JP2583257B2 - インシュリン向性ホルモン - Google Patents

インシュリン向性ホルモン

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JP2583257B2 JP62502896A JP50289687A JP2583257B2 JP 2583257 B2 JP2583257 B2 JP 2583257B2 JP 62502896 A JP62502896 A JP 62502896A JP 50289687 A JP50289687 A JP 50289687A JP 2583257 B2 JP2583257 B2 JP 2583257B2
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    • C07K14/605Glucagons

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 産業上の利用分野 本発明は、プレホルモン、プログルカゴンのある種の
ペプチドフラグメントがホルモン様活性を有し、ホルモ
ン、即ちインシュリンの合成および分泌を刺激するのに
使用し得るという発見に関するものである。これらのペ
プチドフラグメントは、糖尿病の治療に有用である。
従来技術と発明が解決すべき課題 膵臓の島(ランゲルハンス島)細胞における内分泌は
血液−骨代謝(グルコース、アミノ酸、カテコールアミ
ン等)のみならず、局所のパラクリンの影響等、複雑な
コントロール下にある。主な膵島ホルモン(グルカゴ
ン、インシュリンおよびソマトスタチン)は、それらに
特異的な細胞型(夫々、A、BおよびD型細胞)の間で
相互作用し、代謝物質によって伝達(mediate)される
分泌応答を変調(modulate)する。インシュリン分泌
は、血中の糖(グルコース)濃度によって優先的にコン
トロールされているが、グルカゴンおよびソマトスタチ
ンもグルコースによって伝達されるインシュリンの分泌
応答を、夫々、刺激および抑制する。既に提案されてい
るインシュリン分泌に対する島内のパラクリン制御以外
に、腸内にもインシュリン向性因子が存在することを示
す証拠がある。この概念は、経口摂取されたグルコース
のインシュリン分泌刺激作用が、同等量の静脈内投与さ
れたグルコースに比べてはるかに強いという観察結果に
基いている。
ヒトホルモン、グルカゴンは、膵A細胞で産生される
29アミノ酸のペプチドホルモンである。このホルモン
は、セクレチン、胃酸抑制性ペプチド、血管作用性腸ペ
プチドおよびグリセンチン等、構造上、似通ったペプチ
ドの、マルチ遺伝子ファミリーに属している。これらの
ペプチドは、炭水化物代謝、胃腸の運動性、および分泌
工程等を様々に制御している。しかしながら、膵グルカ
ゴンの基本的な作用として認識されているのは、グリコ
ーゲン分解と糖新生の促進作用であり、その結果として
の血中糖濃度上昇作用である。このことに関連し、グル
カゴンの作用はインシュリンと反対の制御効果を顕し、
糖尿病を伴った高血糖症をもたらすことになる[Diabet
esmellitus、ルンドら(Lund,P.K.)Proc.Natl.Acad.Sc
i.,USA 79−349(1982)]。
グルカゴンは、インシュリン産生細胞の表面に存在す
る特異的リセプターと結合し得ることが見出された。こ
れらのリセプターと結合すると、グルカゴンは該細胞を
刺激してcAMPの迅速な合成をもたらす。次いで、cAMP
が、インシュリン発現を刺激することが見出された[コ
ーマンら(Korman,L.Y.)、Diabetes、34:717−722(19
85)]。インシュリンはグルカゴン合成阻害作用を有す
る[Review of Medical Physiology、ゲノング(Genon
g,W.F.)、1979、Lange出版、ロス・アトラス、カリフ
ォルニア、p.273]。このように、グルカゴンの発現
は、インシュリンにより、究極的には血中糖濃度によ
り、注意深く制御されている。
グルカゴンの遺伝子は、まず、630塩基対の前駆体が
翻訳されてポリペプチド、プレプログルカゴンとなる
(ルンドら、1982)。次いで、このポリペプチドがプロ
セッシングされてプログルカゴンになる。パツェルトら
(Patzelt,C.)、Nature,282:260−266(1979)は、プ
ログルカゴンがグルカゴンと第2のペプチドとに開裂さ
れることを示した。ルンドら(Lund,P.K.)、ロペツら
(Lopez,L.C.)およびベルら(Bell,G.I.)(Nature)3
02:716−718(1983)は、リジン−アルギニンジペプチ
ド残基の直ぐ後方でプログルカゴン分子が開裂されるこ
とを示した。海峡ナマズ(Ictalurus punctata)によっ
て産生されたプログルカゴンの研究において、この動物
のグルカゴンも隣接するアルギニン−リジンジペプチド
残基およびアルギニン−アルギニンジペプチド残基の直
ぐ後方で開裂されることが示された[アンドリューら
(Andrews,P.C.)J.Biol.Chem.、260:3910−3914(198
5)]。ロペツら(Lopez,L.C.)(Proc.Natl.Acad.Sci.
