JP2579314C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、ホワイトバランス装置、さらに詳しくは、電子カメラ等のカラー撮
像装置に用いられるホワイトバランス装置に関する。 [従来の技術] 従来のカラービデオカメラ等におけるホワイトバランス装置として、R(赤)
,G(緑),B(青)の3原色の色光に関して、光電変換素子の出力をローパスフ
ィルタ(以下、LPFと略記する)を通して演算回路に導き、同演算回路により
ビデオ信号系におけるカラー信号ゲインコントロールアンプ(以下、GCAと略
記する)でカラー信号R,G,Bの比を1:1:1になるように調整するものがあった
。ここで、LPFが用いられているのは、信号より高い周波数のノイズを防止し
たり、光の中に含まれているリップル成分を除いて信号の安定化を図るためであ
り、一般には、抵抗とコンデンサから構成される遅延伝達系で、入力信号と出力
信号との間に遅延時間を有する。したがって、このようなLPFを有したホワイ
トバランス装置は、電子スチルカメラのように高速応答を要求されるものには適
さない。 また、他のホワイトバランス装置として、GCAの出力をフィードバックして
比較制御回路に入力させ、同比較制御回路で基準信号発生回路の出力とを比較し
てこれらの誤差をGCAに導き、誤差が少なくなる方向にGCAを制御していた
。 しかし、このホワイトバランス装置においても、一般に数フィールド以上に亘っ
てビデオ信号を平均化するためのLPFを設けることが必要であり、さらに、こ
の装置はフィードバック系であるために応答性が悪く、より一層電子スチルカメ
ラに適さないものとなっていた。 [発明が解決しようとする問題点] そこで、先に本出願人は、光電変換素子のR,G,Bの各カラー出力信号を積分
手段によりそれぞれ所定時間積分したのち、これら各積分出力に基づいた演算を
行なってGCAにおける各カラー信号の利得を制御するようにしたホワイトバラ
ンス装置を、特願昭62−048302号によって提案した。このホワイトバランス装置
では、実際に用いられている撮影光に対して適正なホワイトバランス調整が行な
われるとともに、回路に遅延要素を含まないため特に電子スチルカメラに適した
応答性の良好な利得制御がなされる。 しかし、この場合、積分手段の前段で、カラー信号のレベルが撮像手段のダイ
ナミックレンジを超えるような飽和レベルに達した場合、このような飽和レベル
の信号までも積分手段で時間積分し、この積分出力によりカラー信号の利得を制
御すると装置が誤動作してしまう虞れがある。 オートホワイトバランス装置で、従来、誤動作の虞れがある場合には、ストロ
ボを使用する場合と同様にプリセット手段により対処していた。しかし、この場
合、装置の誤動作の判断基準が難しく、僅かな“誤動作の虞れ”のためにプリセ
ット手段に切り換えると、ほとんどの場合がプリセット撮影になってしまい、オ
ートホワイトバランスの意味がなくなってしまう。と同時に、プリセット状態に
切り換えることは、外光(被写体光)の情報を全く無視してしまうことになるの
で好ましくない。 本発明は、このような問題点に鑑み、応答性に優れ、しかもカラー信号が撮像
手段のダイナミックレンジを超える場合にはプリセット状態に切り換えることな
く飽和レベルを超えたカラー信号の影響を除去することにより誤動作のない良好
なホワイトバランス装置を提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段および作用] 本発明のホワイトバランス装置は、複数の系のカラー信号(輝度信号を除く) に関する所定時間にわたっての各時間積分値を得る積分手段と、この積分手段の
出力に基づいて、上記複数の系のカラー信号に関する利得を制御する利得制御手
段と、上記複数の系のカラー信号のうちの少なくとも1つの系の信号レベルが撮
像手段の当該カラー信号系に関するダイナミックレンジの上限である撮像素子の
当該カラー信号飽和レベル以上に逸脱した時間区間領域に対応する上記カラー信
号の上記利得制御手段による利得制御への寄与を除去した後の上記積分手段の出
力に基づいて上記利得制御手段による利得の制御を行わしめるための制御手段と
、を具備してなることを特徴とするものである。 [実施例] 第1図は、本発明の一実施例を示すホワイトバランス装置のブロック図である
。 この第1図に示したホワイトバランス装置は、スチル撮影およびムービ撮影が
可能な電子カメラに適用されている。このホワイトバランス装置のホワイトバラ
ンス制御のための測光(測色)用センサとして、この電子カメラの図示しない撮
像素子が兼用されている。この撮像素子よりライン1を通じて映像プロセス回路
3に線順次でカラービデオ信号のR信号とB信号が交互に伝送され、ライン2を
通じてG信号が伝送される。映像プロセス回路3内ではホワイトバランス調整の
ために上記線順次のライン1にGCA4が挿入されている。このGCA4は後出の
制御ライン48から送られる2系統の制御信号によりそれぞれ独立にコントロール
される2つのGCAを含んでなり、それによってR信号とB信号のゲインがそれ
ぞれ設定されるようになっていて、このGCA4の出力ライン5のR,Bのカラー
信号とライン2のGのカラー信号は映像信号として次段の回路に送られると同時
にGCA4の利得制御のための制御情報として用いられる。つまり、このホワイ
トバランス装置でGCA4の利得制御が行なわれることにより、R,B,Gのカラ
ー信号レベルが1:1:1となる。 上記G信号のライン2にはバッファ回路8が接続され、GCA4の出力側のR/
B信号のライン5にはバッファ回路9が接続されている。バッファ回路8の出力
端子はハイレベルカット回路10のスイッチ11に接続され、バッファ回路9の出力
端子はハイレベルカット回路10のスイッチ12に接続されている。ハイレベルカッ
ト回路10は、G,R/B信号のレベルが略飽和レベルにまで達したときこれらの カラービデオ信号の伝達をカットする回路で、上記スイッチ11,12,可変抵抗13お
よびコンパレータ14からなる。つまり、撮像素子のダイナミックレンジには限界
があるので、撮像素子が高輝度像を受光したとき、カラービデオ信号の高輝度成
分が飽和してしまうが、この飽和したレベルの信号が後述する積分回路により積
分されるのを防ぐために、ハイレベルカット回路10が用いられている。即ち、ハ
イレベルカット回路10がカットオフ状態にある時間区間領域では、上記積分回路
による上記カラービデオ信号の時間積分が停止されることになる。 このハイレベルカット回路10では、バッファ回路8の出力、すなわちG信号の
レベルを可変抵抗13で設定した基準レベルと比較し、G信号のレベルが基準レベ
ルを超えたときコンパレータ14の出力によりスイッチ11,12をオン状態からオフ
状態にして、バッファ回路8,9の出力を後段に送るのを断つようにしている。G
信号のレベルを検出することによってスイッチ11,12を制御しているのは、通常
の光分布の高輝度被写体を撮像した場合において、撮像素子の出力のR,B,Gの
カラービデオ信号が一様に飽和レベルに達するのではなく、多くの場合まず、G
信号の成分が飽和レベルに達するからである。スイッチ11の出力端子はフィール
ド積分保持回路16に接続され、スイッチ12の出力端子はR/B信号分離回路15を
介してフィールド積分保持回路17,18に接続されている。 フィールド積分保持回路16はG信号を1フィールドの有効走査期間に亘って積
分してこれを保持するものであり、フィールド積分保持回路17,18は、R/B信号
分離回路15で分離されたR信号,B信号をそれぞれ同じく1フィールドの期間に
亘って積分し保持する。フィールド積分保持回路16,17および18はその後段の除
算兼ディジタルサンプルホールド回路20に接続される。 除算兼ディジタルサンプルホールド回路20は、R,Bの各カラー信号に関する
フィールド積分保持回路17,18の各出力を、垂直ブランキング期間において取り
込んで、Gのカラー信号に関するフィールド積分保持回路16の出力で除算し、そ
れぞれの比率R/G,B/Gを求めてホールドする回路である。この除算兼ディジ
タルサンプルホールド回路20には、ヂュアルタイプの電流加算型D/Aコンバー
