JP2582081B2 - 耐久性の良好な伸縮性不織布の製造法 - Google Patents

耐久性の良好な伸縮性不織布の製造法

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JP2582081B2
JP2582081B2 JP62207078A JP20707887A JP2582081B2 JP 2582081 B2 JP2582081 B2 JP 2582081B2 JP 62207078 A JP62207078 A JP 62207078A JP 20707887 A JP20707887 A JP 20707887A JP 2582081 B2 JP2582081 B2 JP 2582081B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は良好な伸縮性を有し、柔軟で耐久性のある伸
縮性不織布の製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来、伸縮性不織布としてはポリウレタン繊維を用い
て弾性繊維不織布を作ること、例えば特開昭61−55248
号公報、特開昭61−55249号公報、特開昭61−225364号
公報、特開昭52−81177号公報などに提案されている。
また、非弾性繊維と弾性繊維とからなる伸縮性不織布に
ついては、例えば特開昭48−18579号公報、特開昭52−8
5575号公報、特開昭59−211664号公報、特開昭59−2116
66号公報、特開昭60−139879号公報、特開昭61−201060
号公報、特開昭61−201086号公報などに提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の弾性繊維を含む伸縮性不織布の多くは、ポリウ
レタンを溶融紡糸して得たポリウレタン弾性繊維あるい
はポリウレタンと非弾性ポリマーを溶融紡糸して得た多
成分繊維が用いられていた。しかし、ポリウレタンを溶
融紡糸することはポリウレタンの熱分解性を考慮し、水
分率の管理、紡糸温度の管理などを十分に行つて紡糸す
るが、それでもポリウレタン個有の分子構造によつて十
分な熱安定性が得られない場合がある。また、溶融紡糸
性は安定であつても、使用上に例えば耐光候性が十分で
なかつたり、耐汗性・耐加水分解性が十分でないなどの
耐久性に問題があつたり、使用特性、例えば十分な伸縮
挙動が得られない、形態安定性および熱セツト性が十分
でない、耐クリーニング性が小さいなどがあり、繊維製
造上の安定性と使用特性上の安定性の均衡のとれたポリ
ウレタンは見出せなかつた。
本発明はポリウレタンを溶融紡糸して繊維を製造する
に際し、安定に紡糸ができ、かつ使用特性上も安定なポ
リウレタンを用いた良好な伸縮性不織布を提供するにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、3−メチルペンタンジオール−1,5または
該ジオールを主体とした混合ジオールとジカルボン酸を
反応させて得た平均分子量800〜3000のポリエステルジ
オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の反応で
得た熱可塑性ポリウレタンと、該ポリウレタンとは溶剤
に対する溶解性を異にする非弾性ポリマーとを溶融紡糸
して得た多成分繊維(A)、少なくとも2種の非弾性ポ
リマーを紡糸して得た多成分繊維(B)を混繊し、絡合
不織布を形成し、次いで (イ) 多成分繊維(A)を主体に収縮させる工程 (ロ) 多成分繊維(A)中の非弾性ポリマーを除去す
る工程 (ハ) 多成分繊維(B)を微細繊維束化する工程 を組み合わせて処理することを特徴とする耐久性の良好
な伸縮性不織布の製造法である。
すなわち、本発明で使用するポリウレタンとしては、
3−メチルペンタンジオール−1,5とジカルボン酸、例
えばアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの脂
肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などから選ばれ
た少なくとも1種を縮合重合によつて得た平均分子量80
0〜3000のポリマージオールは40〜70重量%、好ましく
は45〜65重量%と、有機ジイソシアネート、例えば4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、フエニレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレ
ンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環族ジイソシ
アネートなどから選ばれた少なくとも1種と、鎖伸長剤
として活性水素原子2個有する分子量300以下の化合
物、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、3−メチルペ
ンタンジオール−1,5、1,4−シクロヘキサンジオール、
キシレングリコールなどのジオール類、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、ピペラ
ジン、フエニレンジアミン、トリレンジアミン、イソホ
ロンジアミンなどのジアミン類、ヒドラジン、アジピン
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのヒド
ラジン類あるいはヒドラジド類などから選ばれた少なく
とも1種、好ましくは紡糸安定性のうえでジオール類か
ら選ばれた少なくとも1種の鎖伸長剤とを所望の割合で
反応させて得た熱可塑性(熱溶融性)ポリウレタン(PM
PA PUと略記)である。更に、ポリマージオールとして
は他のジオールを混合した混合ジオールを用いることも
ポリウレタンの特性を変えるのに好ましい。とりわけエ
チレングリコール3〜12モル%含む混合ジオールを用い
ることが好ましい。
次に、ポリウレタンと非弾性ポリマーからなる多成分
繊維(A)の製造法は、ポリウレタンとは溶剤に対する
溶解性を異にし、溶融紡糸中にポリウレタンと反応や相
互作用を生じて紡糸に支障を生じない非弾性ポリマーを
選び、好ましくはポリエチレン、溶剤可溶性ポリプロピ
レン、ポリブテンなどのポリオレフインまたはオレフイ
ン共重合体、ポリスチレン、スチレン共重合体、共役ジ
エン重合体などから選ばれた少なくとも1種類の非弾性
ポリマーを選び、ポリウレタンと非弾性ポリマーとを同
一溶解系で溶解して紡糸する方法、ポリウレタンと非弾
性ポリマーとは異なる溶解系で溶解し、それぞれの溶融
ポリマー流を紡糸頭で合流させて混合流を形成して紡糸
する方法またはそれぞれの溶融ポリマー流を紡糸口金で
規制して合流し、紡糸する方法で多成分繊維(A)を得
る。多成分繊維(A)の繊維形態は特に限定するもので
はなく、所望する製品形態から決定されるものである。
混合系においてはポリウレタンが分散成分(すなわち、
最終繊維形態が微細繊維束状繊維となる成分)である場
合あるいは分散媒成分(すなわち、最終繊維形態が繊維
軸方向に多数の孔が形成されている特殊多孔繊維となる
成分)である場合のいずれのものであつてもよい。ま
た、口金で規定した紡糸では混合系と同様に分散成分と
分散媒成分とからなる多芯芯鞘型繊維あるいは接合分割
型繊維である。紡糸温度は溶融流動性が十分に得られる
温度で、可能な限り低温がよい。好ましくは紡糸温度21
0〜230℃の範囲で行うことがポリウレタンの熱解離・熱
分解を少なくして安定な繊維が得られる。また、ポリウ
レタンには紡糸時に安定な化合物であれば光安定剤、酸
化防止剤、ガス黄変防止剤、難燃剤、成型助剤などを配
合することもよい。紡糸した多成分繊維(A)はフイラ
メントのまま絡合不織布に成形してもよいし、必要に応
