JP2583592B2 - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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JP2583592B2
JP2583592B2 JP63285355A JP28535588A JP2583592B2 JP 2583592 B2 JP2583592 B2 JP 2583592B2 JP 63285355 A JP63285355 A JP 63285355A JP 28535588 A JP28535588 A JP 28535588A JP 2583592 B2 JP2583592 B2 JP 2583592B2
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    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B29/00Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins
    • C03B29/02Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins in a discontinuous way

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス等の光学素材を加熱軟化しつつ加圧
成形する光学素子の成形方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、ガラス素材を加熱軟化した後、成形用金型によ
り光学素子を押圧成形する方法にあっては、所望の光学
素子の形状に対応した成形面を有する一対の成形用金型
が用いられている。
又、特願昭62−306509号には、一方の成形用金型を輪
帯状に分割構成し、分割された部分を別々に温度設定し
つつ光学素子を押圧成形する方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、成形用金型によりガラス素材を押圧して光学
素子を成形する場合、成形用金型はガラス転移点程度、
ガラス素材は軟化点程度に加熱される。
よって、上記所望の成形面を有する一対の成形用金型
により光学素子を成形する方法において、肉厚差の大き
いガラス素材を用いて成形する場合、押圧成形中に、ガ
ラス素材の一部が先に固化して、全押圧力を固化した部
分で受けてしまい、また十分に固化していない温度の高
い部分に圧力が加わらず、成形が完了した時点にて、温
度が高く圧力がかからなかった部分がヒケとなり所定の
形状に反転しないという問題点が生じていた。
第17図及び第18図は、上記状態を示すもので、まずガ
ラス素材は第17図aで示すように全体が温度分布のない
状態で均一に加熱される。その後、かかるガラス素材
は、ガラス素材より温度の低い成形用金型にて押圧され
ると第17図bで示すように、薄肉部は低温となり固化が
進むが厚肉部は高温状態が維持される。即ち、薄肉部が
固化してその後押圧成形できなくなった時点においても
高温状態にあるので、かかる状態でガラス素材が常温に
なる(冷却される)と、第17図cで示すように厚肉部に
おいてヒケが生ずることとなる。第18図は、上記ガラス
素材の内部温度の経時変化を示すもので、縦軸にガラス
素材の温度T、横軸に時間tをとり、ガラス素材の断面
位置におけるガラス面中心部j、厚肉中心部k、薄肉中
心部l(第17図a参照)の温度を表している。即ち、t0
時点でガラス素材のk点,l点,j点は等温度に加熱軟化さ
れているが、成形用金型により押圧されると温度が低下
してt1時点でガラス素材は変形する。その後、t2時点に
なるとl点の固化が進み、押圧しても変形しなくなって
いるが、k点は完全に固化していない。即ち、k点にお
いては、かかる状態にあっても温度が高くガラス素材が
完全に固化するまでの収縮量がl点よりも多いのでヒケ
が生ずることとなる(第17図c参照)。
また、特願昭62−306509号における光学素子を成形す
る方法にあっては、一方の成形用金型を輪帯状に分割し
