JPH08126697A - 中空状微生物セルロースチューブの製造法 - Google Patents

中空状微生物セルロースチューブの製造法

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JPH08126697A
JPH08126697A JP6266825A JP26682594A JPH08126697A JP H08126697 A JPH08126697 A JP H08126697A JP 6266825 A JP6266825 A JP 6266825A JP 26682594 A JP26682594 A JP 26682594A JP H08126697 A JPH08126697 A JP H08126697A
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tube
hollow
microbial cellulose
cellulose
producing
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JP6266825A
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Shigeru Yamanaka
茂 山中
Eiji Ono
栄治 小野
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 本発明は微生物の生産する微生物セルロースからなる中
空状微生物セルロースの製法に関する。この中空状微生
物セルロースは他の合成高分子材料と同じようにチュー
ブ状の医療材料、化成品材料等として使用される。例え
ば医療材料の場合は、体内の尿管、気管消化管等の体内
の中空状臓器の代替物、その他中空状であることが必要
な構造物として使用される。 【目的】 本発明の目的は、工業的に生産可能な中空状
微生物セルロースチューブの製造方法を提供することに
ある。 【構成】 垂直に設置した上方が解放された均一な肉厚
のチューブに微生物セルロース生産菌を含む培養液を充
填し、該培養液表面に中空形状決定板を密着して固定し
た後、該液面を加圧下で若しくは大気圧下で該生産菌を
培養することにより空気接触部分の該液面の形状と同一
断面を有する中空状微生物セルロースチューブの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物が生産する微生
物セルロースからなる中空状微生物セルロースの製法に
関する。この中空状微生物セルロースは、他の合成高分
子材料と同じようにチューブ状の医療材料、化成品材料
等として使用される。例えば医療材料の場合は、体内の
尿管、気管消化管等の体内の中空状臓器の代替物、その
他中空状であることが必要な構造物として使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、微生物セルロースを生産する微生
物は例えば、アセトバクター・パスツリアヌス(Acetoba
cter pasturianus)ATCC10821、同アセチ(A.aceti)、同
ランセンス(A.ransens)、ザルチナ・ベントリクリ(Sarc
inaventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacteri
um xyloides)、シュードモナス属細菌、アグロバクテリ
ウム属細菌、リゾビウム属細菌等が挙げられ、特に酢酸
菌を用いて通常知られている好気性培養方法により微生
物セルロース(以下、微生物が生産するセルロースを
「微生物セルロース」とする)を生産することは広く知
られており、食品、各種工業材料、医療材料、化成品等
に用いられ得ることも知られている。
【0003】微生物が産生する微生物セルロース繊維は
微生物セルロース繊維は植物起源の木綿、木材パルプ等
のセルロースと一次構造上は差がないが、結晶性および
一軸配向性が非常に高いα−セルロースからなり、強度
があり、非常に細い(幅あるいは直径 100nm以下と言わ
れる)リボン状の繊維が複雑に絡み合ったネットワーク
