JP2582384B2 - 給湯機の給湯制御装置 - Google Patents

給湯機の給湯制御装置

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JP2582384B2
JP2582384B2 JP62312770A JP31277087A JP2582384B2 JP 2582384 B2 JP2582384 B2 JP 2582384B2 JP 62312770 A JP62312770 A JP 62312770A JP 31277087 A JP31277087 A JP 31277087A JP 2582384 B2 JP2582384 B2 JP 2582384B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、容器内に収容された溶湯の上面に加圧気体
を作用させることにより、溶湯供給管(ストーク)を通
して鋳型内に溶湯を供給する低圧鋳造装置等における給
湯機の給湯制御装置に関するものである。
(従来技術) 低圧鋳造装置等の給湯機においては、給湯を行なうこ
とにより容器内に収容された溶湯量が変化して湯面位置
が低下するため、常に一定圧の加圧気体によって給湯を
行なうように構成した場合には、上記湯面位置の低下量
に応じて給湯のタイミングおよび速度等が変化し、鋳造
品の品質が不均一になるという問題がある。このために
従来は、例えば実開昭55−111663号公報に示されるよう
に、容器内に収容された溶湯量の変化を給湯の回数に応
じて計算し、この計算により求めた湯面位置の低下量に
応じて加圧気体の供給圧力を制御することが行なわれて
いるが、この場合には上記計算の基準となる制御開始時
点の湯面位置および鋳型に対する給湯量を正確に求める
ことができないと、給湯時点における湯面位置を正確に
算出することができず、適正な給湯制御を実行できなく
なるという問題がある。
また、上記容器内の湯面位置を検出する湯面検出セン
サを設け、この湯面検出センサの検出値に応じて容器内
の湯面位置を直接検出することも考えられるが、上記容
器内には鉱滓(のろ)が浮遊しているため、この鉱滓の
存在によって湯面位置の正確な検出が妨げられるという
問題がある。
(発明の目的) 本発明は、上記問題点を解決するためになされたもの
であり、容器内に浮遊した鉱滓の影響を受けることなく
容器内の溶湯量を正確に求めることができ、この溶湯量
に基づいて溶湯の供給制御を適正に実行することができ
る給湯機の給湯制御装置を提供するものである。
(発明の構成) 本発明は、容器内に収容された溶湯の上面に加圧手段
によって加圧気体を作用させることにより、溶湯供給管
を通して溶湯を供給する給湯機において、下端部が上記
溶湯内に浸漬された筒体と、溶湯の供給時に筒体内の湯
面が所定の検知位置に上昇したことを検知する湯面検知
手段と、この湯面検知手段から湯面検知信号が出力され
た時点で上記筒体の上端部を大気圧雰囲気に連通させた
状態から上記加圧気体の供給圧力雰囲気に連通した状態
に切換える切換手段と、上記湯面検知信号の出力時点に
おける加圧気体の供給圧力を検出する圧力検出手段と、
この圧力検出手段の検出値に応じて容器内の溶湯量を演
算する溶湯量演算手段と、この溶湯量演算手段により算
出された溶湯量に基づいて上記加圧手段による加圧気体
の供給圧力を制御する制御手段とを設けたものである。
上記の構成によれば、下端部を溶湯内に浸漬して鉱滓
の侵入を防止するようにした筒体内の湯面上昇状態を検
知するとともに、上記湯面が所定の検知位置に上昇した
時点における加圧気体の供給圧力を検出することによ
り、この供給圧力に基づいて、上記鉱滓の影響を受ける
ことなく容器内の溶湯量を正確に算出することができ、
この溶湯量に基づいて加圧気体の供給圧力を制御するこ
とにより、溶湯の供給タイミングおよび速度等を適正に
制御することができる。
