JP2581545B2 - 2サイクルデイ−ゼルエンジン - Google Patents

2サイクルデイ−ゼルエンジン

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JP2581545B2
JP2581545B2 JP61209649A JP20964986A JP2581545B2 JP 2581545 B2 JP2581545 B2 JP 2581545B2 JP 61209649 A JP61209649 A JP 61209649A JP 20964986 A JP20964986 A JP 20964986A JP 2581545 B2 JP2581545 B2 JP 2581545B2
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cylinder
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達之 桝田
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はクランク室圧縮式の2サイクルディーゼルエ
ンジンに関するものである。
〔従来の技術〕
ディーゼルエンジンは、空気のみをシリンダ内に吸入
し、圧縮行程終わり付近で高温高圧となった空気中に燃
料を噴射することによって、燃料を自己着火させるもの
である。したがって、従来、ディーゼルエンジンは、圧
縮温度を高めるために、高圧縮比とされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このため、ディーゼルエンジンにおいては、一般的に
知られているように、熱効率が高い利点がある反面、圧
縮比が高くされるのに伴ってシリンダ内の圧力が高くな
る不具合があった。その結果、機関に大きな強度が要求
され、機関重量が嵩む欠点があった。
また、この種のディーゼルエンジンでは、始動時やエ
ンジン運転域が低負荷運転域にあるときには、圧縮温度
が低い関係から始動し難かったり、燃焼が不安定になる
という問題があった。
さらに、従来のディーゼルエンジンでは、排気脈動を
利用して排気を効率よく行わせ、高出力化を図るにも限
度があった。これは、排気脈動の圧力波の伝播速度はエ
ンジン回転数が変化してもそれほど変化せず、エンジン
回転数が上昇する場合にはエンジン回転数に対して相対
的に遅くなってしまうことに起因しており、エンジン回
転域の全域にわたって排気脈動を利用することはできな
いからであった。
すなわち、低負荷運転域のときの排気開始タイミング
に排気脈動の負圧波が排気孔へ戻るように排気管長を設
定し、低負荷運転域のときに排気効率が向上するように
構成すると、高負荷運転域のときには、負圧波が排気孔
へ戻るタイミングと排気開始タイミングとが合致しなく
なってしまう。言い換えれば、排気脈動を利用して出力
向上を図れるエンジン回転域が排気管長によって設定さ
れてしまう。
このように排気管長を設定するに当たり生じる問題の
他に、排気開始タイミングを設定するに当たっても問題
があった。これは、ディーゼルエンジンは点火プラグを
もたず、圧縮され昇温した新気中に噴射された燃料が新
気の熱に触れて気化し、これが周りの新気の酸素と混合
することによって形成された可燃混合気が自己着火して
燃焼する関係から、所定時間噴射される燃料が自己着火
により順次燃焼するからである。
すなわち、燃料噴射式ガソリンエンジンでは、噴射さ
れた燃料が気化し空気と混合されてなる気化器が点火プ
ラグのスパークにより着火し、この着火による火炎が伝
播することにより燃焼が進行するが、ディーゼルエンジ
ンでは上述したように燃焼が行われる関係から、燃焼完
了までに要する時間がガソリンエンジンに較べると長く
なるし、燃焼途中ですすやハイドロカーボンが発生し易
くなる。これらの生成物は燃焼室内の酸素と結合して燃
焼するがこの燃焼速度も遅い。
このため、排気開始タイミングとしては、すすやハイ