状の構造をなしている。これは植物起源のセルロースで
は見られない、微生物セルロース特有のものである。
【0004】このネットワーク状の構造物はその中の空
隙に多量の液体を含むことができ、この場合、その外観
はゲル状である。この微生物セルロース構造物内の空隙
に含まれる液体成分、例えば水は自由水として存在し、
外力を加えると容易に絞り出せる。このように結晶性が
非常に高い多数のリボン状の繊維により構成されている
ので湿状態のものでも、引張等の外力に耐え得る。水分
を含んだ微生物セルロースはゲル状を呈し、一見強度が
小さいように思えるが上に述べたようなネットワークの
ようないわゆる高次構造故、ゲル状であるにも拘らず引
っ張り強度を持つこと等、種々の性質を示す。
【0005】微生物セルロースは生産された時は、一見
ゲル状の形態をしている。つまり、微生物セルロース
は、前記のように細い繊維で構成されており、繊維と繊
維の空隙に液体成分を繊維重量の90%以上も含んでいる
が、このゲル状物の中の繊維と繊維の空隙に液体成分
は、一般の高分子ゲルのように分子状態で拘束されてい
るわけではない。
【0006】中空状微生物セルロースを生産するするに
は、以下のような2つの方法が特開平3−272772
で知られている。。第1の方法はある大きさの径をもつ
通気性のない管のなかに、この径より小さな径をもつ無
垢状バーを挿入する。この管とバーの間隙に培地と菌体
を入れて培養することによって、管とバーの間隙の培養
液表面でゲル状の微生物セルロースが生産され時間経過
と共に下方に異動する。ゲル状の微生物セルロースが適
当な長さになったところで、ゲル状の微生物セルロース
をバーとともに取り出し、バーをゲル状の微生物セルロ
ースから抜くと、中空状微生物セルロースが得られる。
このようにゲル状の微生物セルロースは培養液表面から
培養液表面の下部にむかって生産されるのが特徴であ
る。
【0007】第2の方法は通気性のあるチューブに培地
と菌体を充填した後、チューブの両端を閉じて菌体を培
養する。するとチューブ内壁から中心に向かって微生物
セルロースのほぼ均一厚の連続膜が形成される。所期の
膜厚に達したところでチューブより取り出し洗浄すると
微生物セルロースチューブが製造できることが開示され
ている。
【0008】しかしながら、中空状微生物セルロースチ
ューブを得る方法としては無垢バーを用いるため操作が
煩雑となること、通気性のチューブを用いる場合には製
造された微生物セルロースチューブの厚みが不均一であ
ったり、強度的に不充分であったり工業的製造方法とし
ては適していなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に生産可能な中空状微生物セルロースチューブの製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、微生物が産生するセルロースがある特定の培養
液中では空気と接触する液面の形状を維持しつつ液面よ
り下方に蓄積されることを見いだし本発明を完成させ
た。
【0011】即ち、本発明は垂直に設置した上方が解放
された均一な肉厚のチューブに微生物セルロース生産菌
を含む培養液を充填し、該培養液表面に中空形状決定板
を密着して固定した後、該液面を加圧下で若しくは大気
圧下で該生産菌を培養することにより空気接触部分の該
液面の形状と同一断面を有する中空状微生物セルロース
チューブの製造法である。
【0012】本発明に用いられるセルロースを産生する
微生物は特に限定されないが、例えばアセトバクター・
パスツリアヌス(Acetobacter pasturianus)ATCC10821、
同アセチ(A.aceti)、同ランセンス(A.ransens)、ザルチ
ナ・ベントリクリ(Sarcinaventriculi)、バクテリウム
・キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス
属細菌、アグロバクテリウム属細菌、リゾビウム属細菌
等が挙げられる。
【0013】微生物の生産するセルロースは、セルロー
スおよびセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの
およびβ、α等のグルカンを含む。ヘテロ多糖の場合は
セルロース以外の構成成分として、マンノース、フラク
トース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラ
ムノース、ウロン酸等の六炭糖、五炭糖および有機酸等
を含む。これらの多糖が単一物質として存在するセルロ
ースもあるし、2種類以上の多糖が混在しているセルロ
ースもある。
【0014】微生物セルロースの産生蓄積のためには、
上記の微生物を用いて、通常の細菌を培養する一般的な
方法に従えばよい。すなわち、炭素源、窒素源、無機塩
類、その他必要に応じて、アミノ酸、ビタミン等の有機
微量栄養素を含有する通常の栄養培地に添加し、20℃な
いし40℃に制御し培養を行えばよい。この栄養素の炭素
源としてシュークロースが好んで用いられる。培養液中
のシュークロース量とその濃度は目的とする微生物セル
ロースチューブの大きさ、形状により適宜選択すること
ができる。シュークロース濃度は微生物セルロースの生
産速度並びに得るられた微生物セルロースチューブ密度
と密接な関係がある。
【0015】本発明による微生物セルロースの生産にお
いては培養液の上方から下方に向かってセルロースを蓄
積する。微生物セルロースの生産の下方への移動は培養
液の濃度に影響される。ましてや培養液がゲル状であれ
ばセルローセの生産には栄養供給や生産されたセルロー
スの下降がスムースでないので決して好ましくない。培
養液中のシュークロース濃度は0.1g/dl乃至20
g/dlが好んで用いられる。シュークロース濃度は通
常1乃至10g/dlが微生物セルロースの生産効率か
ら好ましい。目的とする中空状微生物セルロースチュー
ブとシュークロース濃度との大凡の目安を示せば1mm
以下の微細チューブを製造するためにはシュークロース
濃度は通常1乃至2g/dlが好んで用いられる。この
場合微生物セルロースの産生に伴って微生物セルロース
の下方への異動が壁面の抵抗を受け遅くなるので該培養
液上に小さい圧力を加えると産生速度を上げることが出
来る。
【0016】シュークロース濃度が20g/dlを超え
た場合培養液の粘度が高くなるため、目的とする中空状
微生物セルロースチューブを得るには長時間を要し効率
的に生産できないばかりか、得られた中空状微生物セル
ロースチューブの品質は粗密なものが得られ易く好まし
くない。一方、濃度の低い0.1g/dl状態では微生
物セルロースを産生するのに菌体が要求する必要な炭素
源に足らず実用的な中空状微生物セルロースチューブを
得ることは難しい。
【0017】微生物セルロースを培養する容器は断面の
形状が一様なチューブであることが好ましい。断面形状
が下方で次第に広がる構造の容器または途中が一部広が
る構造の容器であれば上方の形状が断面となるチューブ
が得られる。下方が次第に狭くなる構造の容器または途
中で括れを有する構造の場合には本発明の目的を達成で
きない。これらの容器は垂直方向に設置する必要があ
り、傾斜や水平方向に設置しても目的とするチューブを
得ることはできない。
【0018】中空状微生物セルロースチューブの断面の
形状は垂直に設置した上方が解放された均一な肉厚のチ
ューブの断面の形状と該チューブに充填した微生物セル
ロース生産菌を含む培養液の液表面に固定した中空形状
決定板との組合せで決定される。構造物の形状とは例え
ば、円形、楕円形、三角形、多角形、星型、凹凸のある
形状等であって、透明または不透明であってもよい。例
えば円筒状のチューブと円盤との組合せでは、通常の断
面が円形のチューブが得られ、円筒状のチューブと正方
形の形状板との組合せでは外側が円形で内側が正方形の
断面を有する中空状チューブが、星型のチューブと星型
の形状板との組合せでは外側も内側も星型の断面を有す
る中空状チューブを得る事が出来る。
【0019】中空形状決定板は厚みのない平らな板状で
あっても良いし、先の尖った槍先の様な形状をしていて
もよい。後者の場合液面への進入を調節することで任意
の大きさを決定することができる。中空形状決定板は縫
い針のように細くてもまたはキャピラリーであってもよ
