JP2580644Y2 - 播種プラントの洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、播種プラントの洗浄装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、播種プラントの一形態として、育
苗ポットを載置したトレイを搬送させながら、同育苗ポ
ット内に用土を充填し、均平し、鎮圧した後、育苗ポッ
ト内の用土中に播種し、さらに、覆土するようにしたも
のがある。

【０００３】そして、育苗ポットは前後及び左右幅方向
にそれぞれ一定の間隔を開けてセル部を形成しており、
トレイを左右幅方向に並設した一列のセル部毎に順次前
方へ間欠的に搬送させて、前後方向に並設したセル部全
てに播種を行なうようにしている。

【０００４】この際、トレイの間欠搬送は、トレイより
上方に露出する育苗ポットのセル部の側壁を、光電セン
サ等の非接触型のセンサにより検出して行なうようにし
ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記した播
種プラントでは、育苗ポット内に用土を充填した際に、
用土が育苗ポットからこぼれ落ちて、トレイの上端周縁
に形成した縁部やセル部の側壁に付着することがあるた
めに、非接触型のセンサによるセル部の検出が確実に行
なえず、各セル部の播種も確保できないという問題があ
った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案では、育
苗ポットを載置したトレイを搬送させながら、同育苗ポ
ット内に用土を充填し、均平し、鎮圧した後、育苗ポッ
ト内の用土中に播種し、さらに、覆土する播種プラント
において、トレイ搬送流路における鎮圧部よりも上流側
に、トレイより上方に露出する育苗ポットの側壁を洗浄
する洗浄装置を設けたことを特徴とする播種プラントの
洗浄装置を提供せんとするものである。

【０００７】

【作用】播種作業を行なう際には、育苗ポットを載置し
たトレイを搬送させながら、順次育苗ポット内に用土を
充填し→均平し→鎮圧し→育苗ポット内の用土中に播種
し→覆土するという一連の作業を連続的にかつ自動的に
行なう。

【０００８】この際、トレイを搬送するトレイ搬送流路
において、鎮圧部の上流側に設けた洗浄装置が、トレイ
より上方に露出する育苗ポットの側壁を洗浄するため
に、同育苗ポットを形成するセル部の検出が確実に行な
え、各セル部の播種効率を良好に確保できる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【００１０】図１に示すＡは、本考案に係る洗浄装置20
を装備した播種プラントであり、同播種プラントＡは、
トレイ搬送装置１上に上流側より下流側へ向けて順次用
土充填装置２と均平装置３と灌水装置４と鎮圧・播種装
置５と覆土装置６と灌水装置７とを配設して、トレイＴ
上に載置した育苗ポットＰ内に自動的に播種を行なうこ
とができるようにしている。

【００１１】そして、トレイ搬送装置１の始端側部に
は、トレイ載置部８を設けて、同トレイ載置部８に育苗
ポットＰを載置したトレイＴを載置して、各トレイＴを
トレイ搬送装置１により順次搬送するようにしている。

【００１２】ここで、トレイＴと育苗ポットＰについて
説明すると、図７に示すように、トレイＴは、軽量で丈
夫な合成樹脂等により積載や搬送に適するように形成し
ており、トレイＴの底部には多数の水切り孔Ｈを形成し
ている。

【００１３】また、苗ポットＰは、柔軟な素材により多
数個のセル部Ｓを形成し、各セル部Ｓに一粒ずつ種子を
播き、育苗することができるように、底部に水切り用孔
ｈを形成している。

【００１４】トレイ搬送装置１は、図２及び図３に示す
ように、左右一対のフレーム10,10間に多数個のローラ
ー支軸11を前後方向に一定の間隔を開けて軸架し、各ロ
ーラー支軸11を駆動機構（図示せず）に連動連結し、同
駆動機構により各ローラー支軸11の左右側部に取付けた
トレイ搬送用ローラー12,12 を回転させて、同ローラー
12,12 上に載置したトレイＴを搬送可能としている。

【００１５】そして、トレイ搬送装置１の中央部下壁に
は、図１に示すように、播種プラントＡの各駆動部を制
御する制御部13を取付け、同制御部13の前壁に操作パネ
ル部19を取付けている。