タ21が設けられている。このD/Aコンバータ21内の2つのD/A変換部22,23は
このD/Aコンバータ21に接続された自走式のカウンタ24のカウント値をそ れぞれアナログ値に変換する。D/A変換部22はR信号に係るものであり、D/A
変換部23はB信号に係るものである。D/Aコンバータ21の基準入力端子refには
切換信号S1によってフィールド積分保持回路16の出力と、基準電圧発生回路26
の基準電圧Vrefとを切り換えるための切換スイッチ25が接続されている。除算
兼ディジタルサンプルホールド回路20のラッチ入力端子latchには、コンパレー
タ27の出力端子が接続されている。コンパレータ27の両入力端子には切換信号S
2によって切り変えられる切換スイッチ28,29が接続されている。切換スイッチ28
はフィールド積分保持回路17と18の出力を切り変えてコンパレータ27の一方の入
力端子に入力させるものであり、切換スイッチ29はD/A変換部22と23の出力を
切り変えてコンパレータ27の他方の入力端子に入力させるものである。また、切
換信号S2が印加されるD/Aコンバータ21の入力選択端子selは、自走式カウン
タ24からのディジタル入力およびラッチ入力端子latchより入力されるコンパレ
ータ27の出力であるラッチ信号を切換信号S2に同期してそれぞれR信号系,B信
号系に対応するD/A変換部22,23に振分けるためものである。なお、選択されて
いない方のD/A変換部については、その出力は選択されていたときの最後の状
態にホールドされる。 除算兼ディジタルサンプルホールド回路20の出力段としては、オープン制御出
力回路30と、フィードバック制御出力回路34とが設けられている。 オープン制御出力回路30はスチル撮影時において用いられる回路で、上記D/
A変換部22,23の出力をそれぞれ増幅する反転増幅器31,32と、この反転増幅器31
,32の出力を出力選択回路46に送る出力ライン33からなる。 フィードバック制御出力回路34は、ムービ撮影時において用いられる回路で、
上記D/A変換部22,23の出力をそれぞれ可変抵抗35,36の基準電圧Vref1,Vref2
と比較する差動増幅器37,38と、系の安定性のために差動増幅器37,38の出力側に
接続されたローパスフィルタ(以下、LPFと略記する)39,40と、このLPF3
9,40の出力を出力選択回路46に送る出力ライン41とからなる。 また、GCA4のゲインを既知の値にプリセットするためのプリセット出力回
路42が設けられていて、同プリセット出力回路42は基準電圧Vref3,Vref4(ス
トロボ光に適したプリセットでは基準電圧Vref3′,Vref4′)を設定してR,B
のカラ ー信号ゲインを調整するための可変抵抗43,44と、この各変抵抗43,44により設定
された基準電圧Vref3,Vref4(Vref3′,Vref4′)のレベルを出力選択回路46
に送る出力ライン45からなる。 出力選択回路46には選択スイッチ47が設けられていて、同スイッチ47の接点端
子47a,47b,47cにそれぞれ上記出力ライン45,33,41が接続され、切換信号S3によ
って切り換えられて接点端子47a,47b,47cのいずれかに接続する接点端子47dは制
御ライン48によりGCA4の利得制御用端子に接続されている。切換信号S1,S2
,S3はタイミング制御回路49により発生される。 なお、上記出力ライン33,41,45,出力選択回路46およびこれを構成する選択ス
イッチ47(47a,47b,47c,47d),制御ライン48は2系統並列(独立)の系であって、
第1図ではそれを簡略化した状態で示している。 ここで、上記ホワイトバランス装置が適用されている電子カメラのシステム全
体の概略構成を第2図によって説明すると、上記ホワイトバランス装置50および
露出制御装置51はマイクロコンピュータを含んでなるシステムコントローラ52と
の間の信号の授受によって制御される。システムコントローラ52は上記切換信号
S1,S2,S3等を発生するタイミング制御回路49の機能および測光情報処理機能
等を有している。露出制御装置51はストロボ,絞り,シャッター等の各制御回路
を有して構成されている。 システムコントローラ52の入力端子にはストロボ選択スイッチ53,スチル/ム
ービ選択スイッチ54および測光用センサ55が接続されている。例えば、ストロボ
の使用時でストロボ選択スイッチ53がオンになり、ストロボ不使用時でプルアッ
プ抵抗56により“H”になっていた入力端子がこのとき“L”になる。また、ス
チル/ムービ選択スイッチ54は、例えば、スチル撮影時にオフで,プルアップ抵
抗57によりシステムコントローラ52の入力端子を“H”にし、ムービ撮影時にオ
ンして入力端子を“L”にする。さらに、この実施例では、露出制御のための測
光用センサ55としては、撮像素子と独立してカメラの適宜位置に配設した周知の
センサとしていが、勿論、映像素子を露出制御のための測光用センサ55と兼用す
るものであってもよい。 次に、上記ホワイトバランス装置の動作を説明する。ライン1,2には撮像素子 の出力に基づく利得制御すべき画像信号が供給される。この画像信号は第3図に
示すように、フィールド期間f1,f2,f3…の各信号間に垂直ブランキング期間B1,
B2,B3…を有してなる。 まず、スチル撮影の場合について説明する。スチル撮影の場合には、出力選択
回路46の選択スイッチ47の出力用接点端子47dは、始めプリセット用接点端子47a
に接続されている。したがって、プリセット出力回路42の出力ライン45が制御ラ
イン48に接続され、可変抵抗43,44でプリセットされた電圧Vref3,Vref4がGC
A4の利得制御用端子に入力される。これにより、GCA4はスチル撮影における
ホワイトバランスのための基準の利得に制御されている。この後、シャッター釦
を押すと、最初の1フィールドの期間f1内でシャッターが開いてホワイトバラン
スのための露光が行なわれる。露光が終了すると、次のフィールド期間f2で露光
量に応じたビデオ信号が撮像素子より読み出されるので、ライン1にR,B信号
が入力され、ライン2にG信号が入力される。この読み出しのフィールド期間f2
では、GCA4の利得制御信号として上記プリセット出力回路42でプリセットさ
れた基準値が与えられる。そして、この読み出しのフィールド期間f2のビデオ信
号は、この後のフィールド期間f3で行なわれる実際のホワイトバランス制御のた
めに、ライン2,5よりバッファ回路8,9に入力される。バッファ回路8を通過した
G信号はハイレベルカット回路10のスイッチ11を経てフィールド積分保持回路16
に入力され、また、バッファ回路9を通過したR,B信号はハイレベルカット回
路10のスイッチ12を経た後R/B信号分離回路15で分離されて、それぞれフィー
ルド積分保持回路17,18に入力される。フィールド積分保持回路16,17,18は、そ
れぞれG,R,B信号を撮像素子からの電荷読み出しの1フィールド期間f2に亘っ
て積分するが、被写体光が非常に強く、撮像素子のダイナミックレンジの上限に
相当する飽和レベルまでG信号レベルが上がった場合には、この高輝度部分の範
囲がハイレベルカット回路10によりカットされて有効成分のみが積分される。 1フィールド期間に亘って積分されたG,R,B信号はそのフィールド期間f2の
終了時にレベル保持されて除算兼ディジタルサンプルホールド回路20に入力され
る。そして、上記フィールド期間f2に続く垂直ブランキング期間B2で除算兼 ディジタルサンプルホールド回路20が作動する。始め切換信号S1により切換ス
イッチ25は図示のようにフィールド積分保持回路16の出力側に切り換えられてい
て、1フィールド期間に亘って積分されたG信号はD/Aコンバータ21の基準入
力端子refに入力される。また、切換スイッチ28,29は切換信号S2に同期して交
互にR,B信号のいずれかの側に切り換えられる。すなわち、図示の状態で切換
信号S2によりR信号側が選択されていて、フィールド積分保持回路17の出力と
D/A変換部22の出力とがコンパレータ27により比較される。D/A変換部22は入
