JP2583439B2 - 直接ポジ画像の形成方法 - Google Patents

直接ポジ画像の形成方法

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JP2583439B2 JP63082543A JP8254388A JP2583439B2 JP 2583439 B2 JP2583439 B2 JP 2583439B2 JP 63082543 A JP63082543 A JP 63082543A JP 8254388 A JP8254388 A JP 8254388A JP 2583439 B2 JP2583439 B2 JP 2583439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定性の高い処理液を用いて、直接ポジ画
像を迅速に形成せしめるハロゲン化銀写真感光材料およ
びそれを用いた画像形成方法に関するものであり、特に
コンピューターアウトプット用フィルム(COM用フィル
ム)に用いられる写真感光材料およびそれを用いた画像
形成方法に関するものである。
(従来の技術) コンピューターの急速な発展は今日の情報産業を興隆
にし、膨大な記録をアウトプットする方法の研究が盛ん
に行なわれてきた。この分野では、記録材料として、反
転処理適性を有したハロゲン化銀写真感光材料が用いら
れている。この反転現像法の処理工程は、第1現像処理
によってネガ像を作り、これを定着処理することなく漂
白処理してネガ像の還元銀を脱銀する。残っている未現
像のハロゲン化銀を露光し、第2現像を行ないポジ像を
作成する。この方法は処理工程が、複雑なためフィルム
の仕上がり速度が遅く、最大濃度(Dmax)、最小濃度
(Dmin)が変動しやすい。さらに漂白液に重クロム酸カ
リ…等の強力な酸化剤を使用しなければならず、公害と
いう点でも、問題がある。
このような問題点を解決する方法として、反転処理工
程又はネガフィルムを必要とせずに、直接ポジ像を得る
写真法はよく知られている。
従来知られている直接ポジハロゲン化銀写真感光材料
を用いてポジ画像を作成するために用いられる方法は、
特殊なものを除き、実用的有用さを考慮すると、主とし
て2つのタイプに分けることができる。
1つのタイプは、あらかじめカブラされたハロゲン化
銀乳剤を用い、ソーラリゼーションあるいはハーシェル
効果等を利用して露光部のカブリ核(潜像)を破壊する
ことによって現像後直接ポジ画像を得るものである。
もう1つのタイプは、かぶらされていない内部潜像型
ハロゲン化銀乳剤を用い、画像露光後かぶり処理を施し
た後かまたはかぶり処理を施しながら表面現像を行い直
接ポジ画像を得るものである。
また上記の内部潜像型ハロゲン化銀写真乳剤とは、ハ
ロゲン化銀粒子の主として内部に感光核を有し、露光に
よって粒子内部に主として潜像が形成されるようなタイ
プのハロゲン化銀写真乳剤をいう。
この後者のタイプの方法は、前者のタイプの方法に比
較して、一般に感度が高く、高感度を要求される用途に
適しており、本発明はこの後者のタイプに関するもので
ある。
この技術分野においては種々の技術がこれまでに知ら
れている。例えば、米国特許第2,592,250号、同第2,46
6,957号、同第2,497,875号、同第2,588,982号、同第3,3
17,322号(同2,497,875号)、同第3,761,266号、同第3,
761,276号、同第3,796,577号および英国特許第1,151,36
3号、同第1,150,553(同1,011,062号)各明細書等に記
載されているものがその主なものである。
これら公知の方法を用いると直接ポジ型としては比較
的高感度の写真感光材料を作ることができる。
また、直接ポジ像の形成機構の詳細については例え
ば、T.H.ジェームス著「ザ・セオリ・オブ・ザ・フォト
グラフィック・プロセス」(The Theory of the Photog
raphic Process)第4版第7章182頁〜193頁や米国特許
第3,761,276号等に記載されている。
つまり、最初の像様露光によってハロゲン化銀内部に
生じた、いわゆる内部潜像に起因する表面減感作用によ
り、未露光部のハロゲン化銀粒子の表面のみに選択的に
カブリ核を生成させ、次いで通常の、いわゆる表面現像
処理を施す事によって、未露光部に写真像(直接ポジ
像)が形成されると信じられている。
上記の如く、選択的にカブリ核を生成させる手段とし
ては、一般に「光かぶり法」と呼ばれる感光層の全面に
第二の露光を与える方法(例えば英国特許第1,151,363
号)と「化学的かぶり法」と呼ばれる造核剤(uncleati
ng agent)を用いる方法とが知られている。この後者の
方法については、例えば「リサーチ・ディスクロージャ
ー」(Research Disclosure)誌第151巻No.15162(1976
年11月発行)の72〜87頁に記載されている。
このような方法の中で、従来の化学的かぶり方法では
pH12以上の高pHで始めて造核剤の効果が得られるものが
使用され、そのためこの高pH条件下では空気酸化による
現像主薬の劣化が起こりやすく、その結果、現像活性が
著しく低下する欠点がある。また現像速度が遅いため処
理時間が長くかかり、特に低pHの現像液を使用するとい
っそう処理時間がかかるという欠点がある。またpHが12
以上であっても現像時間が長くかかるという欠点があ
る。
一方、光かぶり法の場合には、高pH条件を要求される
事がなく、実用上比較的有利である。しかしながら、広
範な写真分野での各種の目的に供するためには、種々の
技術的問題点がある。即ち、光かぶり法は、ハロゲン化
銀の分光解によるカブリ核の形成に基づいているので使
用するハロゲン化銀の種類や特性によって、その適性露
光照度や露光量が異なる。そのため一定の性能を得るの
が困難であり、更に現像装置が複雑でしかも高価なもの
になるという欠点がある。更に現像時間が長いという欠
点がある。
このように従来のかぶり法では共に安定して良好な直
接ポジ画像を得る事が困難であった。この問題を解決す
る手段として、pH12以下でも造核作用を発揮する化合物
が特開昭52−69613号、米国特許第3,615,615号や同第3,
850,638号に提案されているが、これらの造核剤は処理
前の感材の保存中にハロゲン化銀に作用して、もしくは
造核剤自身が分解して結局処理後の最大画像濃度を低下
させる欠点がある。
米国特許第3,227,552号にはハイドロキノン誘導体を
用いて中位濃度の現像速度を上げることが記載されてい
る。しかしこれを用いても現像の速さは十分でなく、特
にpH12以下の現像液で不十分な現像速度しか得られなか
った。
また特開昭60−170843号にはカルボン酸基やスルホン
酸基をもったメルカプト化合物を添加し、最大画像濃度
を上げることなどが記載されている。しかし、これらの
化合物を添加した効果は小さい。
特開昭55−134848号には造核剤の存在下にテトラザイ
ンデン系化合物を含有する処理液(pH12.0)で処理して
最小画像濃度を低下させ、再反転ネガ像の形成を防止す
ることが述べられている。しかし、この方法では最大画
像濃度が高くならず、また現像速度も速くならない。
また特公昭45−12709号には光かぶり法で直接ポジ画
像を形成する感材にかぶり防止剤としてトリアゾリン−
チオン、テトラゾリン−チオン系化合物を添加すること
が記載されている。しかし、これらの方法でも高い最大
画像濃度と、速い現像速度を達成することができなかっ
た。
このように、高い最大画像濃度と低い最小画像濃度を
有する直接ポジ画像を短時間で得る技術は今までになか
った。
また、一般に感度の高い直接ポジ乳剤ほど高照度露光
に於る再反転ネガ像の発生が多くでるという問題があ
り、特に、COM用フィルムは短露光での高感度が要求さ
れ高照度露光での再反転ネガ像の防止は、重要である。
特開昭63−106656号、同63−8740号、同60−443号、同6
0−73625号に前期問題点を解決する技術が記載されてい
るのがこの方法でも、再反転ネガ像の防止という点では
不充分であつた。
一方、COM用フィルムに対する光源としては従来CRTが
用いられてきたが、高画質化に対する強い要望の中でレ
ーザー光源を用いたハードが開発されてきている。レー
ザー光はそのコヒーレンシイ性により高い画質を与える
ことは周知のとおりであり、このレーザー光に対して高
い感度を有する直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の
開発が強く望まれている。当分野ではHe−Neガスレーザ
ーが信頼性という点で広く普及しているが、装置が大が
かりであり、寿命が短かくコストの点で不充分である。
これに対して半導体レーザは小型で安価、しかも変調が
容易であり、上記レーザーよりも長寿命である。また赤
外域に発光するため、明るいセーフライトが使用できる
ので取扱い作業性が良くなるという利点も有している。
従って、赤外域に高い感光性を有し、かつ保存性に秀れ
た直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の開発が強く望
まれている。
(本発明の目的) 従って本発明の目的は、第1に予めかぶらされていな
い半導体レーザー光源用内部潜像型ハロゲン化銀写真感
光材料を、造核剤の存在下に現像処理し、高いDmaxと低
いDminを有する直接ポジ画像を迅速且つ安定に形成する
方法を提供することにある。
第2は高照度露光における再反転ネガ像の発生の少な
い直接ポジハロゲン化銀写真感光材料を提供することに
ある。
第3は現像液のpHが変動しても、Dmax,Dminの変動が
少ない直接ポジ画像を形成する方法を提供することにあ
る。
第4は感光材料を長期間保存した場合に、Dmax,Dmin
の変動が少ない直接ポジハロゲン化銀写真感光材料を提
供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明のこれらの目的は、予めかぶらされていない内
部潜像型ハロゲン化銀粒子を含有する写真乳剤層を有す
る直接ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料を像様露光後、
現像処理して直接ポジ画像を形成する方法において、該
写真乳剤層又はその他の親水性コロイド層中に造核剤及
び該乳剤層中に下記一般式(I a)、(I a′)及び(I
b)で表わされる赤外分光増感色素から選ばれる少なく
とも1つの赤外分光増感色素を含有し、かつ該現像処理
を造核促進剤の存在下で行うことを特徴とする直接ポジ
画像の形成方法により達成された。
一般式(I a) 一般式(I a′) 式中R1及びR2は各々同一であっても異なっていてもよ
く、それぞれアルキル基、置換アルキル基を表わす。
Rは水素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基を
表わす。
R3及びR4は各々水素原子、低級アルキル基、フェニル
基、ベンジル基を表わす。
R5は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、
フェニル基、ベンジル基、 を表わす。ここでW1とW2は各々置換もしくは無置換のア
ルキル基、アリール基を表わし、W1とW2とは互いに連結
して5員または6員の含窒素複素環を形成することもで
きる。
Dは2価のエチレン結合、例えばエチレン又はトリエ
チレンを完成するに必要な原子群を表わし、このエチレ
ン結合は、1個、2個又はそれ以上の適当な基、例えば
炭素原子数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、あるい
はアルコキシ着などで置換されていてもよい。
D1及びD2はそれぞれ水素原子を表わす。但し、D1とD2
とが共同して上記Dと同意義の2価のエチレン結合を作
ることもできる。
Z及びZ1は各々5員又は6員の含窒素複素環を完成す
るに必要な非金属原子群を表わす。
Xは酸アニオンを表わす。
nは1又は2を表わす。
一般式(I b) 式中R6とR7はそれぞれR1,R2と同意義を表わす。
R8はR3と同意義を表わす。但しR8は好ましくは低級ア
ルキル基、ベンジル基が有利に用いられる。
Vは水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン基、置換アルキル基を表わす。
Z2はZ及びZ1と同意義を表わす。
X1はXと同意義を表わす。
m、n1、pはそれぞれ1又は2を表わす。
ここで、「造核剤」とは、予めかぶらされていない内
部潜像型ハロゲン化乳剤を表面現像処理する際に作用し
て直接ポジ像を形成する働きをする物質である。
また、「造核促進剤」とは、前記の造核剤としての機
能は実質的にないが、造核剤の作用を促進して直接ポジ
画像の最大濃度を高める及び/または一定の直接ポジ画
像濃度を得るに必要な現像時間を速める働きをする物質
である。
本発明に用いうる造核剤としては、従来より、内潜型
ハロゲン化銀を造核する目的で開発された化合物すべて
が適用できる。造核剤は2種類以上組合せて使用しても
よい。更に詳しく説明すると、造核剤としては、例えば
「リサーチ・ディスクロージャー」(Research Disclos
ure)誌No.22,534(1983年1月発行50〜54頁)に記載さ
れている物があり、これらはヒドラジン系化合物と四級
複素環化合物及びその他の化合物の三つに大別される。
まずヒドラジン系化合物としては、例えば前記のリサ
ーチ・ディスクロージャー誌No.15,162(1976年11月発