【００１６】また、トレイ搬送装置１の中央部には、本
考案の要旨をなす洗浄装置20を設けており、以下に図２
及び図３を参照しながら説明する。

【００１７】すなわち、洗浄装置20は、図２及び図３に
示すように、トレイ搬送装置１の後述する鎮圧・播種装
置５の直上流側に位置する部分に設けており、左右一対
のフレーム10,10 にそれぞれ洗浄水噴出ノズル21,21 を
取付け、同洗浄水噴出ノズル21,21 よりトレイＴ上に載
置されて搬送されてくる育苗ポットＰの側壁で、トレイ
Ｔより上方に露出する部分に向けて洗浄水を噴出可能と
している。

【００１８】そして、洗浄水噴出ノズル21,21 は、洗浄
水源に圧送ポンプ（図示せず）を介して接続しており、
同圧送ポンプの駆動モーターは制御部13により制御可能
としている。

【００１９】このようにして、トレイＴ上に載置されて
搬送されてくる育苗ポットＰの左右側壁に、それぞれ洗
浄水噴出ノズル21,21 より洗浄水を噴出して、同左右側
壁、すなわち、育苗ポットＰを形成するセル部Ｓの内、
左右外側部に位置するセル部Ｓの外側壁に付着した用土
Ｇ、トレイＴの上端縁に形成された縁部ｔに付着した用
土Ｇ、及び育苗ポットＰの上端縁に形成された縁部ｐに
付着した用土Ｇを洗い落とすことができるようにしてい
る。

【００２０】従って、後述するセル部Ｓの検出を確実に
行なうことができると共に、塵や埃が飛散するのを防止
することができて、作業環境を良好に確保することがで
きる。

【００２１】用土充填装置２は、図１に示すように、用
土を収容するホッパー14と、同ホッパー14の直下方に配
設した用土充填用コンベア15とから構成しており、ホッ
パー14の底部に開口した用土供給口より用土充填用コン
ベア15の始端側部上に用土を落下させて供給し、同用土
充填用コンベア15上で用土を所定厚さ（量）に均して搬
送し、同用土充填コンベア15の終端側部よりトレイ搬送
装置１によりトレイＴ上に載置されて搬送されてくる育
苗ポットＰ内に用土を落下して、同育苗ポットＰのセル
部Ｓ内に用土を充填するようにしている。

【００２２】均平装置３は、均平ブラシや掻き均し板を
具備して、これらにより育苗ポットＰのセル部Ｓ内に充
填した用土の表面を均平にすることができるようにして
いる。

【００２３】灌水装置４は、図１に示すように、トレイ
搬送装置１により均平装置３から搬送されてくるトレイ
Ｔ上の育苗ポットＰの各セル部Ｓ内に用水をかけるよう
にしている。

【００２４】鎮圧・播種装置５は、図１に示すように、
トレイ搬送装置１により、トレイＴに載置されて搬送さ
れてくる育苗ポットＰの各セル部Ｓ内の充填用土を鎮圧
すると共に、同充填用土の表土上に播種用凹部（図示せ
ず）を形成する鎮圧部41と、同鎮圧部41により形成され
た播種用凹部内に一個ずつ種子を播く播種部42とを、ト
レイ搬送装置１の始端側より終端側へ向けて順次配列し
て構成している。41aは鎮圧ローラ、41b は、同鎮圧ロ
ーラ41a の周壁に突設した播種用凹部形成用の鎮圧具で
ある。

【００２５】播種部42は、種子を収容した種子ホッパー
より播種目皿により育苗ポットＰの左右横一列のセル部
Ｓ内にそれぞれ一個ずつ種子を落下させると共に、育苗
ポットＰを間欠的にセル部Ｓの前後方向の中心距離毎に
前方へ移動させるようにしている。

【００２６】すなわち、播種部42には、外側部に位置す
るセル部Ｓを検出する光電センサ等の非接触型のセル部
検出センサ25を設けており、同センサ25を制御部13の入
力側に接続し、同制御部13の出力側に播種部42へトレイ
Ｔを搬送するトレイ搬送装置１の駆動部（図示せず）を
接続している。

【００２７】このようにして、セル部検出センサ25がセ
ル部Ｓを検出する毎に制御部13を介してトレイ搬送装置
１の播種部用搬送部1aのみを間欠的に搬送作動させて、
左右横一列のセル部Ｓ内にそれぞれ一個ずつ種子を落下
させることができるようにしている。

【００２８】この際、外側部に位置するセル部Ｓは、前
記した洗浄装置20により洗浄されているために、セル部
検出センサ25によるセル部Ｓの検出を確実に行なうこと
ができて、上記トレイ搬送装置１の間欠搬送作動も確実
に行なわせることができる。