ドロカーボンなどが十分燃焼することができるタイミン
グに設定し、排気煙濃度がすすやハイドロカーボンによ
って濃くなることがないようにしなければならない。し
かしながら、排気開始タイミングを、燃焼室に対する
吸、排気効率が高く空気過剰率が高くなる高速運転時に
適合させて設定すると、低速運転時には排気煙濃度が高
くなってしまう。これは、エンジンが高速で運転される
ほど圧縮行程中で昇温する新気の熱が外部に逃げ難く燃
焼室内温度が上昇するので、燃焼が促進されるととも
に、燃焼途中で発生するすすやハイドロカーボンも燃焼
室内の多い酸素により短時間で酸化するからで、高速運
転時に適合する排気開始タイミングは低速運転時に適合
するタイミングより早いからである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、シリ
ンダ内の圧力上昇が実質的に抑えられると共に、始動性
およびエンジン回転域が低負荷運転域にあるときの燃焼
安定性を高め、しかも、エンジン回転域の広域にわたっ
て排気脈動を利用しかつ排気開始タイミングを適合させ
て出力向上を図れる2サイクルディーゼルエンジンを提
供するものである。
本発明に係る2サイクルディーゼルエンジンは、ピス
トンが掃気孔および排気孔を閉塞し、燃焼室内の新気を
圧縮する一方、圧縮され昇温した新気中に噴射された燃
料が自己着火することにより燃焼が開始される2サイク
ルディーゼルエンジンであって、排気孔をシリンダの周
面に開口させ、燃焼室から排気孔を介して排気通路へ至
る排気経路がピストンによって開閉される構造とし、こ
の排気経路中に、この排気経路がピストンによって開閉
される時期を変えることにより圧縮比を変える圧縮比可
変手段を設けてなり、この圧縮比可変手段を、エンジン
運転域が高負荷運転域にあるときに圧縮比低下側へ制御
されかつエンジン運転域が低負荷運転域にあるときに圧
縮比上昇側へ制御される構造としたものである。
〔作用〕
本発明においては、エンジン回転域が高負荷運転域に
あるときには圧縮開始タイミングが遅くなり圧縮比が低
くなるので、シリンダ内の圧力上昇が抑えられる。この
ときには、低負荷運転域のときに較べて排気開始タイミ
ングが早くなることに起因して排気脈動の負圧波が排気
孔へ戻るタイミングが早くなるから、エンジン回転数の
上昇に対して相対的に遅くなる排気脈動の圧力波の伝播
速度が補完される。その上、排気孔の開口面積が相対的
に大きくなり排気抵抗が減少するから、上述したように
排気開始タイミングが速まることと相俟って燃焼室から
燃焼ガスが速く排出される。
また、エンジン始動時やエンジン回転域が低負荷運転
域にあるときには、圧縮開始タイミングが早くなり圧縮
比が高くなるので、圧縮温度が上昇して自己着火性が向
上し、容易な始動ならびに安定した燃焼が得られる。こ
のときには、高負荷運転域のときに較べて排気開始タイ
ミングが遅くなるため、燃焼室内での残留ガス量が増え
て次行程での新気の温度が高められる。このため、始動
時や低負荷運転域のときでの燃料の自己着火性が向上す
る。また、高負荷運転時に較べて排気開始タイミングが
相対的に遅れるとともに排気孔の開口面積が相対的に減
少して排気抵抗が増大することから、燃焼室内の残留酸
素によりすすなどが十分酸化するようになり、酸化が未
完了のまま排気ガスが排出されることが減る。
〔実施例〕
先ず、具体的な実施例の説明に入る前に、本発明がな
されるに至った経緯について説明する。一般にディーゼ
ルエンジンは、機関の高負荷運転域において、最適な燃
焼状態が得られるように設定されており、機関に加わる
負荷の大きさや圧縮比や給気比などさまざまな要因によ
って燃焼状態が微妙に変化することが知られている。
そこで、本出願人は、ディーゼルエンジンにおいて、
これらさまざまな要因の燃焼に及ぼす影響について考察
ならびに考察に基づいて実験を繰返し行った。その結
果、低負荷運転域においては燃料の噴霧密度が小さく、
始動時においては燃料噴射量は多いが燃焼室温度が低い