い。
【0020】このようにして生産されたセルロースは、
菌体あるいは培地成分を含むので、用途に応じて洗浄を
する。洗浄は、希アルカリ、希酸、有機溶剤、熱水等を
単独あるいは組み合わせて行えばよい。
【0021】このようにして得られた微生物セルロース
チューブは生産された微生物セルロース繊維が網目状に
三次元的に密に絡み合っており、ポーラスの状態を呈し
ている。その孔径はおよそ0.1−5μmである。
【0022】使用する管や中空形状決定板の材質は滅菌
の可能な材質であれば何でもよい。また加工のし易い材
質、透明度の高い材質を使用すれば、微生物セルロース
ゲルの生産状態が観察できて都合がよい。第二に、バー
を使わなくても培養液に浸かる部分の形状のみで中空内
の構造が決まることを発明した。
【0023】このようにして得られた中空状微生物セル
ロースはこのままで使用してもよいし用途に応じて部分
乾燥叉は完全乾燥して使用してもよい。中空状微生物セ
ルロースの乾燥工程中または乾燥後圧力をかけた該チュ
ーブとして使用することもできる圧力を加えることによ
り微生物セルロースの繊維密度を上げることができる。
【0024】微生物セルロースはそのものでもチューブ
として使用することもできるが、各種の他の素材と組み
合わせて複合材料として用いることもできる。例えばシ
リコーン、キチン、キトサン、カードラン、カラギーナ
ン、蔗糖または澱粉等の類糖と組み合わせると引き裂き
強度を向上させることができる。これらは予め培地中に
加えておいても良いし、生産された微生物セルロースチ
ューブを乾燥後これらの溶液に浸しことにより得ること
が出来る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。実施例中、%は重量に基づく。また、各々の実
施例について、別紙に図示した。 培地A シュークロース5g/dl、酵母エキス(Difco)0.5g/dl、硫
安0.5g/dl、リン酸カリウム0.3g/dl、硫酸マグネシウム
7水塩0.05g/dl(pH5.0) の組成の培地を120度、20分
間、オートクレーブした。 菌株A アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム
(Acetobacter acetisubspecies xylinum)(ATCC 108
21)
【0026】
【実施例1】培地Aに菌株Aを1X104個/mlの濃
度で接種した。この液17mlをあらかじめオートクレー
ブしておいた口径12mm,長さ20cmの容器Aにいれ、
あらかじめオートクレーブしておいた外径1mm、長さ
15cmのバーA2をシリコン栓の中心部に挿入し固定し
たものを容器Aの中心部に差込み、空気中で30度C,2
ケ月間培養した。培養液表面から底面に向かって容器A
とバーA2の空間に深さ8cmの円筒形の中空状ゲルが
生産された。中空状ゲルのバーA2を抜取り、中空状ゲ
ル〓を得た。この中空状ゲルを中空状ゲルの10倍量の2
%水酸化ナトリウム溶液中で煮沸を1時間行った。この
煮沸操作を3回繰り返した。この操作により菌体と培地
成分が除去された。煮沸後の中空状ゲルに外径1mm、
長さ15cmの前述と同一のバーA2を差込み105度Cで4
時間中空状ゲルを乾燥した。内径2.5mm、長さ20cm
の容器Aの中に乾燥した円筒管をバーA2を付けたまま
入れ、蒸留した75mlを入れ、120度Cで5分間オート
クレーブした。容器Aから円筒形を取り出し、バーA2
を引き抜き、内径1mm、長さ8cmの中空状微生物セ
ルロースチューブA3が得られた。
【0027】
【実施例2】培地Aに菌株Aを1×104 個/mlの濃度で接
種した。この液60mlをあらかじめオートクレーブしてお
いた内寸法 2cm角、長さ20cmの容器Bに入れ、あらかじ
めオートクレーブしておいた長さ 5cmの四角錐状のバー
B2をシリコン栓の中心部に挿入し固定したものを、容
器B2の中心部に差し込み、空気中で30度Cで 2ヶ月間
培養した。培養液表面から底面に向かって容器Bとバー
B2の空間に 3mm角、深さ9cm の角形の中空状ゲルが生
産された。中空状ゲルのバーB2を抜き取り、中空状微
