JP2580253B2 - 装軌式車両の懸架装置 - Google Patents

装軌式車両の懸架装置

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JP2580253B2
JP2580253B2 JP63121365A JP12136588A JP2580253B2 JP 2580253 B2 JP2580253 B2 JP 2580253B2 JP 63121365 A JP63121365 A JP 63121365A JP 12136588 A JP12136588 A JP 12136588A JP 2580253 B2 JP2580253 B2 JP 2580253B2
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幸夫 井上
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滋美 三森
正 楠瀬
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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BOEICHO GIJUTSU KENKYU HONBUCHO
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,装軌式車両の懸架装置に関する。
(従来の技術) 第3図から第6図は従来の装軌式車両およびこの懸架
装置としての油気圧懸架装置を示す図である。第3図は
車両の片側のみを示しこの図において,1は転輪,2は転輪
1を支持する転輪アーム,100は転輪1に架渡された履帯
である。また,第4図は油気圧懸架装置の断面を示す図
であってこの図において,3は転輪アーム2と一体のピス
トンアーム,4はピストンアームに取り付けられた連接
棒,5は連接棒4に取り付けられたピストン,6はピストン
5が摺動自在に嵌装されたシリンダ,7はシリンダ頂部に
設けられたバルブブロック,8はバルブブロック7を介し
てシリンダ6に接続されたアキュムレータ,9は転輪ケー
ス上板,10は転輪ケースである。また,第5図は第4図
の矢視V−Vを示す図であってこの図において,11は転
輪ケース取り付けフランジで第4図に示す油気圧懸架装
置を車体12に装着している。第6図は油気圧懸架装置の
作動を行うための油圧回路を示す図であって,13はアキ
ュムレータ側ポート,14は安全弁ポート,15はシリンダ側
ポート,16はリリーフ弁,17は逆止弁,18は安全弁,19は絞
り,でバルブブロック7に備えられている。20はパイロ
ット逆止弁で転輪ケース上板9内に設けられている。ま
た,P1は油圧源への油路で,切換弁21を介してエンジン
駆動のポンプ22へつながっている。23はリリーフ弁,24
はドレンタンクである。P2はパイロット油圧源,P3はド
レンタンク24へつながっている。
その作動について説明すると,路面の凹凸に応じ転輪
1が動くとその変位は転輪アーム2と揺動中心を同じく
するピストンアーム3および連接棒4を介してピストン
5の変位としてシリンダ6内へ伝えられる。このときパ
イロット逆止弁20を閉じておけば,シリンダ6及びアキ
ュムレータ8は閉回路となり,ピストン5の動きは作動
油を介してアキュムレータ8に伝えられ,アキュムレー
タ8で転輪1は弾性的に支えられる。すなわち緩衝の作
用をする。さらに走行に伴う振動は,バルブブロック7
で減衰される。つまり,バルブブロック7におけるポー
ト13とポート15との間に働く圧力差で逆止弁17と絞り19
とを通過する油の抵抗により走行振動が減衰される。さ
らに前記圧力差がリリーフ弁16の設定値より大きくなっ
た場合には,リリーフ弁16が開くため,減衰力はそれ以
上大きくはならない。なお逆止弁17はピストンの上昇時
には減衰があまり利かないようにする働きもある。また
リリーフ弁16の設定値,逆止弁17の有無は乗心地性によ
り最適に設定される。次に,車体姿勢制御であるが,P2
からのパイロット圧によりパイロット逆止弁20を開きP1
より高圧油を供給すればピストン5上方のシリンダ6内