ために、圧縮比を高くして噴射開始時の圧縮温度が十分
に高くしないと安定した燃焼が得られないが、高負荷運
転域においては、始動時や低負荷運転域に比較して圧縮
比を低くしても安定した燃焼が得られることを見出した
のである。これは、高負荷運転域においては、燃料の噴
射量が多いために、燃料が自己着火しうる圧縮温度でさ
えあれば安定した燃焼が得られると考えられることによ
る。すなわち、自己着火した燃料は発熱して温度を上昇
させながら燃焼するため、続いて噴射される燃料が速や
かに蒸発しながら良好に燃焼すると考えられる。
次に、本発明の一実施例を図により詳細に説明する。
第1図は本発明に係る2サイクルディーゼルエンジンを
示す断面図で、同図において符号1で示すものはクラン
ク室圧縮式の2サイクルディーゼルエンジンを示す。こ
のエンジン1はクランク軸2のジャーナル部2aを回転自
在に軸承し、クランク腕2bおよびクランクピン部2cを収
容するクランク室を形成しているクランクケース3と、
このクランクケース3の上方に配設されピストン4を収
容したシリンダ本体5と、このシリンダ本体5で形成さ
れたシリンダ6の上方を覆って燃焼室7を形成するシリ
ンダヘッド8などから構成されている。9は前記クラン
ク軸2とピストン4とを連結する連接棒、10はピストン
4の環状溝に嵌着されたピストンリングである。
前記シリンダ本体5は、アルミ合金製で外周面に冷却
フィン11が一体に形成されたシリンダケーシング5aと、
このシリンダケーシング5aに鋳込まれた円筒状のシリン
ダライナ5bとからなり、このライナ5bによってピストン
4を摺動自在に保持するシリンダ6が形成されている。
前記シリンダヘッド8はアルミ合金製で外周面に冷却
フィン11が一体に形成されている。15は副燃焼室で、シ
リンダヘッド8に固定された鋳鋼製の副燃焼室形成部材
16と鋳鉄やセラミック等からなるホットプラグ17によっ
て、シリンダ6上の中央部に形成されている。18は副燃
焼室15と前記燃焼室7とを連通する連絡通路、19は先端
部を副燃焼室15に臨ませるようにシリンダヘッド8に装
着された燃焼噴射弁であり、噴射管で図示しない燃料噴
射ポンプに接続されている。
前記シリンダ6の周面には、一個の排気孔21およびそ
の両側に複数個の掃気孔22が開口されている。この排気
孔21の上縁の高さ、燃焼室7の容積および副燃焼室15の
容積は、高負荷運転域において安定した燃焼を可能とす
る最低限あるいはれよりも僅かに大きい圧縮圧(13〜16
kg/cm2程度)が得られる圧縮比となるように設定されて
いる。換言すれば、一般的なディーゼルエンジンに比較
して低い圧縮比とされている。
前記排気孔21は、排気孔21から斜め下方へ向かって延
びる排気通路23に連通されている。一方、掃気孔22は掃
気通路でクランク室に連通されている。25は排気孔21の
反対側のシリンダ周面に開口された吸気孔で、吸気孔25
から斜め上方へ向かって延びる吸気通路26に連通されて
いる。27は吸気通路26の途中に設けられたリード弁で、
ピストン4の下側が負圧のときに吸気通路26を開いて空
気をクランク室に供給するものである。
31はシリンダ周面に設けられた排気孔21の上部であっ
て排気通路23側に設けられた圧縮比可変手段としての弁
装置である。この弁装置31はシリンダケーシング5aの保
持孔32に挿通されることによってシリンダ6の軸線に対
して傾斜した状態に進退自在に保持された弁体33と、こ
の弁体33を駆動するL字状の駆動アーム34などから構成
されている。弁体33は板状に形成され、先端部は第2図
に第1図のII-II線断面図を示すように円弧面を有して
いる。これは、排気孔21内に臨んでシリンダライナ内面
の一部を形成し、排気孔21の上縁よりも下方においてシ
リンダ6内と排気通路23とを仕切るためである。ここ
で、弁体33は前進したときに、段差部33aが凹陥部35の
底面に係合することによって、先端がシリンダライナ内
面と等しくなるように設定されている。また、先端の高