生物セルロースチューブB3を得た。以下実施例1と同
様の操作で洗浄し、乾燥した。
【0028】
【実施例3】培地Aに菌株Aを1×104 個/mlの濃度で接
種した。この液をあらかじめオートクレーブしておいた
口径 2mm、底面の内径50mm、長さ20cmの容器Cの高さ15
cmのところまで満たし、あらかじめオートクレーブして
おいた長さ2cmの 花弁状のバーC2をシリコン栓の中心
部に挿入し固定したものを、容器Cの中心部に差し込
み、空気中で30度Cで 1ヶ月間培養した。培養液表面か
ら底面に向かって容器CとバーC2の空間に深さ11cmの
中空状ゲルが生産された。中空状ゲルのバーC2を抜き
取り、花弁形の中空状微生物セルロースチューブC3を
得た。以下、実施例1同様に洗浄し、乾燥した。
【0029】
【実施例4】培地Aに菌株Aを1×104 個/mlの濃度で接
種した。この液をあらかじめオートクレーブしておいた
口径 2mm、底面の内径50mm、長さ20cmの容器Cの高さ15
cmのところまで満たし、あらかじめオートクレーブして
おいた長さ5mmの 花弁状の構造物を、容器Cの中心部に
浮かせ、空気中で30度で 2ヶ月間培養した。培養液表面
から底面に向かって容器CとバーC2の空間に深さ14cm
の中空状微生物セルロースチューブC3を生産した。
【0030】
【実施例5】培地Aに菌株Aを1×104 個/mlの濃度で接
種した。この液をあらかじめオートクレーブしておいた
口径12mm、長さ20cmの容器Aに入れ、あらかじめオート
クレーブしておいた外径6mm 長さ 5mmの円錐状の構造物
を容器Aの中心部に浮かせて、空気中で30度で 2ヶ月間
培養した。培養液表面から底面に向かって深さ16cmの円
筒形の中空状微生物セルロースチューブAを生産した。
【0031】
【実施例6】培地Aに菌株Aを1X102個/mlの濃
度で接種した。この液17μlをあらかじめオートクレー
ブしておいた口径120μm,長さ500mmのキャピラリー
ガラス管にいれ底を閉じ、あらかじめオートクレーブし
ておいた外径50μum、長さ30mmの無垢キャピラリー
ガラスをシリコン栓の中心部に挿入し容器内液面が大気
圧に晒されるように固定したものを容器の中心部に差込
み、空気中で30度C,常に大気圧より0.01乃至0.05%高
くなるようにしつつ2ケ月間培養した。培養液表面から
底面に向かって容器と無垢キャピラリーの空間に深さ15
mmの円筒形の中空状ゲルが生産した。中空状ゲルの無
垢キャピラリーを抜取り、中空状ゲルを得た。この中空
状ゲルを中空状ゲルの10倍量の2%水酸化ナトリウム溶
液中で煮沸を1時間行った。この煮沸操作を3回繰り返
した。この操作により菌体と培地成分が除去された。煮
沸後の中空状ゲルに無垢キャピラリーを差込み105度C
で4時間中空状ゲルを乾燥した。内径150μum、長さ1
5mmの容器の中に乾燥した円筒管を無垢キャピラリー
を付けたまま入れ、蒸留水75μlで満たし、120度Cで5
分間オートクレーブした。容器から円筒形セルロースチ
ューブを取り出し、無垢キャピラリーを引き抜き、内径
150μm、長さ15mmの中空状微生物セルロースチュ
ーブが得られた。
【0032】
【実施例7】培地Aに菌株Aを1X104個/mlの濃
度で接種した。この液20mlをあらかじめオートクレー
ブしておいた口径8mm,長さ10cmの底を閉じたガラ
ス管にいれ、あらかじめオートクレーブしておいた外径
4mm、厚さ1mmのプラスチック板を液面ほぼ中心部
に密着して設置した。空気中で30度C,常に大気圧より
0.01乃至0.05%高くなるようにしつつ2ケ月間培養し
た。培養液表面から底面に向かって容器の内壁に添って
厚さ4mmの円筒形の中空状ゲルが生産した。この中空
状ゲルを中空状ゲルの10倍量の2%水酸化ナトリウム溶
液中で煮沸を1時間行った。この煮沸操作を3回繰り返
した。この操作により菌体と培地成分が除去された。煮
沸後の中空状ゲルに無垢ガラス棒を差込み105度Cで4
時間、中空状ゲルを乾燥した。内径4mm、長さ10cm
の容器の中に乾燥した該中空状ゲルをガラス管を付けた
まま入れ、蒸留水75mlを入れ、120度Cで5分間オート
