JP2578654Y2 - 導電率測定用セル - Google Patents

導電率測定用セル

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JP2578654Y2 JP1992040944U JP4094492U JP2578654Y2 JP 2578654 Y2 JP2578654 Y2 JP 2578654Y2 JP 1992040944 U JP1992040944 U JP 1992040944U JP 4094492 U JP4094492 U JP 4094492U JP 2578654 Y2 JP2578654 Y2 JP 2578654Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、半導体製造に用いられ
る常温常圧でガス状の化学物質を液化ガスの状態で導電
率を測定したり、また、工業用水、ボイラ給水、各種洗
浄用水などの水質管理に使用される導電率測定計の測定
セルに係り、特に、原子力発電プラントにおける一次冷
却水のように高温高圧状態にある液体の導電率測定に好
適な導電率測定用セルに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の製造においては、ドライエッチ
ング用ガスとして、高純度のハロゲンガスや、ハロゲン
化水素ガスなどの無機水素化物など、また、SiやSi
2 、Si3 4 などの薄膜形成には、SiH4 、Si
2 6 、SiH2 Cl2 やアンモニアなど、多種多様の
ガスが用いられるが、これらのガス中に極めて微量(例
えばppbレベル)の不純物が含まれていても、この不
純物がLSIの製造プロセスなどに及ぼす悪影響はパタ
ーンの微細化に伴って増加すると共に、ガス配管系自体
にも重大な影響を及ぼす。
【0003】そこで、従来より、前記不純物の濃度を
ppbレベルで精度よく測定し、これを管理することが
望まれていたが、本願出願人は、不純物の濃度をppb
レベルで精度よく測定する方法として、常温常圧でガス
状の化学物質を液化ガスの状態で測定セル内に導入し、
前記液化ガスの導電率を測ることにより、前記化学物質
中に含まれる微量不純物を測定する方法を、平成3年6
月6日付けにて特許出願しているところである(「ガス
中の微量不純物の測定方法」特願平3−163661号)。
【0004】また、沸騰水型原子の一次冷却系を循環す
る原子炉冷却水には、原子炉の運転に伴って電解腐食生
成物など種々の不純物が生成する。特に、電解成分の増
加によって導電率が上昇すると、系内の構造物の腐食速
度が急激に加速され、また、腐食生成物が中性子により
放射化され、系内の放射線レベルが増加される一方、電
解性不純物が燃料棒の表面に沈着して円滑な熱伝導を阻
害し、原子炉の運転効率が低下するといった弊害がある
ため、一次冷却水は適宜高純度に浄化され、または新た
に補給されて、常に一定の水質を維持するように管理さ
れる。特に、電解成分量の指標となる導電率の管理は、
一次冷却水の水質管理を行う上で重要な管理項目となっ
ている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、本願出願人
は、被測定液の導電率を精度よく、安価に測定するため
の導電率測定用セルを、前記特許出願と同日付けにて実
用新案登録出願している(「導電率測定用セル」実願平
3− 51481号)が、その後の研究の結果、次のような改
良すべき点が見出されるに至った。
【0006】すなわち、この種の導電率測定用セルは、
高絶縁性並びに高気密性が要求されるが、前記先願にお
いては、被測定液の導入口と導出口とが設けられた耐圧
容器と、この耐圧容器内に設けられた内極とからなり、
前記耐圧容器を外極に兼ねさせると共に、内極を段付き
の第1絶縁スペーサ内に挿通させるようにして、内極を
耐圧容器と同心円状に配置するようにしていた。しか
し、前記第1絶縁スペーサの形状が複雑であるためシー
ル面を鏡面仕上げすることが困難であり、その結果、導
電率測定用セルの組立時において、規定の気密性を得る
ために過大な力でシール用リングを挟圧するため、第1
絶縁スペーサが破損されることがあった。
【0007】本考案は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的とするところは、部品の加工性および
組立精度を向上させることにより、被測定液の導電率を
精度よく測定でき、より信頼性の高い導電率測定用セル