さは容易な始動および低負荷運転域において安定した燃
焼を可能とする最低限の圧縮圧(18kg/cm2程度)が得ら
れる圧縮比となるように設定されている。
駆動アーム34は支持軸36で揺動自在に支持され、一端
側には弁体33の側部に固定された駆動ピン37と係合する
係合爪38が設けられ、他端側には駆動アーム34を図中反
時計方向に付勢するばね39および、このばね39の弾撥力
に抗して駆動アーム34を時計方向に揺動させる駆動ワイ
ヤ40が取付けられている。駆動ワイヤ40は手動で操作す
る駆動装置、あるいはエンジン1の回転速度や出力等を
検出し状態に応じて自動的に作動する駆動装置に連結さ
れている。
すなわち、この弁装置31は弁体33でシリンダ6内と排
気通路23との間を排気孔21の上縁よりも下方において仕
切られた状態とし、実質的に排気孔21の上縁を弁体33の
前端縁とすることによって、排気孔21の上縁の高さを選
択的に上下させるように構成されている。
このように構成された2サイクルディーゼルエンジン
においては、クランク室圧縮式の2サイクルガソリンエ
ンジンと同様に作動するが、ディーゼルエンジンは点火
プラグをもたず、圧縮され昇温した新気中に噴射された
燃料が新気の熱に触れて気化し、これが周りの新気の酸
素と混合することによって形成された可燃混合気が自己
着火して燃焼する関係から、所定時間噴射される燃料が
自己着火により順次燃焼する。このとき、副燃焼室15に
噴射された燃料はここで燃焼されながら連絡通路18を通
って燃焼室7に噴出される。このため、燃焼室7中の新
気(空気)中に、副燃焼室15から燃料が高い噴出エネル
ギーをもって噴出し、燃焼が促進される。
また、この2サイクルディーゼルエンジン1では、弁
体33を排気孔21に対して進退自在としているので、駆動
ワイヤ40を操作して駆動アーム34を回動させることによ
り、弁体33を排気孔21内から後退させることができる。
弁体33は、高負荷運転域において後退され、始動時や低
負荷運転域において第1図に示すように前進される。
したがって、高負荷運転域においては弁体33を排気孔
21から後退させると、ピストン上面と排気孔21の上縁と
が一致したときから圧縮が開始されるので、圧縮比を低
くすることができる。すなわち、圧縮開始タイミングが
遅くなり、第1図中Aで示す短いストロークにおいて圧
縮が行われるからである。その結果、圧縮圧力を低くす
ることができるので、その分燃料噴射後にシリンダ内圧
力が上昇するのを抑えることができる。ここで、高負荷
運転域においては、燃料の噴射量が多く自己着火しやす
い状態となっているので、圧縮比を低くしても燃焼が不
安定になるとはない。
このため、シリンダ内の圧力上昇が大きい高負荷運転
域において圧力上昇を抑えることができるので、実質的
にシリンダ内圧力が上昇するのを抑えることができる。
そのため、シリンダ内圧力の低下に伴って要求される
機関強度も小さくなり、機関の軽量化がはかれる。そし
て、この軽量化によって往復動部品や回転部品に加わる
慣性力を軽減でき、エンジン回転速度を高くすることが
できるので、エンジン出力の向上がはかれる。また、ガ
ソリンを混合した空気を圧縮する場合に比較して圧縮温
度を高くすることができるので、ガソリンエンジンに比
較して熱効率が高められ、燃料消費量が低くなる。さら
に、ディーゼルエンジンの機関強度をガソリンエンジン
の機関強度に近づけることも可能になるから、ガソリン
エンジンを構成する部品の多くを、そのままの状態であ
るいは材質を変更したり簡単な加工を施したりすること
によってディーゼルエンジンに転用し、ガソリンエンジ
ンの生産設備の多くを流用したディーゼルエンジンの製
造が可能になるという実用上の効果も期待できる。
また、高負荷運転域においては、排気開始タイミング
としてはピストン4が爆発行程で下降してその上面と排
気孔21の上縁とが一致したときとなり、弁体33が前進し
ているときに較べて早くなる。すなわち、排気が排気孔
