JP2580439Y2 - リターダ装置 - Google Patents

リターダ装置

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JP2580439Y2
JP2580439Y2 JP1992051652U JP5165292U JP2580439Y2 JP 2580439 Y2 JP2580439 Y2 JP 2580439Y2 JP 1992051652 U JP1992051652 U JP 1992051652U JP 5165292 U JP5165292 U JP 5165292U JP 2580439 Y2 JP2580439 Y2 JP 2580439Y2
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retarder
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和夫 川瀬
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株式会社曙ブレーキ中央技術研究所
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、リターダ装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】トラック、バス等の大型車
両において、リターダ装置を装着するものが知られてい
る。リターダ装置は、降坂時、高速からの減速時等に制
動トルクを発生させ、ブレーキの温度上昇によるフェー
ドを防止し、車両の安全性及び摩擦材の耐久性を向上さ
せる。従来のリターダとして、例えば特開昭63−30
6956号公報に開示される流体式リターダが知られて
いる。これは、プロペラシャフト等の車輪と共に回転す
る回転軸に固定可能なロータと、車体側に回転不可能に
固定されるステータとを備え、クラッチ装置によつてロ
ータを回転軸側に接続固定して、ステータとロータとの
間の作動液体の運動エネルギーによつて制動トルクを発
生させる。このステータ及びロータを収容する流体式リ
ターダ内には、作動液体が充填されている。
【0003】しかしながら、この種の流体式リターダに
あつては、クラッチ装置によつて車輪と共に回転する回
転軸にロータを直接固定して、回転軸の回転数ひいては
車速に応じた制動トルクが得られる構造となつていたた
め、車両の低速走行時の制動トルクが著しく小さく、低
速走行時の制動トルクを大きく確保しようとすると、高
速走行時の制動トルクが必要以上に大きくなるため、操
作フィーリングに劣ると共に、高速時の繰り返し使用に
よつて流体式リターダを損傷する恐れすらあつた。図3
に曲線Aにて従来の流体式リターダの減速度−回転軸の
回転(車速)数特性を示す。同図から、高速走行時〔回
転軸の回転数が約2000rpm以上(車速80Km/
h以上)〕においては約0.08Gが得られるが、速度
減少に伴つて流体式リターダの作動による減速度も急激
に減少し、低速走行時〔回転軸の回転数が約500〜3
00rpm以下(車速20Km/h以下)〕においては
殆ど減速度が得られないことが分かる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、リターダと、車輪と共に回転する回転軸と、該リタ
ーダのリターダ入力軸と該回転軸との間に介在する無段
変速装置とを備え、該無段変速装置が、該回転軸に取付
けたドライブプーリとドリブンプーリとの間にVベルト
を巻掛けて構成されるVベルト式であると共に、該回転
軸が、該リターダ入力軸の中心部に遊挿させて設けら
れ、該ドリブンプーリの出力軸と該リターダ入力軸との
間に巻掛け伝動装置を介在させることを特徴とするリタ
ーダ装置である。
【作用】
【0005】このようなリターダ装置によれば、車輪と
共に回転する回転軸の回転が無段変速装置及び巻掛け伝
動装置を介してリターダ入力軸に伝えられるので、各種
の車速に対して、任意の回転数をリターダ入力軸に与え
ることができる。これにより、車両が任意速度にて走行
し、リターダを稼働させた状態おいて、所定の制動ト
ルクをリターダに発生させることができる。
【実施例】
【0006】以下、本考案の実施例について図面を参照
して説明する。図1〜図3は、本考案を流体式リターダ
に適用した第1実施例を示す。流体式リターダ1は、図
2に示すようにロータ側ケース2aとステータ側ケース
2bとを後記するステータ5の外向きフランジ部5a及
び図外のシールリングを介在させて複数個のボルト30