を安価に得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案に係る導電率測定用セルは、被測定液の導入
口と導出口とが設けられた耐圧容器と、この耐圧容器内
に設けられた内極とからなり、前記耐圧容器を外極に兼
ねさせると共に、前記耐圧容器に連なる円筒部の内部に
段部を形成する一方、前記内極の長手方向中間部に大径
部を形成し、さらに、筒状の小径部材をこれとは別体で
これよりも大径かつ短い筒状の大径部材にエアタイト状
にテーパ嵌入してなる段付きの第1絶縁スペーサと第1
シール用リングとを、第1シール用リングが前記内極大
径部に近くなるように内極の一側に外套すると共に、前
記第1絶縁スペーサの小径部に第2シール用リングを外
套する一方、段付きの第2絶縁スペーサとスラストベア
リングとを、前記第2絶縁スペーサが内極大径部に近く
なるように内極の他側に外套し、前記円筒部に螺合する
袋ナットを締めつけることにより、第1シール用リング
を前記第1絶縁スペーサと内極大径部との間に、また、
第2シール用リングを前記円筒部の段部と前記第1絶縁
スペーサとの間に、それぞれ挟圧するようにしている。
【0009】この場合、内極大径部のシール面に凹部を
設け、この凹部によって第1シール用リングを固定的に
保持するようにしてもよい。
【0010】前記耐圧容器の内表面および前記内極の外
表面を、それぞれ電解研磨、酸化膜不動態化処理または
フッ化不動態化処理してあってもよい。
【0011】
【作用】前記導電率測定用セルにおいては、被測定液は
導入口から耐圧容器内に導入され、この被測定液は、外
極を兼ねた耐圧容器と内極との間を通過する間にその導
電率が測定される。そして、被測定液は導出口から出て
行く。
【0012】そして、前記導電率測定用セルにおいて
は、段付きの第1絶縁スペーサが、筒状の小径部材をこ
れとは別体でこれよりも大径かつ短い筒状の大径部材に
エアタイト状にテーパ嵌入し、小径部と大径部とよりな
るものであるから、小径部および大径部のそれぞれを個
別に仕上げることができ、特に、第1絶縁スペーサのシ
ール面となる大径部の両端面を鏡面状態にすることがで
きる。従って、シール用リングを過大な力で挟圧する必
要がなくなり、第1絶縁スペーサが破損されることもな
い。
【0013】なお、内極大径部のシール面に曲面凹部を
設け、第1シール用リングを固定的に保持できるように
した場合は、気密性が向上すると共に、内極と外極であ
る耐圧容器との位置関係が所望の位置関係に固定的に設
定されるので、より精度よく測定を行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、本考案の実施例を、図面に基づいて説
明する。
【0015】図1は、本考案に係る導電率測定用セル
(以下、セルと云う)Aの一例を示し、1は外極を兼ね
た耐圧構造の容器であって、交流2極法における低イン
ピーダンス側の極として働き、その下方側には、被測定
液としての液化ガスの導入口2が開設され、その上部側
方には、液化ガスの導出口3が開設されている。この耐
圧容器1は、ステンレス鋼などの耐腐食性の金属よりな
ると共に、その内表面は、電解研磨、酸化膜不動態化処
理またはフッ化不動態化処理され、耐薬品性、耐腐食性
を備えている。そして、耐圧容器1は、後に詳しく説明
するように、高気密構造に構成されている。
【0016】導入口2は、継手4を介して図外のガス液
化装置や液化ガスボンベに接続されている。また、導出
口3は、継手5を介して図外の半導体製造装置などへの
配管に接続されている。そして、6は耐圧容器1と電気
的および機械的に連なる円筒部で、図2にも示すよう
に、内部には、一端が開放された円筒状の孔7と、この
孔7よりも小径でこれに連なる孔8とが形成され、外周
には、ねじ部9が形成されている。この円筒部6の内表
面も電解研磨または酸化膜不動態化処理あるいはフッ化
不動態化処理されている。
【0017】11は耐圧容器1の内部の上方空間に耐圧容
器1と同心円状に配置される内極である。すなわち、こ
の実施例で用いるセルAにおいては、その測定電極は、
外極を兼ねた耐圧容器1とこれに対して高絶縁を維持し
て配置された内極11とで構成される。そして、測定電極
は試料に応じたセル定数を決定する必要があるが、この
セル定数は、耐圧容器1および内極11の対向する部分に
おける耐圧容器1の内表面の面積,内極11の接続した外
表面の面積,耐圧容器1と内極11との距離によって決定
される。
【0018】内極11は、図2および図3にも示すよう