じて延伸、捲縮して適宜の長さ、好ましくは20〜100mm
の長さに切断してステープル繊維として絡合不織布に成
形してもよい。
一方、多成分繊維(A)に混繊する多成分繊維(B)
は物理的、機械的または化学的性質を異にする少なくと
も2種類の非弾性ポリマーを紡糸して得た多成分繊維で
ある。繊維を構成する非弾性ポリマーとしては、たとえ
ばポリエチレンテレフタレートまたはそれを主体とする
共重合体、ポリブチレンテレフタレートまたはそれを主
体とする共重合体、脂肪族ポリエステルまたはそれの共
重合体等の可紡性ポリエステル類、ナイロン−6、ナイ
ロン−66、ナイロン−610、ナイロン−12で代表される
ナイロン類、その他可紡性ポリアミド類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどのポリオレフイ
ン類、アクリル系共重合体、ポリビニルアルコールがあ
げられる。また、溶解除去される成分は上記非弾性ポリ
マーの他にポリスチレンまたはスチレン共重合体、ポリ
塩化ビニル、その他可紡性ポリマーとの共存下において
紡糸性を有するポリマーなどが挙げられる。少なくとも
2種の非弾性ポリマーからなる繊維は、これら非弾性ポ
リマーの内から特定溶剤に対して溶解性を異にする関係
にある2種以上のポリマーの組合せを選び出し、さらに
これらの内から熱成形温度範囲の重なつている組合せ、
または共通溶媒あるいは相溶性のある溶媒で溶解できる
組合せを選び出し、これらの組合せのポリマーを湿式紡
糸、乾式紡糸または溶融紡糸することにより得られる。
具体的なポリマーの組合せ例としては、ポリエチレンテ
レフタレート−ポリエチレン、ナイロン−6−ポリエチ
レン、ナイロン−6−ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート−ポリスチレン、ポリプロピレン−ポリスチ
レン、ナイロン−6−ポリビニルアルコールなどが挙げ
られる。繊維の具体的な紡糸方法としては、同一溶融系
または同一溶解系で溶融または溶解して紡糸する方法、
異なる溶融系または溶解系で溶融または溶解して紡糸頭
または紡糸口金で合流して混合系を形成して紡糸する方
法などがあげられる。繊維Bは通常の延伸方法で延伸さ
れ、捲縮・切断されて短繊維とされる。
次に繊維AとBを混綿する。好ましい混綿比率は、繊
維Bが後にそれを構成しているポリマーの少なくとも一
種を除去するか否かによつて異なる。すなわち、繊維B
を構成しているポリマーの少なくとも一種を後に除去す
る場合には、繊維Aと繊維Bの混綿比率は繊維Aが15〜
85重量%、特に25〜70重量%となる割合が好ましく、繊
維Bにこのような処理を行なわない場合には、繊維Aが
20〜90重量%、特に35〜85重量%となる割合が好まし
い。なお繊維Aとして弾性ポリマーと非弾性ポリマーか
らなる繊維を二種以上混合してもよく、また多成分繊維
B以外に通常の非弾性ポリマーの合成繊維、再生繊維、
天然繊維を混繊してもよい。
繊維Aと繊維Bは所定の比率で混綿されたのち、カー
ドで解繊され、ウエバーでランダムウエブまたはクロス
ラツプウエブに形成される。ウエブは必要に応じて積層
し、所望の重さにする。また混綿比率の異なるウエブを
積層することもできる。ウエブ重さは指向する用途によ
り異なるが、一般に100〜3000g/m2の範囲が好ましい。
次いで公知の手段で繊維絡合処理を施して絡合不織布
が形成される。好ましい絡合処理はニードルパンチング
である。ニードルパンチング数および条件は、使用針の
形状やウエブの厚みで異なるが、一般に200〜2500パン
チ/cm2の範囲で設定される。ニードルパンチ条件が強す
ぎる場合には繊維の絡合効果よりむしろ繊維の切断が増
加することとなり、構造破壊を生じ、ウエブ面積の拡大
をまねくため、伸縮性に好ましくない結果をまねくこと
となる。また絡合が少ない場合には十分な伸縮性を付与
できないこととなる。
本発明で絡合不織布に十分な伸縮挙動を付与するため
