JP2580729B2 - 難燃性繊維の製造法 - Google Patents

難燃性繊維の製造法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、低膨潤度で且つカードがけ等の加工に耐え
る実用性能を備えた高度難燃性繊維の工業的製造法に関
する。
(従来の技術と問題点) 従来より、難燃性繊維を得るため多くの方法が提案さ
れており、その一方法としてリン化合物、ハロゲン化合
物などの難燃剤を繊維表面に付着固定させる後加工法が
あるが、この方法では一般に耐久性、風合変化、難燃剤
自体及び燃焼時の毒性など種々の欠点がある。
また、他の代表的としてハロゲン化ビニル、ハロゲン
化ビニリデン等のハロゲン化単量体を共重合させた重合
体を用いて繊維を形成させる方法もあるが、この方法で
高度難燃性繊維を得るためにはハロゲン化単量体を多量
に共重合させる必要があり、その結果、やはり、燃焼時
の有毒ガス発生などの本質的欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上述した耐久性、燃焼時の毒性など
の本質的欠点がなく、カードがけ等の加工に耐える実用
性能を備えた高度難燃性繊維を工業的に製造する手段を
提供することである。
(課題を解決するための手段) 上述した本発明の目的は、アクリル系繊維に架橋結合
を導入して残存ニトリル基量を1.5〜7m mol/gの範囲内
に調整した後、加水分解反応によりニトリル基を実質的
に消失させ、1.0〜4.5m mol/gのカルボキシル基と残部
にアミド基を導入し、次いでZn,Cu,Ca,Feから選ばれる
多価金属により金属量として0.5〜3.5m eq/gのイオン
架橋を前記カルボキシル基との間で形成させる手段によ
り達成することが出来、実務としては、アクリル系繊維
をポンプ循環系を備えた容器内に充填し、上記架橋結合
の導入、加水分解反応、及び多価金属イオン架橋の形成
を逐次行なう手段により、工業的有利に達成される。
出発アクリル系繊維は、アクリロニトリル(以下、AN
という)を40重量%以上、好ましくは50%以上含有する
AN系重合体より形製された繊維であり、短繊維、トウ、
不織布等いずれの形態のものでもよく、また、製造工程
中途品、廃繊維などでも構わない。
AN系重合体は、AN単独重合体、ANと他のモノマーとの
共重合体のいずれでも良く、他のモノマーとしては、ハ
ロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン:(メタ)ア
クリル酸のエステル:メタリルスルホン酸、p−スチレ
ンスルホン酸等のスルホン酸含有モノマー及びその塩:
(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボン酸含有モ
ノマー及びその塩:アクリルアミド、スチレン、酢酸ビ
ニル等のその他のモノマーが挙げられる。
アクリル系繊維に架橋係合を導入する方法に限定はな
く、残存ニトリル基量を1.5〜7m mol/gの範囲内に調整
し得る手段である限り採用できるが、ヒドラジン、ヒド
ロキシルアミン等を使用し、50〜120℃で、1〜5時間
処理する手段が、工業的に好ましい。なお、残存ニトリ
ル基量が上記下限に満たない場合には、所望の高度難燃
性繊維を製造することができず、また上限を越えると最
終的に実用上満足し得る物性の繊維が得られない。
また、加水分解反応によりニトリル基を実質的に消失
させ、1.0〜4.5m mol/g、好ましくは1.5〜3.5m mol/gの
カルボキシル基と残部にアミド基を導入する方法として
は、アルカリ金属水酸化物、アンモニア等の塩基性水溶
液、或は硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液を含浸、又
は該水溶液中に原料繊維を浸漬した状態で加熱処理する
手段が挙げられる。
なお、カルボキシル基が上記下限に満たない場合に
は、最終的に高度の難燃性繊維を提供することができ
ず、また上限を越えると、実用上満足し得る物性のもの
が得られない。
イオン架橋法としては、Zn,Cu,Ca,Fe等の多価金属、
中でもZnの塩の1〜20重量%水溶液で10〜100℃の温度
で処理することが望ましい。なお、イオン架橋による多
価金属の導入量としては、本発明の目的達成上0.5〜3.5
m eq/g、好ましくは1.0〜3.0me q/gの範囲内が望まし
い。
このようにして、引張強度が1g/d以上、好ましくは1.
