JP2583153B2 - 安定なアビジン―ビオチン化タンパク質複合体溶液の製造方法 - Google Patents

安定なアビジン―ビオチン化タンパク質複合体溶液の製造方法

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JP2583153B2 JP2302645A JP30264590A JP2583153B2 JP 2583153 B2 JP2583153 B2 JP 2583153B2 JP 2302645 A JP2302645 A JP 2302645A JP 30264590 A JP30264590 A JP 30264590A JP 2583153 B2 JP2583153 B2 JP 2583153B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アビジン−ビオチンシステムに於て用いら
れる安定なアビジン−ビオチン化タンパク質複合体溶液
の製造方法に関する。
[発明の背景] 卵白から得られる糖タンパク質のアビジン、或はスト
レプトマイセスによって産生される糖鎖を持たないスト
レプトアビジンはビタミンの一種であるビオチンと特異
的に結合する。ビオチンをタンパク質に結合させると通
常タンパク質1分子あたりに複数個のビオチンがこれに
結合する。また、アビジン1分子あたりにビオチンは複
数個結合できる。従つて、ビオチンが結合したタンパク
質、即ちビオチン化タンパク質とアビジンを反応させる
と複数個のビオチン化タンパク質と複数個のアビジンの
結合した複合体が形成される。この複合体はビオチン化
タンパク質とアビジン或はストレプトアビジンとが3次
元構造を形成しているものと思われるが構造等は不明で
ある。このアビジン−ビオチン化タンパク質複合体を用
いたアビジン−ビオチンシステムは免疫組織化学染色,
ハイブリドーマのスクリーニング,DNAプルーブ染色,固
定相酵素免疫測定,二重標識研究等に於て広く利用され
ている。また、アビジン−ビオチンシステムは蛍光或は
酵素を用いる検出方法の中でも感度の高い方法であるこ
とが一般によく知られている(特開昭59−224564号公報
等)。
しかしながら、従来の製造方法、即ち、アビジンとビ
オチン化タンパク質を混合し、一定時間熟成反応させる
方法により得られたアビジン−ビオチン化タンパク質複
合体溶液は安定性が極めて悪く、アビジン−ビチオン化
タンパク質複合体としての使用可能な期間は調製後数時
間乃至数日間しかなかつた。そのため該複合体を効率よ
く使用するには、必要量を用時調製しなければならない
という煩わしさがあり、しかも該複合体溶液が使用可能
になるまでにはアビジンとビオチン化タンパク質を混合
した後、30分程度の熟成時間が必要であるため、すぐに
は使用に供せないという不便さもあつた。それ故、長期
間保存可能で、しかも随時使用可能なアビジン−ビオチ
ン化タンパク質複合体溶液の出現が切に望まれていた。
[発明の目的] 本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、
長期間安定に保存でき、且つ随時使用可能なアビジン−
ビオチン化タンパク質複合体溶液とその製造方法を提供
することを目的とする。
[発明の構成] 本発明はアビジンとビオチン化タンパク質とを一定時
間反応させた後、反応停止剤を加えて反応を停止させる
ことを特徴とする安定なアビジン−ビオチン化タンパク
質複合体溶液の製造方法及び該方法により得られたアビ
ジン−ビチオン化タンパク質複合体溶液の発明である。
即ち、本発明者らは、長時間安定に保存し得るアビジ
ン−ビオチン化タンパク質複合体溶液を求めて鋭意研究
を重ねた結果、アビジンとビオチン化タンパク質とを一
定時間反応させた後、適当な反応停止剤を加えてアビジ
ン−ビオチン化タンパク質複合体の形成反応を停止させ
ることにより該目的を達成し得ることを見出し、本発明
を完成するに至つた。
本発明に於て用いられるビオチン化タンパク質として
は、例えばビオチン化ペルオキシダーゼ,ビオチン化ア
ルカリホスファターゼ,ビオチン化β−ガラクトシダー
ゼ等のビオチン化酵素があげられる。
本発明に於てアビジンの代わりにストレプトアビジン
を用いることも可能である。
本発明に於て用いられる反応停止剤としては例えばグ
ルタルアルデヒド、パラホルムハルデヒド或は免疫組織
染色に用いられるZamboni固定液、PLP固定液(何れも主
成分はパラホルムアルデヒド)等のアルデヒド類が好ま
しく挙げられるが、これらに限定されるものではなくア
ビジン−ビオチン化タンパク質複合体の形成反応を停止
する能力を有し、且つ得られた該複合体の使用目的に於
て悪影響を及ぼさないものであれば何れにてもよい。
本発明は、通常安定化剤の存在下に実施される。本発