行76〜77頁)及び同誌No.23,510(1983年11月発行346〜
352頁)に記載されているものがあげられる。更に具体
的には下記の特許明細書に記載のものを挙げる事ができ
る。まずハロゲン化銀吸着基を有するヒドラジン系造核
剤の例としては、例えば米国特許第4,030,925号、同第
4,080,207号、同第4,031,127号、同第3,718,470号、同
第4,269,929号、同第4,276,364号、同第4,278,748号、
同第4,385,108号、同第4,459,347号、英国特許第2,011,
391B号、特開昭54−74,729号、同55−163,533号、同55
−74,536号、及び同60−179,734号などに記載のものが
あげられる。
その他のヒドラジン系造核剤としては、例えば特開昭
57−86,829号、米国特許第4,560,638号、同第4,478号、
さらには同2,563,785号及び同2,588,982号に記載の化合
物があげられる。
次に四級複素環系化合物としては、例えば前記のリサ
ーチ・ディスクロージャー誌No.22,534や特公昭49−38,
164号、同52−19,452号、同52−47,326号、特開昭52−6
9,613号、同52−3,426号、同55−138,742号、同60−11,
837号、米国特許第4,306,016号、及び「リサーチ・ディ
スクロージャー」誌No.23,213(1983年8月発光267〜27
0頁)などに記載のものがあげられる。
本発明に有用な造核剤は、好ましくは下記の一般式
〔N−I〕や〔N−II〕で表わされる化合物である。
一般式〔N−I〕 式中、Z1は5ないし6員の複素環を形成するに必要な
非金属原子群を表わす。この複素環には更に芳香環又は
複素環が縮合していてもよい。R1は脂肪族基であり、X
である。Qは4ないし12員の非芳香属炭化水素環、又は
非芳香属複素環を形成するに必要な非金属原子群を表わ
す。但し、R1、Z1の置換基及びQの置換基のうち、少な
くとも一つはアルキニル基を含む。さらにR1、Z1及びQ
のうち少なくとも一つは、ハロゲン化銀への吸着促進基
を有してもよい、Yは電荷バランスのための対イオンで
あり、nは電荷バランスをとるのに必要な数である。
前記一般式〔N−1〕で表わされる造核剤について更
に詳しく説明すると、Z1で完成される複素環は、例えば
キノリニウム、ベンゾイミダゾリウム、ピリジニウム、
チアゾリウム、セレナゾリウム、イミダゾリウム、テト
ラゾリウム、インドレニウム、ピロリニウム、フェナン
スリジニウム、イソキノリニウム、及びナフトピリジニ
ウム核があげられる。Z1は置換基で置換されていてもよ
く、その置換基としては、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基、アルキニル基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオ
キシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、スルホニルオ
キシ基、スルホニルアミノ基、カルボキシル基、アシル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シ
アノ基、ウレイド基、ウレタン基、炭酸エステル基、ヒ
ドラジン基、ヒドラジン基、またはイミノ基などがあげ
られる。Z1の置換基としては、例えば上記置換基の中か
ら少なくとも1個選ばれるが、2個以上の場合は同じで
も異なっていてもよい。また上記置換基はこれらの置換
基でさらに置換されていてもよい。
更にZ1の置換基として、適当な連結基L1を介してZ1
完成される複素環4級アンモニウム基を有してもよい。
この場合はいわゆるダイマーの構造を取る。
Z1で完成される複素環骨核として好ましくは、キノリ
ニウム、ベンズイミダゾリウム、ピリジニウム、アクリ
ジニウム、フェナンスリジニウム、ナフトピリジニウム
及びイソキノリニウム核があげられる。更に好ましく
は、キノリニウム、ナフトピリジニウム、ベンズイミダ
ゾリウム核であり、最も好ましくはキノリニウム核であ
る。
R1の脂肪族基は、好ましくは炭素数1〜18個の無置換
アルキル基およびアルキル部分の炭素数が1〜18個の置
換アルキル基である。置換基としては、Z1の置換基とし
て述べたものが挙げられる。
R1として好ましくはアルキル基であり、特にプロパル
ギル基が最も好ましい。
Qは4ないし12員の非芳香族炭化水素環又は非芳香族
複素環を形成するに必要な原子群である。これらの環は
Z1の置換基で述べた基でさらに置換されていてもよ。
非芳香族炭化水素環としては、Xが炭素原子である場
合であって、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロヘキセン、シクロヘプタン、インダン、テトラリ
ン等の環があげられる。
非芳香族複素環としては、ヘテロ原子として窒素、酸
素、硫黄、セレンなどを含むものであって、例えば、X
が炭素原子である場合は、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、ブチロラクトン、ピロリドン、テトラヒ
ドロチオフェン等の環があげられる。またXが窒素原子
である場合は、例えばピロリジン、ピペリジン、ピリド
ン、ピペラジン、パーヒドロチアジン、テトラヒドロキ
ノリン、インドリン等の環があげられる。
Qで形成される環核として好ましいのは、Xが炭素原
子の場合であり特にシクロペンタン、シクロヘキサン、
シクロヘプタン、シクロヘキセン、インダン、テトラヒ
ドロピラン、テトラヒドロチオフェン等である。
R1、Z1の置換基、及びQの置換基のうち、少なくとも
ひとつが該当するアルキニル基としては、これまですで
に一部は述べられているが、更に詳しく説明すると、好
ましくは炭素数2〜18個のもので、例えばチエニル基、
プロパルギル基、2−ブチニル基、1−メチルイプロパ
ルギル基、1,1−ジメチルプロパルギル基、3−ブチニ
ル基、4−ペンチニル基などである。
更にこれらは、Z1の置換基として述べた基で置換され
ていてもよい。
これらアルキニル基としては、プロパルギル基が好ま
しく、特にR1がプロパルギル基である場合が最も好まし
い。
R1、Q及びZ1の置換基の有し得るハロゲン化銀への吸
着促進基としては、X1L1 で表わされるものが好ま
しい。
ここでX1はハロゲン化銀への吸着促進基であり、L1
二価の連結基である。mは0又は1である。X1で表わさ
れるハロゲン化銀への吸着促進基の好ましい例として
は、チオアミド基、メチルカプト基または5ないし6員
の含窒素ヘテロ環基があげられる。
これらはZ1の置換基として述べたもので置換されてい
てもよい。チオアミド基としては好ましくは非環式チア
ミド基(例えばチオウレタン基、チオウレイド基など)
である。
X1のメルカプト基としては、特にヘテロ環メルカプト
基(例えば5−メルカプトテトラゾール、3−メルカプ
ト−1,2,4−トリアゾール,2−メルカプト1,3,4−チアジ
アゾール,2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾールな
ど)が好ましい。
X1で表わされる5ないし6員の含窒素複素環として
は、窒素、酸素、硫黄及び炭素の組合せからなるもの
で、好ましくはイミノ銀を生成するもので例えばベンゾ
トリアゾールやアミノチアゾールがあげられる。
L1で表わされる二価の連結基としては、C、N、S、
Oのうち少なくとも1種を含む原子又は原子団である。
具体的には、例えばアルキレン基、アルケニレン基、ア
ルキニレン基、アリーレン基−O−、−S−、−NH−、
−N=、−CO−、−SO2−(これらの基は置換基をもっ
ていてもよい)、等の単独またはこれらの組合せからな
るものである。
組合せの例としては、 −SO2NH−、 −NHSO2NH−、 アリーレンSO2NH−、 などが好ましい。
電荷バランスのための対イオンYとしては、例えば、
臭素イオン、塩素イオン、沃素イオン、p−トルエンス
ルホン酸イオン、エチルスルホン酸イオン、過塩素酸イ
オン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、チオシア
ンイオンBF4 -イオン,PF6 -イオンなどがあげられる。
一般式〔N−I〕で示される化合物のうち、好ましく
はハロゲン化銀への吸着促進基を有するものであり、特
に、吸着促進基X1としてチオアミド基、アゾール基又は
ヘテロ環メルカプト基である場合がさらに好ましい。
これらの化合物例およびその合成法は、例えば特願昭
62−17,984及び同特許に引用された特許又は文献に記載
されている。
一般式〔N−I〕で表わされる化合物の具体例を以下
にあげるが、本発明はこれらに限定されるわけではな
い。
以上述べた化合物は、例えばリサーチ・ディスクロー
ジャー(Research Disclosure)誌No.22,534(1983年1
月発行、50〜54頁)に引用された特許、及び米国特許第
4,471,044号等に記載された方法及びその類似の方法で
合成できる。
一般式(N−II) (式中、R21は脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を
表わし;R22は水素原子、アルキル基、アラルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はアミ
ノ基を表わし;Gはカルボニル基、スルホニル基、スルホ
キシ基、ホスホリル基、又はイミノメチレン基(HN=C
)を表わし;R23及びR24は共に水素原子か、あるいは
一方が水素原子で他方がアルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基又はアシル基のどれかひとつを表わす。
ただG、R23、R24およびヒドラジン窒素を含めた形でヒ
ドラジン構造(N−N=C)を形成してもよい。ま
た以上述べた基は可能な場合は置換基で置換されていて
もよい。) 一般式(N−II)において、R21で表される脂肪族基
は直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基ま
たはアルキニル基である。
R21で表わされる芳香族基としては、単環又は2環の
アリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基があ
げられる。
R21のヘテロ環としては、N、O、又はS原子のうち
少なくともひとつを含む3〜10員の飽和もしくは不飽和
のヘテロ環であり、これらは単環であってもよいし、さ
らに他の芳香環もしくはヘテロ環と縮合環を形成しても
よい。ヘテロ環として好ましくは、5ないし6員の芳香
族ヘテロ環基であり、例えばピリジル基、キノリニル
基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基などが挙げ
られる。
R21は置換基で置換されていてもよい。置換基として
は、例えば以下のものがあげられる。これらの基は置換
されていてもよい。
例えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルもしくはアリール基、置換アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、
アリールオキシ基、スルフォモイル基、カルバモイル
基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン
原子、シアノ基、スルホ基やカルボキシル基などであ
る。
これらの基は可能なときは互いに連結して環を形成し
てもよい。
R21として好ましいのは、芳香族基、芳香族ヘテロ環
又はアリール置換メチル基であり、更に好ましくはアリ
ール基である。
R22で表わされる基のうち好ましいものは、Gがカル
ボニル基の場合には、水素原子、アルキル基(例えばメ
チル基、トリフルオロメチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基、3−メタンスルホンアミドプロピル基など)、ア
ラルキル(例えばo−ヒドロキシベンジル基など)、ア
リール基(例えばフェニル基、3,5−ジクロロフェニル
基、o−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メタン
スルホニルフェニル基など)であり、特に水素原子が好
ましい。
またGがスルホニル基の場合には、R22はアルキル基
(例えばメチル基など)、アラルキル基(例えばo−ヒ
ドロキシフェニルメチル基など)、アリール基(例えば
フェニル基など)または置換アミノ基(例えばジメチル
アミノ基など)などが好ましい。
R22の置換基としては、R21に関して列挙した置換基が
適用できる他、例えばアシル基、アシルオキシ基、アル
キルもしくはアリールオキシカルボニル基、アルケニル
基、アルキニル基やニトロ基なども適用できる。
これらの置換基は更にこれらの置換基で置換されてい
てもよい。また可能な場合は、これらの基が互いに連結
して環を形成してもよい。
R21又はR22、なかでもR21は、カプラーなどの耐拡散
基、いわゆるバラスト基を含むのが好ましい。このバラ
スト基は炭素原子数8以上で、アルキル基、フェニル
基、エーテル基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、
スルホンアミド基、チオエーテル基などの一つ以上の組
合せからなるものである。
R21又はR22は、一般式(N−II)で表わされる化合物
がハロゲン化銀粒子の表面に吸着するのを促進する基X2
