JP2580717B2 - 難燃性繊維 - Google Patents

難燃性繊維

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JP2580717B2 JP63141242A JP14124288A JP2580717B2 JP 2580717 B2 JP2580717 B2 JP 2580717B2 JP 63141242 A JP63141242 A JP 63141242A JP 14124288 A JP14124288 A JP 14124288A JP 2580717 B2 JP2580717 B2 JP 2580717B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、低膨潤度で且つカードがけ等の加工に耐え
る実用性能を備えた高度難燃性繊維に関する。
(従来の技術と問題点) 従来により、難燃性繊維を得るため多くの方法が提案
されており、その一方法としてリン化合物、ハロゲン化
合物などの難燃剤を繊維表面に付着固定させる後加工法
があるが、この方法では一般に耐久性、風合変化、難燃
剤自体及び燃焼時の毒性など種々の欠点がある。
また、他の代表例としてハロゲン化ビニル、ハロゲン
化ビニリデン等のハロゲン化単量体を共重合させた重合
体を用いて繊維を形成させる方法があるが、この方法で
高度難燃性繊維を得るためにはハロゲン化単量体を多量
に共重合させる必要があり、その結果、やはり燃焼時の
有毒ガス発生などの本質的欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上述した耐久性、燃焼時の毒性など
の本質的欠点がなく、カードがけ等の加工に耐える実用
性能を備えた高度難燃性繊維を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上述した本発明の目的は、コンゴーレッド(以下、CR
ともいう)二色性比が0.4以上のアクリル系繊維からな
る架橋アクリル系繊維の加水分解反応によりニトリル基
が実質的に消失され、1.0〜4.5m mol/gのカルボキシル
基と残部にアミド基が導入され且つZn,Cu,Ca,Feから選
ばれる多価金属により金属量として0.5〜3.5m eq/gのイ
オン架橋が前記カルボキシル基と形成されており、1g/d
以上の引張強度、100%以下の水膨潤度及び30以上の限
界酸素指数を有する難燃性繊維によって達成される。
ここで、架橋アクリル系繊維は、出発繊維として後述
するCR二色性比が0.4以上の高配向のアクリル系繊維で
ある必要があるが、架橋自体は加水分解反応により水溶
性重合体を形成して繊維形態を維持し得なくなるもので
なければ良い。
アクリル系繊維に架橋結合を導入する方法としては、
ニトリル基を利用してヒドラジン、ヒドロキシルアミン
等で処理する、アミド基を利用してホルムアルデヒド、
ベンズアルデヒド等のアルデヒド類と酸性触媒存在下で
反応させる等が挙げられる。
なお、アクリル系繊維は、アクリロニトリル(以下、
ANという)を40重量%以上、好ましくは50%以上含有す
るAN系重合体より形製された繊維であり、短繊維、ト
ウ、糸、編織物、不織布等いづれの形態のものでもよ
く、また、製造工程中途品、廃繊維などでも構わない。
AN形重合体は、AN単独重合体、ANと他のモノマーとの共
重合体のいずれでも良く、他のモノマーとしては、ハロ
ゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン;(メタ)アク
リル酸のエステル;メタリルスルホン酸、p−スチレン
スルホン酸等のスルホン酸含有モノマー及びその塩;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボン酸含有モ
ノマー及びその塩;アクリルアミド、スチレン、酢酸ビ
ニル等のその他のモノマーが挙げられる。
また、加水分解反応によりニトリル基を実質的に消失
させ、1.0〜4.5m mol/g、好ましくは1.0〜3.5m mol/gの
カルボキシル基と残部にアミド基を導入する方法として
は、アルカリ金属水酸化物、アンモニア等の塩基性水溶
液、或は硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液を含浸、又
は該水溶液中に原料繊維を浸漬した状態で加熱処理する
手段が挙げられる。なお、前記架橋結合の導入と同時に
加水分解反応を行なうこともできるが、架橋結合導入後
に加水分解を行なったものの方が難燃性の点で好まし
い。
なお、カルボキシル基が上記下限に満たない場合に
は、最終的に高度の難燃性繊維を提供することができ
ず、また上限を越えると、実用上満足し得る特性のもの
が得られない。
イオン架橋法としては、Zn、Cu、Ca、Fe等の多価金
属、中でもZnの塩の1〜20重量%水溶液で10〜100℃の
温度で処理することが望ましい。なお、イオン架橋によ
る多価金属の導入量としては、本発明の目的達成上0.5
〜3.5m eq/g、好ましくは1.0〜3.0m eq/gの範囲内が望
ましい。
このようにして、引張強度が1g/d以上、好ましくは1.