【００２９】覆土装置６は、図１に示すように、用土を
収容するホッパー43と、同ホッパー43の直下方に配設し
た覆土用コンベア44とから構成して、トレイ搬送装置１
により、トレイＴ上に載置されて搬送されてくる育苗ポ
ットＰの各セル部Ｓ内に播種された種子上に用土を放出
して覆土するようにしている。

【００３０】灌水装置７は、図１に示すように、トレイ
搬送装置１により覆土装置６から搬送されてくるトレイ
Ｔ上の育苗ポットＰの各セル部Ｓ内に用水をかけるよう
にしている。

【００３１】図４は、他の実施例としての用土充填用コ
ンベア15を示しており、同用土充填用コンベア15は、始
端側を上方に位置させると共に、終端側を下方に位置さ
せて前低後高の傾斜姿勢にしている。

【００３２】このようにして、ホッパー14から用土充填
用コンベア15上に供給される用土がブリッジ等を起こす
ことなく排出されて、育苗ポットＰ内への用土の充填効
率を向上させることができるようにしている。

【００３３】図５及び図６に示す27は、セル部検出用補
助具であり、同セル部検出用補助具27は、トレイＴの側
壁と育苗ポットＰの側壁との間に差込む差込み部27a
と、同差込み部27a の上端縁より育苗ポットＰの縁部ｐ
の下面に向けて立上げると共に、同縁部ｐより外側下方
へ向けて屈曲させて、先端をトレイＴの縁部ｔの側方ま
で伸延させ、さらに、同縁部ｔに向けて折曲状に伸延さ
せて形成した防塵用ひさし部27b と、同防塵用ひさし部
27b の先端より直下方へ伸延させて形成した反射板取付
部27c とから形成している。

【００３４】そして、反射板取付部27c は、育苗ポット
Ｐの前後幅と略同一幅に形成し、同反射板取付部27c に
は、同育苗ポットＰの前後方向に整並する縦一列の各セ
ル部Ｓに一対一対応させて反射板28を取付けている。

【００３５】このようにして、光電センサを使用したセ
ル部検出センサ25から照射された光を、上記各反射板28
により確実に反射して、各セル部Ｓの検出を確実に行な
うことができるようにしている。

【００３６】しかも、防塵用ひさし部27b により、反射
板28に塵や埃が付着するのを防止することができるため
に、この点からも各セル部Ｓの検出を確実に行うことが
できる。

【００３７】また、セル部検出用補助具27は、播種作業
を終了した後に差込み部27a を抜取ることにより、簡単
に回収することができ、また、再度播種作業を行なう際
には、トレイＴと育苗ポットＰとの間に差込むことによ
り、簡単に装着することができる。

【００３８】

【考案の効果】本考案によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００３９】すなわち、本考案では、育苗ポットの側壁
を洗浄装置により洗浄して、同育苗ポットを形成するセ
ル部の検出を確実に行なうことができるために、各セル
部への播種も確実に行なうことができる。

【００４０】また、育苗ポットの側壁は、洗浄すること
により、同側壁等に付着した用土を取除くようにしてい
るために、塵や埃が作業空間に飛散するのを防止するこ
とができて、作業環境を快適な状態に確保することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る洗浄装置を装備する播種プラント
の正面図。

【図２】洗浄装置の平面説明図。

【図３】同洗浄装置の側面説明図。

【図４】他の実施例としての用土充填用コンベアの側面
説明図。

【図５】セル部検出補助具の正面図。

【図６】同セル部検出補助具の断面側面図。

【図７】トレイと育苗ポットの斜視説明図。

【符号の説明】

Ａ 播種プラント １ トレイ搬送装置 ２ 用土充填装置 ３ 均平装置 ４ 灌水装置 ５ 鎮圧・播種装置 ６ 覆土装置 ７ 灌水装置 20 洗浄装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大前 健介 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤン マー農機株式会社内 (72)考案者 吉田 清隆 大阪府大阪市北区茶屋町１番32号 ヤン マー農機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−28612（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01G 9/06

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 育苗ポットを載置したトレイを搬送させ
   ながら、同育苗ポット内に用土を充填し、均平し、鎮圧
   した後、育苗ポット内の用土中に播種し、さらに、覆土
   する播種プラントにおいて、 トレイ搬送流路における鎮圧部よりも上流側に、トレイ
   より上方に露出する育苗ポットの側壁を洗浄する洗浄装
   置を設けたことを特徴とする播種プラントの洗浄装置。