JP2578333B2 - 改質された微生物産生セルロ−ス - Google Patents

改質された微生物産生セルロ−ス

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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は微生物の産生するセルロースを改質、特に弾
性率を向上させる手段を提供するものである。
この改質された微生物産生セルロースは高弾性及び高
強度の膜状物又は紙状各種シートとして利用することが
可能なほか、糸状あるいは各種成形物として利用するこ
ともできる。
[従来の技術] 従来、バクテリアの産生するセルロースとしては、ア
セトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)ATC
C 23769が産生するシート状のものを医療用パッドに利
用することが知られている(特開昭59-120159号公
報)。
本発明者らもアセトバクター属、シュードモナス属、
アグロバクテリウム属等に属する微生物が前記のセルロ
ースと異なるリボン状ミクロフィブリルよりなるセルロ
ースを産生することを見出した(特願昭60-79291号)。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の各種植物由来のセルロース及びセルロース誘導
体の力学的強度はさほど大きくなく、例えばシート状の
セルロイドやセロファンの弾性率はせいぜい2〜3GPa程
度であった。
また、本発明者らが開発した前記の微生物産生セルロ
ースの膜状物の弾性率は2次元的に無配向の有機高分子
のなかでは最高であったがそれでも11〜17GPa程度であ
った。微生物産生セルロースを離解後抄紙して紙状シー
トに成型したものの弾性率も他の紙との比較では最高で
あったがそれでも10GPa程度であった。
本発明の目的は微生物産生セルロースを改質すること
によりそれを用いた膜状物、紙状シートそのほかの各種
成型物の弾性率等を改善し、さらに高い性能を付与する
ことにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記の目的を達成するべく鋭意検討を重
ねた結果、微生物産生セルロースをアルカリ溶液、漂白
剤等で処理することにより得たものは総窒素含有率が低
下しα−セルロース含有率が向上しており、このものを
用いることによって前記目的を達成しうることを見出し
て、この知見に基き本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、リボン状ミクロフィブリルより
なり、総窒素含有率が1.5重量%以下でα−セルロース
含有率が95重量%以上である改質された微生物産生セル
ロースに関するものである。
微生物産生セルロースは、幅100〜500Å、厚さ10〜20
0Å程度のリボン状ミクロフィブリルがからみ合った構
造をしている。一般にはゲルの形で得られ、その含水率
は95%(W/V)以上である。
このセルロースはセルラーゼによって容易に分解さ
れ、グルコースを生成する。すなわち、本セルロースの
0.1%(W/V)懸濁液にセルラーゼ(EC 3.2.1.4)(天野
製薬製)を0.5%(W/V)になるように0.1M酢酸緩衝液に
溶かし30℃で24時間反応させた。その結果、本物質の一
部が分解されることが観察され、上澄液をペーパークロ
マトグラフィーで展開したところグルコースのほかに少
量のセロビオース、セロトリオース及びその他のセロオ
リゴ糖が検出された。このほかに少量のフラクトース、
マンノース等が検出される場合もあった。
すなわち、本発明の微生物産生セルロースはセルロー
ス及びセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもので
ある。ヘテロ多糖の場合のグルコース以外の構成成分は
マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロー
ス、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六炭
糖、五炭糖及び有機酸等である。なお、これ等の多糖が
単一物質である場合もあるし、2種以上の多糖が水素結
合等により混在していてもよい。十分に水洗後乾燥した
ものについて後記するパルプ分析法に準じた方法で定量
したα−セルロース含有率は85〜93重量%程度であり、
また、ケルダール法及び元素分析法で定量した窒素含有
率は1.0〜1.8重量%程度であった。この窒素は微生物産
生セルロースの微小な繊維の網目構造のなかに保持され
ている菌体培地成分に由来するもので、水洗では除かれ
なかったものである。また、このセルロースから成型し
たフィルムの弾性率は10〜15GPa、引張強度100〜160MPa
であった。
微生物産生セルロースは上記のようなものであればい
かなるものであっても使用可能である。
このような微生物産生セルロースを産生する微生物は
特に限定されないが、アセトバクター・アセチ・サブス
ピーシス・キシリナム(Acetobacter aceti subsp xyli
num)ATCC 10821あるいは同パストウリアン(A・paste