に、一端側が開口し、他端側が閉塞された中空部12を備
えると共に、その長手方向中間部には、円筒部6の内径
よりも小径の大径部13が形成されている。この内極大径
部13の外径は、図1に示すように、内極11を耐圧容器1
内に配置した状態において、円筒部6の内表面との間に
所定の高絶縁耐力を有するクリアランスが形成されるよ
うに設定されている。
【0019】そして、内極11は、ステンレス鋼などの耐
腐食性の金属よりなると共に、その外表面は、電解研
磨、酸化膜不動態化処理またはフッ化不動態化処理され
ている。また、内極11の開口側の端部には、ねじ部14が
形成されており、中空部12内には、開口側から温度セン
サ15が閉塞部近傍まで挿入されている。この温度センサ
15は、内極11の中空部12内に挿入され、液化ガスに直接
触れないため、耐薬品、耐腐食処理などは不要である。
なお、以下、内極大径部13から閉塞側の端部までの小径
の部分を内極内方部16と云い、内極大径部13から開口側
の端部までの小径の部分を内極外方部17と云うものとす
る。
【0020】18は内極大径部13の一側に隣接するように
内極内方部16を外套する第1シール用リングとしてのC
リングで、例えばニッケルなどの金属よりなる。19は内
極内方部16を外套する段付きの第1絶縁スペーサで、筒
状の小径部材20を、これとは別体でこれよりも大径かつ
短い筒状の大径部材21にエアタイト状にテーパ嵌入し、
小径部 19Aと大径部 19Bとよりなるものである。
【0021】前記第1絶縁スペーサ19の構成を図3およ
び図4を参照しながら詳細に説明すると、小径部材20
は、その胴部22の大半が耐圧容器1と円筒部6との間に
設けられた孔8よりごく僅かだけ径の小さい外径に形成
されているが、一端側からある長さにわたって端部側ほ
ど太くなるようにテーパ面23が形成されている。そし
て、小径部材20の軸中心には、内極内方部16より僅かに
径の大きな貫通孔24が設けられている。また、大径部材
21は、円筒部6の孔7よりごく僅かだけ径の小さい外径
を有すると共に、小径部材20のテーパ面23に対応したテ
ーパ面25によって囲まれた貫通孔26を備えている。
【0022】前記小径部材20および大径部材21は、例え
ばセラミックなど高電気絶縁性の素材よりなる。そし
て、小径部材20および大径部材21は、それらの両端面を
含む外表面が鏡面研磨仕上げされ、特に、大径部材21の
両端面27, 28は、Ra(中心線平均粗さ)が例えば0.08
μm以下、面精度が例えば 0.5μm以下程度になるよう
に、高度に鏡面研磨仕上げされている。また、小径部材
20および大径部材21のテーパ面23, 25は、共摺りにより
密着性を向上させている。
【0023】そして、前記小径部材20を、そのより径の
小さい側から大径部材21の貫通孔26に挿入し、図4に示
すように、エアタイト状にテーパ嵌合することにより、
小径部 19A(小径部材20のストレートな胴部22よりな
る)と大径部 19B(実質的に大径部材21よりなる)とか
らなる段付きの第1絶縁スペーサ19が形成されるが、図
4において拡大図示するように、小径部材20の端面29が
ごく僅かだけ(例えば最大 0.2mm程度)大径部材21の
端面27から突出するように、つまり、両端面27,29間に
わずかな段差30が生ずるように構成されている。
【0024】前記のように構成された第1絶縁スペーサ
19の小径部 19Aは、図1および図2に示すように、円筒
部6の孔8内に挿入され、その先端は、耐圧容器1の導
出口3近傍に達している。セル定数は前述のように、内
外極の面積および距離によって決定されるが、内極11の
長さを調節する他、第1絶縁スペーサ19の小径部 19Aの
長さを調節することによっても調節ことができる。ま
た、この小径部 19Aは、耐圧容器1内の導出口3より上
部に位置する部分の内外極間の実質距離を長くすること
により、セル内における液化ガスの溜まり部となる前記
部分におけるセル定数への寄与度を少なくして、導電率
計の測定精度を向上させる働きをする。
【0025】図1〜図3において、31は小径部 19Aを外
套する第2シール用リングとしてのCリングで、例えば
ニッケルなどの金属よりなる。32は内極大径部13の他側
に隣接するように内極外方部17を外套する第2絶縁スペ
ーサで、円筒部6の孔7よりもごく僅かだけ径の小さい
小径部33と、この小径部33より大径で、円筒部6に螺着
される袋ナット34の内径よりもやや小さい径の大径部35