力選択端子selに入力される切換信号S2によって自走式カウンタ24の出力をD/
A変換し始めると、このD/A変換部22の出力は切換スイッチ29を通じてコンパ
レータ27に導かれてフィールド積分保持回路17の出力と比較される。そして、D
/A変換部22の出力レベルがフィールド積分保持回路17の出力レベルに一致した
とき、コンパレータ27の出力がラッチ入力端子latchに送られ、D/A変換部22の
アナログ値がラッチされる。このときのD/A変換部22のアナログ値は、フィー
ルド積分保持回路17の出力信号Rに等しい。 D/A変換部22によるD/A変換が終わると、このあと引き続き同じ垂直ブラン
キング期間B2の後半で、切換信号S2によりB信号側が選択され、フィールド積
分保持回路18の出力とD/A変換部23の出力とがコンパレータ27により比較され
、コンパレータ27の両入力が一致したときにD/A変換部23のアナログ値がラッ
チされる。このときのD/A変換部23のアナログ値は、フィールド積分保持回路1
8の出力信号Bに等しい。両D/A変換部22,23によるD/A変換が終了すると、こ
の垂直ブランキング期間B2の終了時点で切換信号S1により切換スイッチ25が基
準電圧発生回路26の出力側に切り換えられ、基準電圧VrefがD/Aコンバータ21
の基準入力端子refに入力される。すると、D/A変換部22,23のアナログ値R,B
に、それぞれ切り換えられた基準入力電圧の比Vref/Gが係数として乗算される
ので、D/A変換部22の出力はVref×R/Gに保持され、D/A変換部23の出力は
Vref×B/Gに保持される。 そして、上記垂直ブランキング期間B2が終了し、次のフィールド期間f3が立
ち上がると、このフィールド期間f3の立上り時点で、出力選択回路46の選択スイ
ッチ47の出力用接点端子47dがオープン制御用接点端子47bに接続を切り換 えるので、上記D/A変換部22,23の出力は、オープン制御出力回路30の反転増幅
器31,32によりそれぞれ増幅され、出力ライン33から制御ライン48を通ってGC
A4の利得制御端子に入力される。したがって上記フィールド期間f3以後は、第
1のフィールド期間f1内で撮影したスチル画像に最適のホワイトバランスの得ら
れる利得制御がGCA4においてなされることになる。 なお、スチル撮影においてストロボが用いられる場合には、ストロボ光はデー
ライトと異なり分光特性が定まっているので、上記のようなオープン制御は不必
要である。したがって、この場合、切換信号S3により切換スイッチ47の出力用
接点端子47dはプリセット用接点端子47aに接続される。そして、この場合には、
出力用接点端子47dは途中でオープン制御用接点端子47bに接続を切り換えること
なく、プリセット用接点端子47aに接続されたままで、ストロボ光による露光が
行なわれ、撮像素子55より取出されたデータがGCA4に入力されると、プリセ
ット出力回路42の可変抵抗43,44で設定されているストロボ光に適した基準電圧
Vref3′,Vref4′がGCA4の利得制御端子に与えられストロボに適したホワイ
トバランス制御がなされる。したがって、このホワイトバランス装置では、上記
プリセット出力回路42はオープンループ制御用の基準値を与えるためのプリセッ
ト回路とストロボ用プリセット回路とを兼用し、簡便な構成になっている。なお
、ストロボ時の「プリセットモード」はいわゆるオートプリセットも含むものと
する。 また、上記プリセット出力回路42を設ける代わりに、自走式カウンタ24のプリ
セット機能を用い、D/Aコンバータ21によりプリセット信号を発生させるよう
にすることもできる。 ところで、上記スチル撮影時に用いられるオープン制御に関してのみいえば、
ホワイトバランス制御のためのデータを、GCA4の入力側から取出すようにし
てもよく、その場合はホワイトバランス情報を取り込むためのGCA4の基準値
制御(フィールド期間f2の間、出力選択回路46の端子47dを端子47aに接続)が不
要になるが、このホワイトバランス装置では、次に述べるムービ撮影時のフィー
ドバック制御と兼用する便宜上から、GCA4の出力側からデータを取出すよう
にしている。 次にムービ撮影の場合を説明する。ムービ撮影の場合には、出力選択回路46の
選択スイッチ47の接点端子47dは、接点端子47cに接続されるので、フィードバッ
ク制御出力回路34の出力ライン41が制御ライン48に接続される。この場合、ホワ
イトバランス制御のためにライン2から取出されたG信号のデータとGCA4の
出力側のライン5から取出されたR,B信号のデータは、上記スチル撮影の場合
と同様に、それぞれバッファ回路8,9を通り、ハイレベルカット回路10で高輝度
レベル除去され、R,B信号についてはR/B信号分離回路15で分離された後、フ
ィールド積分保持回路16,17,18により各G,R,Bの各信号が1フィールド期間積
分されて除算兼ディジタルサンプルホールド回路20に導かれ、この除算兼ディジ
タルサンプルホールド回路20で前述した除算動作が垂直ブランキング期間中に行
なわれて、D/A変換部22,23より(Vref×R/G),(Vref×B/G)が出力される
。このD/A変換部22,23の出力(Vref×R/G),(Vref×B/G)は、フィードバ
ック制御出力回路34の作動増幅器37,38に入力されて、それぞれ可変抵抗35,36の
基準電圧Vref1,Vref2と比較され、作動増幅器37,38の比較出力はLPF39,40
を通過し、出力ライン41から制御ライン48を通ってGCA4の利得制御端子に入
力される。ムービ撮影の場合には、連続してビデオ信号を撮像プロセス回路3よ
り出力するものであるため、GCA4においてR,B信号のプリセットはなされな
いので、D/A変換部22,23の出力(Vref×R/G),(Vref×B/G)は、初めの読
み出しフィールド期間で適正な値になっていないが、このD/A変換出力(Vref
×R/G),(Vref×B/G)と、上記基準電圧Vref1,Vref2との比較がなされて
フィードバク制御が行なわれることにより、Vref1=Vref2=Vrefとなるよう
調節しておけばR/G=1,B/G=1になる。 第1図においては、出力選択回路46は2系統並列の選択スイッチ47が切換信号
S3の指令により切換え動作するものとして説明したが、具体的には、出力選択
回路46としてアナログマルチプレクサICを用い、例えば、“標準ロジックIC
4053”を適用することができる。この場合、並列な2系統のうちの1系統につい
て説明すれば、その回路図は第4図に示す構成となっていて、システムコントロ
ーラ52より発せられ、アナログスイッチ58,59のそれぞれのゲート端子に与えら
れている切換信号S3a,S3bがいずれも“H”のときには、アナログスイッチ 58,59は図示のようにいずれも一方の接点端子に接続された状態にあり、上記フ
ィードバック制御用接点端子47cの信号が出力用接点端子47dに導かれる。また、
切換信号S3aが“L”で切換信号S3bが“H”のときには、アナログスイッチ58
のみが図示とは反対側と他方の接点端子に接続される状態になるので、上記オー
プン制御用接点端子47bの信号が出力用接続端子47dに導かれる。さらに、切換信
号S3aについては“L”でも“H”でもよいが、切換信号S3bが“L”のときに
は、アナログスイッチ59が図示とは反対側の他方の接点端子に接続される状態に
なるので、上記プリセット用接点端子47aの信号が出力用接点端子47dに導かれる
。 ところで、上記ホワイトバランス装置において、D/Aコンバータ21として原
理的に精度を出しやすい電流加算型のものが用いられているが、電流加算型D/
Aコンバータ21を用いた場合、出力段に含まれる電流−電圧変換器の特性のため
にその出力電圧は基準入力電圧に対して反転してしまうという問題がある。した
がって、通常は、反転増幅器を設けることによってこれに対処している。しかし
、電子カメラのスペース上の理由からも回路が複雑になることを避けるために、
ここでは、その前段に設けられているフィールド積分保持回路16,17,18の構成を
考慮することでこの問題を解決している。つまり、フィールド積分保持回路16に