(実施例) 第1図は、低圧鋳造装置を構成する給湯機の給湯制御
装置の実施例を示している。上記給湯機は、上端部が蓋
体1によって閉止された保温炉2と、この保温炉2内に
設置された溶湯収容用の容器3と、鋳型4内に溶湯を供
給する溶湯供給管5と、上記保温炉2内に加圧空気を供
給する加圧手段6と、保温炉2内の加圧空気を排出する
電磁排気弁7が設けられた排気通路8とを備えている。
上記加圧手段6は、加圧空気の供給源9と、電磁開閉
弁10と、電磁サーボ弁11と、加圧空気供給管12とを備
え、制御手段13から出力される制御信号に応じて上記電
磁開閉弁10を開放して保温炉2内に加圧空気を供給し、
容器3内に収容された溶湯14の上面に加圧空気を作用さ
せて溶湯供給管5内の湯面を上昇させることにより、鋳
型4内に溶湯14を所定の圧力で供給するように構成され
ている。また、上記加圧手段6による加圧空気の供給圧
力は制御手段13から出力される制御信号に応じて電磁サ
ーボ弁11を作動させることにより制御され、かつ加圧空
気供給管12に設けられた圧力計からなる圧力検出手段15
によって上記供給圧力が検出されるようになっている。
上記保温炉2の蓋体1には、下端部が溶湯14内の深部
に浸漬され、かつ上端部が連通管16によって大気と連通
された筒体17が設置されている。この筒体17には、上記
鋳型4に対する溶湯14の供給時に筒体17内の湯面が所定
の検知位置に上昇したことを検知する一対の導線18を備
えた通電方式の湯面検知手段19が設けられている。ま
た、上記筒体17には湯面検知手段19から湯面検出信号が
出力された時点で制御手段13から出力される制御信号に
応じ、上記連通管16の端部を開放して大気に連通させた
状態から加圧手段6の加圧空気供給管12に分岐管20を介
して連通させた状態とに切換える電磁切換弁からなる切
換手段21が設けられている。
そして、上記切換手段21を大気開放側に設定した状態
で、上記加圧手段6から容器3内の湯面に加圧空気を作
用させて筒体17内の溶湯14を上昇させ、この筒体17内の
湯面が上記湯面検知手段19の検知位置つまり上記導線18
の下端部まで上昇して上記湯面検知信号が出力された時
点における加圧空気の供給圧力を圧力検出手段15により
検出した後、この検出値に基づいて容器3内の溶湯量を
溶湯量演算手段22において演算するように構成されてい
る。すなわち、上記筒体17内の湯面の上昇状態は、容器
3内の溶湯量および上記加圧空気の供給圧力に応じて変
化するため、筒体17内の湯面が所定の検知位置に上昇し
た時点における加圧空気の供給圧力を検出することによ
り、これに基づいて容器3内の溶湯量を算出するように
している。
また、上記溶湯量の演算結果に基づいて上記加圧手段
6の電磁サーボ弁11の開度を調節する制御信号が制御手
段13から出力され、加圧空気の供給圧力が制御されるよ
うになっている。
上記構成の給湯制御装置による制御動作を第2図に示
すフローチャートに基づいて説明する。この制御動作が
スタートすると、まずステップS1において制御手段13内
に設けられたタイマを作動させて給湯制御時間の計測を
開始する。そして、ステップS2において排気通路8の電
磁排気弁7を閉止して保温炉2を密閉状態にするととも
に、ステップS3において連通管16の切換手段21を大気開
放側に設定して筒体17の上端部を大気圧状態の雰囲気に
連通させる。次にステップS4において加圧手段6の電磁
開閉弁10を開放するとともに、ステップS5において電磁
サーボ弁11を予め設定された加圧特性に応じて作動させ
ることにより、容器3内の湯面に作用する加圧空気の供
給圧力を徐々に増大させる。
次いでステップS6において湯面検知手段19により筒体
17内の湯面の上昇状態を検知し、上記加圧空気によって
筒体17内の湯面が押上げられて湯面検知手段19の検知位
置まで上昇したことが検知されたか否かを判別する。そ
してこの判別の結果、筒体17内の湯面が上記検知位置ま