L2 m2を有していてもよい。ここでX2は一般式〔N−
I〕のX1と同じ意味を表わし、好ましくはチオアミド基
(チオセミカルバジド及びその置換体を除く)、メルカ
プト基、または5ないし6員の含窒素ヘテロ環基であ
る。L2は二価の連結基を表わし、一般式〔N−I〕のL1
と同じ意味を表わす。m2は0または1である。
更に好ましいX2は、環状のチアミド基(すなわちメル
カプト置換含窒素ヘテロ環で、例えば2−メルカプトチ
アジアゾール基、3−メルカプト1,2,4−トリアゾール
基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−
1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオ
キサゾール基など)、又は含窒素ヘテロ環基(例えば、
ベンゾトリアゾール基、ベンゾイミダゾール基、インダ
ゾール基など)の場合である。
R23、R24としては水素原子が最も好ましい。
一般式(N−II)のGとしてはカルボニル基が最も好
ましい。
また一般式(N−II)としては、ハロゲン化銀への吸
着基を有するものがより好ましい。特に好ましいハロゲ
ン化銀への吸着基は、先の一般式(N−I)で述べたメ
ルカプト基、環状チオアミド基や含窒素ヘテロ環基であ
る。
一般式(N−II)で示される化合物の具体例を以下に
示す。ただし本発明は以下の化合物に限定されるもので
はない。
本発明で用いられる一般式(N−II)で表わされる化
合物の合成法は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(Resarch Disclosure)誌No.15,162(1976年11月76〜7
7頁)、同誌No.22,534(1983年1月50〜54頁)及び同誌
No.23,510(1983年11月346〜352頁)に記載されている
特許や米国特許第4,080,207号、同第4,269,924号、同第
4,276,364号、などを参照すればよい。
本発明において一般式〔N−I〕及び〔N−II〕で表
わされる化合物を写真感光材料に含有せしめるには、い
ずれの層でもよいがハロゲン化銀乳剤層に含有せしめる
のが好ましい。この使用量に特に制限はないが、ハロゲ
ン化銀乳剤層中の銀1モル当り約1×10-8モルから約1
×10-2モルの範囲が有用で、好ましくは銀1モル当り1
×10-7モルから1×10-3モルである。
本発明の造核促進剤の効果を更に高めるため、下記化
合物を組合せ使用することが好ましい。
ハイドロキノン類、(たとえば米国特許3,227,552
号、4,279,987号記載の化合物);クロマン類(たとえ
ば米国特許4,268,621号、特開昭54−103031号、リサー
チ・ディスクロージャー18264号(1979年)記載の化合
物、);キノン類(たとえばリサーチ・ディスクロージ
ャー21206号(1981年)記載の化合物);アミン類(た
とえば米国特許4150993号や特開昭58−174757号記載の
化合物);酸化剤類(たとえば特開昭60−260039号、リ
サーチ・ディスクロージャー16936号(1978年)記載の
化合物);カテコール類(たとえば特開昭55−21013号
や同55−65944号、記載の化合物);現像時に造核剤を
放出する化合物(たとえば特開昭60−107029号記載の化
合物);チオ尿素類(たとえば特開昭60−95533号記載
の化合物);スピロビスインダン類(たとえば特開昭55
−65944号記載の化合物)。
なお、本発明においては、前記一般式〔N−I〕で表
わされる造核剤を使用することが好ましく、下記(1)
〜(8)の順に示す態様をとることがとくに好ましく、
(8)の場合が最も好ましい。
(1) 置換基としてX1で表わされるハロゲン化銀への
吸着促進基を有する場合。
(2) 前記(1)において、X1で表わされるハロゲン
化銀への吸着促進基がチオアミド基、ヘテロ環メルカプ
ト基又はイミノ銀を生成する含窒素複素環よりなる場
合。
(3) 前記(2)において、Zで完成される複素環が
キノリニウム、イソキノリニウム、ナフトピリジニウ
ム、ベンゾチアゾリウムである場合。
(4) 前記(2)において、Zで完成される複素環が
キノリニウムである場合。
(5) 前記(2)において、R1、R2又はZの置換基と
してアルキニル基を有する場合。
(6) 前記(5)において、R1がプロパルギル基であ
る場合。
(7) 前記(2)において、X1のチオアミド基とし
て、チオウレタン基、またX1のヘテロ環メルカプト基と
てメルカプトテトラゾールである場合。
(8) 前記(6)において、R1がZで完成される複素
環と結合して環を形成する場合。
また、前記一般式〔N−II〕で表わされる造核剤を使
用する場合、下記(1)〜(6)の順に示す態様をとる
ことがとくに好ましく、(7)に示す場合が最も好まし
い。
(1) 置換基としてX2で表わされるハロゲン化銀への
吸着促進基を有する場合。
(2) 前記(1)において、X2で表わされるハロゲン
化銀への吸着促進基が複素環メルカプト基又はイミノ銀
を形成する含窒素複素環である場合。
(3) 前記(2)において、G−R22で示される基が
ホルミル基である場合。
(4) 前記(3)において、R23及びR24が水素原子で
ある場合。
(5) 前記(3)において、R21が芳香族基である場
合。
(6) 前記(2)において、X2で示される複素環メル
カプト基が5−メルカプトテトラゾール又は5−メルカ
プト−1,2,4−トリアゾールである場合。
前記一般式〔N−I〕,〔N−II〕を併用して用いる
こともできる。
本発明における一般式(I a)、(I a′)、(I b)
の化合物について説明する。
一般式(I a)および(I a′)においてR1およびR2
各々同一であっても異なっていてもよく、それぞれアル
キル基(好ましくは炭素原子数1〜8、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
プチル基、など)、置換アルキル基{置換基として例え
ばカルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子
(例えばフツ素原子、塩素原子、臭素原子など)、ヒド
ロキシ基、アルコキシカルボニル基(炭素原子数8以
下、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ベンジルオキシカルボニル基など)、アルコキシ基
(炭素原子数7以下、例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基など)、
アリールオキシ基(例えばフエノキシ基、p−トリルオ
キシ基など)、アシルオキシ基(炭素原子数3以下、例
えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基など)、
アシル基(炭素原子数8以下、例えばアセチル基、プロ
ピオニル基、ベンゾイル基、メシル基など)、カルバモ
イル基(例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバ
モイル基、モルホリノカルバモイル基、ピペリジノカル
バモイル基など)、スルフアモイル基(例えばスルフア
モイル基、N,N−ジメチルスルフアモイル基、モルホリ
ノスルホニル基など)、アリール基(例えばフエニル
基、p−ヒドロキシフエニル基、p−カルボキシフエニ
ル基、p−スルホフエニル基、α−ナフチル基など)な
どで置換されたアルキル基(アルキル部分の炭素原子数
6以下)。但し、この置換基は2つ以上組合せてアルキ
ル基に置換されてよい。}を表わす。
Rは水素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基を
表わす。
R3及びR4は各々水素原子、低級アルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基など)、低級アルコキシ
基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基など)、フエニル基、ベンジル基を表わす。
R5は水素原子、低級アルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基など)、低級アルコキシ基(例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基な
ど)、フエニル基、ベンジル基、 を表わす。ここでW1とW2は各々置換もしくは無置換のア
ルキル基(アルキル部分の炭素原子数1〜18、好ましく
は1〜4、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ベンジル基、フエニルエチル基)、アリール基
(例えばフエニル基、ナフチル基、トリル基、p−クロ
ロフエニル基など)を表わし、W1とW2とは互いに連結し
て5員又は6員の含窒素複素環を形成することもでき
る。
Dは2価のエチレン結合、例えばエチレン又はトリエ
チレンを完成するに必要な原子群を表わし、このエチレ
ン結合は、1個、2個又はそれ以上の適当な基、例えば
炭素原子数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基など)、
ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子など)、ある
いはアルコキシ基(炭素原子数1〜4、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基など)などで置換されていてもよい。
D1及びD2はそれぞれ水素原子を表わす。但し、D1とD2
とが共同して上記Dと同意義の2価のエチレン結合を作
ることもできる。
Z及びZ1は各々5員又は6員の含窒素複素環を完成す
るに必要な非金属原子群を表わし、例えばチアーゾール
核(例えばベンゾチアゾール、4−クロルベンゾチアゾ
ール、5−クロルベンゾチアゾール、6−クロルベンゾ
チアゾール、7−クロルベンゾチアゾール、4−メチル
ベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−
メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾー
ル、6−ブロモベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチ
アゾール、5−フエニルベンゾチアゾール、5−メトキ
シベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、
5−エトキシベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾ
チアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾー
ル、5−フエネチルベンゾチアゾール、5−フルオロベ
ンゾチアゾール、5−トリフルオロメチルベンゾチアゾ
ール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロキ
シ−6−メチルベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾ
チアゾール、4−フエニルベンゾチアゾール、ナフト
〔2,1−d〕チアゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾー
ル、ナフト〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキシナフ
ト〔1,2−d〕チアゾール、、7−エトキシナフト〔2,1
−d〕チアゾール、8−メトキシナフト〔2,1−d〕チ
アゾール、5−メトキシナフト〔2,3−d〕チアゾール
など〕、ゼレナゾール核〔例えばベンゾゼレナゾール、
5−クロルベンゾゼレナゾール、5−メトキシベンゾゼ
レナゾール、5−メチルベンゾゼレナゾール、5−ヒド
ロキシベンゾゼレナゾール、ナフト〔2,1−d〕ゼレナ
ゾール、ナフト〔1,2−d〕ゼレナゾールなど〕、オキ
サゾール核〔ベンゾオキサゾール、5−クロルベンゾオ
キサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−ブロ
ムベンゾオキサゾール、5−フルオロベンゾオキサゾー
ル、5−フエニルベンゾオキサゾール、5−メトキシベ
ンゾオキサゾール、5−トリフルベンゾオキサゾール、
5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、5−カルボキシベ
ンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、6
−クロルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキ
サゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール、4,6−
ジメチルベンゾオキサゾール、5−エトキシベンゾオキ
サゾール、ナフト〔2,1−d〕オキサゾール、ナフト
〔1,2−d〕オキサゾール、ナフト〔2,3−d〕オキサゾ
ールなど〕、キノリン核〔例えば2−キノリン、3−メ
チル−2−キノリン、エチル−2−キノリン、6−メチ
ル−2−キノリン、8−フルオロ−2−キノリン、6−
メトキシ−2−キノリン、6−ヒドロキシ−2−キノリ
ン、8−クロロ−2−キノリン、8−フルオロ−4−キ