USA、80:5485−5489(1983)]およびベルら(Bell,G.
I.)は、哺乳類のプログルカゴンは、リジン−アルギニ
ンペプチドまたはアルギニン−アルギニンジペプチドの
部位で開裂されること、並びに、プログルカゴン分子は
3つの異なった、高度にホモローガスなペプチド分子、
即ち、グルカゴン、グルカゴン様タンパク質1(GLP−
1)およびグルカゴン様タンパク質2(GLP−2)を含
有していることを示した。ロペツらは、グルカゴン様タ
ンパク質1は37アミノ酸残基の長さであってグルカゴン
様タンパク質2はアミノ酸残基34の長さであると結論し
た。ラットのプレプログルカゴンの構造に関する同様の
研究でも、タンパク分解的開裂のパターンについて、隣
接するリジン−アルギニンジペプチドか、アルギニン−
アルギニンジペプチドの間で開裂され、グルカゴン、GL
P−1、およびGLP−2が生成されることが分った[ハイ
ンリッヒら(Heinrich,G.)、Enderinol.115:2176−218
1(1984)]。ヒト、ラット、ウシおよびハムスターのG
LP−1の配列は同一であることが分った[ギグリオンら
(Ghiglione,M.)、Diabetologia、27:599−600(198
4)]。
ロペツらのGLP−1の大きさに関する結論はウテンタ
ルら(Uttenthal,L.O.)(J.Clin.Enderinol.Metabo
l.、61:472−479(1985))によって追認された。ウテ
ンタルらは、ヒト膵臓に存在するGLP−1の分子型を調
べた。彼等の研究により、GLP−1およびGLP−2は、夫
々、37アミノ酸および34アミノ酸からなるペプチドとし
て膵臓に存在していることが示された。
GLP−1とグルカゴンとの類似性は、多くの初期の研
究者に、GLP−1にも生物学的活性が存在し得るという
示唆を与えていた。ある研究者達は、GLP−1がラット
脳細胞のcAMP合成を誘発し得ることを見出した[フーサ
インら(Hoosein,N.M.)Febs.Lett.178:83−86(198
4)]が、他の研究者達はGLP−1になんらの生理学的作
用を同定することもできなかった(ロペツら)。GLP−
1の生理学的作用の同定における失敗は、研究者達に、
GLP−1が実際にホルモンであるか否か、およびグルカ
ゴンとGLP−1との近縁関係は人為的なものではないか
という疑問を抱かせた(ギグリオンら)。
結局、従来技術では、グルカゴンホルモンの前駆体が
プロセッシングされて、広範囲にわたってホモロジーな
1組のペプチドが生じることが認識されたことになる。
当該技術分野における多くの人々が、これらの高度に関
連しているグルカゴン様ペプチドには当然生物学的活性
があると考えていた。にもかかわらず、これら分子の生
物学的作用の解明を目指した多くの研究者が不成功に終
ったのである。
発明の要約 ホルモングルカゴンは、高分子量の前駆体として合成
され、それがタンパク分解的に開裂されて3つのペプチ
ド、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)
およびグルカゴン様ペプチド2(GLP−2)となること
が知られている。GLP−1は、プロセッシングされない
状態では37アミノ酸からなる。本発明は、未プロセッシ
ングGLP−1が自然に、GLP−1の7−37アミノ酸を有す
る31アミノ酸長のペプチド(7−37ペプチド)に変換さ
れることを開示するものである。このプロセッシング
は、膵臓および腸管内で起こる。この7−37ペプチドは
これまで報告されたことのないインシュリン向性(イン
シュリノトロピック)ホルモンである。このホルモンの
作用は膵β細胞に特異的であり、該細胞のインシュリン
生合成を誘導すると思われる。プロセッシングされてい
ないGLP−1は、本質的に、インシュリンの生合成の誘
発を伝達することができない。このインシュリン向性ホ
ルモンは、インシュリン分泌の動力学が異常になってい
る、成年期発現性の糖尿病の病因研究に有用である。
図面の簡単な説明 第1図は、ヒト、ラットおよびハムスターのプレプロ
グルカゴンのDNA構造および対応するアミノ酸配列を示
す模式図である。プレプログルカゴンは、丸で示した部
位でタンパク分解的に開裂される。
第2図はラットの島細胞種の細胞内mRNAレベルに対す
るGLP−1ペプチドの影響を示す図である。
第3図はラット島細胞種の細胞内アンギオテンシノー
ゲンmRNAレベルに対するGLP−1ペプチドの影響を示す
図である。
第4図はラット島細胞種の細胞内アクチンmRNAレベル
に対するGLP−1の影響を示す図である。
