充分なので、下限を0.05%とした。しかし、0.30%を越
えて含有させてもその効果が飽和すると共にコスト高と
なるので、上限を0.30%とした。
S;0.12%以下 Sは被削性を改善するために有効な元素であり、必要
に応じて添加されるものである。しかし、0.12%を越え
て含有されてもその効果が飽和し、靭性を低下させるの
で上限を0.12%とした。
Pb;0.05〜0.30% Pbは被削性を改善するため必要な元素であり、その効
果を得るためには0.05%以上が必要である。しかし、0.
30%を越えて含有されてもその被削性改善の効果の向上
がなくなるので上限を0.30%とした。
[実施例] 本発明の実施例を比較鋼および従来鋼と比較しつつ説
明し本発明の特徴を明らかにする。
(実施例1) 第1表は本発明鋼、比較鋼および従来鋼の化学成分を
示すものである。
第1表において、A〜G鋼は本発明鋼であって、A〜
D鋼は第1発明、E〜G鋼は第2発明である。また、H
〜L鋼は比較鋼であって、H鋼はCが本発明の組成範囲
より高い比較鋼、I鋼はMnが本発明の組成範囲より低い
比較鋼、J鋼はCrが本発明の組成範囲より低い比較鋼、
K鋼はVを含有しない比較鋼、L鋼はフェライト・パー
ライト型非調質鋼であって、S48C相当成分にVを含有す
る非調質鋼である。さらに、M鋼は従来鋼でS45Cであ
る。
第1表に示す本発明鋼、比較鋼および従来鋼のうち、
A〜L鋼については、直径60mmの丸棒を1250℃に加熱
後、1150℃にて直径30mmの丸棒に鍛造後、室温まで自然
冷却した。また、従来鋼M鋼は直径30mmの丸棒を880℃
にて加熱後、油浴中へ焼入れを行い、続いて580℃にて
焼もどしを行った。各供試材の中心部よりJIS4号試験片
およびシャルピーJIS3号試験片を採取し試験に供した。
第2表に試験結果を示す。
A〜D鋼の第1発明、E〜G鋼の第2発明はいずれも
引張強さが80kgf/mm2以上、シャルピー衝撃値5kgf/cm2
以上を示し、良好な強度と靭性が得られているのに対し
て、比較鋼のH鋼は引張強さが112.1kgf/mm2と高いが、
衝撃値は1.1kgf/cm2と低く、I鋼およびJ鋼は焼入性が
不足しており、フェライト・ベイナイト組織を呈し、引
張強さが75.3kgf/mm2および78.7kgf/mm2と低い。また、
比較鋼のL鋼はフェライト・パーライト型の非調質鋼で
あり、引張強さ81.1kgf/mm2と十分であるが、衝撃値は
3.1kgf/cm2と低いことがわかる。すなわち、本発明鋼は
熱処理を施さなくて鍛造のままで、従来鋼であるM鋼
(S48C焼入焼もどし品)と同等の強度と靭性を有するこ
とがわかる。
(実施例2) 第1表の発明鋼B鋼およびF鋼、比較鋼のK鋼および
フェライト・パーライト型の非調質鋼L鋼を各種条件に
て鍛造し、引張強さおよび衝撃値を評価した。第1図は
鍛造加熱温度と引張強さおよび衝撃値の関係を示したも
のである。上記B鋼、F鋼、K鋼およびL鋼の直径60mm
の丸棒を1350℃、1250℃および1150℃に加熱し、各々12
50℃、1150℃および1050℃にて、直径30mmの丸棒に鍛造
後、室温まで自然空冷したものを供試材として、その中
心部よりJIS4号引張試験片およびシャルピーJIS3号試験
片を採取し試験を実施した。
第1図より、フェライト・パーライト型の従来の非調
質鋼L鋼は、加熱温度の上昇に伴い、引張強さが増加
し、衝撃値が低下するのに対して、ベイナイト組織を有
する本発明鋼B鋼およびF鋼、それに比較鋼のK鋼は、
引張強さおよび衝撃値は殆ど変化せず安定していること
がわかる。
また、第2図は鍛造後の冷却速度と引張強さおよび衝
撃値の関係を示したものである。上記のB鋼、F鋼、K
鋼およびL鋼の直径60mmの丸棒を1250℃に加熱し、1150
℃にて直径30mmの丸棒に鍛造後、保温剤、扇風機、エア
ーガス等を用いて、各種冷却速度で冷却したものを供試
材とし、その中心部よりJIS4号試験片およびシャルピー
JIS3号衝撃試験片を採取し試験を実施した。
本発明鋼B鋼およびF鋼は、冷却速度が変化しても引
張強さがあまり変化しないのに対して、Vの添加せれて
いない比較鋼Kおよびフェライト・パーライト型非調質
鋼L鋼の引張強さは、大きく変化することがわかる。ま
た、B鋼およびF鋼の衝撃値はいずれの冷却速度におい
ても目標値を満足している。
[発明の効果] 本発明の熱間鍛造用非調質鋼は、従来の非調質鋼の靭
性が調質鋼に比べて低く、鍛造条件により強度・靭性が
著しく変化するという欠点を解決すべくなされたもの
で、MnおよびCr量を増加することによりベイナイト組織
とし、靭性を向上させるため低炭素化し、熱間加工後の
冷却速度の影響を緩和するためにVを添加して靭性およ
び強度を安定化したものであって、熱間鍛造後の自然空
冷の状態で引張強さが80kgf/mm2以上、シャルピー衝撃
値が5kgf/cm2以上と従来鋼と比べて良好な強度と靭性を
示し、さらに熱間鍛造後の冷却速度が変化しても、引張
強さおよび衝撃値が変化せず、所望の目標値を満足する
という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明鋼と比較鋼の鍛造加熱温度と引張強さお
よび衝撃値の関係を示した図、第2図は本発明鋼と比較
鋼の鍛造後の冷却速度と引張強さおよび衝撃値の関係を
示した図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC;0.05超〜0.25%、Si;0.10〜0.5
    0%、Mn;1.50〜2.50%、Cr;0.60〜1.50%、V;0.05〜0.3
    0%を含有し、残部がFeならびに不純物元素からなり、
    熱間鍛造後空冷した組織がベイナイト組織を主体とする
    組織であることを特徴とする熱間鍛造用非調質鋼。
  2. 【請求項2】重量%でC;0.05超〜0.25%、Si;0.10〜0.5
    0%、Mn;1.50〜2.50%、Cr;0.60〜1.50%、V;0.05〜0.3
    0%を含有し、さらにSi;0.12%以下、Pb;0.05〜0.30%
    のうち1種または2種を含有し、残部がFeならびに不純
    物元素からなり、熱間鍛造後空冷した組織がベイナイト
    組織を主体とする組織であることを特徴とする熱間鍛造
    用非調質鋼。
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