JP2581719Y2 - レンズアンテナ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、静止衛星からの電波を
受信するレンズアンテナ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】静止衛星からの電波を受信するこの種の
アンテナ装置は、例えば図７に示すアンテナ支持架台
（実開平２−１９０６号公報）のように、平面アンテナ
５１の背面に前脚５２を固着し、この前脚５２の中間に
連結体５３の前端を、また、これより若干上方に支持脚
５４の一端をそれぞれ回動可能に取付け、そして支持脚
５４の長孔５５に挿通した調整つまみ５６で連結体５３
の後端を螺着している。このため、調整つまみ５６をス
ライドしてアンテナ仰角を調整する際、平面アンテナ５
１、前脚５２、連結体５３、支持脚５４等装置全体を少
し持ち上げ気味に支持する必要があった。

【０００３】これに対し図８に示すアンテナ取付装置
は、アンテナマスト６１の頂部に嵌挿した支持体６２の
上方へ突き出る二股部６３に２本のねじ６４で平面アン
テナ６５を回動可能に取付け、平面アンテナ６５の背面
下部はこれに一端を取付けた仰角調整板６６の長孔（図
示せず）に挿通する固定用ボルト６７で支持体６２の頂
部に取付けている。

【０００４】このものでは、平面アンテナ６５はアンテ
ナマスト６１で支持されているから、図７に示すものに
比べ仰角調整は容易であるが、固定用ボルト６７と２本
のねじ６４，６４を仰角調整の際は緩めておき、調整後
は締付けるという煩雑な操作となる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】前記従来装置は、アン
テナ支持機構、仰角調整機構が複雑で多くの部品で構成
され、しかも仰角調整が煩雑で手数がかかる不都合があ
った。

【０００６】本考案は前記の点に鑑みてなされたもの
で、簡潔且つコンパクトな構成によってアンテナ仰角を
簡単に且つ速やかに設定できるようにしたレンズアンテ
ナ装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段および作用】本考案のレン
ズアンテナ装置においては、椀状支持具の開口端に球面
側を外に向けた半球状の誘電体レンズを固着し、椀状支
持具の基部に誘電体レンズで屈折し集束された電波を受
信する一次放射器付周波数変換器を設けると共に、前記
基部の後部外周面部を半球状面部となし、一方、基台に
は前記半球状面部を摺動可能に支持する椀部を突設し、
この椀部に形成した上下方向に長い案内孔に挿通した１
本の調整つまみで椀部に椀状支持具を螺着しているの
で、この調整つまみを緩めて案内孔に沿って動かせば、
アンテナ仰角を簡単に調整することができる。

【０００８】この仰角調整は、案内孔に沿ってアンテナ
仰角目盛を付し、調整つまみのねじ軸には指標を付した
座金を挿入し、この座金に突設した突起条部を案内孔に
摺動可能に嵌めた状態で行ってもよい。

【０００９】案内孔に一次放射器付周波数変換器の出力
端子を配置すれば、出力端子専用の長孔が不要となる。

【００１０】椀状支持具を円滑に傾動するには、前記座
金に前記突起条部を突設するか、調整つまみのねじ軸の
基部をねじなし部で案内孔の幅と等しい軸径にとるか、
あるいは半球状面部に調整つまみ螺合用の角ナット部を
突設し、この角ナット部の幅を案内孔の幅と等しくする
等適宜の手段を採用できる。

【００１１】

【実 施 例】本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１〜図４において、１は基部６に椀状部２を一体
連接してなる椀状支持具で、基部６の後部外周面部は半
球状面部８としており、椀状部２の開口端にはこれに平
坦面４の外周端縁で嵌めた半球状の誘電体レンズ３をビ
ス５，５で固着し、基部６には誘電体レンズ３で屈折し
集束された電波を受信する一次放射器付周波数変換器７
を埋設している。