第5図は、GH4細胞内プロラクチンmRNAレベルに対す
るGLP−1(1−37)の影響を示すX線図である。
第6図は、AtL−20細胞内ACTHmRNAレベルに対するGLP
−1(1−37)の影響を示す図である。
好ましい実施態様 決定されたヒトGLP−1のアミノ酸配列から選択され
たペプチド部分(断片)は本発明を含む開発の出発物質
である。GLP−1のアミノ酸配列は、数人の研究者によ
って報告されている[ロペツら(1983)、ベルら(Bel
l,G.I.)Nature、302:716−718(1983)、ハインリッヒ
ら(1984)、ギグリオンら(1984)。]プレプログルカ
ゴン遺伝子の構造および対応するアミノ酸配列を第1図
に示す。この図面は、前駆体遺伝子がタンパク分解的プ
ロセッシングを受けてグルカゴンと2つのグルカゴン様
ペプチドが産生される状態をも示すものである。本明細
書中、GLP−1(1−37)という表記は1(N末端)か
ら37(C末端)までの全アミノ酸を含有するGLP−1ポ
リペプチドを指す。同様に、GLP−1(7−37)は、7
(N末端)から37(C末端)までの全アミノ酸を含有す
るGLP−1ポリペプチドを意味する。
1つの実施態様では、ペプチド断片は、メリフィール
ド(Merrifield,J.M.)[Chem.Soc.、85:2149(196
2)]およびスチュワート(Stewart)およびヤング(Yo
ung)[Solid Phase Peptide Synthesis、(Freeman,Sa
n Francisco,1969)、27〜66頁]記載の周知の固相ペプ
チド合成法で合成する。しかしながら、タンパク分解的
な酵素を用い、天然に存在するアミノ酸を断片化してプ
ログルカゴンポリペプチドまたはGLP−1断片を得るこ
ともできる。さらに、マニアティスら(Manniatis,T.)
(Molecular Biology:A Laboratory Manual,Cold Sprin
g Harbor,NY 1982)の記載による組換えDNA技術を用い
てプログルカゴンペプチドの所望の断片を得ることもで
きる。
本発明は、天然に存在するアミノ酸配列から誘導され
た、インシュリン向性のペプチド断片を提供するもので
ある。
本発明は、式: His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp− Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala− Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val− Lys−Gly−Arg−Gly で示される配列、または1またはそれ以上のアミノ酸
が該配列に付加されるか該配列から欠失されてなる配列
を有し、天然の不純物を実質的に含有せず、上記アミノ
酸配列を有するペプチドと、実質上同様のインシュリン
向性活性を有するペプチドまたはその化学的誘導体を提
供するものである。なお、ここで、化学的誘導体とは、
上記の式で示されるペプチドまたはそのアミノ酸の付加
または欠失による誘導体の両末端のアミノ酸残基が化学
的に修飾され、酸付加塩を形成しまたは保護されてなる
誘導体である。特に興味深い化学的誘導体は、式: H2N−X−CO−R1 [式中、R1はOH、OMまたは−NR2R3であって、ここに
Mは薬学的に許容し得る陽イオンまたは低級の分枝鎖ま
たは非分枝鎖アルキル基、R3およびR2は水素および低級
の分枝鎖または非分枝鎖アルキル基からなる群から選択
される互いに同一または異なる基であり、Xは上記のア
ミノ酸配列またはペプチドを表す) で示されるペプチド誘導体、 (2)その酸付加塩、並びに (3)保護された、または部分的に保護された誘導体で
ある。
本発明は、インシュリンの発現を促進する方法であっ
て、哺乳類の膵B型島細胞に、有効量の上記インシュリ
ン向性ペプチドを与えることからなる方法を提供するも
のでもある。
本発明範囲には、インシュリン向性ホルモンとして機
能し得る上記ペプチド中のアミノ酸配列も含まれる。ま
た、担体タンパク質、またはインシュリン向性効果を向
上するために加えられるアミノ酸残基類との結合(カッ
プリング)を促進するのに用いられる付加的なアミノ酸
も包含される。ある物質は、正常な天然状態で該物質に
随伴して見出される物質から精製されていれば、それ
は、「実質上、天然の不純物を含有しない」と言われ
る。GLP−1(7−37)に伴う天然の不純物の例とし
て、他のペプチド、炭水化物、グリコシル化されたペプ
チド、脂質および膜物質等がある。また、ある物質の試
料(サンプル)中にこれらの不純物が含有されていない