で上昇して湯面検知手段19から検知信号が出力されたこ
とが確認された時点で、ステップS7において連通管16の
切換手段21を加圧空気供給管12側に切換えて加圧空気を
上記筒体17内に供給する。また、ステップS8において上
記圧力検出手段15により加圧空気の供給圧力を検出して
その検出値を入力した後、ステップS9において上記検出
値に基づいて容器3内の溶湯量を演算する。
次にステップS10において電磁サーボ弁11を作動させ
る基準となる加圧特性を上記容器3内の溶湯量に基づい
て補正し、この溶湯量に応じた給湯制御を実行する。す
なわち、上記容器3内の溶湯量は給湯が行なわれるたび
に減少して湯面位置が低下するため、この湯面位置の低
下量を溶湯量演算手段22の演算結果に基づいて求める。
そして第3図に示すように、溶湯量が最大量にある場合
に対応した基準加圧特性aを、上記湯面位置の低下量に
応じて高圧側に変位させた補正後の加圧特性b,c,dに基
づいて加圧空気の供給圧力を調節することにより、鋳型
4に対する給湯のタイミングおよび速度が適正状態とな
るように制御する。
次いでステップS11において上記タイマにより設定さ
れた給湯制御時間がタイムアップしたか否かを判別する
ことにより、給湯が完了したか否かを確認する。上記の
判別の結果、給湯が完了したことが確認された時点で、
ステップS12において電磁サーボ弁11の作動を停止させ
る。また、ステップS13において電磁開閉弁10を閉止し
て加圧空気の供給を停止した後、ステップS14において
排気通路8の電磁排気弁7を開放して保温炉2内に残留
している加圧空気を外部に排出する。次いで、ステップ
S15において保温炉2内の残圧が所定値以下に低下した
か否かを判別する。そして上記残圧が低下したことが確
認された時点で、ステップS16において連通管16の切換
手段21を大気開放側に切換えるとともに、ステップS17
において鋳型4を開作動させる制御信号を出力して制御
動作を終了する。
上記のように下端部が容器3の溶湯14内に浸漬された
筒体17を設け、この筒体17に導入された溶湯14の上昇状
態を湯面検知手段19によって検出するように構成したた
め、上記容器3内に浮遊した鉱滓の影響を受けることな
く、上記溶湯14が筒体17内の検知位置に上昇したことを
正確に検出し、この検出結果に基づいて容器3内の溶湯
量を正確に算出することができる。
すなわち、上記容器3内に溶湯14を充填あるいは補充
する際に、溶湯14が撹拌されることにより酸化されて鉱
滓23が形成され、この鉱滓23が溶湯14の上面に浮遊する
こととなるが、上記筒体17はその下端部が溶湯14内に浸
漬されているため、この筒体17内に上記鉱滓23が侵入す
るのを効果的に阻止することができる。この結果、上記
鉱滓23の影響を排除して湯面検知手段19の検知位置に溶
湯14の上面が到達したことを正確に検出することがで
き、この時点における加圧空気の供給圧力に基づいて容
器3内の溶湯量を溶湯量演算手段22により正確に検出す
ることができる。したがって、上記溶湯量に応じて加圧
空気の供給圧力を調節することにより、適正な給湯タイ
ミングおよび速度で鋳型4内に溶湯14を供給して低圧鋳
造を行なうことができる。上記筒体17内に鉱滓23が侵入
するのを効果的に阻止するためには、筒体17の下端部を
溶湯14の深部に浸漬することが望ましい。
また、上記湯面検知手段19から検知信号が出力された
時点で、筒体17の端部を大気に連通させる連通管16を大
気連通状態から加圧手段6の加圧空気供給管12を連通し
た状態に切換える切換手段21が設けられているため、鋳
型4の給湯時には筒体17内の湯面が加圧空気により容器
3内の湯面と同レベルまで押下げられることとなる。し
たがって、溶湯供給時に筒体17内の湯面がさらに押上げ
られて湯面検知手段19の検知部まで上昇することが防止
され、この検知部が熱影響を受けて損傷するのを確実に