a,30bによつて一体的に結合したケース3を有す
る。このケース3は、図外のトランスミッションリヤカ
バー等の車体側部材に固着されて非回転である。ロータ
側ケース2a及びステータ側ケース2bの中心部には、
リターダ入力軸10が、2組のシール部材31,32及
び軸受33,34を介在させて回転自在かつ液密に配置
されている。このリターダ入力軸10は、主軸10aに
副軸10bをセレーション結合させ、ナット10cにて
固定してある。10d,10eはそれぞれシールリング
である。
【0007】このようにしてリターダ入力軸10の周囲
に、シール部材31,32を介在するケース3にて区画
され、常時作動流体(油又は水)が充填されたリターダ
室4を画成している。このリターダ室4内には、ステー
タ側ケース2bの内側に位置させて、リターダ入力軸1
0を中心とする放射状の羽根が形成されたステータ5が
設けられると共に、ロータ側ケース2aの内側に位置さ
せて、リターダ入力軸10を中心とする放射状の羽根を
有し、ステータ5と対向してリターダ入力軸10側の部
材に相対回転不可能に固定可能なロータ6が設けられ
る。しかして、ステータ5は、外向きフランジ部5aに
よつてケース3と一体をなし、車体側部材に実質的に回
転不可能に固定されている。
【0008】また、ステータ側ケース2bにリターダ室
4に通じる作動流体入口9aが設けられ、ロータ側ケー
ス2aにリターダ室4に通じる作動流体出口9bが設け
られている。更に、ロータ6の内周部には、円環状をな
す複数枚のプレッシャプレート14a,14bをスプラ
イン結合させて中心軸線方向のしゆう動自在に支持する
筒状の支持部材7が備えられ、この支持部材7は第1軸
受12及び第2軸受11を介してケース3に回転自在に
支承される。すなわち、第1軸受12は、内輪をロータ
側ケース2aの環状段面に圧入固定して設けられ、外輪
との間に転動体を保持し、第2軸受11は、内輪を端部
に位置する可動のプレッシャプレート14aの環状段面
に圧入固定して設けられ、外輪との間に転動体を保持し
ている。そして、支持部材7の軸線方向の一端部は、軸
線方向の移動不可能なプレッシャプレート14bの筒状
部に圧入固着され、プレッシャプレート14bの他の筒
状部には第1軸受12の外輪が圧入固定されている。
【0009】また、第2軸受11の外輪は、円環状をな
す接続部材20の環状段面に圧入固定され、接続部材2
0の外周部には、後記するプランジャ部材21の先端が
固定されている。しかして、ロータ6を支持する支持部
材7は、その一端部がプレッシャプレート14b及び第
1軸受12を介してロータ側ケース2aに回転自在に積
極的に支持され、その他端部が可動のプレッシャプレー
ト14a、第2軸受11、接続部材20及びプランジャ
部材21を介してステータ側ケース2bに回転自在に支
持される。
【0010】一方、複数枚のクラッチプレート16は、
リターダ入力軸10のスプライン10fに軸線方向の移
動自在に配置され、各プレッシャプレート14a,14
b間に挟装されている。この支持部材7、プレッシャプ
レート14a,14b、クラッチプレート16等によつ
て、リターダ入力軸10側部材とロータ6とを断接可能
なクラッチ装置13を構成している。
【0011】しかして、リターダ入力軸10と一体に回
転するクラッチプレート16に対し、プレッシャプレー
ト14a,14bを押し付けることにより、クラッチ装
置13が接続され、非回転部であるケース3に第1軸受
12及び第2軸受11を介して回転自在に支持された筒
状の支持部材7が回転するので、支持部材7と一体のロ
ータ6がリターダ入力軸10と一体回転する。
【0012】次に、クラッチ装置13を接続駆動するプ
ランジャ部材21及び駆動装置22について説明する。
プランジャ部材21は、周方向に間隔を置いてケース3
を液密かつしゆう動自在に挿通して設けられ、内端部が
接続部材20を介して第2軸受11の外輪に結合され
る。23はプランジャ部材21とステータ側ケース2b
との間の液密を保持するシールリングである。なお、プ
ランジャ部材21は、円環状をなす接続部材20の周方
向に3個以上配設されている。
【0013】駆動装置22は、ケース3つまりステータ
側ケース2bの外部に配置され、ステータ側ケース2b
の外周部を覆うようにボルト30aによつてステータ側
ケース2bに一体的に固着したカバー24と、ステータ
側ケース2bとカバー24との間に配置されるピストン
部材25とを備える。ピストン部材25は、その内周部
がプランジャ部材21の外端部に圧入固着され、筒状に