の作動油量が増加し,ピストン4が伸び転輪1が押し下
げられ車体背高を高める,また方向切換弁21を切り換え
た後P2からのパイロット圧によりパイロット逆止弁20を
開くと,車体自重による圧力によりシリンダ6内の作動
油はドレンタンク24へ戻るためピストン4が縮み転輪が
上昇し,車体背高を低くすることができる。
(発明が解決しようとする課題) ところで従来の装軌式車両の懸架装置では,地面の細
かい凹凸の場合,転輪を弾性的に支えたアキュムレータ
を比較的大きく,すなわちばね定数を小さくかつ絞り19
を余り利かさないほうが車体の振動は小さくなる。他
方,地面の大きい凹凸ではばね定数を大きくかつ絞り19
を多少利かさないと転輪が全ストローク縮むボトミング
が起こり,しかも,凹凸部通過後車体の動揺が何時まで
も続くという不具合がある。このように,路面の種々の
凹凸状況に懸架装置の設計諸定数を合わせるのが困難で
種々の路面の凹凸状況で乗心地を良くするのが困難であ
った。
本発明は,このような問題点の解消をはかろうとする
もので,油圧機械伝動装置を持った装軌式車両の懸架装
置に於いて,従来の機能に加え,高圧油を適宜切換弁を
介して懸架装置に導き,地面の凹凸に関し,転輪が伸び
るべき時には高圧油を供給,縮むべき時には懸架装置の
作動油を抜くように構成し,かつ,前方の転輪の変位に
より地面の凹凸状態を知りこれを後方の転輪の制御系に
フイードフォワードすることにより上記の油気圧懸架装
置の高圧油供給排出を速やかにするようにした装軌式車
両の懸架装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) このため本発明の装軌式車両の懸架装置は,外部の油
圧源から油圧シリンダに高圧油を供給し,かつシリンダ
からの作動油を排出する三方切換弁,油圧シリンダの圧
力を計測する圧力センサ,転輪アームの回転角を計測す
る回転角センサ,これらセンサの出力を入力し処理,前
記三方切換弁に操作信号を出す計算機を備え,圧力セン
サ出力をフイードバック信号とし,三方切換弁の操作で
作動油の供給排出を実施することにより各転輪のシリン
ダの油圧を一定とする制御,転輪アームの回転角センサ
出力をフイードバック信号とし作動油圧力の設定値を変
えることにより車高を一定とする制御,及び,前方転輪
アームの回転角センサ出力をフィードフォワード信号と
して切換弁の操作により作動油の供給排出を行う制御を
するようにしたことを特徴としている。
(作用) 上述の本発明の装軌式車両の懸架装置によれば,路面
凸部に乗り上げ押上られた転輪では懸架装置の作動油を
抜き,凹部に入った転輪では高圧油が供給する作用にお
いて,転輪が押上られた状態はシリンダ内の油圧の上昇
により判断されるが,この油圧の上昇を検知してから切
換弁を作動させるので,シリンダ油圧がほぼ一定となり
従って懸架装置が車体に及ぼす力も変わらないので車体
が揺れなくなる。唯,三方切換弁の作動遅れ等のため,
油を排出するタイミングがやや遅れる。高圧油の供給の
場合も同様のタイミングの遅れが発生する。しかしなが
ら,本発明のものでは前方の転輪の動きにより地面の凹
凸を検知出来る,即ち外乱の形を知ってこの情報により
後方の転輪の制御ができるため上記作動遅れはなくな
る。このため懸架装置がさらに効率的に機能する。
(実施例) 以下,図面により本発明の一実施例としての装軌式車
両の懸架装置について説明すると,第1図は本装置の油
圧回路図,第2図は制御系ブロック図である。従来のも
のと同じものは,第6図に示すものと同一符番で示し,
これらの説明は上述の従来技術の説明で代える。第1図
において,211は高速電磁弁あるいはサーボ弁等からなる
電磁駆動の高速大容量の三方切換弁で,従来の第6図に
おいて21で示す方向切換弁とは異なり直接シリンダにつ
ながっている。また,アキューム側ポート13はリリーフ
弁16,逆止弁17,絞り弁19の手前からシリンダ6に接続し
アキュームレータ8はリリーフ弁16,逆止弁17,絞り弁19
を介してアキュームレータポート13′と接続している。
25はシリンダ内の油圧を計測する圧力センサ,26は転輪
アーム2の回転角を計測する回転角センサで,以上は各
転輪に装着されている。27は計算機でAに各転輪の回転