反転型のものを用い、フィールド積分保持回路17,18に非反転型のものを用いて
いる。あるいは、フィールド積分保持回路16に反転型のものを用いた場合には、
フィールド積分保持回路17,18に非反転型のものを用いてもよい。 そこで、次に上記フィールド積分保持回路16,17,18の具体的な回路構成につい
て述べると、例えば、G信号に関するフィールド積分保持回路16は第5図に示す
ような反転型の構成とされ、R,B信号に関するフィールド積分保持回路17,18に
ついては第6図に示すような非反転型の構成とされる。 第5図において、フィールド積分保持回路16は、ホールドスイッチ61,抵抗62,
63,オペアンプ64,積分コンデンサ65およびリセットスイッチ66によって構成され
る。入力端子と接地間に接続されたホールドスイッチ61が開いているときは、入
力端子の信号Vinはオペアンプ64の反転入力端子に抵抗62を通じて入力される。
オペアンプ64の反転入力端子と出力端子間には、積分コンデンサ65とリセットス
イッチ66の並列回路が接続されているので、リセットスイッチ66が 開いているときオペアンプ64の反転入力端子に入力される信号電荷が積分コンデ
ンサ65に蓄積され、オペアンブ64の出力端子に積分電圧Voutが出力される。こ
のような回路構成は一般に積分回路としては周知のもので、積分電圧Voutは次
式(1)のように表わされる。 なお、この(1)式において、Rは抵抗62の抵抗値,Cは積分コンデンサ65の
容量である。積分開始時点t1はリセットスイッチ66がリセット信号Rsにより短
時間閉じてリセットされるタイミングtRに等しく、積分終了時点t2はホールド
スイッチ61がホールド信号Hdにより閉じてホールドされるタイミングtHに等し
い。 このようなフィールド積分保持回路16に対して、フィールド積分保持回路17,1
8は、第6図に示すように、ホールドスイッチ71,抵抗72,73,オペアンプ74,積分
コンデンサ75およびリセットスイッチ76によって略同様に構成されているが、オ
ペアンプ74の反転入力端子に一端が接続した抵抗値Rの抵抗72の他端は接地され
、オペアンプ74の非反転入力端子に一端が接続した抵抗73の他端は信号Vinが印
加される入力端子に接続され、かつホールドスイッチ71を介して接地された構成
となっている点が異なる。このように入力信号Vinがオペアンプ74の非反転入力
端子に入力される構成の、非反転型の積分回路は、一般には積分回路として用い
られていない。すなわち、この第6図に示した積分回路によって得られる積分電
圧Vout′は次式(2)のように表わされる。 つまり、この(2)式から明らかなように、積分動作中、常時、入力信号Vin
がバイアスとして加えられたものが積分電圧Vout′となっているので、非反転
型の積分回路として用いるには、バイアスとして加算されている入力信号Vinを
除去してやらなければ、時間の経過とともに変化する積分電圧を正しく得ること
はできない。 しかし、このホワイトバランス装置では、フィールド積分保持回路17,18とし て用いられていて、上記(2)式に示した積分動作中の積分電圧Vout′につい
ては問題にしていない。積分終了時にホールドスイッチ71がホールド信号Hdに
よりt2=tHのタイミングで閉じると、この時点で入力端子が接地され、上記入
力信号Vinは接地レベルになるので、このホールドされたタイミングtHにおい
て、上記(2)式の積分電圧Vout′は、 となる。 このように、1フィールド期間の積分が終了して保持された時点での積分電圧
が上記(1)式で表わされる第5図に示した反転型の回路を、フィールド積分保
持回路16として用い、積分電圧が上記(2)式で表わされる第6図に示した非反
転型の回路を、フィールド積分保持回路17,18として用いることにより、除算兼
ディジタルサンプルホールド回路20内の電流加算型D/Aコンバータ21との組合
せの構成が簡単になる。 第7図にハイレベルカット回路10の変形例を示す。上記第1図に示した実施例
装置の回路は、線順次式を採用しているものであるが、この第7図においては、
撮像素子からのG,R,B信号を独立したラインに読み出している。このハイレベ
ルカット回路80では、読み出されたG,R,Bの各信号を可変抵抗81の基準レベル
とそれぞれコンパレータ82G,82R,82Bで比較している。可変抵抗81の基準レベ
ルは、撮像素子の飽和レベル以下に設定されているので、平生は、コンパレータ
82G,82R,82Bのすべての出力は、“L”になっている。このため、G,R,B信
号の独立したラインに挿入されたスイッチ85G,85R,85Bの各ゲートを制御して
いる。3入力のオアゲート84の出力は“L”で、スイッチ85G,85R,85Bはいず
れも閉じている。 撮像素子によって非常に高輝度の被写体像が撮像された場合、G,R,B信号の
うち、いずれかのカラー信号が、可変抵抗81の基準レベルを超えると、コンパレ
ータ82G,82R,82Bのうちの上記カラー信号に対応したコンパレータの出力が“
H”となり、オアゲート84の出力も“H”となってすべてのスイッチ85G,85R,
85Bが開き、G,R,Bのカラー信号が後段のフィールド積分保持回路に伝達され
るのをカ ットする。 前述したように、撮像素子で通常のカラー分布の被写体を撮影する限りでは、
G,R,Bのカラー信号のうち、G信号が最も早い時点で飽和レベルに達するので
、上記第7図に示したG,R,B信号の独立した読出しラインの構成のものに、第
1図に示した回路構成を適用させると、第8図に示すハイレベルカット回路90が
構成される。したがって、このハイレベルカット回路90は、上記ハイレベルカッ
ト回路80におけるコンパレータ82G,82R,82Bおよびオアゲート84を1つのコン
パレータ82に置き換えただけの簡単な構成のものとなっている。 [発明の効果] 以上述べたように、本発明のホワイトバランス装置は、複数の系のカラー信号
(輝度信号を除く)のうち少なくとも1つの系の信号レベルが撮像手段のダイナ
ミックレンジを逸脱した時間区間領域に対応する上記カラー信号の時間積分値に
は依存せずに上記利得の制御を行わしめるため、誤動作を回避することができる
。 そして、撮像手段の当該カラー信号系に関するダイナミックレンジの上限であ
る撮像素子の当該カラー信号飽和レベル以上に逸脱した時間区間領域に対応する
上記カラー信号の上記利得制御手段による利得制御への寄与を除去した後の上記
積分手段の出力に基づいて上記利得制御手段による利得の制御を行わしめるから
、積分手段の出力に基づいたホワイトバランス制御を継続的に、中断することな
く行なえるとともに、誤制御の原因となる不要な信号の影響を過不足無く除去す
ることができ、これによってホワイトバランス制御の精度をより向上することが
できる。
像装置に用いられるホワイトバランス装置に関する。 [従来の技術] 従来のカラービデオカメラ等におけるホワイトバランス装置として、R(赤)
,G(緑),B(青)の3原色の色光に関して、光電変換素子の出力をローパスフ
ィルタ(以下、LPFと略記する)を通して演算回路に導き、同演算回路により
ビデオ信号系におけるカラー信号ゲインコントロールアンプ(以下、GCAと略
記する)でカラー信号R,G,Bの比を1:1:1になるように調整するものがあった
。ここで、LPFが用いられているのは、信号より高い周波数のノイズを防止し
たり、光の中に含まれているリップル成分を除いて信号の安定化を図るためであ
り、一般には、抵抗とコンデンサから構成される遅延伝達系で、入力信号と出力
信号との間に遅延時間を有する。したがって、このようなLPFを有したホワイ
トバランス装置は、電子スチルカメラのように高速応答を要求されるものには適
さない。 また、他のホワイトバランス装置として、GCAの出力をフィードバックして
比較制御回路に入力させ、同比較制御回路で基準信号発生回路の出力とを比較し
てこれらの誤差をGCAに導き、誤差が少なくなる方向にGCAを制御していた
。 しかし、このホワイトバランス装置においても、一般に数フィールド以上に亘っ
てビデオ信号を平均化するためのLPFを設けることが必要であり、さらに、こ
の装置はフィードバック系であるために応答性が悪く、より一層電子スチルカメ