には、絡合不織布を収縮させなければならない。収縮の
程度は、収縮処理前の絡合不織布の面積に対して10〜80
%の面積収縮を生じる程度である。しかも、このような
収縮処理は、弾性ポリマーを含んでいる繊維が弾性ポリ
マーを含んでいない繊維より大きく収縮するように行な
わなければならない。一般に弾性ポリマーは非弾性ポリ
マーより低温において収縮する傾向を有している。した
がつて本発明において、収縮処理を行なう際の具体的条
件としては、弾性ポリマーを含んでいる繊維は収縮する
が弾性ポリマーを含んでいない繊維は実質的に収縮しな
いかあるいは収縮してもその程度が弾性ポリマーを含ん
でいる繊維と比べてはるかに少ない収縮しか生じないよ
うな温度条件下で行なうのが好ましい。
このような収縮処理を行なうことにより、最終的に得
られる絡合不織布内において、弾性ポリマーからなる繊
維A′(多成分繊維Aから非弾性ポリマーを除去して得
た繊維)は収縮しているのに対して非弾性ポリマーから
なる繊維B′(多成分繊維Bを処理して得た微細繊維束
状繊維)は殆んど収縮していないか或いは該繊維A′に
比べてはるかにわずかの収縮しかしておらず、その結
果、繊維A′は絡合不織布内において緊張した状態を有
しているのに対して繊維B′は弛んだ状態を有している
ようになる。絡合不織布内においてこのような繊維状態
を有していることにより、絡合不織布に伸長力が掛けら
れた場合、絡合不織布の伸長は専ら繊維A′の伸びによ
り達成され、伸長の程度が繊維B′が弛んだ状態から引
張られた状態となる範囲内においては、絡合不織布の構
造破壊、すなわち交絡による固定や弾性繊維の膠着によ
る繊維間の固定が外れるような状態は実質的に生じない
こととなる。したがつて、絡合不織布は繰り返しの伸長
に対しても実質的に構造変形を生じないことになる。
以上の説明からも明白なように、本発明の絡合不織布
の伸縮性と絡合不織布の収縮工程における収縮率とは密
接な関係を有している。すなわち、大きな収縮率を付与
すると絡合不織布の弾性伸長範囲が拡がることとなる。
絡合不織布の収縮率は収縮処理条件(温度、時間、張
力等)でも調節可能であるが、絡合不織布の潜在収縮率
(最大収縮率)は、弾性ポリマーの種類、組成比率、紡
糸条件、延伸倍率等にもとづく繊維Aの潜在収縮率、な
らびに非弾性ポリマーの種類、繊度等で決定される繊維
Bの曲げ剛性率および混綿比率により主として決定され
る。したがつて、これらの条件を変えることにより絡合
不織布の収縮率を任意に変えることができる。
絡合不織布に収縮を付与する工程は、(1)絡合不織
布の状態で行なう方法、(2)繊維AまたはBから少な
くとも一種のポリマーを除去する工程で同時にまたはそ
の後に行なう方法などがあるが、いずれの方法を用いて
もよく、さらにはこれらの方法を組合せて行ない、最終
的に所望の面積収縮が得られるようにしてもよい。収縮
処理は湿熱処理または乾熱処理で行なうが、残留繊維成
分を損うことのない薬品を併用して処理してもよい。収
縮処理を付与することによつて繊維A′の持つ繊維本質
のゴム状弾性に加えて、絡合不織布の構造的な伸縮性や
圧縮反撥性などが加わり、単純なゴム状弾性挙動が抑制
され、風合上腰のある柔軟性が付与されることとなる。
本発明では、絡合不織布を構成する繊維Aから非弾性
ポリマーが除去される必要がある。また、前述したよう
に繊維Bが二種以上の非弾性ポリマーからなる繊維であ
る場合には、その少なくとも一種の非弾性ポリマーを除
去し少なくとも一種の非弾性ポリマーを残存させること
により伸縮性および柔軟性において一層優れたものとな
る。除去方法は、除去するポリマーの溶剤で溶解あるい
は分解剤で分解などいずれの方法でもよい。
少なくとも一種のポリマーを除去し少なくとも一種の
ポリマーを残存させることにより得られる繊維A′,B′
は、細デニール繊維が集束された形態、多数の微細な孔
が繊維軸方向に配列された形態、あるいはこれらが混在