角センサ26,Bに圧力センサ25からの信号が入力するよう
に結ばれている。第2図において,101は転輪アーム2の
平均的な回転角,即ち車体の地面からの平均的な高さの
設定値,102は計算機27内に構成されたコントローラで,
後述するフイードバックされた実際の転輪アーム2の平
均的な回転角と設定値との誤差に応じ,若し車高が高け
ればシリンダ6内の油圧の設定値103を低く設定する。
車高が低ければ逆にする。104は計算機27内に構成され
た別のコントローラで後述するフイードバックされた実
際のシリンダ油圧と設定値103との誤差に応じ,若し油
圧が高ければ三方切換弁211をシリンダの油を抜く方
向,低ければシリンダに油を供給する方向に励磁する信
号を出す。105は操作部で実施例では三方切換弁211に相
当する。106は制御対象でこの場合油気圧懸架装置であ
る。107はフイードバック回路で圧力センサ25の出力が
フイードバックゲイン108を乗じてコントローラ104の前
に返される。109は他のフイードバック回路で,転輪ア
ーム回路角センサ26の出力を数十秒間平均しフイードバ
ックゲイン110としてコントローラ102の前に返す。
以上の制御装置は各転輪1に備わっている。111は外
乱で今の場合は地面の凹凸である。112は前方の,第1
輪の転輪アーム2の回転角信号で,地面の凹凸の代わり
にコントローラ104に伝えられる。走行中コントローラ1
04は第1輪の転輪アーム2の回転角信号より地面の凹凸
を大略推定し,同時に別途公知の方法で計測した車速と
第1転輪からの距離からこの凹凸が各転輪に至る時期も
推定,凸であればこの時期に切換弁によりシリンダの油
を抜く。凹であれば油を供給する。勿論,このフイード
フォワード制御は,第1輪には適用出来ないのは当然で
あるが,さらに,車両速度が速い時は計算時間や切換弁
の作動遅れのため制御が間に合わず上記制御は無意味に
なる。この場合はフイードフォワード制御を中止する。
上述の構成の装軌式車両の懸架装置において,その作
用は次のようになる。即ち,車両の走行中例えば地面に
凸部がありこれに第1輪が乗り上げるとピストン5が上
方に動くが,転輪1はアキュムレータ8で弾性的に支え
られる。すなわち緩衝の作用をし,さらに走行に伴う振
動は,バルブブロック7で減衰される点は従来のものと
同一であるが,さらに,シリンダ6内の圧力が上昇した
のを圧力センサ25で検知した信号はフイードバックされ
三方切換弁211によりシリンダ6内の油が抜かれ,結局
はあまり圧力が上がらず従って車体もあまり揺れない。
但し圧力を検知してから三方切換弁211が作動するまで
は時間遅れがあるので上記作用は完全には行われず圧力
はやや上昇する。さらに車両が前進すると第2転輪の所
に先程の凸部が来たときも前述と同様のシリンダ圧力の
調整がおこなわれるが,この場合は第1転輪の動きがフ
イードフォワードされているので転輪の動き,すなわち
外乱を予測して三方切換弁211の制御が出来るので,三
方切換弁211の作動の時間遅れを補い上記作用は完全に
は行われ,圧力は殆ど上昇しない。このため車体は地面
の凸部がきたことに殆ど無関係となり,従って動揺が起
こらない。第3転輪以降も同様にフイードフォワード制
御され車体は殆ど動揺しない。勿論,車速が非常に速く
制御が間にあわないときはこのフイードフォワード制御
は中止される点はあるが,高速の計算機や切換弁を用い
ることにより大幅に振動,動揺を減少させることができ
る。しかも従来の機能はそのまま残されているので懸架
装置の設計諸定数を細かい路面の凹凸に対応するように
しておけば,大きいうねりのような凹凸は油圧制御で吸
収,細かい凹凸は最適に設定された従来装置により吸収
されるので,広範囲の路面で優れた乗心地が得られる。
なお上述の説明では第1転輪についてその回転角をフイ
ードフォワードするとしたが,第2転輪の回転角を第3
転輪以降にフイードフォワードする制御を加えてもよ
い。この場合は,地面がやや軟らかく転輪の通過により
地面の凹凸が変形するようなときに有効である。さてこ
のようにして凹凸のある地面を走行するが,第2のフイ
ードバック回路109では転輪アーム回転角センサの出力
を数十秒間平均しコントローラ102の前に返し,このフ