とからなり、内極外方部17よりごく僅かだけ径の大きい
孔36が貫設してある。そして、この第2絶縁スペーサ32
も例えばセラミックなど高電気絶縁性の素材よりなり、
その両端面を含む外表面は、鏡面研磨仕上げされてい
る。37はスラストベアリング、38は内極11に電圧を印加
するための電圧端子である。
【0026】次に、内極11を外極を兼用した耐圧容器1
内に配置する手順の一例について説明すると、中空部12
内に温度センサ15を挿入した内極11の内極内方部16に、
内極大径部13の一側に隣接するように第1シール用リン
グ18を外套させ、次いで、第1絶縁スペーサ19を外套さ
せる。そして、第1絶縁スペーサ19の小径部 19Aに第2
シール用リング31を外套させる一方、内極11の内極外方
部17に、内極大径部13の他側に隣接するように第2絶縁
スペーサ32を外套させ、次いで、スラストベアリング37
を外套させる。
【0027】上述のように各部材を外套させた内極11
を、閉塞部側を先頭にして円筒部6を介して耐圧容器1
内に挿入する。そして、袋ナット34を円筒部6に被着し
て、袋ナット34を締め込んでいく。この袋ナット34の締
め込みの際、スラストベアリング37の働きにより回転方
向のトルクが逃がされ、図1における矢印B方向にのみ
力が作用し、これによって、第1シール用リング18は、
第1絶縁スペーサ19の大径部 19Bの一側と内極大径部13
との間に、また、第2シール用リング31は、円筒部6の
段部6a(図2参照)と第1絶縁スペーサ19の他側との間
で、シール部分に傷を生じさせることなく強く挟圧され
る。その結果、内極11が耐圧容器1内においてこれと同
心円的に保持されると共に、前記シール用リング18, 31
がそれぞれ均等に潰されて、第1シール用リング18で内
極11と第1絶縁スペーサ19間をシールし、第2シール用
リング31により耐圧容器1の円筒部6と第1絶縁スペー
サ19間をシールすることにより、耐圧容器1内の気密性
が保持される。
【0028】そして、この実施例においては、図5に示
すように、内極大径部13のシール面13aの第1シール用
リング18に対応する部分に例えば断面が曲面形状の凹部
39を設けているので、第1シール用リング18を、第1絶
縁スペーサ19の段差部分30に当接させながら、前記凹部
39に保持させることができ、シール用リング18位置を固
定的に設定することができる。従って、この部分におけ
る気密性が向上すると共に、内極11の耐圧容器1に対す
る位置が固定的に定まり、確実なセル定数を得ることが
でき、それだけ、精度の高い測定が可能になる。なお、
この実施例では、図2に示すように、円筒部6の段部6a
にも前記凹部39と同様の凹部40を設けて、第2シール用
リング31の位置を固定的に設定できるようにしてある。
【0029】図6は、前記セルAを用いて導電率測定を
行う場合の電気的構成の一例を示す回路図で、この図に
おいて、41は例えば 900Hz程度の交流信号を発する発
振器で、この信号が内極11に印加される。そして、外極
を兼ねた耐圧容器1は接地されている。また、42は固定
抵抗である。この固定抵抗42の両端の電圧が検出出力と
してプロセッサ43に入力される。
【0030】図7は、前記検出出力の一例を示してい
る。ところで、前記耐圧容器1をステンレス鋼で形成し
た場合、前述のように、 900Hz程度の交流電圧を内外
極間に印加すると、前記検出出力に誘電率による影響が
表れて立ち上がりが悪くなり、誤差の要因となる。これ
を防止するため、例えば耐圧容器1の内面に白金をコー
ティングすることが考えられるが、高価になることが避
けられない。
【0031】そこで、本考案においては、前記プロセッ
サ43内において、発振周波数と同期をとり、波形の乱れ
た部分を信号として取り扱わず、図中の斜線部分のみを
信号として取り出すようにして、前記立ち上がりが悪く
なる問題点を解決している。なお、このような信号の取
り出しは、耐腐食性、耐薬品性を考慮して耐圧容器1の
内面に電解研磨などの処理を施した場合にも有効であ
る。
【0032】図8は、上記構成のセルAの気密性を測定
した結果を示すデータである。この図に示すように、セ
ルAは、−10℃以下で僅かにリーク速度が上昇するが、
これは測定に実質的な影響を与えない程度であり、極め
て優れた気密性を有することが判る。なお、 1.5×10
-11 Torr・l/sにプロットしているのは、Heリーク
検出器の検出限界を示す。
【0033】なお、前記耐圧容器1内の気密性が不十分
な場合、耐圧容器1内に導入される被測定液が漏出する