5g/d以上、水膨潤度が100%以下、好ましくは80%以
下、限界酸素指数(LOI)が30以上、好ましくは32以上
の難燃性繊維を提供することができる。
なお、実用上問題のない繊維物性を維持し、かつ水膨
潤度も可及的に抑えながら所定量のカルボキシル基、多
価金属イオン架橋を導入し、高度の難燃性を備えた繊維
を提供するためには、特に下記特性を備えた出発アクリ
ル系繊維を採用することが必要である。
即ち、繊維を形成するAN系重合体分子が十分に配向し
ておりコンゴーレッド(以下CRという)二色性比が0.4
以上、更に好ましくは0.5以上のアクリル系繊維を採択
することが望ましい。なお、CR二色性比は、高分子科学
23(252)193(1966)記載の方法に従って求めた。
なお、かかるアクリル系繊維の製造手段に限定はな
く、上記CR二色性比が満たされる限り、適宜公知の手段
を用いることができるが、中でも全延伸倍率を6倍以
上、好ましくは8倍以上とし、かつ工程収縮率を30%以
上、好ましくは20%以下とする手段の採用により工業的
有利に所望のアクリル系繊維を作製することができる。
(発明の効果) このようにして得られた本発明の難燃性繊維は、難燃
性能の耐久性、燃焼時の毒性などの問題がなく、実用上
問題のない繊維物性を維持し、かつ水膨潤度も一定水準
以下に抑えられており、しかも高度の難熱性を有するも
のであり、かかる難燃性繊維は、任意の使用形態で、難
燃性の求められる用途分野に広く用いられる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施
例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示
す。
なお、ニトリル基の存否、カルボキシル基量(m mol/
g)、多価金属導入量(m eq/g)、水膨潤度(%)及びL
OIは、以下の方法により求めた。
(1) ニトリル基の存否 供試繊維のIRスペクトルを求め、ニトリル基の吸収ピ
ークの存否を確認した。
(2) カルボキシル基量(m mol/g) 十分乾燥した供試繊維約1gを精秤し(Xg)、これに20
0mlの水を加えた後、50℃に加温しながら1N塩酸水溶液
を添加してpH2にし、次いで0.1N苛性ソーダ水溶液で常
法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキ
シル基に消費された苛性ソーダ水溶液消費量(Ycc)を
求めた。以上の測定結果から、次式によって算出した。
尚、多価カチオンが含まれる場合は、常法によりこれ
らのカチオンの量を求め、上式を補正する必要がある。
(3) 多価金属導入量(m eq/g) 元素分析により求めた。
(4) 水膨潤度(%) 供試繊維約0.4gを25℃の純水300ml中に30分間浸漬し
た後、遠心脱水(300G×3分、但しGは重力加速度)し
て調整した試料の重量を測定(W1g)し、次に該試料を8
0℃の真空乾燥機中で恒量になるまで乾燥した繊維の重
量を測定(W2g)し、次式によって算出した。
(5) LOI JIS K7201の最低酸素指数の測定法に従って行なっ
た。
実施例 1 AN90%及びアクリル酸メチル(以下、MAという)10%
からなるAN系重合体(30℃ジメチルホルムアミド中での
極限粘度〔η〕:1.2)10部を48%のロダンソーダ水溶液
90部に溶解した紡糸原液を、常法に従って紡糸、延伸
(全延伸倍率;10倍)した後、乾球/湿球=120℃/60℃
の雰囲気下で乾燥(工程収縮率14%)して単繊維繊度1.
5dの原料繊維1(CR二色性比0.58)を得た。
原料繊維1をヒドラジンヒドラート300g/の水溶液
に浸漬(浴比1:30)して100℃×3時間処理し、次に10N
硝酸水溶液を用いて80℃×3時間浸漬処理した。
得られた繊維には実質的にニトリル基は残存しておら
ず、カルボキシル基量は2.8m mol/gであった。
次に、この繊維を5%塩化亜鉛水溶液で20℃×30分間
処理して繊維(I)を作製した。
繊維(I)の引張強度は1.8g/d、水膨潤度は50%、Zn
導入量は2.0m eq/g、LOIは33であった。
なお、10N硫酸水溶液を用い95℃×5時間処理して4.7
m mol/gのカルボキシル基を導入する外は繊維(I)と
同様にして作製した比較繊維(A)は非常に脆く、0.7g
/dの引張強度しか有していなかった。
また、5N硫酸水溶液を用い50℃×3時間処理して0.8m
mol/gのカルボキシル基を導入する外は繊維(I)と同
様にして比較繊維(B)を作製した。
この繊維(B)は2.0g/dの引張強度を有していたが、
LOIは26と不十分なものであった。
実施例 2 MAに変えて塩化ビニルデンを使用する外は実施例1と
同様にして原料繊維2(CR二色性比0.55)を得、これを
実施例1と同様に処理して繊維(II)を作製した。
繊維(II)のカルボキシル基量は2.6m mol/g、引張強
度は1.7g/d、水膨潤度30%、Zn導入量は1.8m eq/g、LOI
は36であった。
実施例 3 MAに変えて酢酸ビニルを使用する外は実施例1と同様
にして原料繊維3(CR二色性比0.56)を得た。
これをヒドロキシルアミン硫酸塩50g/水溶液を苛性
ソーダでpH8に調節して処理液を用い(浴比1:10)100℃
×30分間処理し、次に15N硝酸水溶液を用いて65℃×3
時間処理した。
得られた繊維にはニトリル基の存在が認められず、2.
9m mol/gのカルボキシル基が導入されていた。
この繊維を10%硫酸銅で20℃×30分間処理して繊維
(III)を作製した。
繊維(III)の引張強度は1.5g/d、水膨潤度は60%、C
u導入量は2.3m eq/g、LOIは33であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンゴーレッド二色性比が0.4以上のアク
    リル系繊維からなる架橋アクリル系繊維の加水分解反応
    によりニトリル基が実質的に消失され、1.0〜4.5m mol/
    gのカルボキシル基と残部にアミド基が導入され且つZn,
    Cu,Ca,Feから選ばれる多価金属により金属量として0.5
    〜3.5m eq/gのイオン架橋が前記カルボキシル基と形成
    されており、1g/d以上の引張強度、100%以下の水膨潤
    度及び30以上の限界酸素指数を有する難燃性繊維。
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