ノリンなど〕、3,3−ジアルキルインドレニン核(例え
ば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3−ジエチルインド
レニン、3,3−ジメチル−5−ジアノインドレニン、3,3
−ジメチル−5−メトキシインドレニン、3,3−ジメチ
ル−5−メチルインドレニン、3,3−ジメチル−5−ク
ロルインドレニンなど)、イミダゾール核(例えば、1
−メチルベンゾイミダゾール、1−エチルベンゾイミダ
ゾール、1−メチル−5−クロルベンゾイミダゾール、
1−エチル−5−クロルベンゾイミダゾール、1−メチ
ル−5,6−ジクロルベンゾイミダゾール、1−エチル−
5,6−ジクロルベンゾイミダゾール、1−アルキル−5
−メトキシベンゾイミダゾール、1−メチル−5−シア
ノベンゾイミダゾール、1−エチル−5−シアノベンゾ
イミダゾール、1−メチル−5−フルオロベンゾイミダ
ゾール、1−エチル−5−フルオロベンゾイミダゾー
ル、1−フエニル−5,6−ジクロルベンゾイミダゾー
ル、1−アリル−5,6−ジクロルベンゾイミダゾール、
1−アリル−5−クロルベンゾイミダゾール、1−フエ
ニルベンゾイミダゾール、1−フエニル−5−クロルベ
ンゾイミダゾール、1−メチル−5−トリフルオロメチ
ルベンゾイミダゾール、1−エチル−5−トリフルオロ
ベンゾイミダゾール、1−エチルナフト〔1,2−d〕イ
ミダゾールなど)、ピリジン核(例えばピリジン、5−
メチル−2−ピリジン、3−メチル−4−ピリジンな
ど)等を挙げることができる。これらのうち好ましくは
チアゾール核、オキサゾール核が有利に用いられる。更
に好ましくはベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ナフトオキサゾール核又はベンゾオキサゾール核が
有利に用いられる。
Xは酸アニオンを表わす。
nは1又は2を表わす。
本発明に用いられる4−キノリン核含有ジカルボシア
ニン色素中とくに有用なものは次の一般式(I b)で表
わされる。
一般式(I b) 式中R6とR7はそれぞれR1、R2と同意義を表わす。
R8はR3と同意義を表わす。但しR8は好ましくは低級ア
ルキル基、ベンジル基が有利に用いられる。
Vは水素原子、低級アルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基など)、アルコキシ基(例えばメト
キシ基、エトキシ基、ブトキシ基など)、ハロゲン原子
(例えばフツ素原子、塩素原子など)、置換アルキル基
(例えばトリフロロメチル基、カルボキシメチル基な
ど)を表わす。
Z2はZ及びZ1と同意義を表わす。
X1はXと同意義を表わす。
m、n1、pはそれぞれ1又は2を表わす。
本発明に用いられる増感色素の具体例を以下に示す。
しかし本発明はこれらの増感色素のみに限定されるもの
ではない。
本発明に用いられる上記の赤外増感色素はハロゲン化
銀1モル当り5×10-7モル〜5×10-3モル、好ましくは
1×10-6モル〜1×10-3モル、特に好ましくは2×10-6
モル〜5×10-4モルの割合でハロゲン化銀写真乳剤中に
含有される。
本発明に用いる前記の赤外増感色素は、直接乳剤中へ
分散することができる。また、これらはまず適当な溶
媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチ
ルセロソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれら
の混合溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加
することもできる。また、溶解に超音波を使用すること
もできる。また、前記の赤外増感色素の添加方法として
は米国特許第3,469,987号明細書などに記載のごとき、
色素を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロ
イド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、
特公昭46−24185などに記載のごとき、水不溶性色素を
溶解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散
物を乳剤へ添加する方法;米国特許第3,822,135号明細
書に記載のごとき、界面活性剤に色素を溶解し、該溶液
を乳剤中へ添加する方法;特開昭51−74624号に記載の
ごとき、レツドシフトさせる化合物を用いて溶解し、該
溶液を乳剤中へ添加する方法;特開昭50−80826号に記
載のごとき色素を実質的に水を含まない酸に溶解し、該
溶液を乳剤中へ添加する方法などが用いられる。その
他、乳剤への添加には米国特許第2,912,343号、同第3,3
42,605号、同第2,966,287号、同第3,429,835号などに記
載の方法も用いられる。また上記一般式(I)の赤外増
感色素は適当な支持体上に塗布される前にハロゲン化銀
乳剤中に一様に分散してよいが、勿論ハロゲン化銀乳剤
の調製のどの過程にも分散することができる。
本発明による増感色素に、更に他の増感色素を組合せ
て用いることができる。例えば米国特許第3,703,377
号、同第2,688,545号、同第3,397,060号、同第3,615,63
5号、同第3,628,964号、英国特許第1,242,588号、同第
1,293,862号、特公昭43−4936号、同44−14030号、同43
−10773号、米国特許第3,416,927号、特公昭43−4930
号、米国特許第3,615,613号、同第3,615,632号、同第3,
617,295号、同第3,635,721号などに記載の増感色素を用
いることができる。
本発明に有用な造核促進剤は下記の一般式(II)で表
わされる。
一般式(II) AYnR〕 式中、Aはハロゲン化銀に吸着する基を表わす。ハロ
ゲン化銀に吸着する基としては複素環に結合するメルカ
プト基を有する化合物、イミノ銀生成可能な複素環化合
物またはメルカプト基を有する炭化水素化合物が挙げら
れる。
複素環に結合するメルカプト化合物の例としては例え
ば置換または無置換のメルカプトアゾール類(例えば5
−メルカプトテトラゾール類、3−メルカプト−1,2,4
−トリアゾール類、2−メルカプトイミダゾール類、2
−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール類、5−メルカ
プト−1,2,4−チアジアゾール類、2−メルカプト−1,
3,4−オキサジアゾール類、2−メルカプト−1,3,4−セ
レナジアゾール類、2−メルカプトオキサゾール類、2
−メルカプトチアゾール類、2−メルカプトベンズオキ
サゾール類、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2
−メルカプトベンズチアゾール類、等)、置換または無
置換のメルカプトピリミジン類(例えば、2−メルカプ
トピリミジン類、等)等があげられる。
イミノ銀を形成可能な複素環化合物としては例えばそ
れぞれ置換または無置換のイミダゾール類、ベンズイミ
ダゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズオキサゾー
ル類、ベンズチアゾール類、イミダゾール類、チアゾー
ル類、オキサゾール類、トリアゾール類、テトラゾール
類、アザインデン類、ピラゾール類、インドール類等が
あげられる。
メルカプト基を有する炭化水素化合物としては例えば
アルキルメルカプタン類、アリールメルカプタン類、ア
ルケニルメルカプタン類、アラルキルメルカプタン類等
があげられる。
Yは水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄
原子から選ばれる原子または原子群よりなる2価の連結
基を表わす。2価の連結基としては例えば、−S−、−
O−、 等があげられる。
これらの連結基はAまたは後述する複素環との間に直
鎖または分岐のアルキレン基(例えばメチレン基、エチ
レン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、1
−メチルエチレン基、等)、または置換または無置換の
アリーレン基(フェニレン基、ナフチレン基等)を介し
て結合されていてもよい。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびびR10
水素原子、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチ
ル基、等)、置換もしくは無置換のアリール基(例え
ば、フェニル基、2−メチルフェニル基、等)、置換も
しくは無置換のアルケニル基(例えば、プロペニル基、
1−メチルビニル基、等)、または置換もしくは無置換
のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、
等)を表わす。
Rはチオエーテル基、アミノ基(塩の形も含む)、ア
ンモニウム基、エーテル基またはヘテロ環基(塩の形も
含む)を少なくとも一つ含む有機基を表わす。このよう
な有機基としてはそれぞれ置換または無置換のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基から
選ばれる基と前記の基とが合体したものがあげられる
が、これらの基の組合せであってもよい。例えばジメチ
ルアミノエチル基、アミノエチル基、ジエチルアミノエ
チル基、ジブチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロ
ピル基の塩酸塩、ジメチルアミノエチルチオエチル基、
4−ジメチルアミノフェニル基、4−ジメチルアミノベ
ンジル基、メチルチオエチル基、エチルチオプロピル
基、4−メチルチオ−3−シアノフェニル基、メチルチ
オメチル基、トリメチルアンモニオエチル基、メトキシ
エチル基、メトキシエトキシエトキシエチル基、メトキ
シエチルチオエチル基、3,4−ジメトキシフェニル基、
3−クロル−4−メトキシフェニル基、モルホリノエチ
ル基、1−イミダゾリルエチル基、モルホリノエチルチ
オエチル基、ピロリジノエチル基、ピペリジノプロピル
基、2−ピリジルメチル基、2−(1−イミダゾリル)
エチルチオエチル基、ピラゾリルエチル基、トリアゾリ
ルエチル基、メトキシエトキシエトキシエトキシカルボ
ニルアミノエチル基等があげられる。nは0または1を
表わし、mは1または2を表わす。
一般式(II)で表わされる化合物の内、好ましい化合
物は一般式(III)〜(VIII)で表わされる。
一般式(III) 一般式(III)中、Qは好ましくは炭素原子、窒素原
子、酸素原子、硫黄原子およびセレン原子の少なくとも
一種の原子から構成される5又は6員の複素環を形成す
るのに必要な原子群を表わす。またこの複素環は炭素芳
香環または複素芳香環で縮合していてもよい。
複素環としては例えばテトラゾール類、トリアゾール
類、イミダゾール類、チアジアゾール類、オキサジアゾ
ール類、セレナジアゾール類、オキサゾール類、チアゾ
ール類、ベンズオキサゾール類、ベンズチアゾール類、
ベンズイミダゾール類、ピリミジン類等があげられる。
Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム
原子、カリウム原子、等)、アンモニウム基(例えば、
トリメチルアンモニウム基、ジメチルベンジルアンモニ
ウム基、等)、アルカリ条件下でM=Hまたはアルカリ
金属原子となりうる基(例えば、アセチル基、シアノエ
チル基、メタンスルホニルエチル基、等)を表わす。
また、これらの複素環はニトロ基、ハロゲン原子(例
えば塩素原子、臭素原子等)、メルカプト基、シアノ
基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、
シアノエチル基、等)、アリール基(例えばフェニル
基、4−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メチル
フェニル基、3,4−ジクロルフェニル基、ナフチル基、
等)、アルケニル基(例えばアリル基、等)、アラルキ
ル基(例えばベンジル基、4−メチルベンジル基、フェ
ネチル基、等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニ
ル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基、等)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル
基、メチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、
等)、スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル
基、メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル
基、等)、カルボンアミド基(例えばアセトアミド基、
ベンズアミド基、等)、スルホンアミド基(例えばメタ
ンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、p−
トルエンスルホンアミド基、等)、アシルオキシ基(例
えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、等)、ス
ルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ基、