【００１２】１０は基台で、後部には柄部１１と椀部１
２からなる受け具１３を、椀部１２が若干仰向きとなる
状態で傾設している。

【００１３】椀部１２には、椀状支持具１の半球状面部
８に形成したねじ孔９に螺合する調整つまみ１４を上下
方向に案内するための案内孔１５を形成すると共に、そ
の両側にアンテナ仰角目盛１６を設けている。調整つま
み１４は、そのねじ軸１７に座金１８を嵌めて半球状面
部８に螺着するが、アンテナ仰角目盛１６に対向させる
指標２０を付した座金１８には、案内孔１５に摺動可能
に嵌まる突起条部２１を突設しているので、調整つまみ
１４は円滑に上下動ができ、また、指標２０は調整つま
み１４の回動操作で回ることがない。尚、一次放射器付
周波数変換器７の出力端子２２は、椀部１２の案内孔１
５に配置している。

【００１４】椀部１２にアンテナ仰角目盛１６を付けな
い場合には指標２０が不要ゆえ、座金１８の突起条部２
１に代えて、図５に示すように半球状面部８のねじ孔９
位置に案内孔１５で案内される角ナット部２４を突設す
るか、図６に示すように調整つまみ１４のねじ軸２５の
基部２６を案内孔１５に摺動可能となるねじなし部とし
てもよい。

【００１５】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、開
口端に半球状の誘電体レンズを固着し基部に一次放射器
付周波数変換器を設けた椀状支持具を、その基部で基台
に突設した椀部に摺動可能に嵌めると共に、１本の調整
つまみで椀部に上下動可能に取付けているので、簡潔且
つコンパクトな構成によって、アンテナ仰角を簡単且つ
迅速に設定することができる。従って、コンパクトで取
扱い容易な卓上型のレンズアンテナ装置を安価に提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の側面図である。

【図２】本考案の実施例の背面図である。

【図３】本考案の実施例の縦断面図である。

【図４】基台に突設した椀部の椀状支持具取付機構の説
明図である。

【図５】椀部と椀状支持具との他の連結機構の一部切欠
き拡大断面図である。

【図６】椀部と椀状支持具とのいま一つの連結機構の一
部切欠き拡大断面図である。

【図７】従来品の側面図である。

【図８】他の従来品の斜視図である。

【符合の説明】

１ 椀状支持具 ２ 椀状部 ３ 誘電体レンズ ４ 平坦面 ６ 基部 ７ 一次放射器付周波数変換器 ８ 半球状面部 １０ 基台 １２ 椀部 １４ 調整つまみ １５ 案内孔 １６ アンテナ仰角目盛 １７ ねじ軸 １８ 座金 ２０ 指標 ２１ 突起条部 ２２ 出力端子 ２４ 角ナット部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−204724（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−39010（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−79514（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−77904（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H01Q 1/12 - 1/26 H01Q 15/00 - 19/32

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 半球状の誘電体レンズ(3) と、基部(6)
   の後部外周面部を半球状面部(8) となし、椀状部(2) の
   開口端には平坦面(4) を基部(6) に対向させた誘電体レ
   ンズ(3) を固着する椀状支持具(1) と、椀状支持具(1)
   の基部(6) に設けられて誘電体レンズ(3) で屈折し集束
   された電波を受信する一次放射器付周波数変換器(7)
   と、上下方向に長い案内孔(15)を形成し且つ椀状支持具
   (1) の半球状面部(8) を摺動可能に嵌挿する椀部(12)を
   突設した基台(10)と、案内孔(15)に挿通して半球状面部
   (8) に螺合し椀部(12)に椀状支持具(1) を着脱自在に取
   付ける調整つまみ(14)からなるレンズアンテナ装置。
2. 【請求項２】 椀部(12)には案内孔(15)に沿ってアンテ
   ナ仰角目盛(16)を付し、調整つまみ(14)のねじ軸(17)に
   座金(18)を挿入しこの座金(18)には指標(20)を付すと共
   に案内孔(15)で摺動可能に案内される突起条部(21)を突
   設した請求項１記載のレンズアンテナ装置。
3. 【請求項３】 調整つまみ(14)のねじ軸(17)の基部を軸
   径が案内孔(15)の幅と等しく、且つねじなしの軸とする
   か、または半球状面部(8) に調整つまみ螺合用の角ナッ
   ト部(24)を突設しその幅を案内孔(15)の幅と等しくした
   請求項１記載のレンズアンテナ装置。
4. 【請求項４】 案内孔(15)に一次放射器付周波数変換器
   (7) の出力端子(22)を配置した請求項１，２または３記
   載のレンズアンテナ装置。