ときにも、その物質は、実質上、天然の不純物を含有し
ないと表される。
相互に交換可能な語句、「ペプチド断片」と「ペプチ
ド部分」は、いずれも、天然に存在するアミノ酸配列か
ら導かれる、合成および天然に存在するアミノ酸配列誘
導体の両方を包含する意味で用いられる。
ペプチドは、それを天然に存在する配列を断片化して
得ることができる場合、あるいは天然に存在するアミノ
酸配列に関する知識、または該配列をコードしている遺
伝物質(DNAまたはRNA)に関する知識に基いて合成し得
る場合には、「天然に存在する配列から誘導された」と
表現される。
さらに本発明は、選択された配列のもの以外に、天然
に存在する配列中には含まれていない1またはそれ以上
のアミノ酸が付加された、あるいは欠失されたポリペプ
チドであって、選択されたポリペプチドと同様の機能を
有するポリペプチドにも関するものである。それら本発
明のポリペプチドはGLP−1(7−37)と実質上、同様
のインシュリン向性活性を示すことを条件として、「機
能的誘導体」と表現される。
「インシュリン向性活性(作用)」とは、ホルモンイ
ンシュリンの合成または発現を刺激する能力、あるい
は、刺激を引き起こす能力に関連する語句である。
当業者ならば分かることであるが、アミノ酸残基は、
適当なアミノ保護基またはカルボキシ保護基を用いて、
保護された形または保護されていない形のいずれをもと
り得る。有用な陽イオンは、アルカリ金属陽イオンまた
はアルカリ土類基陽イオン(例えば、Na、K、Li、1/2C
a、1/2Ba等である)、またはアミノ陽イオン(例えば、
アルキル基がC1−C12の、テトラアルキルアンモニウ
ム、トリアルキルアンモニウム等である)。
様々な長さのペプチドは、遊離アミノ形(N末端)ま
たはその酸付加塩の形であってもよい。一般的な酸付加
塩は、ハロゲン化水素の塩、即ち、HBr、HIより好まし
くは、HClの塩である。
化合物のインシュリン向性は、該化合物を動物細胞に
与えるか、動物に注射し、それぞれ、培地または動物の
循環系への免疫反応性のインシュリン(IRI)の放出を
監視することにより決定される。IRIの存在は、インシ
ュリンを特異的に検出し得るラジオイムノアッセイを用
いて検出することができる。IRIの存在を検出し得るラ
ジオイムノアッセイであれば、どれを採用してもよい
が、アルバノら(Albano,J.M.D.)[Acta Endocrinol.7
0:487−509(1972)]の分析法を改良した方法が好まし
い。この改良法では、ホスフェート/アルブミン(pH7.
4)緩衝液を用いる。りん酸緩衝液500ul、パーフセエー
ト(perfusate)試料液50ulまたはパーフセエート中ラ
ットインシュリン標準液50ul、抗インシュリン抗血清10
0ul(Wellcome Laboratories、1:40,000希釈)、および
125I]インシュリン100ulを、10×75mmの使い捨てガ
ラス管内で全量750ulとし、連続的な条件下でインキュ
ベーションを行った。4℃で2−3日間インキュベーシ
ョンした後、炭素分離法によって、遊離のインシュリン
を、抗体と結合したインシュリンから分離した。アッセ
イの感度は1−2uU/mlであった。組織培養中で培養した
細胞の培地中に放出されたIRIを測定するために、放射
活性に標識したプロインシュリンを導入することが好ま
しい。ポリペプチドをラベリング(標識すること)し得
る放射活性標識ならば何でも使用可能である、3Hロイシ
ンを用いて標識化プロインシュリンを調製することが好
ましい。ラベリングは、検出可能に標識されたプロイン
シュリン分子のプールを形成するのに充分な期間(時
間)をかけて行えばよいが、放射活性標識の存在下、細
胞を60分間インキュベートすることが好ましい。化合物
が、インシュリン向性作用を有するか否かの決定には、
インシュリンを発現し得る細胞ならば何でも用いること
ができるが、ラットの島細胞腫細胞、および、特に、RI
N−38ラット島細胞腫細胞を用いることが好ましい。そ
のような細胞は、適当なあらゆる培地で培養し得るが、
0.1%BSAおよび25mMグルコースを含有するDME培地を用
いることが好ましい。
化合物のインシュリン向性特性は、膵浸出によっても
求められる。灌流したラット膵標品を自体そのままで単
離して、改良ペンホス法(Penhos,J.C.)[Diabetes、1
8:733−738(1969)]とした。絶食させた雄性チャール
ス・リバー種白子ラット(体重350−600g)を、アミタ
ール・ナトリウム塩(Amita Sodium、Eli Lilly and C