等)、ウレイド基(例えば無置換のウレイド基、メチル
ウレイド基、エチルウレイド基、フェニルウレイド基、
等)、チオウレイド基(例えば無置換のチオウレイド
基、メチルチオウレイド基、等)、アシル基(例えばア
セチル基、ベンゾイル基、等)、オキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基、等)、オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシ
カルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基、
2−エチルヘキシルオキシカルボニルアミノ基、等)、
カルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩、ヒ
ドロキシル基などで置換されていてもよいが、カルボン
酸またはその塩、スルホン酸またはその塩、ヒドロキシ
ル基で置換されない方が造核促進効果の点で好ましい。
Qで表わされる複素環として好ましいものはテトラゾ
ール類、トリアゾール類、イミダゾール類、チアジアゾ
ール類、オキサジアゾール類、があげられる。
Y、R、m、nは、それぞれ一般式(II)のそれと同
義である。
一般式(IV) 式中、Y、R、m、n、Mは一般式(II)のそれらと
同義であり、Q′はイミノ銀と形成可能な5又は6員の
複素環を形成するのに必要な原子群を表わす。好ましく
は炭素、窒素、酸素、硫黄、セレンが選ばれる5又は6
員の複素環を形成するに必要な原子群を表わす。また、
この複素環は炭素芳香環または複素芳香環として縮合し
ていてもよい。Q′によって形成される複素環として
は、例えばインダゾール類、ベンズイミダゾール類、ベ
ンゾトリアゾール類、ベンズオキサゾール類、ベンズチ
アゾール類、イミダゾール類、チアゾール類、オキサゾ
ール類、トリアゾール類、テトラゾール類、テトラアザ
インデン類、トリアザインデン類、ジアザインデン類、
ピラゾール類、インドール類等があげられる。
一般式(V) 式中、M、R、Y、nは一般式(III)のそれと同義
である。Xは酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表
わすが、硫黄原子が好ましい。
一般式(VI) 式中、R′は水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素
原子、臭素原子、等)、ニトロ基、メルカプト基、無置
換アミノ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、等)、アルケニル基(例
えば、プロペニル基、1−メチルビニル基、等)、アラ
ルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、等)、
アリール基(例えばフェニル基、2−メチルフェニル
基、等)、またはYnRを表わす。
R″は水素原子、無置換アミノ基またはYnRを表
わし、R′、R″がYnRを表わすときは互いに同じ
であっても異なっていてもよい。
ただしR′、R″のうち少なくとも1つはYnRを
表わす。
M、R、Y、nはそれぞれ前記一般式(III)のそれ
ぞれと同義である。
一般式(VII) 式中RはYnRを表わす。ただし、M、R、Y、
nそれぞれ前記一般式(III)のそれぞれと同義であ
る。
一般式(VIII) 式中、R11及びR12は水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子、等)、置換もしくは無置換の
アミノ基(例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、
等)、ニトロ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、等)、アルケニル基
(例えば、プロペニル基、1−メチルビニル基、等)、
アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、
等)またはアリール基(例えばフェニル基、2−メチル
フェニル基、等)を表わす。
M、Rはそれぞれ前記一般式(VII)のそれぞれと
同義である。
以下に本発明の一般式(II)〜(VIII)で表わされる
具体的化合物を示すが、本発明の化合物はこれに限定さ
れるものではない。
本発明で用いられる造核促進剤は、ベリヒテ・デア・
ドイツチエン・ヘミッシエン・ゲゼルシャフト(Berich
te der Deutschen Chmischen Gesellschaft)28、77(1
895)、特開昭50−37436号、同51−3231号、米国特許3,
295,976号、米国特許3,376,310号、ベリヒテ・デア・ド
イツチエン・ヘミッシエン・ゲゼルシャフト(Berichte
der Deutschen Chemischen Gesellschaft)22、568(1
889)、同29、2483(1896)、ジャーナル・オブ・ケミ
カル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.)1932、1806、ジャ
ーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテ
ィ(J.Am.Chem.Soc.)71、4000(1949)、米国特許2,58
5,388号、同2,541,924号、アドバンシイズ・イン・ヘテ
ロサイクリック・ケミストリー(Advances in Heterocy
clic Chemistry)、165(1968)、オーガニック・シ
ンセシス(Organic Synthesis)IV、569(1963)、ジャ
ーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアテ
ィ(J.Am.Chem.Soc.)45、2390(1923)、ヘミシエ・ベ
リヒテ(Chemische Berichte)9、465(1876)、特公
昭40−28496号、特開昭50−89034号、米国特許3,106,46
7号、同3,420,670号、同2,271,229号、同3,137,578号、
同3,148,066号、同3,511,663号、同3,060,028号、同3,2
71,154号、同3,251,691号、同3,598,599号、同3,148,06
6号、特公昭43−4135号、米国特許3,615,616号、同3,42
0,664等、同3,071,465号、同2,444,605号、2,444,606
号、同2,444,607号、同2,935,404号、特願昭62−145932
号に記載された方法で合成できる。
造核促進剤は、感光材料中或いは処理液中に含有させ
ることができるが、感材中なかでも内部潜像型ハロゲン
化銀乳剤層やその他の親水性コロイド層(中間層や保護
層など)中に含有させるのが好ましい。特に好ましいの
はハロゲン化銀乳剤層中又はその隣接層である。
造核促進剤の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-6
10-2モルが好ましく、更に好ましくは10-5〜10-2モルで
ある。
また、造核促進剤を処理液、即ち現像液あるいはその
前浴に添加する場合にはその1当り10-8〜10-3モルが
好ましく、更に好ましくは10-7〜10-4モルである。
本発明にあっては次の一般式(IX)で表わされる化合
物を強色増感効果を更に高める目的及び/又は保存性を
更に高める目的で、使用することができる。
一般式(IX) 式中、−A−は2価の芳香族残基を表わし、これらは
−SO3M基〔但しMは水素原子又は水溶性を与えるカチオ
ン(例えばナトリウム、カリウムなど)を表わす。〕を
含んでいてもよい。
−A−は、例えば次の−A1または−A2−から選ばれた
ものが有用である。但しR9、R10、R11又はR12に−SO3M
が含まれないときは、−A−は−A1−の群の中から選ば
れる。
−A1−: など。ここでMは水素原子、又は水溶性を与えるカチオ
ンを表わす。
−A2−: など。
R9、R10、R11及びR12は各々水素原子、ヒドロキシ
基、低級アルキル基(炭素原子数としては1〜8が好ま
しい、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n
−ブチル基など)、アルコキシ基(炭素原子数としては
1〜8が好ましい、例えばメトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基など)、アリーロキシ基(例え
ばフエノキシ基、ナフトキシ基、o−トロキシ基、p−
スルホフエノキシ基など)、ハロゲン原子(例えば塩素
原子、臭素原子など)、ヘテロ環核(例えばモルホリニ
ル基、ピペリジル基など)、アルキルチオ基(例えばメ
チルチオ基、エチルチオ基など)、ヘテロシクリルチオ
基(例えばベンゾチアゾリルチオ基、ベンゾイミダゾリ
ルチオ基、フエニルテトラゾリルチオ基など)、アリー
ルチオ基(例えばフエニルチオ基、トリルチオ基)、ア
ミノ基、アルキルアミノ基あるいは置換アルキルアミノ
基、(例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ド
デシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、β−ヒドロ
キシエチルアミノ基、ジ−(β−ヒドロキシエチル)ア
ミノ基、β−スルホエチルアミノ基)、アリールアミノ
基、または置換アリールアミノ基(例えばアニリノ基、
o−スルホアニリノ基、m−スルホアニリノ基、p−ス
ルホアニリノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ
基、p−トルイジノ基、o−カルボキシアニリノ基、m
−カルボキシアニリノ基、p−カルボキシアニリノ基、
o−クロロアニリノ基、m−クロロアニリノ基、p−ク
ロロアニリノ基、p−アミノアニリノ基、o−アニシジ
ノ基、m−アニシジノ基、p−アニシジノ基、o−アセ
タミノアニリン基、ヒドロキシアニリノ基、ジスルホフ
エニルアミノ基、ナフチルアミノ基、スルホナフチルア
ミノ基など)、ヘテロシクリルアミノ基(例えば2−ベ
ンゾチアゾリルアミノ基、2−ピラジル−アミノ基な
ど)、置換又は無置換のアラルキルアミノ基(例えばベ
ンジルアミノ基、o−アニシルアミノ基、m−アニシル
アミノ基、p−アニシルアミノ基、など)、アリール基
(例えばフエニル基など)、メルカプト基を表わす。
R3、R4、R5、R6は各々互いに同じでも異つていてもよ
い。−A−が−A2−の群から選ばれるときは、R9
R10、R11、R12のうち少なくとも1つは1つ以上のスル
ホ基(遊離酸基でもよく、塩を形成してもよい)を有し
ていることが必要である。Wは−CH=又は−N=を表わ
し、好ましくは−CH=が用いられる。
次に本発明に用いられる一般式(IX)に含まれる化合
物の具体例を挙げる。但し本発明はこれらの化合物にの
み限定されるものではない。
(IX−1) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(ベンゾチアゾリル
−2−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕スチルベン
−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−2) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(ベンゾチアゾリル
−2−アミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)〕スチル
ベン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−3) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(ナフチル−2−オ
キシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕スチルベン−2,
2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−4) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(ナフチル−2−オ
キシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ビベンジル−2,
2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−5) 4,4′−ビス(4,6−ジアニリノピリミジン
−2−イルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸
ジナトリウム塩 (IX−6) 4,4′−ビス〔4−クロロ−6−(2−ナ
フチルオキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ビフエニ
ル−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−7) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(1−フエニルテト
ラゾリル−5−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ス