5g/d以上、水膨潤度が100%以下、好ましくは80%以
下、限界酸素指数(LOI)が30以上、好ましくは32以上
の難燃性繊維を工業的に製造することができる。
なお、アクリル系繊維を、ポンプ循環系を備えた容器
内に充填し、上記架橋結合の導入、加水分解反応、及び
多価金属イオン架橋の形成の各反応を逐次行なう手段
が、装置上、安全性、均一反応性等の諸点から望まし
い。かかる装置(ポンプ循環系を備えた容器)の代表例
としては、オーバマイヤー染色機が挙げられる。
また、実用上問題のない繊維物性を維持し、かつ水膨
潤度も可及的に抑えながら所定量のカルボキシル基、多
価金属イオン架橋を導入し、高度の難燃性を備えた繊維
を提供するためには、特に下記特性を備えた出発アクリ
ル系繊維を採用することが望ましい。
即ち、繊維を形成するAN系重合体分子が十分に配向し
ておりコンゴーレッド(以下CRという)二色性比が0.4
以上、更に好ましくは0.5以上のアクリル系繊維を採択
することが望ましい。なお、CR二色性比は、高分子科学
23(252)193(1966)記載の方法に従って求めた。
なお、かかるアクリル系繊維の製造手段に限定はな
く、上記CR二色性比が満たされる限り、適宜公知の手段
を用いることができるが、中でも全延伸倍率を6倍以
上、好ましくは8倍以上とし、かつ工程収縮率を30%以
下、好ましくは20%以下とする手段の採用により工業的
有利に所望のアクリル系繊維を作製することができる。
更に、出発アクリル系繊維として、延伸後熱処理前の
繊維(AN系重合体の紡糸原液を、常法に従って紡糸し、
延伸配向され、乾燥緻密化、湿熱緩和処理等の熱処理の
施されていない繊維、中でも湿式又は乾/湿式紡糸、延
伸後の水膨潤ゲル状繊維:内部水分率30〜150%)を使
用することにより、反応液中への繊維の分散性、繊維中
への反応液の浸透性などが改善され、以て架橋結合の導
入や加水分解反応が均一かつ速やかに行なわれるので望
ましい。
(発明の効果) 本発明の出現により、難燃性能の耐久性、燃焼時の毒
性などの問題がなく、実用上問題のない繊維物性を維持
し、かつ水膨潤度も一定水準以下に抑えられており、し
かも高度の難燃性を備えた繊維を、工業的有利に製造す
る手段を提供し得たことが、本発明の特徴的利点であ
る。
このようにして得られた難燃性繊維は、任意の使用形
態で、高度の難燃性が求められる用途分野において広く
用いられる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施
例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示
す。
なお、残存ニトリル基量(m mol/g)、カルボキシル
基量(m mol/g)、多価金属導入量(m eq/g)、水膨潤
度(%)及びLOIは、以下の方法により求めた。
(1) 残存ニトリル基量(m mol/g) AN/アクリル酸メチル(MA)の比が、100/0、80/20、5
0/50、30/7010/90のポリマーのIRスペクトルから、ニト
リル基の吸収ピークにおける吸光度を算出して検量線を
作り、これに基づき、供試繊維のIRスペクトルから架橋
結合導入後に残存しているニトリル基量を算出した。
(2) カルボキシル基量(m mol/g) 十分乾燥した供試繊維約1gを精秤し(Xg)、これに20
0mlの水を加えた後、50℃に加温しながらIN塩酸水溶液
を添加してpH2にし、次いで0.1N苛性ソーダ水溶液で常
法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキ
シル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Ycc)を
求めた。以上の測定結果から、次式によって算出した。
尚、多価カチオンが含まれる場合は、常法によりこれ