て構成し、分割された輪帯状の金型をそれぞれ別々に温
度調整してガラス素材の薄肉部と厚肉を個別に押圧成形
するので光学素子にヒケは生じないが、輪帯状に分割さ
れた成形用金型により押圧されたガラス面には断続部
(段部)が生ずるので、上記ガラス面に研磨加工を施さ
なければならず、成形用金型により押圧成形された光学
素子を直ちに光学的用途に用いることができない問題点
があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであっ
て、ヒケがなくかつそのまま光学的用途に用いることが
できる光学素子の成形方法を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明を光学素子の成形
方法にあっては、ガラス素材を加熱軟化した後、成形用
金型により押圧成形する光学素子の成形方法において、
ガラス素材を加熱軟化するにあたり、上記ガラス素材の
厚肉部より薄肉部が高温度となるように加熱している。
〔作用〕
上記構成の光学素子の成形方法によれば、ガラス素材
を加熱軟化するにあたり、ガラス素材の薄肉部の温度を
厚肉部の温度より高くすることにより、次の工程である
成形用金型でガラス素材を押圧成形した場合の、反転完
了時点にてガラス素材内部の温度差が無くなる。従って
熱ダマリ部分が無くなり、成形完了したレンズにヒケが
発生しなくなる。
〔実施例〕
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明す
る。
(第1実施例) 第1図は、本発明に係る光学素子の成形方法の第1実
施例を実施するための成形装置1を示す断面図、第2図
は、成形装置1における加熱室2を示す断面図であり、
本実施例は中央部の肉厚が厚い凸形状のガラス素子を加
圧形成する方法について例示してある。
成形装置1は、成形されるガラス素材3や成形の完了
した光学素子(球面レンズや非球面レンズ等)を搬送す
るための搬送室部4と、搬送室部4の搬送アーム5を介
して搬送されるガラス素材3を押圧成形するための成形
室部6と、上記搬送室部4と成形室部6との間に配置構
成された加熱室部2等より構成してある。
搬送室部4及び成形室部6は、それぞれ搬送室フレー
ム8,成形室フレーム9にて密閉構成されており、各室部
4,6は装置本体架台10にて支持構成されている。
搬送室部4は、上記搬送室フレーム8と、搬送機構部
11と、搬送室フレーム8の上部に立設状に固定保持され
た待機塔12,回収塔13と、搬送室フレーム8の下部に配
置され、上記待機塔12,回収塔13とそれぞれ協働して回
収塔13内の搬送皿(ガラス素材3を載置した)14を搬送
アーム5上にセットしたり、成形の完了した光学素子を
載置した搬送皿14を回収塔13に回収させたりするための
待機部アクチュエータ15及び回収部アクチュエータ16と
より構成してある。
搬送機構部11は、搬送アーム5上の所定位置にセット
されたガラス素材3を加熱室部2内や成形室部6内に搬
入したり、成形の完了した成形品(光学素子)を搬出し
たりするためのもので、搬送アーム5,搬送気本体部17及
びモータ等の駆動装置18等より構成してある。搬送アー
ム5は、第3図にて示すごとく、駆動装置18を介して回
転駆動されるボールねじ軸19,ボールねじ軸19に螺合す
るボールハウジング20及び一対のリニアスライド21を介
して第1図における左右方向(矢印22方向)に移動制御
自在に構成してある。搬送アーム5の先端部には、第4
図にて示すように搬送皿14下面部のテーパ面部14aと嵌
合するテーパ状の嵌合部23と、上記各アクチュエータ1
5,16における待機軸25,回収軸26の軸径よりも大径の孔2
7とが形設してあり、嵌合部23と孔27とは同心にて加工
形成してある。
待機塔2は、その内部に、成形されるガラス素材3を
載置した(セッティングした)搬送皿14を複数枚個収
納,支持できるように設定してあるとともに、内部に収
納,支持した搬送皿14を1個ずつ下方位置の搬送アーム
5上に嵌合,セットしうるように構成してある。第5図
に示すように待機塔12の塔本体28内には、モータ29、タ
イミングベルト30,31,32を介して回転駆動される2本の