した形態などを有している。但し、弾性ポリマーからな
る繊維の場合には、弾性ポリマーの膠着により細デニー
ル繊維間の空間や繊維軸方向に配列された孔が消失し、
上記したような明確な形態とならない場合があるが、こ
のような場合であつても本発明の目的は充分に達成され
る。なお繊維A′またはB′が上記細デニール繊維が集
束された形態を有している場合には、該細デニール繊維
は連続したものであつても、また必要な製品強さを満た
すに十分な長さを有する非連続なものであつてもよい。
また円断面でも異形断面でもよい。
本発明で得た絡合不織布は所望の厚みにスライスして
一定の厚みのものにする。または複数枚に分割してもよ
い。本発明の絡合不織布は、弾性ポリマーからなる変性
繊維が比較的均一に混綿されているため、表面をアイロ
ン掛けするなどの処理で平滑化面とすることもできる。
また、柔軟剤処理、染色処理、撥水・防水処理、難燃化
処理などを必要に応じて行なつてもよい。
本発明の絡合不織布は、弾性ポリマーからなる繊維が
比較的良く混綿されているか、または均一層として形成
されているため、伸長に対しても伸びむらの少ない不織
布となつている。更に弾性ポリマーからなる変性繊維は
収縮処理や変性処理の過程で繊維接触部において膠直を
生じ一部に接点を生じている。従つて、本発明で得た絡
合不織布の構造は弾性ポリマーからなる変性繊維同志の
接触部に生じた膠着接点、繊維交絡結節点があり、各繊
維の緊張状態が弾性ポリマーからなる変性繊維はほぼ緊
張した状態にあり、非弾性ポリマーからなる繊維がたる
みをもつて存在した構造になつている。
この構造状態を確認する一つの手段として、絡合不織
布から一方の繊維を除去した後の絡合不織布の形状で知
ることができる。すなわち、弾性ポリマーからなる変性
繊維を溶剤等の処理で除去すると非弾性ポリマーからな
る非変性繊維の絡合不織布は収縮処理前の面積に近くま
で面積が拡大するのに対し、非弾性ポリマーからなる繊
維を溶剤等の処理で除去すると弾性ポリマーからなる変
性繊維の絡合不織布はほとんど面積変化を生じないかあ
るいは小さな面積変化にとどまることから知ることがで
きる。
本発明の絡合不織布は伸縮性に優れ、かつ柔軟性を有
しているため、サポーター、バンド類、医療用品、衣料
用部品、その他多くの利用用途を有している。
〔実 施 例〕
次に本発明を具体的な実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実
施例中、部および%は重量にもとずくものである。
実施例 (多成分繊維Aの製造) 平均分子量1140のポリ−3−メチル−1,5−ペンタン
アジペートグリコールと4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネートと1,4−ブタンジオール(モル比1:3.5:2.
5、イソシアネートに基づく窒素量4.38%、ソフトセグ
メント量50.9%)の組成で溶融重合した。ここに得られ
たポリウレタンの溶融粘度は高化式フローテスターを用
い、温度220℃、余熱時間360秒、ノズル直径1mm−長さ1
0mm、圧力10kg/cm2の条件で測定して、溶融粘度1550ポ
イズであつた。
減圧乾燥で水分率0.02%に乾燥した上記ポリウレタン
60部と低密度ポリエチレン(メルトインデツクス140)6
0部ペレツトで混合し、スクリユーエクストルーダーで
溶融し、223℃で溶融紡糸し、糸条は2.8倍に延伸し、捲
縮し、繊維長51mmに切断して繊度6デニールのステープ
ル繊維(多成分繊維A)を得た。この繊維の断面構造を
観察するとポリウレタンが分散成分となつてポリエチレ
ン分散媒成分中に多数分散していた。また、溶融紡糸の
安定性は良好で、100時間連続紡糸でもビスの発生によ
る断糸はなかつた。
(多成分繊維Bの製造) ナイロン−6 50部と低密度ポリエチレン(メルトイン
デツクス140)50部をペレツトで混合し、280℃で溶融紡
糸し、延伸、熱処理し、捲縮し、繊維長51mmに切断して