チルベン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−8) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(ベンゾイミダゾリ
ル−2−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕スチルベ
ン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−9) 4,4′−ビス〔4,6−ジ(ジフエノキシピリ
ミジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスル
ホン酸ジナトリウム塩 (IX−10) 4,4′−ビス(4,6−ジフエニルチオピリミ
ジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホ
ン酸ジナトリウム塩 (IX−11) 4,4′−ビス(4,6−ジメルカプトピリミジ
ン−2−イルアミノ)ビフエニル−2,2′−ジスルホン
酸ジナトリウム塩 (IX−12) 4,4′−ビス(4,6−ジアニリノ−トリアジ
ン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン
酸ジナトリウム塩 (IX−13) 4,4′−ビス(4−アニリノ−6−ヒドロ
キラ−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,
2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (IX−14) 4,4′−ビス〔4−ナフチルアミノ−6−
アニリノ−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−
2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム これらの具体例の中では(IX−1)〜(IX−12)が好
ましく、特に(IX−1)、(IX−2)、(IX−3)、
(IX−4)、(IX−5)、(IX−7)が好ましい。
一般式(IX)の化合物は乳剤中のハロゲン化銀1モル
当り約0.01グラムから5グラムの量で有利に用いられ
る。
前述した本発明の赤外増感色素と、一般式(IX)で表
わされる化合物との比率(重量比)は、赤外増感色素/
一般式(IX)で表わされる化合物=1/1〜1/100の範囲が
有利に用いられ、とくに1/2〜1/50の範囲が有利に用い
られる。
本発明に用いられる一般式(IX)で表わされる化合物
は直接乳剤中へ分散することができるし、また適当な溶
媒(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチ
ルセロソルブ、水など)あるいはこれらの混合溶媒中に
溶解して乳剤へ添加することもできる。その他増感色素
の添加方法に準じて溶液あるいはコロイド中への分散物
の形で乳剤中へ添加することができる。また特開昭50−
80119号公報に、記載の方法で乳剤中へ分散添加するこ
ともできる。
本発明においては、更に次の一般式(X)の化合物を
組合せて用いることができる。
一般式(X) 式中Z3は5員又は6員の含窒素複素環を完成するに必
要な非金属原子群を表わし、例えばチアゾリウム類{例
えばチアゾリウム、4−メチルチアゾリウム、ベンゾチ
アゾリウム、5−メチルベンゾチアゾリウム、5−クロ
ロベンゾチアゾリウム、5−メトキシベンゾチアゾリウ
ム、6−メチルベンゾチアゾリウム、6−メトキシベン
ゾチアゾリウム、ナフト〔1,2−d〕チアゾリウム、ナ
フト〔2,1−d〕チアゾリウムなど}、オキサゾリウム
類{例えばオキサゾリウム、4−メチルオキサゾリウ
ム、ベンゾオキサゾリウム、5−クロロベンゾオキサゾ
リウム、5−フエニルベンゾオキサゾリウム、5−メチ
ルベンゾオキサゾリウム、ナフト〔1,2−d〕オキサゾ
リウムなど}、イミダゾリウム類(例えば1−メチルベ
ンツイミダゾリウム、1−プロピル−5−クロロベンツ
イミダゾリウム、1−エチル−5,6−ジクロロベンツイ
ミダゾリウム、1−アリル−5−トリクロロメチル−6
−クロロ−ベンツイミダゾリウムなど)、セレナゾリウ
ム類〔例えばベンゾセレナゾリウム、5−クロロベンゾ
セレナゾリウム、5−メチルベンゾセレナゾリウム、5
−メトキシベンゾセレナゾリウム、ナフト〔1,2−d〕
セレナゾリウムなど〕などを表わす。R13は水素原子、
アルキル基(炭素原子数8以下、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基など)、アル
ケニル基(例えばアリル基など)を表わす。R14は水素
原子、低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基な
ど)を表わす。X2は酸アニオン(例えばCl-、Br-、I-
ClO4−、p−トルエンスルホン酸など)、Z3の中で好ま
しくはチアゾリウム類が有利に用いられる。更に好まし
くは置換又は無置換のベンゾチアゾリウム又はナフトチ
アゾリウムが有利に用いられる。
一般式(X)で表わされる化合物の具体例を以下に示
す。しかし本発明はこれらの化合物のみに限定されるも
のではない。
上記一般式(X)で表わされる化合物は、乳剤中のハ
ロゲン化銀1モル当り約0.01グラムから5グラムの量で
有利に用いられる。
前述した本発明の赤外増感色素と、一般式(X)で表
わされる化合物との比率(重量比)は、本発明の赤外増
感色素/一般式(X)で表わされる化合物=1/1〜1/300
の範囲が有利に用いられ、とくに1/2〜1/50の範囲が有
利に用いられる。
本発明で用いられる一般式(X)で表わされる化合物
は、直接乳剤中へ分散することができるし、また適当な
溶媒(例えば水、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロパノール、メチルセロソルブ、アセトンなど)
あるいはこれらの溶媒を複数用いた混合溶媒中に溶解
し、乳剤中へ添加することもできる。その他増感色素の
添加方法に準じて溶液あるいはコロイド中への分散物の
形で乳剤中へ添加することができる。
一般式(X)で表わされる化合物は、前述した本発明
の赤外増感色素の添加よりも先に乳剤中へ添加されても
よいし、あとに添加されてもよい。また一般式(X)の
化合物と赤外増感色素とを別々に溶解し、これらを別々
に同時に乳剤中へ添加してもよいし、混合したのち乳剤
中へ添加してもよい。
本発明に於いて用いられるハレーシヨン防止染料及び
/又はイラジエーシヨン防止染料としてはオキソノール
染料、ヘミオキソノール染料、メロシアニン染料、シア
ニン染料、アゾ染料などのうち750nm以上の長波長に実
質的な吸収を有する染料が用いられる。具体的には次の
一般式(XI a)〜(XI d)で表わされる染料のうち750n
m以上の長波長光に実質的な吸収を有する染料が有利に
用いられる。
一般式(XI a) 一般式(XI b) 一般式(XI c) 一般式(XI d) 式中、Q及びQ1は各々同一でも異つていてもよく、そ
れぞれピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール
酸、イソオキサゾロン、3−オキシチオナフテン、又は
1,3−インダンジオンを完成するに必要な原子群を表わ
す。Q2はピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビツー
ル酸、イソオキサゾロン、3−オキシナフテン、1,3−
インダンジオン、2−チオオキサゾリジオン、ローダニ
ン、チオヒダントインを完成するに必要な原子群を表わ
す。Z4はベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾ
オキサゾール、ナフトオキサゾールを完成するに必要な
比金属原子群を表わす。R0は水素原子、ハロゲン原子、
低級アルキル基を表わす。R15は置換又は無置換のアル
キル基を表わす。W0、W1、W2、W3及びR4は各々水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホ基カルボキシ
基を表わす。但し、W1とW2、W3とW4はそれぞれ連結して
ベンゼン環を形成してもよい。V1、V2及びV3は各々同一
でも異つていてもよく、それぞれアルキル基、置換アル
キル基を表わす。V4はスルホ基又はカルボキシ基を表わ
す。n2は2又は3を、n3は1又は2を、n4は3又は4
を、n5及びn6はそれぞれ1、2又は3を、n7は2、3又
は4をそれぞれ表わす。
上記のうちでも特に(XI d)で表わされる染料が好ま
しい。
上記の一般式(XI a)〜(XI d)で表わされる染料の
他に、更に他の染料を併用してもよい。併用される染料
としては、例えば米国特許第2,274,782号に記載のピラ
ゾロンオキソノール染料、米国特許第2,956,879号に記
載のジアリールアゾ染料、米国特許第3,423,207号、同
第3,384,487号に記載のスチリル染料やブタジエニル染
料、米国特許第2,527,583号に記載のメロシアニン染
料、米国特許第3,486,897号、同第3,652,284号、同第3,
718,472号に記載のメロシアニン染料やオキソノール染
料、米国特許第3,976,661号に記載のエナミノヘミオキ
ソノール染料及び英国特許第584,609号、同第1,177,429
号、特開昭48−85130号、同49−99,620号、同49−114,4
20号、米国特許第2,533,472号、同第3,148,187号、同第
3,177,078号、同第3,247,127号、同第3,540,887号、同
第3,575,704号、同第3,653,905号に記載の染料が用いら
れうる。
その他、本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、ポ
リオキシエチレン誘導体(英国特許第981,470号、特公
昭31−6475号、米国特許第2,716,062号など)、ポリオ
キシプロピレン誘導体、4級アンモニウム基をもつ誘導
体などの増感剤を含んでいてもよい。
本発明には好ましくはポリアルキレンオキサイド化合
物例えば炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、たとえ
ばエチレンオキサイド、プロピレン−1,2−オキサイ
ド、ブチレン−1,2−オキサイドなど、好ましくはエチ
レンオキサイドの少なくも10単位から成るポリアルキレ
ンオキサイドと、水、脂肪族アルコール、芳香族アルコ
ール、脂肪酸、有機アミン、ヘキシトール誘導体などの
活性水素原子を少なくとも1個有する化合物との縮合物
あるいは二種以上のポリアルキレンオキサイドのブロッ
クコポリマーなどを用いることができる。すなわち、ポ
リアルキレンオキサイド化合物として、具体的には、 ポリアルキレングリコール類 ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類 ポリアルキレングリコールアリールエーテル類 ポリアルキレングリコール(アルキルアリール)エーテ
ル類 ポリアルキレングリコールエステル類 ポリアルキレングリコール脂肪酸アミド類 ポリアルキレングリコールアミン類 ポリアルキレングリコール・ブロック共重合体 ポリアルキレングリコールグラフト重合物 などを用いることができる。分子量は600以上であるこ
とが必要である。
ポリアルキレンオキサイド鎖は分子中に一つとは限ら
ず、二つ以上含まれてもよい。その場合個々のポリアル
キレンオキサイド鎖が10より少ないアルキレンオキサイ
ド単位から成ってもよいが、分子中のアルキレンオキサ
イド単位の合計は少なくとも10でなければならない。分
子中に二つ以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有する
場合、それらの各々は異なるアルキレンオキサイド単
位、たとえばエチレンオキサイドとプロピレンオキサイ
ドから成っていてもよい。本発明で用いるポリアルキレ
ンオキサイド化合物は、好ましくは14以上100までのア
ルキレンオキサイド単位を含むものである。
本発で用いるポリアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、例えば特開昭50−156423号、特開昭52−10
8130号および特開昭53−3217号に記載されたポリアルキ
レンオキサイド化合物を用いることができる。これらの
ポリアルキレンオキサイド化合物は一種類のみを用いて
も、二種類以上組合せて用いてもよい。
これらのポリアルキレンオキサイド化合物をハロゲン
化銀乳剤に添加する場合には、適当な濃度の水溶液とし
てあるいは水と混合しうる低沸点の有機溶媒に溶解し
て、塗布前の適当な時期、好ましくは、化学熟成の後に
乳剤に添加することができる。本発明に用いられるポリ
アルキレンオキシド化合物は1×10-5モルないし1×10
-2モルの範囲が望ましい。
本発明に用いる予めかぶらされていない内部潜像型ハ
ロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀粒子の表面が予めかぶら
されてなく、しかも潜像を主として粒子内部に形成する
ハロゲン化銀を含有する乳剤であるが、更に具体的に
は、ハロゲン化銀乳剤を透明支持体上に一定量塗布し、
これに0.01ないし10秒の固定された時間で露光を与え下
記現像液A(内部型現像液)中で、20℃で6分間現像し
たとき通常の写真濃度測定方法によって測られる最大濃
度が、上記と同量塗布して同様にして露光したハロゲン