o.、160ng/Kg)の腹腔内注射によって麻酔した。腎臓、
副腎、胃、および下方結腸の血管を桔紮した。十二指腸
約4cm,下行結腸および直腸以外の全腸管を摘出した。従
って、腸の小部分が灌流されたにすぎず、グルカゴン様
免疫反応性を有する腸性物質による干渉を最小限に止め
ることができた。灌流は、4%デキストランT70および
0.2%ウシ血清アルブミン(フラクションV)を含有す
る改良クレブス−リンゲル重炭酸塩緩衝液を用い、95%
O2および5%CO2を吹き込んで行った。非パルス(博
動)性液流の4流路(チャンネル)ローラーベアリング
ポンプ[バッチェラー・ポリスタティック(Buchler Po
lystatic)Buchler Instruments Division、Nuclear−C
hicago Corp.]を用い、一方の灌流源からもう一方への
切り替えを3方向コック(蛇口)で行った。灌流の完了
の様子を監視し、ワイアーらの方法(Weir,G.C.)[J.C
lin.Investigat.、54:1403−1412(1974)]に従って解
析した。
本発明の化合物は、既知の薬学的に有用な組成物調製
法に従い、GLP−1(7−37)またはその機能的な誘導
体を薬学的に許容し得る担体賦形剤と混合して製剤化す
ることができる。適当な賦形剤およびその製剤として
は、他のヒトペプチド、例えば、ヒト血清アルブミン等
がレミントンの薬学[Remington′s Pharmaceutical Sc
iences(第16版オスロ(A.Oslo)編、Mack,Easton PA
(1980)]に記載されている。効果的な投与に適した薬
学上許容し得る組成物が得られれば、そのような組成物
は、GLP−1(7−37)またはその機能的な誘導体を適
量の担体賦形剤と一緒に含有しているであろう。
GLP−1(7−37)またはその機能的な誘導体を含有
する組成物は、静脈内、筋肉内、または皮下から、約1p
g/kg(体重)〜1,000ug/kg(体重)の範囲の用量で投与
されるが、それ以下またはそれ以上の用量を用いること
もできる。必要とされる用量は、患者の症状の重篤度、
および患者の身長、体重、性、年令、および病歴等の判
断基準により左右される。
非経口投与のためには、GLP−1(7−37)含有組成
物を蒸留水に溶かし、pH値を約6−8に調節する。凍結
乾燥工程を促進して適当な生産物を得るためには、ラク
トースを溶液に加えるとよい。次いで、得られた溶液を
滅菌濾過し、バイアルに入れ、凍結乾燥する。これらの
組成物中のGLP−1(7−37)の濃度は10-12Mから10-5
Mの間で変化し得る。
さらに他の薬学的手法を用いて作用の持続性をコント
ロールすることもできる。放出コントロール製剤は、GL
P−1(7−37)またはその機能的な誘導体とコンプレ
ックスを形成するか、それを吸着するポリマーを用いて
得ることができる。到達のコントロールは、放出をコン
トロールするための、適当な高分子(例えば、ポリエス
テル、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、エチレン
酢酸ビニル、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、および硫酸プロタミン等)、高分子の濃度、お
よび導入方法を選択することにより実行される。放出コ
ントロール製剤によって作用の持続性をコントロールす
るための別法は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロ
ゲル、ポリ(乳酸)、またはエチレンと酢酸ビニルの共
重合体等のポリマー原料の粒子にGLP−1(7−37)を
導入することからなる。別法として、これらのポリマー
粒子にGLP−1(7−37)を導入する代りに、例えば、
夫々、ヒドロキシメチルセルロース、またはゼラチン−
マイクロカプセルおよび(メチルメタクリレート)マイ
クロカプセル等の、コアセルベーション技術または界面
重合法によって調製されたマイクロカプセルにGLP−1
(7−37)を捕獲させるか、あるいは、リポソーム、ア
ルブミン微粒子(マイクロスフェアー)、マイクロエマ
ルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル等のコロイド
状薬物供給系(デリバーリーシステム)、またはマクロ
エマルジョン中に取り込ませることができる。そのよう
な方法は、Remington′s Pharmaceutical Sciences(19
80)に記載されている。
具体的実施例 実施例1 移植可能なラットの島細胞腫[ガザーら(Gazdar,A.