らのカチオンの量を求め、上式を補正する必要がある。
(3) 多価金属導入量(m eq/g) 元素分析により求めた。
(4) 水膨潤度(%) 供試繊維約0.4gを25℃の純水300ml中に30分間浸漬し
た後、遠心脱水(300G×3分、但しGは重力加速度)し
て調整した試料の重量を測定(W1g)し、次に該試料を8
0℃の真空乾燥機中で恒量になるまで乾燥した繊維の重
量を測定(W2g)し、次式によって算出した。
(5) LOI JIS K7201の最低酸素指数の測定法に従って行なっ
た。
実施例1 AN90%及びMA10%からなるAN系重合体(30℃ジメチル
ホルムアミド中での極限粘度〔η〕:1.2)10部を48%の
ロダンソーダ水溶液90部に溶解した紡糸原液を、常法に
従って紡糸、延伸(全延伸倍率:10倍)した後、乾球/
湿球=120℃/60℃の雰囲気下で乾燥(工程収縮率14%)
として単繊維繊度1.5dの原料繊維1(CR二色性比0.58)
を得た。
1Kgの原料繊維1を、オーバマイヤー染色機(彦板製
作所製)に充填し、ヒドラジンヒドラート300g/の水
溶液に浸漬(浴比1:30、循環流量5/分)して100℃
×3時間処理した。残存ニトリル基量は3.5m mol/gであ
った。
次に、10N硫酸水溶液を用い、同装置内で80℃×3時
間浸漬処理(浴比1:10、循環流量5/分)した。この
繊維には実質的にニトリル基は存在しておらず、2.8m m
ol/gのカルボキシル基が導入されていた。
次いで、5%塩化亜鉛水溶液を用い、同装置内で20℃
×30分間処理し、(浴比1:10、循環流量5/分)繊維
(I)を作製した。
繊維(I)の引張強度は1.9g/d、水膨潤度は50%、Zn
導入量は2.1m eq/g、LOIは34であった。
なお、ヒドラジンヒドラート100g/の水溶液を用
い、残存ニトリル基量を8.0m mol/gにする外は繊維
(I)と同様にして、比較繊維(A)を作製した。繊維
(A)は非常に脆く、引張強度は0.7g/dであった。
また、ヒドラジンヒドラート600g/の水溶液を用
い、残存ニトリル基量を0.6m mol/gにする外は繊維
(I)と同様にして、比較繊維(B)を作製した。繊維
(B)は1.8g/dの引張強度を有していたが、LOIは25と
不十分であった。
実施例2 MAに変えて塩化ビニリデンを使用する外は実施例1と
同様にして原料繊維2(CR二色性比0.55)を得、これを
実施例1と同様に処理(残存ニトリル基量3.4m mol/g)
して繊維(II)を作製した。
繊維(II)のカルボキシル基量は2.8m mol/g、引張強
度は1.8g/d、水膨潤度30%、Zn導入量は1.9m eq/g、LOI
は37であった。
実施例3 MAに変えて酢酸ビニルを使用する外は実施例1と同様
にして原料繊維3(CR二色性比0.56)を得た。
これを、10N硫酸水溶液に変えて5%苛性ソーダ水溶
液を用いて95℃×30分間処理する外は実施例1と同様に
処理(残存ニトリル基量3.5m mol/g)して繊維(III)
を作製した。
繊維(III)の引張強度は1.7g/d、水膨潤度は60%、C
u導入量は2.3m eq/g、LOIは33であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系繊維に架橋結合を導入して残存
    ニトリル基量を1.5〜7m mol/gの範囲内に調整した後、
    加水分解反応によりニトリル基を実質的に消失させ、1.
    0〜4.5m mol/gのカルボキシル基と残部にアミド基を導
    入し、次いでZn,Cu,Ca,Feから選ばれる多価金属により
    金属量として0.5〜3.5m eq/gのイオン架橋を前記カル
    ボキシル基との間で形成させることを特徴とする難燃性
    繊維の製造法。
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