化銀乳剤を下記現像液B(表面型現像液)中で18℃で5
分間現像した場合に得られる最大濃度の、少なくとも5
倍大きい濃度を有するものが好ましく、より好ましくは
少なくとも10倍大きい濃度を有するものである。
表面現像液B メトール 2.5g l−アスコルビン酸 10 g NaBO2・4H2O 35 g KBr 1 g 水を加えて 1 内部現像液A メトール 2 g 亜硫酸ソーダ(無水) 90 g ハイドロキノン 8 g 炭酸ソーダ(一水塩) 52.5g KBr 5 g KI 0.5g 水を加えて 1 同潜型乳剤の具体例としては例えば、英国特許第1011
062号、米国特許第2,592,250号、および、同2,456,943
号に明細書に記載されているコンバーション型ハロゲン
化銀乳剤やコア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を挙げる事
ができ、該コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤としては、
特開昭47−32813号、同47−32814号、同52−134721号、
同52−156614号、同53−60222号、同53−66218号、同53
−66727号、同55−127549号、同57−136641号、同58−7
0221号、同59−208540号、同59−216136号、同60−1076
41号、同60−247237号、同61−2148号、同61−3137号、
特公昭56−18939号、同58−1412号、同58−1415号、同5
8−6935号、同58−108528号、特願昭61−36424号、米国
特許3206313号、同3317322号、同3761266号、同3761276
号、同3850637号、同3923513号、同4035185号、同43954
78号、同4504570号、ヨーロッパ特許0017148号、リサー
チディスクロージャー誌RD16345号(1977年11月)など
に記載の乳剤が挙げられる。
ハロゲン化銀の組成としては、塩化銀、臭化銀のほか
に、混合ハロゲン化銀、例えば塩臭化銀、塩沃臭化銀、
沃臭化銀などが代表的である。本発明に好ましく使用さ
れるハロゲン化銀は、沃化銀を含まないか含んでも3%
モル以下の塩(沃)臭化銀、(沃)塩化銀または(沃)
臭化銀である。
ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(球状もしくは球
に近い粒子の場合は粒子直径を、立方体粒子の場合は、
稜長をそれぞれ粒子サイズとし投影面積にもとずく平均
であらわす)は、2μ以下で0.1μ以上が好ましいが、
特に好ましいのは1μ以下0.15μ以上である。粒子サイ
ズ分布は狭くても広くてもいずれでもよいが。粒状性や
鮮鋭度等の改良のために粒子数あるいは重量で平均粒子
サイズの±40%以内(より好ましくは±30%以内、最も
好ましくは±20%以内)に全粒子の90%以上、特に95%
以上が入るような粒子サイズ分布の狭い、いわゆる「単
分散」ハロゲン化銀乳剤を本発明に使用するのが好まし
い。また感光材料が目標とする階調を満足させるため
に、実質的に同一の感色性を有する乳剤層において粒子
サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲン化銀乳剤もし
くは同一サイズで感度の異なる複数の粒子を同一層に混
合または別層に重層塗布することができる。さらに2種
類以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と
多分散乳剤との組合わせを混合あるいは重層して使用す
ることもできる。
本発明に使用するハロゲン化銀粒子の形は立方体、八
面体、十二面体、十四面体の様な規則的(regular)な
結晶体を有するものでもよく、また球状などのような変
則的(irregular)な結晶形をもつものでもよく、また
はこれらの結晶形の複合形をもつものでもよい。また平
板状粒子でもよく、特に長さ/厚みの比の値が5以上と
くに8以上の平板粒子が、粒子の全投影面積の50%以上
を占める乳剤を用いてもよい。これら種々の結晶形の混
合から成る乳剤であってもよい。
本発明に使用するハロゲン化銀乳剤は、粒子内部また
は表面に硫黄もしくはセレン増感、還元増感、貴金属増
感などの単独もしくは併用により化学増感することがで
きる。
本発明の感光材料には、感光材料の製造工程、保存中
あるいは写真処理中のカブリを防止しあるいは写真性能
を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させること
ができる。すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾリ
ウム塩、ニトロインダゾール類、クロロベンズイミダゾ
ール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチア
ゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプト
チアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾチア
ゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、など;メルカ
プトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;たとえば
オキサゾリンチオンのようなチオケト化合物;アザイン
デン類、たとえばトリアザインデン類;テトラアザイン
デン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラザ
インデン類)、ペンタアザインデン類など;ベンゼンチ
オスルフォン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスル
フォン酸アミド等のようなカブリ防止剤または安定剤と
して知られた多くの化合物を加えることができる。
本発明の写真感光材料の写真乳剤層には感度上昇、コ
ントラスト上昇、または現像促進の目的で、たとえばポ
リアルキレンオキシドまたはそのエーテル、エステル、
アミンなどの誘導体、チオエーテル化合物、チオモルフ
ォリン類、四級アンモニウム塩化合物、ウレタン誘導
体、尿素誘導体、イミダゾール誘導体、やジヒドロキシ
ベンゼン類や3−ピラゾリドン類等の現像主薬を含んで
も良い。なかでもジヒドロキシベンゼン類(ハイドロキ
ノン、2−メチルハイドロキノン、カテコールなど)や
3−ピラゾリドン類(1−フェニル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドンなど)が好ましく、通常5g/m2以下
で用いられる。ジヒドロキシベンゼン類の場合は、0.01
〜1g/m2がより好ましく、3−ピラゾリドン類の場合
は、0.01〜0.2g/m2がより好ましい。
本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コロイドには
無機または有機の硬膜剤を含有してよい。例えば活性ビ
ニル(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−
トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテ
ル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニ
ル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合物
(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンな
ど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、N−コ
ルバモイルピリジニウム塩類(〔1−モルホリ〕カルボ
ニル−3−ピリジニオ)メタンスルホナートなど)、ハ
ロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジノ
メチレン)ピロリジニウム、2−ナフタレンスルホナー
トなど)を単独または組合せて用いることができる。な
かでも、特開昭53−41220、同53−57257、同59−16254
6、同60−80846に記載の活性ビニル化合物および米国特
許3,325287号に記載の活性ハロゲン化物が好ましい。
本発明を用いて作られる感光材料の写真乳剤層または
他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ
性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良(例え
ば、現像促進、硬調化、増感)等種々の目的で、種々の
界面活性剤を含んでもよい。
例えばサポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサ
イド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポ
リエチレングリコールアルキルエーテル類又はポリエチ
レングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチ
レングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソ
ルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキ
ルアミン又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキ
サイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えばアルケ
ニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリ
グリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖
のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;ア
ルキルカルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフ
ォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エ
ステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン酸、スル
ホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルリン酸エステル類などのような、カルボキシ
基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸
類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸
又はリン酸エステル類、アルキルベタイン酸、アミンオ
キシド類などの両性界面活性剤;アルキルアミン塩類、
脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウ
ム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又は
スルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いるこ
とができる。
また、帯電防止のためには特開昭60−80849号などに
記載された含フッ素系界面活性剤を用いることが好まし
い。
本発明の写真感光材料には写真乳剤層その他の親水性
コロイド層に接着防止の目的でシリカ、酸化マグネシウ
ム、硫酸バリウムストロンチウム、ポリメチルメタクリ
レート等のマット剤を含むことができる。
本発明で用いられる感光材料には膜物性改良の目的で
水不溶または難溶性合成ポリマーの分散物を含むことが
できる。たとえばアルキル(メタ)アクリレート、アル
コキシアクリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、などの単独もしくは組合わせ、また
はこれらとアクリル酸、メタアクリル酸、などの組合せ
を単量体成分とするポリマーを用いることができる。
写真乳剤の結合剤または保護コロイドとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロ
イドも用いることができる。たとえばゼラチン誘導体、
ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニル
ピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成
親水性高分子物質を用いることができる。
ゼラチンとしては石炭処理ゼラチンのほか、酸処理ゼ
ラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、ゼラチン
酵素分解物も用いることができる。
本発明で用いられるハロゲン化銀乳剤層には、アルキ
ルアクリレートの如きポリマーラテックスを含有せしめ
ることができる。
本発明の感光材料の支持体としてはセルローストリア
セテート、セルロースジアセテート、ニトロセルロー
ス、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを
用いうることができる。特にCOMフィルムは、アンチス
タチック性にすぐれていることが重要であり導電性のよ
い支持体が好ましい。
本発明の感光材料を現像するには、知られている種々
の現像主薬を用いることができる。すなわちポリヒドロ
キシベンゼン類、たとえばハイドロキノン、2−クロロ
ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、カテコー
ル、ピロガロールなど;アミノフェノール類、たとえば
p−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノ
ール、2,4−ジアミノフェノールなど;3−ピラゾリドン
類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン類、1−フ
ェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾ
リドン、5,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン類;アスコルビン酸類などの、単独又は組合せを用
いることができる。具体的には、特願昭56−154116号明
細書に記載されている現像液などが使用できる。
又、色素形成カプラーの存在下に色素像を得るには、
芳香族一級アミン現像主薬、好ましくはp−フェニレン
ジアミン系の現像主薬を用いることができる。その具体
例は、4−アミノ−3−メチル−N,N−ジメチルアニリ
ンハイドロクロライド、N,N−ジエチル−p−フェニレ
ンジアミン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−(メタン−スルホアミド)エチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−スルホエ
チル)アニリン、3−エトキシ−4−アミノ−N−エチ
ル−N−(β−スルホエチル)アニリン、4−アミノ−
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリンで
ある。このような現像薬は、アルカリ性処理組成物(処
理要素)の中に含ませてもよいし、感光要素の適当な層
に含ませてもよい。
本発明においてDRR化合物を用いる場合、これをクロ
ス酸化できるものであれば、どのようなハロゲン化銀現
像薬でも使用することができる。
現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、アスコルビン酸、レダクトン類(たとえばピ
ペリジノヘキソースレダクトン)などを含んでもよい。
本発明の感光材料は、表面現像液を用いて現像するこ
とにより直接ポジ画像を得ることができる。表面現像液
はそれによる現像過程が実質的に、ハロゲン化銀粒子の
表面にある潜像又はカブリ核によって誘起されるもので
ある。ハロゲン化銀溶解剤を現像液に含まないことが好
ましいけれども、ハロゲン化銀粒子の表面現像中心によ
る現像が完結するまでに内部潜像が実質的に寄与しない
限り、ハロゲン化銀溶解剤(たとえば亜硫酸塩)を含ん
でもよい。
現像液にはアルカリ剤及び緩衝剤として水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、リン酸3ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム等を含
んでよい。これらの薬剤(agents)の含有量は、現像液
のpHを10〜12、好ましくはpH11.5以下、より好ましくは
pH11.0以下とするように選ぶ。
現像液にはベンジルアルコールなどの発色現像促進剤
を含んでもよい。現像液にはまた直接ポジ画像の最小濃
度をより低くするために、たとえばベンズイミダゾール
類、たとえば5−ニトロベンズイミダゾール;ベンゾト
リアゾール類、たとえばベンゾトリアゾール、5−メチ
ル−ベンゾトリアゾール等、通常カブリ防止剤として用
いられる化合物を含むことが有利である。
(実施例) 次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1 下記の方法により乳剤Aを調製した。
乳剤A 臭化カリウムの水溶液と硝酸銀の水溶液を1,8−ジヒ
ドロキシ−3,6−ジチアオクタン溶剤の存在下ゼラチン
水溶液に激しく撹拌しながら75℃で5分を要して同時に
添加し、平均粒子径が0.15μmの八面体臭化銀乳剤を得
た。溶液のpAgを8.20に調節した後、この乳剤に銀1モ
ル当りそれぞれ115mgのチオ硫酸ナトリウム及び塩化金
酸(4水塩)を加え75℃で50分間加熱することにより化
学増感処理を行なった。こうして得た臭化銀粒子をコア
として、第1回目の沈澱環境と同様にただし溶液のpAg
が7.50になるようにコントロールしながら40分間処理す
ることによりさらに成長させ、最終的に平均粒子型0.25
μmの立方体単分散コア/シェル臭化銀乳剤を得た。水
洗・脱塩後この乳剤に銀1モル当りそれぞれ3.4mg量の
チオ硫酸ナトリウム及び塩化金酸(4水塩)を加え75℃
で60分間加熱して化学増感処理を行い、内部潜像型ハロ
ゲン化銀乳剤Aを得た。
乳剤Aを分割して本発明の増感色素、造核剤、造核促
進剤を表1のように添加し安定剤としてAg1モルあたり
1×10-3モルの4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3,3a
−テトラザインデン、次に5×10-4モルの化合物(IX−
1),1×10-4モルの化合物(X−3)および下記構造式
で表わされる染料(5mg/m2)さらに、硬膜剤として1,
3−ジビニルスルホニル−2−プロパノールを添加し
た。一方、表面保護層用のゼラチン溶液にマット剤とし
て平均粒径1.0μmの硫酸バリウムストロンチウム,ハ
イドロキノン50mg/m2,塗布助剤としてp−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダおよび下記構造式のF系界面活
性剤を添加し乳剤層と共に同時塗布法によりポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上にAg量1.6g/m2になるよう
に塗布し試料1〜7を作成した。
これらの試料をキセノンフラッシュ光源に780nmの干
渉フィルターをつけて、10-5秒間連続ウェッジを介して
露光した。各試料をKodak社のプロスタープラス現像液
を用いて、35℃30秒間現像を行ない常法に従って停止、
定着、水洗し、ポジ画像を得た。
得られた結果を第2表に示す。表中においてDmaxは反
転像の最大濃度を、Dminは最小濃度を、またSp−dfは中
点感度を意味する。中点感度は、 の濃度を与える基準値からのlog E値で定義する。基準
値は、log E値が大きい程感度が高くなるように選ん
だ。またΔlog E0.2はDmin+0.2の濃度を与える反転感
度とDmin+0.2の濃度を与える再反転ネガ感度の差をlog
E値の差で定義したもので感度幅と呼ぶ。定義から明ら
かなように感度幅が大きいことは、再反転ネガが現れに
くいことを意味する。比較試料No.1は反転特性を示さ
ず。比較試料No.2〜No.4は、Dmaxが低くDminも高くΔlo
gE 0.2も小さい。No.1〜No.4においてそれぞれの添加物
の添加量を多少変化させても著しい良化は観察されなか
った。No.1〜No.4に比べて本発明の態様であるNo.5〜N
o.7はDmax,Dmin,Sp−df,ΔlogE 0.2のすべての点で著し
く良好な写真性能を示すことが理解される。
実施例2 下記の方法により乳剤Bを調製した。
乳剤B 臭化カリウムの水溶液と硝酸銀の水溶液を1,8−ジヒ
ドロキシ−3,6−ジチアオクタン溶剤の存在下、ゼラチ
ン水溶液に激しく撹拌しながら75℃で5分を要して同時
に添加し、平均粒子径が0.15μmの八面体臭化銀乳剤を
得た。溶液のpAgを8.20に調節した後この乳剤に銀1モ
ル当りそれぞれ38mgのチオ硫酸ナトリウム及び塩化金酸
(4水塩)を加え75℃で50分間加熱することにより化学
増感処理を行なった。こうして得た臭化銀粒子をコアと
して、第1回目の沈澱環境と同様にただし溶液のpAg
が、それぞれ8.20及び7.70になるようにコントロールし
ながら、40分間処理することによりさらに成長させ、最
終的に平均粒子径0.25μmの八面体及び十四面体単分散
コア/シェル臭化銀乳剤を得た。水洗・脱塩後この乳剤
に銀1モル当りそれぞれ6.0mg量のチオ硫酸ナトリウム
及び塩化金酸(4水塩)を加え75℃で60分間加熱して化
学増感処理を行い、内部潜像型ハロゲン化銀乳剤B−1
及びB−2を得た。
Journal of Imaging Science.29:165(1985)に記載
された方法で、各々の乳剤に含まれる全粒子の表面にお
いて100面の占める割合を測定した。また他の面は(11
1)面であった。
乳剤Aの代わりに、上記乳剤B−1及びB−2および
構造式の染料の代わりに下記構造式の染料を用いた
以外は実施例1と同様の実験を行った。結果を第3表に
示す。
第3表より明らかなように本発明の造核剤、造核促進
剤、増感色素を含むサンプルは、八面体または十四面体
粒子の場合でも比較試料に比べてDmaxが高く、Dminが低
く、sp−dfが高く、Δlog E0.2が大きいすぐれた直接ポ
ジ特性を示すことがわかった。
(実施例3) 実施例1で用いた増感色素(I−1)の代わりにI−
6,I−12,I b−3、I b−12を用いた場合にも実施例1と
同様な結果が得られた。
実施例4 実施例1で用いたサンプルを、実施例1と同様の露光
を行った後、下記現像液を用いて35℃で30秒間現像を行
い、常法に従って停止、定着、水洗したところ実施例1
〜3 と同様のすぐれたポジ特性が得られた。このことから本
発明の直接ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料はすぐれた
処理液適性を有することが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−10160(JP,A) 特開 昭63−47766(JP,A) 特開 昭63−8740(JP,A) 特開 昭59−191032(JP,A) 特開 昭62−192736(JP,A) 特開 昭62−299838(JP,A) 国際公開88/1402(WO,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予めかぶらされていない内部潜像型ハロゲ
    ン化銀粒子を含有する写真乳剤層を有する直接ポジ用ハ
    ロゲン化銀感光材料を像様露光後、現像処理して直接ポ
    ジ画像を形成する方法において、該写真乳剤層又はその
    他の親水性コロイド層中に造核剤及び該乳剤層中に下記
    一般式(I a)、(I a′)及び(I b)で表わされる赤
    外分光増感色素から選ばれる少なくとも1つの赤外分光
    増感色素を含有し、かつ該現像処理を造核促進剤の存在
    下で行うことを特徴とする直接ポジ画像の形成方法。 一般式(I a) 一般式(I a′) 式中、R1及びR2は各々同一であっても異なっていてもよ
    く、それぞれアルキル基、置換アルキル基を表わす。 Rは水素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基を表
    わす。 R3及びR4は各々水素原子、低級アルキル基、フェニル
    基、ベンジル基を表わす。 R5は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フ
    ェニル基、ベンジル基、 を表わす。ここでW1とW2は各々置換もしくは無置換のア
    ルキル基、アリール基を表わし、W1とW2とは互いに連結
    して5員または6員の含窒素複素環を形成することもで
    きる。 Dは2価のエチレン結合を完成するに必要な原子群を表
    わし、このエチレン結合は1個、2個又はそれ以上の基
    で置換されていてもよい。 D1及びD2はそれぞれ水素原子を表わす。但しD1とD2とが
    共同して上記Dと同意義の2価のエチレン結合を作るこ
    ともできる。 Z及びZ1は各々5員又は6員の含窒素複素環を完成する
    に必要な非金属原子群を表わす。 Xは酸アニオンを表わす。 nは1又は2を表わす。 一般式(I b) 式中R6とR7はそれぞれR1、R2と同意義を表わす。 R8はR3と同意義を表わす。 Vは水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
    ン基、置換アルキル基を表わす。 Z2はZ及びZ1と同意義を表わす。 X1はXと同意義を表わす。 m,n1,pはそれぞれ1又は2を表わす。
  2. 【請求項2】造核促進剤が下記一般式(II)で表わされ
    ることを特徴とする請求項第1項記載の直接ポジ画像の
    形成方法。 一般式(II) AYnB〕 式中、Aはハロゲン化銀に吸着する基を表わし、Yは水
    素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から
    選ばれた原子または原子群よりなる2価の連結基を表わ
    し、Bはチオエーテル基、アミノ基、アンモニウム基、
    エーテル基またはヘテロ環基を少なくとも1つ含む有機
    基を表わす。nは0または1を表わし、mは1または2
    を表わす。
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