明に於て用いられる安定化剤としては、タンパク質安定
化剤であれば何れにても使用できるが、通常、ポリオー
ル類が好ましく用いられる。ポリオール類の具体例とし
ては、例えば、グリセロール、エチレングリコール、サ
ッカロース等が挙げられるが、中でもグリセロールがよ
り好ましく用いられる。
これらの安定化剤はその種類により若干異なるが通
常、反応液中の濃度が1〜60wt/vol%となるように添加
され、グリセロールの場合は通常50wt/vol%前後の濃度
が好ましく用いられる。
アビジンとビオチン化タンパク質の反応は通常、室温で
行われ、反応時間は通常数十分乃至数時間、好ましくは
1時間前後である。またアビジンとビオチン化タンパク
質の混合割合はアビジン1モルに対し、通常ビオチン化
タンパク質0.1〜10モル好ましくは1〜2モル、より好
ましくは1.5モル前後が用いられる。
本発明に係るアビジン−ビオチン化タンパク質複合体
溶液は長時間安定に保存可能であり、しかも、使用した
い時にはそのまますぐに使用できる(用時調製の場合の
ように30分間の熟成時間を要さない。)。
本発明に係るアビジン−ビオチン化タンパク質複合体
溶液を免疫組織染色、酵素免疫測定法、ウエスタンブロ
ッティング、ハイブリドーマのスクリーニング等に使用
すると、極めて高感度にこれを実施することができる。
即ち、本発明に係るアビジン−ビオチン化タンパク質
複合体を各種アビジン−ビオチンシステムに使用すれば
操作は簡便で、感度も高く、試液の無駄もない。
以下に実施例により、本発明を更に詳細に述べるが、
本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
[実施例] 実施例1.安定なストレプトアビジン−ビオチン化ペルオ
キシダーゼ複合体溶液の調製 グリセロールを50wt/vol%含有する0.1Mリン酸緩衝液
(pH6.0)95mlにストレプトアビジン1mg及びビオチン化
ペルオキシダーゼ1mgを加えてよく撹拌し、室温下1時
間静置した後、反応停止剤のZamboni固定液5mlを加えよ
く撹拌して、ストレプトアビジン−ビオチン化ペルオキ
シダーゼ複合体溶液を得た。
尚、この時の複合体の分子量はHPLCより約20万と推定
された。
実施例2.実施例1のストレプトアビジン−ビオチン化ペ
ルオキシダーゼ複合体溶液による組織抗原の染色(光学
顕微鏡観察による) (操作手順) 1)組織を10%ホルマリンで固定し、常法に従つてパラ
フィン切片とした後、脱パラフィン、水洗、3%過酸化
水素水で15分間インキュベートした。
2)0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと略記す
る。)にて5分間ずつ3回洗浄した。
3)次に10%正常ヤギ血清で室温10分間反応させた後、
更に各種抗原に対応する200倍に希釈したウサギ抗体と
室温で1時間反応させた。
4)5分間ずつ3回PBS洗浄した後、ビオチン化抗ウサ
ギ抗体で室温10分間反応させた。
5)PBSで5分間ずつ3回洗浄した後、実施例1で調製
したストレプトアビジン−ビオチン化ペルオキシダーゼ
複合体溶液と室温15分間反応させた。
6)PBSで5分間ずつ3回洗浄した後、色素混合液で5
分間反応させ、然る後蒸留水で充分に洗浄した。
7)マイヤーヘマトキシリン溶液で3分間後染色し、脱
水、透徹、封入して光顕試料とした。
(結果) 横紋筋の組織切片を試料としたものでは、Desminが
(+)にでた。
胃癌の組織切片を試料としたものでは、EMAが
(+)にでた。
大腸癌の組織切片を試料としたものでは、CEAが
(+)にでた。
リンパ節の組織切片を試料としたものでは、LCAが
(+)にでた。
尚、上記からのいずれの場合も特異性に優れ従来
の複合体による方法と相関し、且つ染色像も極めて鮮明
であった。
尚、実施例1に於てZamboni固定液の代わりにPLP固定
液、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドを夫々
反応停止剤として用いて得られたストレプトアビジン−
ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体溶液を、本実施例で
用いた該複合体溶液の代わりに用いた場合も、本実施例
と全く同様の結果が得られた。
比較例1.従来法によるストレプトアビジン−ビオチン化
ペルオキシダーゼ複合体溶液の調製 0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)100mlにストレプトアビジ
ン1mg、ビオチン化ペルオキシダーゼ1mgを混合し室温に
30分間おき、熟成させた。
実施例3.実施例1と比較例1のストレプトアビジン−ビ
オチン化ペルオキシダーゼ複合体溶液の保存安定性の比