繊度4デニールのステープル繊維(多成分繊維B)を得
た。この繊維の断面構造はナイロン6が分散成分となつ
た多成分繊維である。
(絡合不織布の製造) 次いで繊維Aおよび繊維Bを第1表に示した比率で混
綿し、カードにかけて解繊した後、ランダムウエバーで
ランダムウエブを形成し、針番手#40の針でウエブを両
面から交互に合計560パンチ/cm2のニードルパンチング
を行ない、重さ約400g/m2絡合不織布を作つた。この絡
合不織布をテフロンコーテイングシート上に載置し、無
緊張状態で135℃の熱風中で処理して絡合不織布に収縮
を付与した。
収縮処理した絡合不織布を約80℃の熱パークロルエチ
レン中に浸漬−絞りを繰り返してポリエチレンを溶解除
去した後、風乾して溶剤を除去し、約130℃の熱風中で
乾燥熱処理を施して、ポリウレタン繊維同志の接してい
る部分に膠着による接着点を形成させた。得られた絡合
不織布はポリウレタン繊維とナイロン−6繊維が良好な
混綿状態で存在し、ポリエチレンを溶解した繊維はしな
やかになり絡合結節点が多くできていて良好な伸縮性が
得られ、30%伸長しても構造変形を生じなかつた。得ら
れた絡合不織布の状態を第1表に示した。
本発明の絡合不織布は柔軟性があり、絡合不織布特有
の繊維質感が少ないあるいはないものであつた。
上記の実施例で得られた絡合不織布を拡大して観察し
た結果、ポリウレタン繊維は緊張した状態にあるのに対
して、ナイロン−6繊維は弛んだ状態を有していた。一
方、比較例の絡合不織布ではこのような状態が観察され
なかつた。
得られた絡合不織布をスライスして厚さ0.8mmのシー
トとし、バフイングして繊維立毛表面に仕上げ、染色し
てスエード調製品を得た。このものは衣料用に適してい
て、温度70℃−湿度95%のジヤングルテスターで1000時
間処理しても弾性挙動の変化はほとんどなかつた。また
アイロン掛けによる型保持性も良好であつた。
〔発明の効果〕
本発明のポリウレタンは安定な溶融紡糸ができる。こ
のポリウレタン繊維を含む絡合不織布は耐加水分解性に
優れ、柔軟で伸縮性に富み、型保持性の良好な伸縮性不
織布である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 9/14 9/02 A 13/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−メチルペンタンジオール−1,5または
    該ジオールを主体とした混合ジオールとジカルボン酸を
    反応させて得た平均分子量800〜3000のポリエステルジ
    オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の反応で
    得た熱可塑性ポリウレタンと、該ポリウレタンとは溶剤
    に対する溶解性を異にする非弾性ポリマーとを溶融紡糸
    して得た多成分繊維(A)、少なくとも2種の非弾性ポ
    リマーを紡糸して得た多成分繊維(B)を混繊し、絡合
    不織布を形成し、次いで (イ) 多成分繊維(A)を主体に収縮させる工程 (ロ) 多成分繊維(A)中の非弾性ポリマーを除去す
    る工程 (ハ) 多成分繊維(B)を微細繊維束化する工程 を組み合わせて処理することを特徴とする耐久性の良好
    な伸縮性不織布の製造法。
  2. 【請求項2】混合ジオールが3−メチルペンタンジオー
    ル−1,5 97〜88モル%およびエチレングリコール3〜12
    モル%を混合した特許請求の範囲第1項記載の耐久性の
    良好な伸縮性不織布の製造法。
  3. 【請求項3】多成分繊維(A)の紡糸が紡糸温度210〜2
    30℃の範囲で溶融紡糸する特許請求の範囲第1項または
    第2項記載の耐久性の良好な伸縮性不織布の製造法。
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