チェーン33,34が垂直にかつ平行に配設してあり、モー
タ29を介して各チェーン33,34を矢印方向35方向に同期
回転させることにより、各チェーン33,34に固設した搬
送皿受け部36に支持された搬送皿14を1個づつ下方向に
搬送しうるように設定構成してある。塔本体28の下部に
はフランジ部28aが形設してあり、塔本体28は、搬送室
フレーム8に螺着される固定部材37を介して直脱自在に
固定される構成となっている。38で示すのはOリングで
ある。
回収塔13は、上記待機塔12と同様に構成してある。但
し、回収塔13は、成形の完了した光学素子を載置,収容
した搬送皿を14を1個づつ収容するためのもので、空の
塔本体28内に搬送皿14を1個づつ下方から上方に収納し
うるように設定構成してある。
待機部アクチュエータ15は、待機塔12の下方位置にお
いて装置本体架台10に固設してある。
成形室部6は、搬送皿14内のガラス素材3を押圧成形
するたの上型50と、搬送皿14を上型14方向に移動するた
めの突上げ機構部60等より構成してある。
上型50は、ツアーシリンダー52を介して上下動操作自
在に構成してある。この上型50は、断熱材51を介して成
形室フレーム9に取付けられたスリーブ52の軸心孔部に
嵌挿してあり、上型50はこのスリーブ52に摺動案内され
つつ上下動操作されるようになっている。スリーブ52の
外周部には上型50加熱用のヒーター53が装備してある。
スリーブ52の下部には、搬送皿14におけるガラス素材3
収容用の円環状突起部14bの外周テーパ面(上型50との
軸心合せ用テーパ状案内面)14cと嵌合可能なテーパ状
案内面54が形設してある。
待機部アクチュエータ15には待機軸25が軸方向に移動
制御自在に装備してあり、第6図a,b,cにて示すごと
く、待機軸25を上動させて待機塔12内の最下部の搬送皿
14をその上端部に支持させ、その後下動させることによ
って搬送皿14を1個ずつ待機塔12から下方へ取り出すこ
とができるよう設定定構成してある。39で示すのは密閉
シール用のOリングである。
回収部アクチュエータ16は、回収塔13の下方位置にお
いて装置本体架台10に固設してあり、回収部アクチュエ
ータ16の待機軸26により待機部アクチュエータ15と逆の
工程にて、成形された光学素子を設置,収容した搬送皿
14を1個ずつ回収塔13内に回収できるように設定構成し
てある。40で示すのは密閉シール用のOリングである。
突上げ機構部50は、搬送皿14を突上げるための下型61
と、突上げ軸部62と、下型61を軸方向(上下方向)に駆
動操作するための駆動部63等より構成してあり、下型61
には下型61加熱用のヒーター64が装備してある。65で示
すのは断熱材、66で示すのは密封シール用のOリングで
ある。
成形室部6におけ成形室70内は、パイプ71を介して真
空排気されるとともに、パイプ72を介して成形室70内に
不活性ガスを注入しうるように設定してある。
加熱室部2は、搬送アーム5上に保持されたガラス素
材3を加熱軟化するためのヒーター80を装備した加熱炉
81と、ガラス素材3を部分的に温度調節するための上温
調棒82及び下温調棒83等より構成してある。
上温調棒82及び下温調棒83は、それぞれ加熱炉81の上
下炉壁を貫通してガラス素材3の加熱炉81内の停止位置
(加熱位置)におけるガラス素材3と同軸に設置される
とともに、成形室部6の成形室フレーム9に固定したエ
アシリンダー等の上アクチュエータ84及びアクチュエー
タ85によりガラス素材3に接近,離反自在に保持されて
いる。上温調棒82及び下温調棒83の内部には、それぞれ
温調管82a及び83aが設けられ、温調管82a,83a内にN2
ス等の不活性ガスを流量一定に流通させて上下温調棒8
2,83の先端を温度調整し得るようになっている。なお、
図においては温調管82a,83a内への不活性ガスの流入,
流出用の配管は省略してある。更に、上温調棒82及び下
温調棒83の先端は、それぞれガラス素材3の上ガラス面
及び下ガラス面と対応した形状に形成してあり、ガラス
素材3の加熱時に上,下ガラス面と接触又はごく接近さ
せて停止させ上下ガラス面を部分的にそれぞれ所定温度
に調整できるようになっている。即ち、本実施例にあっ