urian)、同ランセンス(A・rancens)、サルシナ・ベ
ントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キ
シロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属
細菌、アグロバクテリウム属細菌等で微生物産生セルロ
ースを産生するものを利用することができる。
これらの微生物を培養して微生物産生セルロースを生
成蓄積させる方法は細菌を培養する一般的方法に従えば
よい。すなわち、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必
要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含
有する通常の栄養培地に微生物を接種し、静置又はゆる
やかに通気攪拌を行なう。炭素源としては、グルコー
ス、シュークロース、マルトース、澱粉加水分解物、糖
蜜等が利用されるが、エタノール、酢酸、クエン酸等も
単独あるいは上記の糖と併用して利用することができ
る。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニ
ウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸
塩、尿素、ペプトン等の有機あるいは無機の窒素源が利
用される。無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が利用される。
有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪
酸、核酸、さらにこれらの栄養素を含むパプトン、カザ
ミノ酸、酵母エキス、大豆蛋白加水分解物等が利用さ
れ、生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変異株を用
いる場合には要求される栄養素をさらに補添する必要が
ある。
培養条件も通常でよく、pHを2.5ないし9そして温度
を20ないし40℃に制御しつつ1ないし30日間培養すれば
表層に微生物産生セルロースがゲル状に蓄積される。
改質に供される微生物産生セルロースは微生物の培養
物から単離された精製品のほか、用途に応じある程度不
純物を含むものであっても良い。例えば培養液中の残
糖、塩類、酵母エキス等が微生物産生セルロースに残留
していてもさしつかえない。また、菌体がある程度含ま
れていても良い。
このゲルを取り出して必要により、水洗する。この水
洗水には目的に応じて殺菌剤、前処理剤などの薬剤を添
加することができる。改質処理を施す微生物産生セルロ
ースは湿潤状態、乾燥状態のいずれであってもよい。こ
こでいう湿潤状態とは培養物状態のものから圧搾、離
解、抄紙等の処理を施したものまでを含む。この湿潤状
態における溶液と微生物産生セルロースとの比は約2:1
乃至約1000:1である。これに対して、乾燥状態の微生物
産生セルロースとは前記湿潤状態の微生物産生セルロー
スを乾燥したものである。特に、培養で生成された微生
物産生セルロースのゲル状のものを圧搾しつつ水を絞り
出しながら加熱を同時に又は順に行なうことによって得
られるフィルム状の乾燥物は改質処理を施すのに好適で
ある。
本発明の改質された微生物産生セルロースはこのよう
な微生物産生セルロースをアルカリ溶液又は漂白剤で処
理することにより取得することができる。アルカリ溶液
としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
バリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土金属の水酸化
物の他、アンモニア、アミン等の前記以外のアルカリ性
を示す溶液も用いることができる。望ましくは、水酸化
カリウムもしくは水酸化ナトリウムの0.2〜1.5規定の溶
液が用いられる。微生物産生セルロースを処理する為の
漂白剤としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム等の過
酸化物系のもの、サラシ粉、次亜塩素酸ナトリウム、亜
塩素酸ナトリウム等の塩素化合物系のもの、二酸化イオ
ウ、亜硫酸水素ナトリウム等の還元漂白剤系のものを用
いることが出来るが、望ましくは次亜塩素酸ナトリウム
の有効塩素濃度0.05〜1.0%の溶液が用いられる。これ
らの溶液は必ずしも水溶液でなくともよく、アルコー
ル、アセトン、ジメチルスルオキシド等の有機溶媒を含
む溶液あるいは界面活性剤、塩、酵素等を含む溶液でも
よい。これらの改質処理を施すための浸漬用溶液は単独
で用いてもよく、また、2種以上を同時あるいは順に組
み合わせてもよい。改質処理を行う時間は通常15分間〜
72時間程度が適当であり、望ましくは1時間〜5時間程
度である。改質処理の温度は、微生物産生セルロースが
分解しない温度であればよいが、望ましくは0〜100℃
程度、さらに望ましくは、20〜70℃程度が適温である。
改質処理に用いる溶液量は、微生物産生セルロースの乾
燥重量に対して0.1〜1000倍量であればよい。この改質
処理用の溶液は前回使用したものを繰り返して使用する