較(ELISAによる) (操作手順) 1)抗原(ウサギIgG)を20μg/ml,2μg/ml,0.2μg/ml,
0.02μg/ml,0.002μg/mlの各濃度に調製後、96穴マイク
ロプレートに100μ/wellずつ分注し、37℃で1時間イ
ンキュベートした後、0.05%Tween20(花王(株)登録
商標)添加PBS(以下、PBS−Tweenと略記する。)で3
回洗浄した。
2)1%ウシ血清アルブミン含有PBS−Tweenを200μ/
wellずつ分注し、37℃で1時間イキュベートした後、PB
S−Tweenで3回洗浄した。
3)ビオチン化抗ウサギIgGをPBS−Tweenで50倍希釈し1
00μ/wellずつ分注し、37℃で10分間インキュベート
した後、PBS−Tweenで3回洗浄した。
4)実施例1又は比較例1で調製したストレプトアビジ
ン−ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体溶液を100μ/
wellずつ分注し、37℃で5分間インキュベートした後、
PBS−Tweenで3回洗浄した。
5)発色試液(o−フェニレンジアミン、H2O2溶液)を
100μ/wellずつ分注し、室温で3分間反応させた。
6)6N硫酸を50μ/wellずつ分注し、発色反応を停止
させた。
7)分光光度計で0D492nm値を測定した。
(結果) 表1より明らかな如く、本発明に係る複合体溶液は4
℃で1年間保存しても、調製直後の複合体溶液とELISA
の感度に差は認められなかつた。これに対し、従来の複
合体溶液は4℃で1週間保存すると調製直後と比べて著
しい感度の低下が認められた。
尚、実施例1に於てZamboni固定液の代わりにPLP固定
液、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドを夫々
反応停止剤として用いて得られたストレプトアビジン−
ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体溶液を、実施例1で
得られた該複合体溶液の代わりに用いた場合も、実施例
1で得られた複合体溶液の場合とほぼ同様の結果が得ら
れた。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明の方法により得られたアビジ
ン−ビオチン化タンパク質複合体溶液は長期間安定に保
存可能であり、しかも随時使用可能なので、使用の都度
調製せずに済み、操作が簡便となり、経済的且つ効率的
であり、斯業に貢献するところ極めて大なる発明であ
る。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アビジンとビチオン化タンパク質とを一定
    時間反応させた後、反応停止剤を加えて反応を停止させ
    ることを特徴とする安定なアビジン−ビオチン化タンパ
    ク質複合体溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】安定化剤の存在下にアビジンとビオチン化
    タンパク質とを反応させる請求項(1)に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】安定化剤がポリオール類である請求項
    (2)に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリオール類がグリセロールである請求項
    (3)に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】ビオチン化タンパク質がビオチン化酵素で
    ある請求項(1)〜(4)の何れかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】ビオチン化酵素がビオチン化ペルオキシダ
    ーゼである請求項(5)に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】アビジンがストレプトアビジンである請求
    項(1)〜(6)の何れかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】反応停止液がグルタルアルデヒド、パラホ
    ルムアルデヒド、Zamboni固定液、又はPLP固定液である
    請求項(1)〜(7)の何れかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項(1)に記載の製造方法により得ら
    れたアビジン−ビオチン化タンパク質複合体溶液。
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