ては、ガラス素材3の厚肉部(中央部)の温度を薄肉部
(周辺部)の温度より低下し得るようになっている。
次に、上記成形装置1にて光学素子を成形する方法に
ついて説明する。
まず、搬送アーム5を、その嵌合部23が待機塔12の真
下位置となるように駆動地18を介して移動させて停止さ
せる。
次に、待機軸25を上動させ、待機軸25が搬送アーム5
の孔27を貫通し待機塔12の下方位置に達した時点で停止
させる。次に、待機塔12内の各チェーン33,34を矢印35
方向に回動させ、搬送皿14を第6図aにて示すごとく待
機軸25上に載置させる。次に、第6図bにて示すように
各チェーン33,34を回転させた後に待機軸25を下動させ
る。この下動操作時に搬送皿14を搬送アーム5の嵌合部
23上に嵌合させる。搬送皿14と嵌合部23は互のテーパ状
嵌合部14a,23を介して正確に嵌合する。待機軸25は、搬
送アーム5の動作に支障のない位置まで下動せしめる。
次に、搬送皿14が加熱炉81内に収容されるように搬送
アーム5を移動制御し、ガラス素材3を加熱する。この
加熱工程において、ガラス素材3は成形可能な粘度に加
熱軟化される。
本実施例にあっては、特に、上記加熱工程において、
ガラス素材3の上下ガラス面にそれぞれ上温調棒82及び
下温調棒83の先端を接触(又はごく接近)させ、ガラス
素材3の中央部(厚肉部)を周辺部(薄肉部)より低下
させた状態で成形可能な粘度にガラス素材3を加熱軟化
している。
次に、搬送アーム5を成形室部6方向に移動せしめ第
7図aにて示すように搬送アーム5に保持された搬送皿
14の軸心が成形室部6の上型50の軸心と一致した時点で
停止制御する。
次に、第7図bにて示すように、下型61を上動させて
搬送皿14を搬送部5から上動せしめる。この上動時に
は、第7図cにて示すごとく搬送皿14側の当接面部14d
が上型50側のスリーブ52の下端面52aに当接して停止す
る。
次に、上型50をエアーシリンダー52を介して下動操作
し、搬送皿14に対してガラス素材3を押圧し、プレス成
形する。この際、上型50が第7図cにおいて2点鎖線で
示す位置から実線で示す位置まで移動する。
成形工程が終了したら、上型50を第7図dにて示すよ
うに上動させるとともに、下型61を下動せしめる。この
工程にて、成形品である光学素子3aを収容した搬送皿14
は搬送アーム5の嵌合部23に嵌合保持される。
次に、搬送アーム5を第1図にて示すように矢印22方
向に移動せしめ、搬送皿14が回収塔13の真下位置に達し
た時点で停止制御する。
次に、回収軸26を上動させ、待機塔12からの搬送皿取
出し工程とは逆の工程を経て光学素子3aを収容した搬送
皿14を回収塔13内に収容する。
次に、回収軸26を下動せしめた後、搬送アーム5の嵌
合部23が待機塔12の真下位置に達するまで搬送アーム5
を移動させ、停止制御させる。
以下、上記工程を繰り返して光学素子3aを連続成形す
る。
以上説明したように本実施例の光学素子の成形方法
は、ガラス素材3内部に強制的に温度分布を生じさせる
ように加熱軟化した後、ガラス素材3を成形用金型50,6
1により押圧成形するものであり、かかる温度分布の状
態を第8図及び第9図に示す。
第8図aは、ガラス素材3が加熱炉81で加熱軟化さ
れ、上下温調棒82,83の作用に強制的に温度分布を生じ
させて上下型50,61間に移送される直前の状態を示して
ある。即ち、ガラス素材3の内部の各点、即ち、ガラス
素材3の表面中心部m、径方向かつ厚さ方向の中心位置
o及び外周部の厚さ方向の中心位置nの温度が、m点,o
点,n点の順で高温となるように加熱されている。第9図
は、縦軸にガラス素材3の温度T、横軸に時間tをとっ
て表したm点,o点及びn点の経時変化のグラフ図で、時
点t0は上記温度状態時を示している。その後、上記ガラ
ス素材3が上下型50,61により押圧成形されるとガラス
素材の厚肉部の中心位置であるo点の温度は下がりずら
いが、予めn点より低い温度に加熱されているため、n
点の流動がほとんど停止する温度t1となるt1時点でガラ
ス素材3の温度はほぼ同程度となる。また、m点の温度
は急激に下がるが温度T1と上下型50,61の型温度T2とが
接近しているため温度T1付近で温度の低下が緩やかとな