ことができる。その際、不足分を生じた場合には適宜補
充を行なう。
このようにして得られた本発明の改質された微生物産
生セルロースは、第1図にその電子顕微鏡写真を模写し
た図に示すように、やはり幅100〜500Å、厚さ10〜200
Å程度のリボン状ミクロフィブリルがからみ合った構造
をしている。十分に水洗後乾燥したものについて後記す
るパルプ分析法に準じた方法で定量したα−セルロース
含有率は95重量%以上、通常95〜99.9重量%程度、特に
98.0〜99.9重量%程度であり、また、ケルダール法及び
元素分析法で定量した窒素含有率は1重量%以下、通常
1〜0.01重量%程度、特に0.80〜0.10重量%程度であっ
た。
第2図に改質された微生物産生セルロースの赤外吸収
スペクトルを示すように、第3図に示す改質前の微生物
産生セルロースの赤外吸収スペクトルと同様のパターン
であった。
また第4図に示した改質された微生物産生セルロース
でX線回析パターンは、第5図に示す改質前の微生物産
生セルロースのX線回析パターンと同様で結晶形はセル
ロースIであった。
改質された微生物産生セルロースの膜状物の弾性率は
20〜35GPa、音速は3800〜4700m/sec、引張強度200〜300
MPaであった。又、糸状物の弾性率は30〜40GPa、引張強
度は300〜350MPaで膜状物、糸状物共に本発明の改質に
より力学的性能が大幅に向上した。
改質処理後は改質処理に使用した溶液を分離し、水洗
あるいは中和反応、酸化還元反応等によって微生物産生
セルロース中に残存するアルカリ性あるいは漂白活性を
除去する。それからさらに必要により離解、圧搾、抄紙
などの処理を施して目的とする成型品にする。
例えば、膜状物にする場合には、培養で生成されたゲ
ル状物を改質処理を施した後に、圧搾しつつ同時に又は
その後乾燥させることによって得ることができる。圧搾
時の圧力は改質された微生物産生セルロースの組織が破
壊されない範囲であればよいが、通常は0.1kg〜5kg/cm2
程度の圧力が適している。乾燥温度はセルロースが分解
されない温度であればよいが、特に120〜200℃がよい。
但し、乾燥時に改質された微生物産生セルロースの微細
な繊維間の相互の膠着を防ぐ為には凍結乾燥、臨界点乾
燥等の手法を用いることが好ましい。
紙状シートのような成型物にする場合には、微生物産
生セルロースのゲル状物を改質前又は改質後に離解、粉
砕等の加工を行なったもの、あるいは培養で生成される
ゲル状物以外の不定形のものを改質前又は改質後に抄紙
のような成型を行うことにより得ることができる。この
際、圧搾又は乾燥が必要な場合は前記の膜状物の場合と
同様の条件で行なえばよい。
本発明の改質された微生物産生セルロースは必要に応
じて他の材料と複合化して使用することもでき、その場
合であってもそのすぐれた物性、例えば高弾性率を発揮
しうることはいうまでもない。
本明細書におけるαセルロース含有率は以下の方法に
より求めた。
105℃の空気中で乾燥して恒量を求めておいたフィル
ム状の微生物産生セルロースを300倍量の17.5%水酸化
ナトリウム水溶液中に20℃で45分間浸漬後、蒸溜水で洗
液のpHがアルカリ性を示さなくなるまで洗浄する。これ
を風乾してから、25倍量の40%酢酸水溶液中に20℃で30
分間浸漬した後、蒸溜水で洗液のpHが酸性を示さなくな
るまで洗浄する。
洗浄後の微生物産生セルロースを再び105℃の空気中
で乾燥して恒量を求め最初に求めておいた恒量に対する
割合をαセルロース量とした。
[作用] 改質された微生物産生セルロースはリボン状ミクロフ
ィブリルからなっており、引張り強度、耐伸縮性、弾性
などの力学強度が大きい。この力学強度は各ミクロフィ
ブリルがからみ合うことによって高められている。この
改質された微生物産生セルロースは特に弾性率の向上が
著しく、これは改質処理によって得られる総窒素含有率
が1.5重量%以下でα−セルロース含有率が95重量%以
上になるということを指標として発揮されるものであ
る。
[実施例] 調製例−1 シュクロース5g/dl、酵母エキス0.5g/dl、硫安0.5g/d
l、リン酸水素カリウム(KH2PO4)0.3g/dl、硫酸マグネ
シウム(MgSO47H2O)0.05g/dlからなる組成の培地(pH
5.0)50mlを容量200mlの三角フラスコに張り込み、120
℃で20分間蒸気殺菌して培養液を作製した。
次いで、この培養液に、酵母エキス0.5g/dl、ペプト
ン0.3g/dl、マンニトール2.5g/dlからなる組成の試験管
斜面寒天培地(pH6.0)で30℃、3日間生育させたアセ
トバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム(AT
CC 10821)を1白金耳ずつ接種し、30℃で培養した。
上記条件で30日間培養したところ、培養液の上層に白
色の微生物産生セルロースを含むゲル状の膜が形成され
た。この微生物産生セルロースを含むゲル状膜を水洗し
て微生物産生セルロースを得た。
実施例1 調製例−1で得られた微生物産生セルロースを金属板
にはさみ130℃で圧搾しつつ乾燥して微生物産生セルロ
ースの膜状物を得た。この膜状物を4%の水酸化ナトリ
ウム溶液に20℃で3時間浸漬して改質処理後、洗液がア