クレーブした。容器から円筒形セルロースチューブを取
り出し、無垢ガラス管を引き抜き、内径4mm、長さ63
mmの中空状微生物セルロースチューブが得られた。
【0033】
【本発明の効果】本発明の製造法により種々の形態をし
た中空状微生物セルロースの供給が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空状微生物セルロースの製造に用い
る容器例3種をA、B、Cに示し、中空形状決定板の例
として3種のバーをA2、B2、C2に示し及びこれらを
組み合わせて製造された中空状微生物セルロースチュー
ブをA3、B3、C3に示した。
【図2】本発明の中空状微生物セルロースの実施例1に
示した製造により得た該セルロースチューブを1に、実
施例2により得られた該チューブを2に、実施例3によ
り得られた該チューブを3に各々示した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【実施例1】培地Aに菌株Aを1X104個/mlの濃
度で接種した。この液17mlをあらかじめオートクレー
ブしておいた口径12mm,長さ20cmの容器Aにいれ、
あらかじめオートクレーブしておいた外径1mm、長さ
15cmのバーA2をシリコン栓の中心部に挿入し固定し
たものを容器Aの中心部に差込み、空気中で30度C,2
ケ月間培養した。培養液表面から底面に向かって容器A
とバーA2の空間に深さ8cmの円筒形の中空状ゲルが
生産された。中空状ゲルのバーA2を抜取り、中空状ゲ
を得た。この中空状ゲルを中空状ゲルの10倍量の2
%水酸化ナトリウム溶液中で煮沸を1時間行った。この
煮沸操作を3回繰り返した。この操作により菌体と培地
成分が除去された。煮沸後の中空状ゲルに外径1mm、
長さ15cmの前述と同一のバーA2を差込み105度Cで4
時間中空状ゲルを乾燥した。内径2.5mm、長さ20cm
の容器Aの中に乾燥した円筒管をバーA2を付けたまま
入れ、蒸留した75mlを入れ、120度Cで5分間オート
クレーブした。容器Aから円筒形を取り出し、バーA2
を引き抜き、内径1mm、長さ8cmの中空状微生物セ
ルロースチューブA3が得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直に設置した上方が解放された均一な肉
    厚のチューブに微生物セルロース生産菌を含む培養液を
    充填し、該培養液表面に中空形状決定板を密着して固定
    した後、該液面を加圧下で若しくは大気圧下で該生産菌
    を培養することを特徴とする空気接触部分の該液面の形
    状と同一断面を有する中空状微生物セルロースチューブ
    の製造法。
  2. 【請求項2】微生物セルロース生産菌がアセトバクター
    ・パスツリアヌス、アセトバクター・アセチ、アセトバ
    クター・ランセンス、ザルチナ・キシロイデス、シュー
    ドモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌、リゾビウ
    ム属細菌である請求項1記載の中空状微生物セルロース
    チューブの製造法。
  3. 【請求項3】垂直に設置した上方が解放された均一な肉
    厚のチューブに培養液を充填し、該培養液表面に中空形
    状決定板を密着して固定した後、該培養液上部に微生物
    セルロース生産菌を接種し、該生産菌を培養することを
    特徴とする空気接触部分の該液面の形状と同一断面を有
    する中空状微生物セルロースチューブの製造法。
  4. 【請求項4】微生物セルロース生産菌がアセトバクター
    ・パスツリアヌス、アセトバクター・アセチ、アセトバ
    クター・ランセンス、ザルチナ・キシロイデス、シュー
    ドモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌、リゾビウ
    ム属細菌である請求項2記載の中空状微生物セルロース
    チューブの製造法。
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