ラに適さないものとなっていた。 [発明が解決しようとする問題点] そこで、先に本出願人は、光電変換素子のR,G,Bの各カラー出力信号を積分
手段によりそれぞれ所定時間積分したのち、これら各積分出力に基づいた演算を
行なってGCAにおける各カラー信号の利得を制御するようにしたホワイトバラ
ンス装置を、特願昭62−048302号によって提案した。このホワイトバランス装置
では、実際に用いられている撮影光に対して適正なホワイトバランス調整が行な
われるとともに、回路に遅延要素を含まないため特に電子スチルカメラに適した
応答性の良好な利得制御がなされる。 しかし、この場合、積分手段の前段で、カラー信号のレベルが撮像手段のダイ
ナミックレンジを超えるような飽和レベルに達した場合、このような飽和レベル
の信号までも積分手段で時間積分し、この積分出力によりカラー信号の利得を制
御すると装置が誤動作してしまう虞れがある。 オートホワイトバランス装置で、従来、誤動作の虞れがある場合には、ストロ
ボを使用する場合と同様にプリセット手段により対処していた。しかし、この場
合、装置の誤動作の判断基準が難しく、僅かな“誤動作の虞れ”のためにプリセ
ット手段に切り換えると、ほとんどの場合がプリセット撮影になってしまい、オ
ートホワイトバランスの意味がなくなってしまう。と同時に、プリセット状態に
切り換えることは、外光(被写体光)の情報を全く無視してしまうことになるの
で好ましくない。 本発明は、このような問題点に鑑み、応答性に優れ、しかもカラー信号が撮像
手段のダイナミックレンジを超える場合にはプリセット状態に切り換えることな
く飽和レベルを超えたカラー信号の影響を除去することにより誤動作のない良好
なホワイトバランス装置を提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段および作用] 本発明のホワイトバランス装置は、複数の系のカラー信号(輝度信号を除く) に関する所定時間にわたっての各時間積分値を得る積分手段と、この積分手段の
出力に基づいて、上記複数の系のカラー信号に関する利得を制御する利得制御手
段と、上記複数の系のカラー信号のうちの少なくとも1つの系の信号レベルが撮
像手段の当該カラー信号系に関するダイナミックレンジの上限である撮像素子の
当該カラー信号飽和レベル以上に逸脱した時間区間領域に対応する上記カラー信
号の上記利得制御手段による利得制御への寄与を除去した後の上記積分手段の出
力に基づいて上記利得制御手段による利得の制御を行わしめるための制御手段と
、を具備してなることを特徴とするものである。 [実施例] 第1図は、本発明の一実施例を示すホワイトバランス装置のブロック図である
。 この第1図に示したホワイトバランス装置は、スチル撮影およびムービ撮影が
可能な電子カメラに適用されている。このホワイトバランス装置のホワイトバラ
ンス制御のための測光(測色)用センサとして、この電子カメラの図示しない撮
像素子が兼用されている。この撮像素子よりライン1を通じて映像プロセス回路
3に線順次でカラービデオ信号のR信号とB信号が交互に伝送され、ライン2を
通じてG信号が伝送される。映像プロセス回路3内ではホワイトバランス調整の
ために上記線順次のライン1にGCA4が挿入されている。このGCA4は後出の
制御ライン48から送られる2系統の制御信号によりそれぞれ独立にコントロール
される2つのGCAを含んでなり、それによってR信号とB信号のゲインがそれ
ぞれ設定されるようになっていて、このGCA4の出力ライン5のR,Bのカラー
信号とライン2のGのカラー信号は映像信号として次段の回路に送られると同時
にGCA4の利得制御のための制御情報として用いられる。つまり、このホワイ
トバランス装置でGCA4の利得制御が行なわれることにより、R,B,Gのカラ
ー信号レベルが1:1:1となる。 上記G信号のライン2にはバッファ回路8が接続され、GCA4の出力側のR/
B信号のライン5にはバッファ回路9が接続されている。バッファ回路8の出力
端子はハイレベルカット回路10のスイッチ11に接続され、バッファ回路9の出力
端子はハイレベルカット回路10のスイッチ12に接続されている。ハイレベルカッ
ト回路10は、G,R/B信号のレベルが略飽和レベルにまで達したときこれらの カラービデオ信号の伝達をカットする回路で、上記スイッチ11,12,可変抵抗13お
よびコンパレータ14からなる。つまり、撮像素子のダイナミックレンジには限界
があるので、撮像素子が高輝度像を受光したとき、カラービデオ信号の高輝度成
分が飽和してしまうが、この飽和したレベルの信号が後述する積分回路により積
分されるのを防ぐために、ハイレベルカット回路10が用いられている。即ち、ハ
イレベルカット回路10がカットオフ状態にある時間区間領域では、上記積分回路
による上記カラービデオ信号の時間積分が停止されることになる。 このハイレベルカット回路10では、バッファ回路8の出力、すなわちG信号の
レベルを可変抵抗13で設定した基準レベルと比較し、G信号のレベルが基準レベ
ルを超えたときコンパレータ14の出力によりスイッチ11,12をオン状態からオフ
状態にして、バッファ回路8,9の出力を後段に送るのを断つようにしている。G
信号のレベルを検出することによってスイッチ11,12を制御しているのは、通常
の光分布の高輝度被写体を撮像した場合において、撮像素子の出力のR,B,Gの
カラービデオ信号が一様に飽和レベルに達するのではなく、多くの場合まず、G
信号の成分が飽和レベルに達するからである。スイッチ11の出力端子はフィール
ド積分保持回路16に接続され、スイッチ12の出力端子はR/B信号分離回路15を
介してフィールド積分保持回路17,18に接続されている。 フィールド積分保持回路16はG信号を1フィールドの有効走査期間に亘って積
分してこれを保持するものであり、フィールド積分保持回路17,18は、R/B信号
分離回路15で分離されたR信号,B信号をそれぞれ同じく1フィールドの期間に
亘って積分し保持する。フィールド積分保持回路16,17および18はその後段の除
算兼ディジタルサンプルホールド回路20に接続される。 除算兼ディジタルサンプルホールド回路20は、R,Bの各カラー信号に関する
フィールド積分保持回路17,18の各出力を、垂直ブランキング期間において取り
込んで、Gのカラー信号に関するフィールド積分保持回路16の出力で除算し、そ
れぞれの比率R/G,B/Gを求めてホールドする回路である。この除算兼ディジ
タルサンプルホールド回路20には、ヂュアルタイプの電流加算型D/Aコンバー
タ21が設けられている。このD/Aコンバータ21内の2つのD/A変換部22,23は
このD/Aコンバータ21に接続された自走式のカウンタ24のカウント値をそ れぞれアナログ値に変換する。D/A変換部22はR信号に係るものであり、D/A
変換部23はB信号に係るものである。D/Aコンバータ21の基準入力端子refには
切換信号S1によってフィールド積分保持回路16の出力と、基準電圧発生回路26
の基準電圧Vrefとを切り換えるための切換スイッチ25が接続されている。除算
兼ディジタルサンプルホールド回路20のラッチ入力端子latchには、コンパレー
タ27の出力端子が接続されている。コンパレータ27の両入力端子には切換信号S
2によって切り変えられる切換スイッチ28,29が接続されている。切換スイッチ28
はフィールド積分保持回路17と18の出力を切り変えてコンパレータ27の一方の入
力端子に入力させるものであり、切換スイッチ29はD/A変換部22と23の出力を
切り変えてコンパレータ27の他方の入力端子に入力させるものである。また、切
換信号S2が印加されるD/Aコンバータ21の入力選択端子selは、自走式カウン
タ24からのディジタル入力およびラッチ入力端子latchより入力されるコンパレ
ータ27の出力であるラッチ信号を切換信号S2に同期してそれぞれR信号系,B信
号系に対応するD/A変換部22,23に振分けるためものである。なお、選択されて
いない方のD/A変換部については、その出力は選択されていたときの最後の状
態にホールドされる。 除算兼ディジタルサンプルホールド回路20の出力段としては、オープン制御出