F.)、Proc.Nat′l.Acad.Sci.U.S.A.77:3519−3523(19
80)]から樹立された連続的な島細胞系統(セルライ
ン)、RIN−rから、細胞系統RIN−38、ラット島細胞腫
細胞を得た。この細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清
(Gibco)、ペニシリン100U/mlおよびストレプトマイシ
ン100ug/mlを補充した、グルコース濃度4,500mg/LのDME
M(Gibco)中に維持した。空気95%、二酸化炭素5%
中、37℃でインキュベーションを行った。上記の方法の
下で増殖した細胞を洗浄し、0.1%ウシ血清アルブミン
と25mMグルコースとを含有するDMEM(Gibco)に再懸濁
した。様々な濃度のGLP−1(1−37)、GLP−1(7−
37)またはGLP−1(1−36des−gly−arg)と一緒に6
時間インキュベートした後、これらの物質の内、どれが
インシュリンmRNAの発現に影響を及ぼすかを決定した。
以下のごとくにして、細胞性RNAをインシュリン特異的m
RNAにつき、分析した。固形腫瘍および細胞をグアニジ
ンチオシアネート中でホモジナイズし、塩化セシウムク
ッション中を沈降させることにより、細胞性RNAを抽出
した。オリゴdTセルロース・クロマトグラフィーによっ
てpoly A+RNAを単離した[アビブら(Aviv,H.)Proc.Na
tl.Acad.Sci.U.S.A.、69:1408−1412(1972)]。各試
料から得た全RNA20ugを、グリオキサール中で変性した
後、1.4%アガロースゲル電気泳動にかけてサイズ分画
し、次いで、ナイロン・メンブラン(Nytran;Schleiher
and Schull)に電気的に移した。ブロッティングした
(はん点の付いた)メンブランを減圧下、80℃で2時間
焼き、1M NaCl/1%SDS/10%硫酸デキストラン中、50℃
で一夜、プレハイブリダイズした後、標識したプローブ
(3−5×105cpm/ml)を加え、同温で24時間ハイブリ
ザイズさせた。次いで、1×SSC(0.15M NaCl/0.015Mク
エン酸Na)/1%SDS)中で55℃において2回洗浄し、−7
0℃において、様々な時間、強化スクリーンを用いてX
線フィルムに露出させた。全てのケースでペプチド濃度
は10-7Mであった。
この実験の結果を第2図に示す。レーン1−3(対照
細胞)、4−6(GLP−1(1−37))、7−9(GLP−
1(7−37))、10−12(GLP−1(1−36des−gly ar
g−amide))は、産生されたインシュリン特異的mRNAの
量を示している。各ペプチドについて、3回の繰り返し
実験の結果が示されている。
マイクロデンシトメーターを用い、インシュリン特異
的mRNAの相対量を求めた。この実験により、同一ペプチ
ド濃度において、GLP−1(7−37)は、対照(非処
理)細胞より3倍以上高く、インシュリン遺伝子の発現
を刺激することが分かった。
実施例2 細胞系統RIN−38のラット島細胞腫細胞を実施例1記
載のごとく、DME培地中で培養した。10-7MのGLP−1
(1−37)、GLP−1(7−37)およびGLP−1(1−3
6)と一緒にインキュベートした後、細胞培養培地中の
インシュリン濃度をラジオイムノアッセイ(既述)によ
って測定した。6時間インキュベートした後、インシュ
リンタンパク質濃度を測定した。実験結果を表1に示
す。
実施例3 生存ラットの膵臓を、上記のごとく、様々な濃度のGL
P−1(1−37)およびGLP−1(7−37)で灌流した。
1分間隔で、ラジオイムノアッセイ(上記)によってラ
ットの血清インシュリン濃度(ピコグラム/ml、pm/ml)
を測定した。この実験の結果を表2に示す。灌流は、ペ
プチド濃度、5×10-7M、5×10-8M、5×10-10M、
5×10-11M、および5×10-12Mで行った。0分の血清
中濃度測定後、ペプチドを加えた。
GLP−1(1−37)は、濃度5×10-7Mでラットの膵
臓に灌流すると、血清中のインシュリン濃度の3.4倍増
を伝達することが分かった。このペプチドは、濃度5×
10-8Mでは、血清中インシュリン濃度の3倍増を伝達し
得たにすぎない。また、濃度5×10-10Mでは、このペ
プチドは血清中インシュリン濃度を20%増加させただけ
である。
GLP−1(7−37)は、濃度5×10-7Mでラットの膵
臓に供給されると、血清中のインシュリン濃度の132倍
増を刺激することが分かった。10倍低い濃度(5×10-8
M)では、このペプチドは、インシュリンの血清中濃度
の21倍増を命令することができるにすぎなかった。濃度
10×10-10Mでは、GLP−1(7−37)は、血清中インシ
ュリン濃度の増加を伝達することができた(32倍)。5