他、耐圧容器1外の水分が濃度の差によって耐圧容器1
内に拡散し、その結果、測定誤差が生ずると共に、耐圧
容器1を組み込んでいる配管系が腐蝕によりダメージを
受ける。
【0034】前記被測定液が耐圧容器1内に導入され、
導出されていく過程において、耐圧容器1と内極11とに
よってその導電率が測定されるが、この測定された導電
率は、図9に示すような、横軸に水分濃度を、縦軸に導
電率をそれぞれ対数目盛りで目盛った、例えば液化ハロ
ゲンガスにおける不純物濃度と導電率の関係を示すデー
タによって不純物濃度に容易に変換することができ、従
って、被測定液中に含まれる微量不純物の濃度を測定す
ることができる。
【0035】これは、例えば液化塩化水素のような液化
ガス中に、水分が存在する場合、下記化1に示すよう
に、解離することにより導電率に大きな変化が生じるた
めである。なお、水のみの解離によって導電率に大きな
変化が生じることは言うまでもない。
【0036】
【化1】
【0037】また、H2 SO4 やSiO2 といった不純
物が液化塩化水素中に存在する場合は、下記化2,化3
に示すように、それぞれ水が生じ、前記と同様に、解離
することにより導電率に大きな変化が生じ、H2 SO4
やSiO2 といった不純物の濃度が水分の換算値といっ
た形で測定することができる。
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】そして、図10は、2種の液化塩化水素ガス
について温度を変化させて導電率との関係をプロットし
たものである。常温常圧(室温で大気圧状態)でガス状
の化学物質を液化するためには、加圧または温度を下げ
ることにより行うが、導電率は、図に示す通り、温度に
より変化するため、温度を一定に保つかまたは例えば図
10に示すような、液化塩化水素ガスにおける温度と導電
率の関係を示すデータを用いて補正することが望まし
い。
【0041】また、前記耐圧容器1が耐腐食性の金属よ
りなると共に、その内表面および内極11の外表面が、そ
れぞれ電解研磨、酸化膜不動態化処理またはフッ化不動
態化処理されているので、たとえ液化ガス中に不純物が
含まれているとしても、測定電極である耐圧容器1およ
び内極11において、前記不純物の吸・脱着が生ずること
がなく、また、セルA自体が不純物の発生源となること
もなく、さらに、腐食性ガスを測定対象とすることもで
きる。
【0042】上述した実施例においては、耐圧容器1に
連なる円筒部6において、第1シール用リング18と段付
きの第1絶縁スペーサ19とを、第1シール用リング18が
内極大径部13に近くなるように内極11の一側に外套する
と共に、第1絶縁スペーサ19の小径部 19Aに第2シール
用リング31を外套する一方、段付きの第2絶縁スペーサ
32とスラストベアリング37とを、第2絶縁スペーサ32が
内極大径部13に近くなるように内極11の他側に外套し、
円筒部6に螺合する袋ナット35を締めつけることによ
り、第1シール用リング18を第1絶縁スペーサ19と内極
大径部13との間に、また、第2シール用リング31を円筒
部6の段部6aと第2絶縁スペーサ32との間に、それぞれ
挟圧するようにしているので、耐圧容器1における気密
性が高度に維持でき、例えばリーク量は、Heリーク検
出器の最小検出感度以下(約 1.5×10-11 Torr・l/s
以下)となり、耐圧容器1内から液化ガスの漏出がない
と共に、外部からガスが耐圧容器1内に侵入するといっ
たことがない。
【0043】そして、段付きの第1絶縁スペーサ19が、
筒状の小径部材20をこれとは別体でこれよりも大径かつ
短い筒状の大径部材21にエアタイト状にテーパ嵌入し、
小径部 19Aと大径部 19Bとよりなるものであるから、小
径部 19Aおよび大径部 19Bのそれぞれを個別に仕上げる
ことができ、特に、第1絶縁スペーサ19のシール面とな
る大径部 19Bの両端面27, 28を鏡面状態にすることがで
きる。従って、シール用リング18, 31を過大な力で挟圧
する必要がなくなり、第1絶縁スペーサ19が破損される
こともない。
【0044】また、内極大径部13のシール面 13aに凹部
39を設け、第1シール用リング18を固定的に保持できる
ようにしているので、気密性が向上すると共に、内極11
と外極である耐圧容器1との位置関係が所望の位置関係
に固定的に設定されるので、より精度よく測定を行うこ
とができる。さらに、袋ナット35と第2絶縁スペーサ32
との間にスラストベアリング37を設けているので、袋ナ