力回路30と、フィードバック制御出力回路34とが設けられている。 オープン制御出力回路30はスチル撮影時において用いられる回路で、上記D/
A変換部22,23の出力をそれぞれ増幅する反転増幅器31,32と、この反転増幅器31
,32の出力を出力選択回路46に送る出力ライン33からなる。 フィードバック制御出力回路34は、ムービ撮影時において用いられる回路で、
上記D/A変換部22,23の出力をそれぞれ可変抵抗35,36の基準電圧Vref1,Vref2
と比較する差動増幅器37,38と、系の安定性のために差動増幅器37,38の出力側に
接続されたローパスフィルタ(以下、LPFと略記する)39,40と、このLPF3
9,40の出力を出力選択回路46に送る出力ライン41とからなる。 また、GCA4のゲインを既知の値にプリセットするためのプリセット出力回
路42が設けられていて、同プリセット出力回路42は基準電圧Vref3,Vref4(ス
トロボ光に適したプリセットでは基準電圧Vref3′,Vref4′)を設定してR,B
のカラ ー信号ゲインを調整するための可変抵抗43,44と、この各変抵抗43,44により設定
された基準電圧Vref3,Vref4(Vref3′,Vref4′)のレベルを出力選択回路46
に送る出力ライン45からなる。 出力選択回路46には選択スイッチ47が設けられていて、同スイッチ47の接点端
子47a,47b,47cにそれぞれ上記出力ライン45,33,41が接続され、切換信号S3によ
って切り換えられて接点端子47a,47b,47cのいずれかに接続する接点端子47dは制
御ライン48によりGCA4の利得制御用端子に接続されている。切換信号S1,S2
,S3はタイミング制御回路49により発生される。 なお、上記出力ライン33,41,45,出力選択回路46およびこれを構成する選択ス
イッチ47(47a,47b,47c,47d),制御ライン48は2系統並列(独立)の系であって、
第1図ではそれを簡略化した状態で示している。 ここで、上記ホワイトバランス装置が適用されている電子カメラのシステム全
体の概略構成を第2図によって説明すると、上記ホワイトバランス装置50および
露出制御装置51はマイクロコンピュータを含んでなるシステムコントローラ52と
の間の信号の授受によって制御される。システムコントローラ52は上記切換信号
S1,S2,S3等を発生するタイミング制御回路49の機能および測光情報処理機能
等を有している。露出制御装置51はストロボ,絞り,シャッター等の各制御回路
を有して構成されている。 システムコントローラ52の入力端子にはストロボ選択スイッチ53,スチル/ム
ービ選択スイッチ54および測光用センサ55が接続されている。例えば、ストロボ
の使用時でストロボ選択スイッチ53がオンになり、ストロボ不使用時でプルアッ
プ抵抗56により“H”になっていた入力端子がこのとき“L”になる。また、ス
チル/ムービ選択スイッチ54は、例えば、スチル撮影時にオフで,プルアップ抵
抗57によりシステムコントローラ52の入力端子を“H”にし、ムービ撮影時にオ
ンして入力端子を“L”にする。さらに、この実施例では、露出制御のための測
光用センサ55としては、撮像素子と独立してカメラの適宜位置に配設した周知の
センサとしていが、勿論、映像素子を露出制御のための測光用センサ55と兼用す
るものであってもよい。 次に、上記ホワイトバランス装置の動作を説明する。ライン1,2には撮像素子 の出力に基づく利得制御すべき画像信号が供給される。この画像信号は第3図に
示すように、フィールド期間f1,f2,f3…の各信号間に垂直ブランキング期間B1,
B2,B3…を有してなる。 まず、スチル撮影の場合について説明する。スチル撮影の場合には、出力選択
回路46の選択スイッチ47の出力用接点端子47dは、始めプリセット用接点端子47a
に接続されている。したがって、プリセット出力回路42の出力ライン45が制御ラ
イン48に接続され、可変抵抗43,44でプリセットされた電圧Vref3,Vref4がGC
A4の利得制御用端子に入力される。これにより、GCA4はスチル撮影における
ホワイトバランスのための基準の利得に制御されている。この後、シャッター釦
を押すと、最初の1フィールドの期間f1内でシャッターが開いてホワイトバラン
スのための露光が行なわれる。露光が終了すると、次のフィールド期間f2で露光
量に応じたビデオ信号が撮像素子より読み出されるので、ライン1にR,B信号
が入力され、ライン2にG信号が入力される。この読み出しのフィールド期間f2
では、GCA4の利得制御信号として上記プリセット出力回路42でプリセットさ
れた基準値が与えられる。そして、この読み出しのフィールド期間f2のビデオ信
号は、この後のフィールド期間f3で行なわれる実際のホワイトバランス制御のた
めに、ライン2,5よりバッファ回路8,9に入力される。バッファ回路8を通過した
G信号はハイレベルカット回路10のスイッチ11を経てフィールド積分保持回路16
に入力され、また、バッファ回路9を通過したR,B信号はハイレベルカット回
路10のスイッチ12を経た後R/B信号分離回路15で分離されて、それぞれフィー
ルド積分保持回路17,18に入力される。フィールド積分保持回路16,17,18は、そ
れぞれG,R,B信号を撮像素子からの電荷読み出しの1フィールド期間f2に亘っ
て積分するが、被写体光が非常に強く、撮像素子のダイナミックレンジの上限に
相当する飽和レベルまでG信号レベルが上がった場合には、この高輝度部分の範
囲がハイレベルカット回路10によりカットされて有効成分のみが積分される。 1フィールド期間に亘って積分されたG,R,B信号はそのフィールド期間f2の
終了時にレベル保持されて除算兼ディジタルサンプルホールド回路20に入力され
る。そして、上記フィールド期間f2に続く垂直ブランキング期間B2で除算兼 ディジタルサンプルホールド回路20が作動する。始め切換信号S1により切換ス
イッチ25は図示のようにフィールド積分保持回路16の出力側に切り換えられてい
て、1フィールド期間に亘って積分されたG信号はD/Aコンバータ21の基準入
力端子refに入力される。また、切換スイッチ28,29は切換信号S2に同期して交
互にR,B信号のいずれかの側に切り換えられる。すなわち、図示の状態で切換
信号S2によりR信号側が選択されていて、フィールド積分保持回路17の出力と
D/A変換部22の出力とがコンパレータ27により比較される。D/A変換部22は入
力選択端子selに入力される切換信号S2によって自走式カウンタ24の出力をD/
A変換し始めると、このD/A変換部22の出力は切換スイッチ29を通じてコンパ
レータ27に導かれてフィールド積分保持回路17の出力と比較される。そして、D
/A変換部22の出力レベルがフィールド積分保持回路17の出力レベルに一致した
とき、コンパレータ27の出力がラッチ入力端子latchに送られ、D/A変換部22の
アナログ値がラッチされる。このときのD/A変換部22のアナログ値は、フィー
ルド積分保持回路17の出力信号Rに等しい。 D/A変換部22によるD/A変換が終わると、このあと引き続き同じ垂直ブラン
キング期間B2の後半で、切換信号S2によりB信号側が選択され、フィールド積
分保持回路18の出力とD/A変換部23の出力とがコンパレータ27により比較され
、コンパレータ27の両入力が一致したときにD/A変換部23のアナログ値がラッ
チされる。このときのD/A変換部23のアナログ値は、フィールド積分保持回路1
8の出力信号Bに等しい。両D/A変換部22,23によるD/A変換が終了すると、こ
の垂直ブランキング期間B2の終了時点で切換信号S1により切換スイッチ25が基
準電圧発生回路26の出力側に切り換えられ、基準電圧VrefがD/Aコンバータ21
の基準入力端子refに入力される。すると、D/A変換部22,23のアナログ値R,B
に、それぞれ切り換えられた基準入力電圧の比Vref/Gが係数として乗算される
ので、D/A変換部22の出力はVref×R/Gに保持され、D/A変換部23の出力は
Vref×B/Gに保持される。 そして、上記垂直ブランキング期間B2が終了し、次のフィールド期間f3が立