×10-11Mでも、GLP−1(7−37)は、インシュリン濃
度を15倍増加させることができたが、GLP−1(1−3
7)は無効であった。
この実験は、GLP−1(7−37)が、インシュリンの
インビボ発現の刺激作用に関してGLP−1(1−37)の
1,000倍以上の効力を有することを示している。しか
も、これらの同じ実験において、GLP−1ペプチドは、
ペプチドホルモングルカゴンおよびソマトスタチンの放
出に何の作用も示さなかった。このように、GLP−1の
刺激作用は、ベータ細胞に特異的であり、膵臓のアルフ
ァまたはデルタ細胞には作用しないといえる。
実施例4 グルカゴン様タンパク質が細胞性cAMP濃度に影響を及
ぼし得るか否かを調べるために、RINS−38島細胞腫細胞
におけるcAMP濃度に対するGLP−1(7−37)およびGLP
−1(1−37)の影響を調べた。実施例1記載のごとく
にして26ウエルの培養皿中で細胞を培養した。培養ウエ
ルに、種々の量のグルカゴン様ペプチドを加え、3回繰
り返した。10分間インキュベーションを行った後、全細
胞培地をcAMPについて検査し、cAMP濃度を測定した。こ
の実験の結果を表3に示す。各培養液20ulを分析した。
この実験により、GLP−1(7−37)は、濃度10-11Mで
存在する場合にも、cAMP濃度を刺激することが分かっ
た。cAMP濃度の増加はGLP−1(7−37)が細胞リセプ
ターと相互作用し得ることを示唆するものである。
実施例5 GLP−1(1−37)、GLP−1(1−36)およびGLP−
1(7−37)の作用がインシュリンに特異的であるり、
非特異的な遺伝子発現を誘導または刺激することがない
ことを証明するために、これらのペプチドの、アクチン
およびアンギオテンシノーゲンのmRNAの濃度に対する影
響を調べた。実施例1に記載のごとくにしてRINS−38島
細胞腫細胞を培養し、GLP−1(1−37)、GLP−1(7
−37)、またはGLP−1(1−36)des−Gly arg(Penin
sula Laboratories)の存在下にインキュベートした。
ペプチド濃度は全て10-7Mであった。インキュベーショ
ン時間は6時間であった。インシュリン、アクチンまた
はアンギオテンシノーゲンに特異的なmRNAを実施例1記
載のごとく、ノーザンハイブリザイゼーションによって
同定した。この実験の結果を第2図(インシュリンmRN
A)、第3図(アンギオテンシノーゲンmRNA)および第
4図(アクチンmRNA)に示す。第2、3および4図のRN
Aゲルの走査(スキャニング)フィルムから得た人為的
な濃度計単位でmRNA濃度を決定した。mRNA濃度を表4に
示す。
実施例6 GLP−1(1−37)が、インシュリン以外のホルモン
の生合成を誘導するか否かを決定するために実験した。
即ち、GLP−1(1−37)(濃度10-7M)をラットのグ
ルカゴン産生性の島細胞系統および、夫々、ホルモンで
あるプロラクチンおよびACTHを産生する2つの脳下垂体
細胞系統(GH4およびAtT−20)に加え、実施例1記載の
ごとく、24時間後に産生されたホルモン特異的mRNAの量
を測定した。GLP−1ペプチドと一緒にインキュベーシ
ョンした後の、GH4脳下垂体細胞内のプロラクチンmRNA
濃度を第5図に示す。また、GLP−1ペプチドと一緒に
インキュベーションした後の、AtT−20脳下垂体細胞内
のACTHmRNA濃度を第6図に示す。これらの実験の結果、
GLP−1(1−37)は、これらのペプチドホルモンをコ
ードしているmRNAの量になんらの検出可能な影響を及ぼ
さないことが分かった。
実施例7 GLP−1(7−37)のRINS−38島細胞腫細胞における
インシュリン遺伝子およびアクチン遺伝子の転写に及ぼ
す影響を調べた。遺伝子の転写速度は、対照およびTPA
処理細胞由来の核内での発生期のグルカゴンおよびベー
ターアクチンのRNA転写物を定量することによって決定
された。核性RNAを、ニトロセルロースに結合させた、
過剰量のクローニングした特異的DNAとハイブリザイズ
させ、フィルターを洗浄した[マックナイトら(McKnig
ht,C.S.)、J.Biol.Chem.254:9050−9058(1979)]。
ラットグルカゴン[ハインリッヒら(Heinrich,G.)、E
ndcrinology,115:1−6(1984)]および、対照とし
て、ニワトリのベーターアクチンcDNA[クリーブランド
博士(Dr.D.Cleveland)、ジョーンホプキンス大学医学
部、ボルチモア、メアリーランドから提供されたもの]
を用いた。ハイブリザイゼーション効率を、[3H]UTP
グルカゴンcDNAのハイブリザイゼーション溶液を加える
ことによってコントロールした。実験を2回行い、結果
をcDNA挿入体のppm/kbとして表し、ハイブリザイゼーシ