21から排気通路23へ排出されることに起因して生じる圧
力波のうち下流側で反射した負圧波が排気孔21へ戻るタ
イミングは、弁体33の前進している低負荷運転時に較べ
て早くなる。
したがって、エンジン回転数の上昇に対して相対的に
遅くなる排気脈動の圧力波の伝播速度が補完されること
になる。このため、低負荷運転域において排気脈動を利
用して排気効率が向上するように排気通路23の通路長を
設定しておけば、高負荷運転域で弁体33が後退すること
によって高負荷運転域でも排気効率が向上するようにな
るから、エンジン回転域の広域にわたって排気効率を向
上させることができる。これに加えて、排気孔21の開口
面積が相対的に大きくなり排気抵抗が減少するから、上
述したように排気開始タイミングが速まることと相俟っ
て燃焼室から燃焼ガスが速く排出される。すなわち、掃
排気効率を高めて性能向上を図ることができる。なお、
このように排気ガスを速く燃焼室から排出させても、高
負荷運転時には燃焼室内温度が高くなるとともに空気過
剰率が高い関係から、燃焼途中に発生するすすやハイド
ロカーボンが短時間で酸化することになるので排気煙濃
度は増大し難い。
一方、燃焼室温度が低かったり燃料の噴射量が少なか
ったりして燃焼が不安定になりやすい始動時や低負荷運
転域においては、弁体33を排気孔21内に臨ませ、弁体33
の前端とピストン上面とが一致したときから圧縮を開始
させることができるので、圧縮比を高くすることができ
る。すなわち、圧縮開始タイミングが早くなり、第1図
中Bで示す長いストロークで圧縮が行われるからであ
る。その結果、圧縮温度を高めて、容易な始動ならびに
安定した燃焼を得ることができる。ここで、低負荷運転
域においては燃料の噴射量が少なく、始動時においては
燃焼室温度が低いために、燃料噴射後のシリンダ内圧力
は高負荷運転域のように上昇することがない。
また、この始動時や低負荷運転域においては、弁体33
が前進することによって上述した高負荷運転域のときに
較べて排気開始タイミングが遅くなるため、燃焼室内で
の残留ガス量が増えることになる。これによって次行程
で新気を圧縮するときの温度が高められる。
このため、始動時や低負荷運転域のときに燃料の自己
着火性が向上するから、回転が安定するようになる。加
えて、高負荷運転時に較べて排気開始タイミングが相対
的に遅れるとともに排気孔の開口面積が相対的に減少し
て排気抵抗が増大することから、燃焼室内の残留酸素に
よりすすなどが十分酸化するようになり、酸化が未完了
のまま排気ガスが排出されることが減るようになって排
気煙濃度が高くなることがない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明に係る2サイクルディーゼ
ルエンジンは、ピストンが掃気孔および排気孔を閉塞
し、燃焼室内の新気を圧縮する一方、圧縮され昇温した
新気中に噴射された燃料が自己着火することにより燃焼
が開始される2サイクルディーゼルエンジンであって、
排気孔をシリンダの周面に開口させ、燃焼室から排気孔
を介して排気通路へ至る排気経路がピストンによって開
閉される構造とし、この排気経路中に、この排気経路が
ピストンによって開閉される時期を変えることにより圧
縮比を変える圧縮比可変手段を設けてなり、この圧縮比
可変手段を、エンジン運転域が高負荷運転域にあるとき
に圧縮比低下側へ制御されかつエンジン運転域が低負荷
運転域にあるときに圧縮比上昇側へ制御される構造とし
たため、エンジン回転域が高負荷運転域にあるときには
圧縮開始タイミングが遅くなり圧縮比が低くなるので、
シリンダ内の圧力上昇が抑えられる。
したがって、シリンダ内の圧力上昇が大きい高負荷運
転域において圧力上昇を抑えることができるので、実質
的にシリンダ内圧力が上昇するのを抑えることができ
る。その結果、部品の軽量化によって部品に加わる慣性
力を軽減し、エンジン回転速度を高くして出力の向上が
はかれる。
また、高負荷運転域においては低負荷運転域のときに