突出する環状段面がシール材26を介してカバー24の
環状内周面にしゆう動自在に嵌合している。
【0014】また、ピストン部材25の外周部は、気密
性及び可撓性を有するダイヤフラム27の内周部が接着
され、ダイヤフラム27の外周部は、ステータ側ケース
2bとカバー24との間に挟着されている。かくして、
カバー24とピストン部材25及びダイヤフラム27と
の間には、空気室29が画成され、ステータ側ケース2
bとピストン部材25との間には、戻しスプリング28
が圧縮して介装されている。この空気室29には、図外
の切換バルブを介して圧力空気供給源が接続され、切換
バルブの切り換え操作によつて空気室29に圧力空気を
供給し又はドレインすることができるようになつてい
る。
【0015】このような流体式リターダ1が、図1に示
すように無段変速装置35を介在させて、トランスミッ
ション出力軸等の車輪と共に回転する回転軸36に接続
される。この回転軸36は、図外のプロペラシャフト等
を介して車輪に接続され、車輪と共に回転するものであ
り、リターダ入力軸10の中心部に回転軸36を遊挿さ
せて設けてある。無段変速装置35は、この実施例にあ
つてはVベルト式(CVT)であり、回転軸36に取付
けたドライブプーリ35aと、ドリブンプーリ35bと
の間にVベルト35cを巻掛けて構成され、ドリブンプ
ーリ35bの出力軸35fリターダ入力軸10との間
にチェーン、ベルト等の巻掛け伝動装置37を介在させ
てある。
【0016】そして、ドライブプーリ35aには油圧室
35dが付属され、ドリブンプーリ35bには油圧室3
5eが付属されている。これらの油圧室35d,35e
は、それぞれ図外の油圧バルブコントロールシステムに
接続されている。油圧バルブコントロールシステムは、
図外のマイクロコンピュータからの制御信号に基づいて
切換えられ、両油圧室35d,35eの油圧を制御して
ドライブプーリ35a、ドリブンプーリ35bのプーリ
径を連続的に変化させる。
【0017】次に、上記実施例の作用について説明す
る。車両の走行中において、図外のリターダスイッチを
ON作動し、駆動装置22を駆動してクラッチ装置13
を接続させる。すなわち、空気室29に外部からの圧力
空気を供給し、ピストン部材25を戻しスプリング28
の弾発力に抗して図2上にて左方にしゆう動させ、プラ
ンジャ部材21及び支持部材20を押し込む。その際、
ダイヤフラム27が変形する。これにより、第2軸受1
1を介してプレッシャプレート14aが押し込まれるの
で、各プレッシャプレート14a,14b間にクラッチ
プレート16が挟圧され、クラッチ装置13が接続し、
クラッチプレート16、各プレッシャプレート14a,
14b及び支持部材7を介してロータ6が回転を開始す
る。その結果、流体式リターダ1の機能が発揮され、ロ
ータ6による攪拌にて生ずる作動流体の速度エネルギが
ステータ5に吸収される。
【0018】すなわち、ロータ6の自己ポンプ作用又は
別置ポンプによつてリターダ室4内に冷却を兼ねた作動
流体が循環する状態において、ロータ6の回転エネルギ
ーがステータ5に良好に吸収され、作動流体に熱として
伝えられて減速作用が発生する。
【0019】このような流体式リターダ1の作動中にお
いて、無段変速装置35を作動させる。すなわち、両油
圧室35d,35eの油圧を制御してドライブプーリ3
5a、ドリブンプーリ35bのプーリ径を変化させ、車
輪と共に回転する回転軸36の回転を変速してリターダ
入力軸10に伝える。その際、リターダ入力軸10が、
巻掛け伝動装置37を介してドリブンプーリ35bの出
力軸35fによつて回転駆動される。これにより、リタ
ーダ入力軸10に任意の回転数を与えることができる。
かくして、任意の車速に対し、流体式リターダ1に任意
の制動トルクを発生させることができる。
【0020】特に、ドライブプーリ35a、ドリブンプ
ーリ35bのプーリ径を連続的に変化させ、任意の車速
に対し、流体式リターダ1にほぼ一定の制動トルクを発
生させることができる。図3に曲線Bにて示すように、
高速走行時〔回転軸の回転数が約4000rpm以上
(車速160Km/h以上)〕から、低速走行時〔回転
軸の回転数が約500〜300rpm以下(車速20K
m/h以下)〕までの流体式リターダ1の作動による減
速度(約0.08G)を、一定に維持することができ
る。その結果、速度減少に伴う流体式リターダ1の作動
による減速度の急激な減少傾向を良好に抑制することが
できる。勿論、高速走行時に過大な制動トルクが発生し
ないように制御することもできる。