ョン効率について補正した(40−50%)。細胞を、濃度
10-7MのGLP−1(7−37)と一緒に4時間インキュベ
ートした。0、1、および4時間目に核を細胞から調製
し、発生期のインシュリン遺伝子転写物およびアクチン
遺伝子転写物の分析におけるニュークレアーラン(nucl
earrun)により評価した(McKnight,C.S.ら)。この実
験の結果を表5に示す。実験結果から、GLP−1(7−3
7)が、インシュリン遺伝子の転写率を増大させるが、
アクチン遺伝子の発現率には検出可能な効果を示さない
ことが分った。
表5 グルカゴン様ペプチドI(7−37)の、RINS−38島細
胞腫細胞中でのインシュリンおよびアクチン遺伝子の転
写に及ぼす影響時間(時間) インシュリン遺伝子 アクチン遺伝子 0 17.4 34.1 1 76.2 29.9 4 9.0 25.0 本明細書には本発明の全容が記載されているので、当
該技術分野における通常の技術者が僅かな修飾を施して
同様のことを行うことができ、それらも本発明の技術思
想に包含されることは明らかである。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: NH2−X−CO−R1 [式中、Xは、式: His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp− Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala− Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val− Lys−Gly−Arg−(Gly)n (式中、nは0又は1を表す) で示される配列を有しインシュリン向性活性を有する、
    実質上、天然の不純物を含有しないペプチドであって、
    Xの両側のNH2−及び−CO−の各基は、該ペプチドのア
    ミノ及びカルボキシ末端側に位置するアミノ酸に由来す
    る基を表している。R1はOH、OMまたはNR2R3であって、
    Mは薬学的に許容し得る陽イオンまたは低級の分枝鎖ま
    たは非分枝鎖アルキル基、R2およびR3は水素および低級
    の分枝鎖または非分枝鎖アルキル基からなる群から選択
    される互いに同一または異なる基を表す。) で示される化合物、その酸付加塩、並びに保護された、
    または部分的に保護されたペプチド化合物。
  2. 【請求項2】nが1である請求項1記載のペプチド化合
    物。
  3. 【請求項3】nが0である請求項1記載のペプチド化合
    物。
  4. 【請求項4】R1がOHである請求項1〜3のいずれかに記
    載のペプチド化合物。
  5. 【請求項5】式: NH2−X−CO−R1 [式中、Xは、式: His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp− Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala− Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val− Lys−Gly−Arg−(Gly)n (式中、nは0又は1を表す) で示される配列を有しインシュリン向性活性を有する、
    実質上、天然の不純物を含有しないペプチドであって、
    Xの両側のNH2−及び−CO−の各基は、該ペプチドのア
    ミノ及びカルボキシ末端側に位置するアミノ酸に由来す
    る基を表している。R1はOH、OMまたはNR2R3であって、
    Mは薬学的に許容し得る陽イオンまたは低級の分枝鎖ま
    たは非分枝鎖アルキル基、R2およびR3は水素および低級
    の分枝鎖または非分枝鎖アルキル基からなる群から選択
    される互いに同一または異なる基を表す。) で示される化合物、その酸付加塩、並びに保護された、
    または部分的に保護されたペプチド化合物の有効量と、
    インシュリン向性医薬としての使用に適した薬学上許容
    し得る担体とを含有する膵B型島細胞におけるインシュ
    リンの発現を刺激または促進するための医薬組成物。
  6. 【請求項6】糖尿病の治療に用いられるものである請求
    項5記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】nが1である請求項5または6記載の医薬
    組成物。
  8. 【請求項8】nが0である請求項5または6記載の医薬
    組成物。
  9. 【請求項9】R1がOHである請求項5〜8のいずれかに記
    載の医薬組成物。
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