ルカリ性を示さなくなるまで蒸溜水で水洗し、再び金属
板にはさんで、130℃で圧搾しつつ乾燥し、改質された
微生物産生セルロースの乾燥膜状物を得た。
実施例2 調製例−1で得られた微生物産生セルロースを、2%
水酸化ナトリウム溶液に70℃で24時間浸漬して改質処理
後、金属板にはさんで圧搾してアルカリ溶液を絞り出し
た。これを0.1N塩酸溶液に10℃で2時間浸漬したアルカ
リを中和した後、蒸溜水で72時間流水洗浄した。洗浄後
の微生物産生セルロースを実施例1と同様に金属板には
さんで150℃で圧搾しつつ乾燥し改質された微生物産生
セルロースの乾燥膜状物を得た。
実施例3 調製例−1で得られた微生物産生セルロースを、有効
塩素濃度0.5%の次亜塩素酸ソーダ溶液中に20℃で5時
間浸漬して改質処理した後、蒸溜水で48時間流水洗浄し
た。これを実施例1と同様に金属板にはさんで、180℃
で圧搾しつつ乾燥し改質された微生物産生セルロースの
乾燥膜状物を得た。
実施例4 調製例−1で得られた微生物産生セルロースを、実施
例1と同様に金属板にはさんで、130℃で圧搾して乾燥
して得た膜状物を、0.5%有効塩素濃度の次亜塩素酸の1
Nの水酸化ナトリウム溶液中に30℃で4時間浸漬して改
質処理した。浸漬後、洗液がアルカリ性を示さなくなる
まで蒸溜水で水洗し、再び金属板にはさんで、130℃で
圧搾しつつ乾燥し改質された微生物産生セルロースの乾
燥膜状物を得た。
実施例5 実施例1〜4で得られた改質された微生物産生セルロ
ースの乾燥膜状物の総窒素含量とαセルロース含量を測
定した。結果を第1表に示す。対照として、先の調製例
−1で得られた微生物産生セルロースを金属板にはさみ
130℃で圧搾して得られた膜状物(比較例−1)につい
て測定した結果を併せて第1表に示す。
更に弾性率、及び音速を振動リード法を用いて測定し
た結果を第2表に示す。
実施例6 実施例1で得られた改質された微生物産生セルロース
の膜状物、対照として、先の調製例−1で得られた微生
物産生セルロースを金属板ではさみ130℃で圧搾して得
られた膜状物(比較例−2)、さらに調製例−1で得ら
れた微生物産生セルロースを2倍量の水とともにホモジ
ナイザー粉砕してから、200meshの金網上で抄紙して紙
状シートに成型したもの(比較例−3)及び参考例とし
てセルロイドNo.6000(ダイセル化学工業(株))、ク
ラフト紙の5種類のセルロース性の膜状物の弾性率及び
引張強度を振動リード法及び引張試験法で測定した。結
果を第3表に示す。
実施例7 調製例−1で得られた微生物産生セルロースを四角柱
状(断面が3mm×3mm、長さ4cm)に切断した(試料
A)。このものを実施例2に従い改質処理したものを両
端を固定し、緊張下で105℃、4時間乾燥して糸状物を
得た。一方試料Aを実施例2の改質処理しないまま同様
な方法で糸状物を得た(比較例−4)。これらの弾性
率、引張強度を振動リード法及び引張試験法で測定し、
結果を第4表に示した。
[発明の効果] 本発明の改質された微生物産生セルロースは改質前の
従来品に比し特に弾性率の向上が著しい。それに伴ない
音の伝達速度、強度なども向上し、例えばスピーカーコ
ーンとしてすぐれた材質であるとともに新たな利用分野
の開発も期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は改質された微生物産生セルロースの繊維の形状
の一例を表した図面代用の電子顕微鏡写真である。 第2図、第3図はそれぞれ改質された微生物産生セル
ロース及び改質前の微生物産生セルロースの赤外吸収ス
ペクトルである。第4図、第5図はそれぞれ改質された
微生物産生セルロース及び改質前の微生物産生セルロー
スのX線回折のパターンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 茂 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 (72)発明者 渡部 乙比古 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 (72)発明者 北村 信義 川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式 会社中央研究所内 (72)発明者 西 美緒 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 瓜生 勝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 審査官 弘實 謙二

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】総窒素含有率1.5重量%以下でα−セルロ
    ースを95重量%以上含有し、リボン状ミクロフィブリル
    よりなる改質された微生物産生セルロース
  2. 【請求項2】改質が微生物産生セルロースをアルカリ溶
    液又は漂白剤で処理することにより行なわれたものであ
    る特許請求の範囲第1項記載の改質された微生物産生セ
    ルロース
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