較べて排気開始タイミングが早くなることに起因して排
気脈動の負圧波が排気孔へ戻るタイミングが早くなるか
ら、エンジン回転数の上昇に対して相対的に遅くなる排
気脈動の圧力波の伝播速度が補完される。
したがって、低負荷運転域において排気脈動を利用し
て排気効率が向上するように排気通路の通路長を設定し
ておけば、高負荷運転域でも排気効率が向上するように
なるから、エンジン回転域の広域にわたって排気効率を
向上させて出力を高めることができる。
これに加えて、排気孔の開口面積が相対的に大きくな
り排気抵抗が減少するから、上述したように排気開始タ
イミングが速まることと相俟って燃焼室から燃焼ガスが
速く排出される。このため、掃排気効率を高めて性能向
上を図ることができる。
また、エンジン始動時や低負荷運転域においては、圧
縮開始タイミングが早くなり圧縮比が高くなって圧縮温
度が高くなることと、排気開始タイミングが遅くなり燃
焼室内での残留ガス量が増えることに起因して次行程で
の新気の圧縮温度が高くこととによって、燃料の自己着
火性が向上して容易な始動ならびに安定した燃焼を得る
ことができる。これに加えて、高負荷運転時に較べて排
気開始タイミングが相対的に遅れるとともに排気孔の開
口面積が相対的に減少して排気抵抗が増大することか
ら、燃焼室内の残留酸素によりすすなどが十分酸化する
ようになり、酸化が未完了のまま排気ガスが排出される
ことが減るようになって排気煙濃度が高くなることがな
い。
加えて、副燃焼室に燃料を噴射する構成を採ると、燃
焼室の新気中に副燃焼室から高い噴出エネルギーをもっ
て燃料が噴出し燃焼が促進されるから、エンジン性能を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る2サイクルディーゼルエンジンを
示す断面図、第2図は第1図のII-II線断面図である。 4……ピストン、5……シリンダ本体、8……シリンダ
ヘッド、21……排気孔、22……排気孔、33……弁体、34
……駆動アーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−4819(JP,A) 特開 昭63−65118(JP,A) 実開 昭59−139519(JP,U) 実開 昭57−107928(JP,U) 特公 昭38−6506(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンが掃気孔および排気孔を閉塞し、
    燃焼室内の新気を圧縮する一方、圧縮され昇温した新気
    中に噴射された燃料が自己着火することにより燃焼が開
    始される2サイクルディーゼルエンジンであって、排気
    通路に連通された排気孔をシリンダの周面に開口させ、
    燃焼室から前記排気孔を介して排気通路へ至る排気経路
    がピストンによって開閉される構造とし、前記排気経路
    中に、エンジン運転状態に応じてこの排気経路がピスト
    ンによって開閉される時期を変えることにより圧縮比を
    変える圧縮比可変手段を設けてなり、この圧縮比可変手
    段を、エンジン運転域が高負荷運転域にありシリンダ上
    方の燃料噴射弁から噴射される燃料が比較的多くなると
    きに圧縮比低下側へ制御され、かつエンジン運転域が低
    負荷運転域にあり燃料噴射弁から噴射される燃料が比較
    的少なくなるときに圧縮比上昇側へ制御される構造とし
    たことを特徴とする2サイクルディーゼルエンジン。
  2. 【請求項2】燃焼室は、燃料が噴射される副燃焼室に連
    絡通路を介して連通されている特許請求の範囲第1項記
    載の2サイクルディーゼルエンジン。
JP61209649A 1986-09-08 1986-09-08 2サイクルデイ−ゼルエンジン Expired - Lifetime JP2581545B2 (ja)

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