ち上がると、このフィールド期間f3の立上り時点で、出力選択回路46の選択スイ
ッチ47の出力用接点端子47dがオープン制御用接点端子47bに接続を切り換 えるので、上記D/A変換部22,23の出力は、オープン制御出力回路30の反転増幅
器31,32によりそれぞれ増幅され、出力ライン33から制御ライン48を通ってGC
A4の利得制御端子に入力される。したがって上記フィールド期間f3以後は、第
1のフィールド期間f1内で撮影したスチル画像に最適のホワイトバランスの得ら
れる利得制御がGCA4においてなされることになる。 なお、スチル撮影においてストロボが用いられる場合には、ストロボ光はデー
ライトと異なり分光特性が定まっているので、上記のようなオープン制御は不必
要である。したがって、この場合、切換信号S3により切換スイッチ47の出力用
接点端子47dはプリセット用接点端子47aに接続される。そして、この場合には、
出力用接点端子47dは途中でオープン制御用接点端子47bに接続を切り換えること
なく、プリセット用接点端子47aに接続されたままで、ストロボ光による露光が
行なわれ、撮像素子55より取出されたデータがGCA4に入力されると、プリセ
ット出力回路42の可変抵抗43,44で設定されているストロボ光に適した基準電圧
Vref3′,Vref4′がGCA4の利得制御端子に与えられストロボに適したホワイ
トバランス制御がなされる。したがって、このホワイトバランス装置では、上記
プリセット出力回路42はオープンループ制御用の基準値を与えるためのプリセッ
ト回路とストロボ用プリセット回路とを兼用し、簡便な構成になっている。なお
、ストロボ時の「プリセットモード」はいわゆるオートプリセットも含むものと
する。 また、上記プリセット出力回路42を設ける代わりに、自走式カウンタ24のプリ
セット機能を用い、D/Aコンバータ21によりプリセット信号を発生させるよう
にすることもできる。 ところで、上記スチル撮影時に用いられるオープン制御に関してのみいえば、
ホワイトバランス制御のためのデータを、GCA4の入力側から取出すようにし
てもよく、その場合はホワイトバランス情報を取り込むためのGCA4の基準値
制御(フィールド期間f2の間、出力選択回路46の端子47dを端子47aに接続)が不
要になるが、このホワイトバランス装置では、次に述べるムービ撮影時のフィー
ドバック制御と兼用する便宜上から、GCA4の出力側からデータを取出すよう
にしている。 次にムービ撮影の場合を説明する。ムービ撮影の場合には、出力選択回路46の
選択スイッチ47の接点端子47dは、接点端子47cに接続されるので、フィードバッ
ク制御出力回路34の出力ライン41が制御ライン48に接続される。この場合、ホワ
イトバランス制御のためにライン2から取出されたG信号のデータとGCA4の
出力側のライン5から取出されたR,B信号のデータは、上記スチル撮影の場合
と同様に、それぞれバッファ回路8,9を通り、ハイレベルカット回路10で高輝度
レベル除去され、R,B信号についてはR/B信号分離回路15で分離された後、フ
ィールド積分保持回路16,17,18により各G,R,Bの各信号が1フィールド期間積
分されて除算兼ディジタルサンプルホールド回路20に導かれ、この除算兼ディジ
タルサンプルホールド回路20で前述した除算動作が垂直ブランキング期間中に行
なわれて、D/A変換部22,23より(Vref×R/G),(Vref×B/G)が出力される
。このD/A変換部22,23の出力(Vref×R/G),(Vref×B/G)は、フィードバ
ック制御出力回路34の作動増幅器37,38に入力されて、それぞれ可変抵抗35,36の
基準電圧Vref1,Vref2と比較され、作動増幅器37,38の比較出力はLPF39,40
を通過し、出力ライン41から制御ライン48を通ってGCA4の利得制御端子に入
力される。ムービ撮影の場合には、連続してビデオ信号を撮像プロセス回路3よ
り出力するものであるため、GCA4においてR,B信号のプリセットはなされな
いので、D/A変換部22,23の出力(Vref×R/G),(Vref×B/G)は、初めの読
み出しフィールド期間で適正な値になっていないが、このD/A変換出力(Vref
×R/G),(Vref×B/G)と、上記基準電圧Vref1,Vref2との比較がなされて
フィードバク制御が行なわれることにより、Vref1=Vref2=Vrefとなるよう
調節しておけばR/G=1,B/G=1になる。 第1図においては、出力選択回路46は2系統並列の選択スイッチ47が切換信号
S3の指令により切換え動作するものとして説明したが、具体的には、出力選択
回路46としてアナログマルチプレクサICを用い、例えば、“標準ロジックIC
4053”を適用することができる。この場合、並列な2系統のうちの1系統につい
て説明すれば、その回路図は第4図に示す構成となっていて、システムコントロ
ーラ52より発せられ、アナログスイッチ58,59のそれぞれのゲート端子に与えら
れている切換信号S3a,S3bがいずれも“H”のときには、アナログスイッチ 58,59は図示のようにいずれも一方の接点端子に接続された状態にあり、上記フ
ィードバック制御用接点端子47cの信号が出力用接点端子47dに導かれる。また、
切換信号S3aが“L”で切換信号S3bが“H”のときには、アナログスイッチ58
のみが図示とは反対側と他方の接点端子に接続される状態になるので、上記オー
プン制御用接点端子47bの信号が出力用接続端子47dに導かれる。さらに、切換信
号S3aについては“L”でも“H”でもよいが、切換信号S3bが“L”のときに
は、アナログスイッチ59が図示とは反対側の他方の接点端子に接続される状態に
なるので、上記プリセット用接点端子47aの信号が出力用接点端子47dに導かれる
。 ところで、上記ホワイトバランス装置において、D/Aコンバータ21として原
理的に精度を出しやすい電流加算型のものが用いられているが、電流加算型D/
Aコンバータ21を用いた場合、出力段に含まれる電流−電圧変換器の特性のため
にその出力電圧は基準入力電圧に対して反転してしまうという問題がある。した
がって、通常は、反転増幅器を設けることによってこれに対処している。しかし
、電子カメラのスペース上の理由からも回路が複雑になることを避けるために、
ここでは、その前段に設けられているフィールド積分保持回路16,17,18の構成を
考慮することでこの問題を解決している。つまり、フィールド積分保持回路16に
反転型のものを用い、フィールド積分保持回路17,18に非反転型のものを用いて
いる。あるいは、フィールド積分保持回路16に反転型のものを用いた場合には、
フィールド積分保持回路17,18に非反転型のものを用いてもよい。 そこで、次に上記フィールド積分保持回路16,17,18の具体的な回路構成につい
て述べると、例えば、G信号に関するフィールド積分保持回路16は第5図に示す
ような反転型の構成とされ、R,B信号に関するフィールド積分保持回路17,18に
ついては第6図に示すような非反転型の構成とされる。 第5図において、フィールド積分保持回路16は、ホールドスイッチ61,抵抗62,
63,オペアンプ64,積分コンデンサ65およびリセットスイッチ66によって構成され
る。入力端子と接地間に接続されたホールドスイッチ61が開いているときは、入
力端子の信号Vinはオペアンプ64の反転入力端子に抵抗62を通じて入力される。
オペアンプ64の反転入力端子と出力端子間には、積分コンデンサ65とリセットス
イッチ66の並列回路が接続されているので、リセットスイッチ66が 開いているときオペアンプ64の反転入力端子に入力される信号電荷が積分コンデ
ンサ65に蓄積され、オペアンブ64の出力端子に積分電圧Voutが出力される。こ
のような回路構成は一般に積分回路としては周知のもので、積分電圧Voutは次
式(1)のように表わされる。 なお、この(1)式において、Rは抵抗62の抵抗値,Cは積分コンデンサ65の
容量である。積分開始時点t1はリセットスイッチ66がリセット信号Rsにより短
時間閉じてリセットされるタイミングtRに等しく、積分終了時点t2はホールド
スイッチ61がホールド信号Hdにより閉じてホールドされるタイミングtHに等し