【0021】リターダスイッチをOFF作動し、空気室
29の圧力空気をドレインすれば、戻しスプリング28
の弾発力によつてピストン部材25が復帰し、流体式リ
ターダ1の作動が停止する。すなわち、ピストン部材2
5、プランジャ部材21、支持部材20及び第2軸受1
1が復帰し、クラッチ装置13が切断されるので、ロー
タ6の回転が停止する。これにより、作動流体の速度エ
ネルギがステータ5に作用しなくなり、流体式リターダ
装置の作動が停止する。
【0022】
【0023】
【0024】ところで、第1実施例にあつては、リター
ダ入力軸10と回転軸36とを同軸に配置してあるの
で、無段変速装置35として、ドライブプーリ35aの
プーリ径を遠心重りによつて拡大又は縮小させ、ドリブ
ンプーリ35bのプーリ径をスプリングによつて常時縮
径付勢した構造の、オートバイ用のものを使用すること
も可能である。
【0025】
【0026】ところで、上述した各実施例では、流体式
リターダ1を使用したが、流体式リターダ1に代えて電
磁式リターダを使用し、電磁式リターダのリターダ入力
軸と、車輪と共に回転する回転軸36との間に、無段変
速装置35を介在させて、同様の作用を得ることができ
ることは勿論である。電磁式リターダは、磁場の中で導
体を回転させ、フーコ効果によつて渦電流を生じさせ、
オーム損によつて熱に変換して制動トルクを発生させる
ものであり、制動トルクは、リターダ入力軸の回転数及
び温度によつて変化する。
【0027】
【考案の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本考案に係るリターダ装置によれば、リターダによる制
動トルクを、車速の高低と関係なく任意に得ることがで
きるので、車両の減速度を、車速の高低と無関係に例え
ばほぼ均一に得て、操作フィーリングに優れるリターダ
特性を得ることができると共に、過度の制動トルクの発
生を抑制することができるので、リターダの損傷を防止
することもできる。また、高速走行時の駆動トルク損失
を減じることができる。更に、リターダ入力軸の中心部
に回転軸を遊挿させて設けたので、リターダの取付けス
ペースを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1実施例に係るリターダ装置を示
す断面図。
【図2】 同じく流体式リターダの半部を示す断面図。
【図3】 同じく減速度一回転軸の回転数(車速)特性
を示す線図。
【符号の説明】
1:流体式リターダ、10:リターダ入力軸、35;無
段変速装置、35a:ドライブプーリ、35b:ドリブ
ンプーリ、35c:Vベルト、35f:出力軸、36:
回転軸、37:巻掛け伝動装置

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リターダと、車輪と共に回転する回転軸
    と、該リターダのリターダ入力軸と該回転軸との間に介
    在する無段変速装置とを備え 該無段変速装置が、該回転軸に取付けたドライブプーリ
    とドリブンプーリとの間にVベルトを巻掛けて構成され
    るVベルト式であると共に、 該回転軸が、該リターダ入力軸の中心部に遊挿させて設
    けられ、該ドリブンプーリの出力軸と該リターダ入力軸
    との間に巻掛け伝動装置を介在させ ることを特徴とする
    リターダ装置。
JP1992051652U 1992-07-01 1992-07-01 リターダ装置 Expired - Lifetime JP2580439Y2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5650199Y2 (ja) * 1973-01-29 1981-11-24
JPS5725001Y2 (ja) * 1975-03-28 1982-05-31
JPS5493756A (en) * 1978-01-06 1979-07-25 Hitachi Ltd Belt incorporating apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60164054A (ja) * 1984-02-06 1985-08-27 Aisin Warner Ltd 変速機用電磁ブレ−キ

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JPH066773U (ja) 1994-01-28

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