ィードバックされた実際の転輪アームの平均的な回転角
と設定値との誤差に応じ,若し車高が高ければシリンダ
油圧の設定値103を低く設定し,車高が低ければ逆とす
るため,平均的な車高は一定に保たれる。
(発明の効果) 以上詳述したように,本発明の装軌式車両の懸架装置
によれば,高圧油を適宜切換弁を介して懸架装置に導
き,地面の凹凸に対応して転輪が下降すべき時にはシリ
ンダ内に高圧油を供給し,上昇すべき時にはシリンダ内
の作動油を抜くように制御し,かつ前方の転輪の変位に
より地面の凹凸状態を検知し後方の転輪をフィードフォ
ワード制御するようにしたので車体の振動が小さくでき
るとともにボトミング現象を起すこともなく路面凹凸部
通過後の車体動揺が何時までも続くという不具合が解消
され,種々の凹凸の路面での装軌式車両の大幅な乗心地
改善が実現出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の装軌式車両の一実施例を示す油圧回路
図,第2図は制御ブロック図である。第3図から第6図
は従来の装軌式車両の油気圧懸架装置を示す図で,第3
図は車両の片側を示す斜視図,第4図は油気圧懸架装置
の断面図,第5図は第4図の矢視V−Vを示す図,第6
図は油圧回路図である。 1……転輪,2……転輪アーム,3……ピストンアーム,4…
…連接棒,5……ピストン,6……シリンダ,7……バルブブ
ロック,8……アキュームレータ,9……転輪ケース上板,1
0……転輪ケース,11……フランジ,12……車体,13……ア
キュムレータ側ポート,13′……アキュムレータポート,
14……安全弁ポート,15……シリンダ側ポート,16,23…
…リリーフ弁,17……逆止弁,18……安全弁,19……絞り,
20……パイロット逆止弁,21……切換弁,22……ポンプ,2
4……ドレンタンク,25……圧力センサ,26……回転角セ
ンサ,100……履帯,101……転輪アームの平均的回転角信
号(設定値),102,104……コントローラ,105……操作部
(三方切換弁),106……制御対象(懸架装置),108,110
……ゲイン,111……外乱,112……前方車輪の回転角信
号,211……三方切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三森 滋美 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 楠瀬 正 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 橋本 勝美 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重 工業株式会社相模原製作所内 (56)参考文献 特開 平1−122785(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧機械伝達装置を持った装軌式車両の懸
    架装置において、外部の油圧源からシリンダに高圧油を
    供給し、かつシリンダから作動油を排出する三方切換
    弁、シリンダの圧力を計測する圧力センサ、転輪アーム
    の回転角を計測する回転角センサ、これらセンサの出力
    を入力し処理して、前記三方切換弁に操作信号を出す計
    算機を備え、圧力センサ出力をフィードバック信号とし
    三方切換弁の操作で作動油の供給・排出を実施すること
    により各転輪のシリンダの油圧を一定とする制御、転輪
    アームの回転角センサ出力をフィードバック信号とし作
    動油圧力の設定値を変えることにより車高を一定とする
    制御、及び、前方転輪アームの回転角センサをフィード
    フォワード信号として三方切換弁の操作により作動油の
    供給・排出を行う制御をするようにしたことを特徴とす
    る装軌式車両の懸架装置
JP63121365A 1988-05-18 1988-05-18 装軌式車両の懸架装置 Expired - Lifetime JP2580253B2 (ja)

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