ット35の回転力が第2絶縁スペーサ32に直接作用しない
といった利点もある。
【0045】そして、上記セルAは、常温常圧において
ガス状である化学物質中に含まれる微量不純物の測定の
みならず、工業用水、ボイラ給水、各種洗浄用水などの
水質管理における導電率測定にも使用することができ、
特に、原子力発電プラントにおける一次冷却水のように
高温高圧状態にある液体の導電率測定に好適に用いるこ
とができる。
【0046】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
各部の寸法、特に、セル定数が安定するので、被測定液
の導電率を精度よく測定できる。そして、第1絶縁スペ
ーサの構造が簡単であるので、これをより精密かつ容易
に鏡面仕上げすることができ、従って、セルの組立がよ
り容易になると共に、セルに対する歩留りが飛躍的に向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る導電率測定用セルの一例を示す縦
断面図である。
【図2】前記セルの要部の構成を示す縦断面図である。
【図3】内極の構成およびシール構造を示す分解斜視図
である。
【図4】第1絶縁スペーサの一例を示す図である。
【図5】第1絶縁スペーサと内極大径部との間のシール
構造を示す図である。
【図6】前記セルを用いて導電率を測定する場合におけ
る電気的構成の一例を示す回路図である。
【図7】検出出力の一例を示す図である。
【図8】前記セルの気密性を示すデータである。
【図9】液化塩化水素における不純物濃度と導電率の関
係を示す図である。
【図10】液化塩化水素における不純物量の温度と導電率
の関係を示す図である。
【符号の説明】
A…セル、1…耐圧容器、2…導入口、3…導出口、6
…円筒部、6a…円筒部の段部、11…内極、13…内極大径
部、 13a…内極大径部のシール面、18…第1シール用リ
ング、19…第1絶縁スペーサ、 19A…第1絶縁スペーサ
の小径部、20…小径部材、21…大径部材、31…第2シー
ル用リング、32…第2絶縁スペーサ、34…袋ナット、37
…スラストベアリング、39…凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石原 良夫 神奈川県川崎市幸区塚越4−320 日本 酸素株式会社内 (72)考案者 福嶋 良助 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 (56)参考文献 特開 平4−361147(JP,A) 特開 昭63−243743(JP,A) 実開 平4−136557(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定液の導入口と導出口とが設けられ
    た耐圧容器と、この耐圧容器内に設けられた内極とから
    なり、前記耐圧容器を外極に兼ねさせると共に、前記耐
    圧容器に連なる円筒部の内部に段部を形成する一方、前
    記内極の長手方向中間部に大径部を形成し、さらに、筒
    状の小径部材をこれとは別体でこれよりも大径かつ短い
    筒状の大径部材にエアタイト状にテーパ嵌入してなる第
    1絶縁スペーサと第1シール用リングとを、第1シール
    用リングが前記内極大径部に近くなるように内極の一側
    に外套すると共に、前記第1絶縁スペーサの小径部に第
    2シール用リングを外套する一方、段付きの第2絶縁ス
    ペーサとスラストベアリングとを、前記第2絶縁スペー
    サが内極大径部に近くなるように内極の他側に外套し、
    前記円筒部に螺合する袋ナットを締めつけることによ
    り、第1シール用リングを前記第1絶縁スペーサと内極
    大径部との間に、また、第2シール用リングを前記円筒
    部の段部と前記第1絶縁スペーサとの間に、それぞれ挟
    圧するようにしたことを特徴とする導電率測定用セル。
  2. 【請求項2】 内極大径部のシール面に凹部を設け、こ
    の凹部によって第1シール用リングを固定的に保持する
    ようにした請求項1に記載された導電率測定用セル。
  3. 【請求項3】 耐圧容器の内表面および内極の外表面が
    それぞれ電解研磨、酸化膜不動態化処理またはフッ化不
    動態化処理されている請求項1に記載された導電率測定
    用セル。
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