り、T1時点で、ガラス素材3はm点,n点及びo点で温度
差のほとんどない第8図bの等温線で示す状態に冷却さ
れている。そして、その後、ガラス素材3の温度が型温
度T2収束される過程にあっても、ガラス素材3内部の流
動が停止するT1時点でのガラス素材3内部の温度分布が
少ないためヒケが生じにくくなり、第8図cに示すよう
に所望形状に転写された光学的に高精度な光学素子3aが
形成される。
次に、本実施例の成形方法と比較するために、ガラス
素材3に温度分布を強制的に生じさせないで行う従来の
成形方法におけるガラス素材3の温度分布を第10図及び
第11図を用いて説明する。まず、ガラス素材3が加熱炉
内でほぼ均一に加熱され、第10図aに示すように温度分
布が生ぜず、ガラス素材3内部のm点,n点及びo点は、
t0時点で温度T0となっている(第11図参照)。その後、
上記ガラス素材3が成形型により押圧成形されるとガラ
ス素材3は冷却される。この時、m点の温度は急激に下
がり、次にn点の温度がやや遅れて下がる。しかし、o
点の温度は下がりずらくn点がT1温度となるt1時点でo
点は温度が高く流動状態となっている。この時の温度分
布は、第10図bの等温線で示すようにo点を中心とした
楕円状となっている。その後、ガラス素材3の温度がt2
に収束され、m点、o点及びn点は同一温度となるが、
o点の温度は遅れて下がり固化も遅いため、第10図bに
示すように中心部にヒケが発生することになる。
(第2実施例) 第12図は、本発明に係る光学素子の成形方法の第2実
施例を実施するための成形装置の要部を示す断面図であ
る。
本実施例の光学素子の成形方法の特徴は、中央部に薄
くかつ周辺部を厚くした凹レンズ形状のガラス素材87を
押圧して光学素子を成形するもので、温調棒88をガラス
素材87の周辺部と接触(又はごく接近)させて厚肉部を
冷却してガラス素材87に強制的に温度分布を生じさせる
ように構成してある。
即ち、温調棒88は、その先端部がガラス素材87の厚肉
部87aのみに接触可能なリング状88aに形成されている。
又、温調棒88の内部には上記第1実施例の温調間82aと
同様にN2ガス等の不活性ガスを流量一定に流通させて先
端部の温度調整するための温調管89が設けられている。
なお、温調棒88はガラス素材87の上下方向に上下動自在
に配設されており、一方の温調棒については、図示の温
調棒88の構成と同一であるので図示を省略してある。さ
らに、その他の構成は、上記第1図示の成形装置1と同
様に構成され、光学素子の成形方法は上記第1実施例と
同様であるのでその説明を省略する。
本実施例によれば、温調棒88によりガラス素材87の厚
肉部87aの温度が強制的に薄肉部より低下した温度分布
状態となる。即ち、第13図aは、上記温度分布状態を示
すもので、ガラス素材87は、加熱軟化時に厚肉部87a周
辺の温度がガラス素材87の厚さ方向の中心部87b及び薄
肉部より低温状態に加熱される。その後、このガラス素
材87を成形用金型により押圧成形すると薄肉部の温度低
下が急激なため、第13図bに示すようにガラスの流動が
停止する時点でガラス素材87の温度分布はほぼ均一化さ
れる。従って、その後のガラス素材87の冷却過程でヒケ
が生ぜず、第13図cに示すように所望形状に転写された
高精度な光学素子87cが成形される。
第14図は、ガラス素材87に強制的に温度分布を生じさ
せない従来の成形方法におけるガラス素材87の温度分布
を示すもので、均一な温度に加熱軟化されたガラス素材
87(第14図a)を成形用金型により押圧すると、薄肉部
の温度低下は早く、厚肉部8aの内部の温度低下は遅いた
め、第14図bに示すように厚肉部87aの内部中央87dが高
温状態となる。このとき、ガラス素材87の薄肉部及び外
面は固化して流動しない状態になっているが、厚肉部87
aの内部中央87dは流動可能な状態のため、その後、冷却
されつつ成形が完了し温度分布がなくなったとき、流動
可能な内部中央87dの収縮により第14図cに示すように
光学素子87cの周辺部にヒケが発生することになる。
(第3実施例) 第15図は、本発明に係る光学素子の成形方法の第3実
施例を実施するための成形装置の要部を示す断面図であ
る。