い。 このようなフィールド積分保持回路16に対して、フィールド積分保持回路17,1
8は、第6図に示すように、ホールドスイッチ71,抵抗72,73,オペアンプ74,積分
コンデンサ75およびリセットスイッチ76によって略同様に構成されているが、オ
ペアンプ74の反転入力端子に一端が接続した抵抗値Rの抵抗72の他端は接地され
、オペアンプ74の非反転入力端子に一端が接続した抵抗73の他端は信号Vinが印
加される入力端子に接続され、かつホールドスイッチ71を介して接地された構成
となっている点が異なる。このように入力信号Vinがオペアンプ74の非反転入力
端子に入力される構成の、非反転型の積分回路は、一般には積分回路として用い
られていない。すなわち、この第6図に示した積分回路によって得られる積分電
圧Vout′は次式(2)のように表わされる。 つまり、この(2)式から明らかなように、積分動作中、常時、入力信号Vin
がバイアスとして加えられたものが積分電圧Vout′となっているので、非反転
型の積分回路として用いるには、バイアスとして加算されている入力信号Vinを
除去してやらなければ、時間の経過とともに変化する積分電圧を正しく得ること
はできない。 しかし、このホワイトバランス装置では、フィールド積分保持回路17,18とし て用いられていて、上記(2)式に示した積分動作中の積分電圧Vout′につい
ては問題にしていない。積分終了時にホールドスイッチ71がホールド信号Hdに
よりt2=tHのタイミングで閉じると、この時点で入力端子が接地され、上記入
力信号Vinは接地レベルになるので、このホールドされたタイミングtHにおい
て、上記(2)式の積分電圧Vout′は、 となる。 このように、1フィールド期間の積分が終了して保持された時点での積分電圧
が上記(1)式で表わされる第5図に示した反転型の回路を、フィールド積分保
持回路16として用い、積分電圧が上記(2)式で表わされる第6図に示した非反
転型の回路を、フィールド積分保持回路17,18として用いることにより、除算兼
ディジタルサンプルホールド回路20内の電流加算型D/Aコンバータ21との組合
せの構成が簡単になる。 第7図にハイレベルカット回路10の変形例を示す。上記第1図に示した実施例
装置の回路は、線順次式を採用しているものであるが、この第7図においては、
撮像素子からのG,R,B信号を独立したラインに読み出している。このハイレベ
ルカット回路80では、読み出されたG,R,Bの各信号を可変抵抗81の基準レベル
とそれぞれコンパレータ82G,82R,82Bで比較している。可変抵抗81の基準レベ
ルは、撮像素子の飽和レベル以下に設定されているので、平生は、コンパレータ
82G,82R,82Bのすべての出力は、“L”になっている。このため、G,R,B信
号の独立したラインに挿入されたスイッチ85G,85R,85Bの各ゲートを制御して
いる。3入力のオアゲート84の出力は“L”で、スイッチ85G,85R,85Bはいず
れも閉じている。 撮像素子によって非常に高輝度の被写体像が撮像された場合、G,R,B信号の
うち、いずれかのカラー信号が、可変抵抗81の基準レベルを超えると、コンパレ
ータ82G,82R,82Bのうちの上記カラー信号に対応したコンパレータの出力が“
H”となり、オアゲート84の出力も“H”となってすべてのスイッチ85G,85R,
85Bが開き、G,R,Bのカラー信号が後段のフィールド積分保持回路に伝達され
るのをカ ットする。 前述したように、撮像素子で通常のカラー分布の被写体を撮影する限りでは、
G,R,Bのカラー信号のうち、G信号が最も早い時点で飽和レベルに達するので
、上記第7図に示したG,R,B信号の独立した読出しラインの構成のものに、第
1図に示した回路構成を適用させると、第8図に示すハイレベルカット回路90が
構成される。したがって、このハイレベルカット回路90は、上記ハイレベルカッ
ト回路80におけるコンパレータ82G,82R,82Bおよびオアゲート84を1つのコン
パレータ82に置き換えただけの簡単な構成のものとなっている。 [発明の効果] 以上述べたように、本発明のホワイトバランス装置は、複数の系のカラー信号
(輝度信号を除く)のうち少なくとも1つの系の信号レベルが撮像手段のダイナ
ミックレンジを逸脱した時間区間領域に対応する上記カラー信号の時間積分値に
は依存せずに上記利得の制御を行わしめるため、誤動作を回避することができる
。 そして、撮像手段の当該カラー信号系に関するダイナミックレンジの上限であ
る撮像素子の当該カラー信号飽和レベル以上に逸脱した時間区間領域に対応する
上記カラー信号の上記利得制御手段による利得制御への寄与を除去した後の上記
積分手段の出力に基づいて上記利得制御手段による利得の制御を行わしめるから
、積分手段の出力に基づいたホワイトバランス制御を継続的に、中断することな
く行なえるとともに、誤制御の原因となる不要な信号の影響を過不足無く除去す
ることができ、これによってホワイトバランス制御の精度をより向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示すホワイトバランス装置のブロック回路図、
第2図は、上記ホワイトバランス装置が適用されている電子カメラのシステム全
体のブロック構成図、 第3図は、上記ホワイトバランス装置に供給されるカラー信号の波形図、 第4図は、上記第1図中の出力選択回路の具体的な一例を示す電気回路図、 第5,6図は、上記第1図中の異なる2種のフィードバック積分保持回路の具体的
な構成を示した電気回路図、 第7,8図は、上記第1図中のハイレベルカット回路の各変形例を示した電気回路
図である。 4……GCA(利得を制御する手段) 10,80,90……ハイレベルカット回路 11,12,85G,85R,85B……アナログスイッチ 14,82,82G,82R,82B……コンパレータ 16,17,18……フィールド積分保持回路(積分手段) 10……ハイレベルカット回路 20……除算兼ディジタルサンプルホールド回路(利得を制御する手段) 21……D/Aコンバータ(利得を制御する手段) 30……オープン制御出力回路(利得を制御する手段) 34……フィードバック制御出力回路(利得を制御する手段)
体のブロック構成図、 第3図は、上記ホワイトバランス装置に供給されるカラー信号の波形図、 第4図は、上記第1図中の出力選択回路の具体的な一例を示す電気回路図、 第5,6図は、上記第1図中の異なる2種のフィードバック積分保持回路の具体的
な構成を示した電気回路図、 第7,8図は、上記第1図中のハイレベルカット回路の各変形例を示した電気回路
図である。 4……GCA(利得を制御する手段) 10,80,90……ハイレベルカット回路 11,12,85G,85R,85B……アナログスイッチ 14,82,82G,82R,82B……コンパレータ 16,17,18……フィールド積分保持回路(積分手段) 10……ハイレベルカット回路 20……除算兼ディジタルサンプルホールド回路(利得を制御する手段) 21……D/Aコンバータ(利得を制御する手段) 30……オープン制御出力回路(利得を制御する手段) 34……フィードバック制御出力回路(利得を制御する手段)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の系のカラー信号(輝度信号を除く)に関する所定時間にわ
たっての各時間積分値を得る積分手段と、 この積分手段の出力に基づいて、上記複数の系のカラー信号に関する利得を制
御する利得制御手段と、 上記複数の系のカラー信号のうちの少なくとも1つの系の信号レベルが、撮像
手段の当該カラー信号系に関するダイナミックレンジの上限である撮像素子の当
該カラー信号飽和レベル以上に逸脱した時間区間領域に対応する上記カラー信号
の上記利得制御手段による利得制御への寄与を除去した後の上記積分手段の出力
に基づいて上記利得制御手段による利得の制御を行わしめるための制御手段と、 を具備してなることを特徴とするホワイトバランス装置。
Family
ID=
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