防止することができる。また、筒体17内の湯面が容器3
内の湯面と同レベルになるように制御されるため、この
筒体17内に導入された溶湯量が加圧空気の供給圧力に応
じて不規則に変化することが防止され、この溶湯量の変
化に対応して給湯タイミング等が変動することを確実に
防止することができる。
なお、上記連通管16の端部を大気連通状態とする代わ
りに、圧力が大気圧力状態に設定された不活性ガスの貯
留タンクに接続し、この貯留タンクから不活性ガスを上
記筒体17内に供給するように構成してもよく、この場合
には筒体17内の溶湯14が空気と接触して湯面に酸化膜が
形成されるのを防止できるという利点がある。また、上
記実施例では、鋳型4内に溶湯14を供給する低圧鋳造装
置からなる給湯機の制御装置について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば他の炉もし
くは取鍋に溶湯を供給する給湯機についても適用可能で
ある。
(発明の効果) 以上説明したように本発明は、下端部が容器内に収容
された溶湯内に浸漬された筒体を設け、上記容器内の湯
面に加圧気体を供給して給湯を行なう際に、筒体内の湯
面の上昇状態を検出し、この湯面が所定の検知位置に上
昇したことを検知した時点における加圧気体の供給圧力
に基づいて容器内の溶湯量を算出するようにしたため、
溶湯の補充時等に鉱滓が生成されて溶湯の上面に浮遊し
た場合においても、この鉱滓の影響を受けることなく、
上記筒体内の湯面の上昇状態を正確に検出し、これに基
づいて容器内の溶湯量を正確に算出することができる。
したがって、上記容器内の溶湯量に対応させて加圧気体
の供給圧力を調節することにより、適正な給湯タイミン
グおよび速度で溶湯を供給することができる。
また、上記筒体の湯面が所定の検知位置に上昇して湯
面検出手段から湯面検知信号が出力された時点で、筒体
の上端部を大気圧雰囲気に連通させた状態から加圧気体
の供給圧力雰囲気に連通させた状態に切換える切換手段
を設けたため、鋳型に対する給湯時に筒体内の湯面が湯
面検知手段の検知の近傍まで上昇してこの検知部が熱影
響を受けたり、上記筒体内の湯面位置の変化に応じて給
湯のタイミング等が変動したりするのを効果的に防止で
きるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る給湯機の給湯制御装置の実施例を
示す断面図、第2図は上記給湯制御装置の制御動作を示
すフローチャート、第3図は給湯時の加圧特性を示すグ
ラフである。 3……容器、5……溶湯供給管、6……加圧手段、13…
…制御手段、14……溶湯、15……圧力検出手段、17……
筒体、19……湯面検知手段、21……切換手段、22……溶
湯量演算手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内に収容された溶湯の上面に加圧手段
    によって加圧気体を作用させることにより、溶湯供給管
    を通して溶湯を供給する給湯機において、下端部が上記
    溶湯内に浸漬された筒体と、溶湯の供給時に筒体内の湯
    面が所定の検知位置に上昇したことを検知する湯面検知
    手段と、この湯面検知手段から湯面検知信号が出力され
    た時点で上記筒体の上端部を大気圧雰囲気に連通させた
    状態から上記加圧気体の供給圧力雰囲気に連通した状態
    に切換える切換手段と、上記湯面検知信号の出力時点に
    おける加圧気体の供給圧力を検出する圧力検出手段と、
    この圧力検出手段の検出値に応じて容器内の溶湯量を演
    算する溶湯量演算手段と、この溶湯量演算手段により算
    出された溶湯量に基づいて上記加圧手段による加圧気体
    の供給圧力を制御する制御手段とを設けたことを特徴と
    する給湯機の給湯制御装置。
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