本実施例の光学素子の成形方法の特徴は、ガラス素材
90の厚肉部に冷却用ガス92を吹き付けてガラス素材90に
強制的に温度分布を生じさせるようにしたものである。
即ち、ガラス素材90を温調する温調棒91は、その内部
にN2ガス等の冷却用ガス92導通用の貫通孔93が設けられ
ている。なお、温調棒91はガラス素材90の上下方向に配
置されている。その他の構成は、上記第1図示の成形装
置1と同様に構成され、光学素子の成形方法について
も、ガラス素材90の厚肉部に温調棒91の先端から冷却用
ガスを吹き付けてガラス素材90内部に強制的に温度分布
を生じさせる以外は上記第1実施例と同様であるのでそ
の説明を省略する。
本実施例によれば、上記第1実施例と同様な作用,効
果を得ることができる。
(第4実施例) 第16図は、本発明に係る光学素子の成形方法の第4実
施例を実施するための成形装置の要部を示し、第16図a
は正面図、第16図bは平面図である。
本実施例の光学素子の成形方法の特徴は、ガラス素材
95の厚肉部に輻射される加熱炉のヒーターからの熱をさ
え切ることによりガラス素材に強制的に温度分布を生じ
させるようにしたものである。
即ち、ガラス素材95を温調する温調棒96は、その先端
に加熱炉のヒーターより輻射をさえ切る遮蔽板97が設け
られている。なお、温調棒96はガラス素材95の上下方向
に設けられている。その他の構成は、上記第1図示の成
形装置1と同様に構成され、光学素子の成形方法につい
ても、ヒーターからの熱を遮蔽板97により厚肉部の温度
上昇を抑えてガラス素材95内部に強制的に温度分布を生
じさせる以外は、上記第1実施例と同様であるのでその
説明を省略する。
本実施例によれば、上記第1実施例と同様な作用,効
果を得ることができる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、加熱炉内で加熱中の成
形前のガラス素材に予め強制的に温度分布をつけ、薄肉
部より厚肉部を低い温度に設定することにより、押圧成
形時にガラス素材内部の温度差が少なくなるため、大口
径であったり、変肉度の大きい光学素子であっても成形
面の形状の反転性が向上し、即ち、ヒケによる反転劣化
が無くなり、かつ短時間に成形を完了できる。
従って、高精度でコストの安い光学素子を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る光学素子の成形方法の第1実施例
を実施するための成形装置の縦断面図、第2図は第1図
の要部の縦断面図、第3図は成形装置の搬送アームの駆
動部を示す平面図、第4図は搬送アームの縦断面図、第
5図はガラス素材の供給部の作用説明図、第6図a,b,c
は第5図の作用説明図、第7図a,b,c,dは光学素子を成
形する工程の説明図、第8図及び第9図はガラス素材内
部の温度分布を示す説明図及びグラフ図、第10図及び第
11図は従来の成形方法におけるガラス素材内部の温度分
布を示す説明図及びグラフ図、第12図は本発明に係る光
学素子の成形方法の第2実施例を実施するための成形装
置の要部の縦断面図、第13図はガラス素材内部の温度分
布を示す説明図、第14図は従来の成形方法におけるガラ
ス素材内部の温度分布を示す説明図、第15図は本発明に
係る光学素子の成形方法の第3実施例を実施するための
成形装置の要部縦断面図、第16図は本発明に係る光学素
子の成形方法の第4実施例を実施するための成形装置の
要部を示し、第16図a,bは正面図,平面図、第17図a,b,c
及び第18図は従来技術におけるガラス素材内部の温度分
布を示す説明図及びグラフ図である。 3……ガラス素材 81……加熱炉 82……上温調棒 83……下温調棒

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス素材を加熱軟化した後、成形用金型
    により押圧成形する光学素子の成形方法において、ガラ
    ス素材を加熱軟化するにあたり、上記ガラス素材の厚肉
    部より薄肉部が高温度となるように加熱することを特徴
    とする光学素子の成形方法。
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