JP2578221B2 - 回転収納式テーブルを備えた自動車用シート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はシートの下側部に回転収納式テーブルを備え
た自動車用シートに関するものである。

従来の技術 従来から例えば第７図に示したように、自動車用シー
トクッション１の下側部前面に開口部1aを設けて、この
開口部1aの内方に前後方向に挿脱自在なトレイ３を配備
した自動車用シートの構造が知られている。４はトレイ
３の前面に固定された把手である。尚、図中の５は回動
自在なアームレスト、６はセンターコンソールボックス
である。

このようなトレイ３の取付構造によれば、乗員が把手
４を操作して該トレイ３を前後方向（Ａ方向）にスライ
ドさせることにより、該トレイ３内に各種小物を入れて
該シート１の内方に収納することができる。尚、上記ト
レイ３に代えて車室内に装備される各種機能部品の操作
部を設置することも可能である。

発明が解決しようとする課題 しかしながらこのような従来のトレイ３を備えた自動
車用シート１の構成にあっては、該トレイ３が図示した
ように車両の助手席側にある場合には小物等の出し入れ
操作上で特に問題はないが、該トレイ３が運転席側にあ
る場合には、走行中にこのトレイ３内に収納された小物
を運転者が取り出すことは実質上できないため、小物入
れとしての利便性に欠けるとともに、使用態様が限定さ
れてしまうという課題があった。

更に上記した構成の場合には、トレイ３を小物入れ以
外の使用，例えば飲料用コップ等の背の高い物の支持部
として用いることが出来ないので、汎用性に乏しいとい
う難点をも有している。

そこで本発明はこのような従来の自動車用シートに配
備されたトレイ等小物入れ等が有している課題を解消し
て、乗員の使用に便ならしむるとともに小物入れとして
の用途以外にも各種機能部品の設置等にも使用すること
ができる自動車用シートを提供することを目的とするも
のである。

課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、先ず請求項１に
より、乗員が着座する左右のシートクッションの境界部
分に該シートクッションの前端面を部分的にリヤ側にへ
こませた凹部を形成し、この凹部のリヤ側に相当するシ
ートクッションの下側部に左右のシートクッションの両
方に跨がった開口部を設け、上記開口部の内方に、平面
視が円形状を有しているとともに中心位置に軸体が配備
され、且つ周方向の所定部位に各種機能部品設置部及び
前記シートクッションの凹部と対応する切欠部とが形成
されたテーブルを、前記軸体を回動中心として回転可能
に収納した構成にしてあり、請求項２により、上記機能
部品設置部に、車室内に装備された各種機器を作動させ
るスイッチ群を配設した構成にしてある。更に請求項３
により、上記機能部品設置部に、飲料用のコップ支持部
を設けた構成にしてある。

作用 かかる構成によれば、乗員の手操作により、上記テー
ブルを軸体を回動中心として所定の角度だけ回転させる
と、この円形状を有するテーブルの周方向所定部位に形
成された各種機能部品がシートクッションの外方に露出
される。更にテーブルを回転させることによって上記各
種機能部品がシートクッションの内方に隠弊される。

即ち、回転収納式のテーブルの回転角度を適宜変更す
ることにより、該テーブルに設けられた機能部品もしく
は小物入れ等をシートクッションの内外へ自在に出し入
れすることが可能となる。

実施例 以下図面に基づいて本発明にかかる回転収納式テーブ
ルを備えた自動車用シートの一実施例を詳述する。

第１図は本発明をセミセパレートタイプの自動車用シ
ート10に適用した例であって、乗員が着座する左右のシ
ートクッション11a,11bの境界部分，即ち車幅方向の略
中央部には、該シートクッション11a,11bの前端面を部
分的にリヤＲ側にへこませた凹部12が形成されていて、
この凹部12のリヤＲ側に相当するシートクッション11a,
11bの下側部には、該シートクッション11a,11bの両方に
跨がった開口部13が設けられている。

更に上記開口部13の内方で且つ上記シートクッション
11a,11bの境界部分の下側部には、平面視が円形状のテ
ーブル収納部14が形成されている。このテーブル収納部
14内に後述する回転収納式テーブル15が収納される。

第２図は上記の回転収納式テーブル15の具体例を示し
ている。本例ではこのテーブル15の構成例として、平面
視が円形状を有する部材の中心位置で固定された軸体17
と、該円形状部材の周縁部に形成された各種機能部品設
置部16と、この円形状部材の一部を切り欠いた切欠部15
aとから成っている。即ち上記各種機能部品設置部16と
しては、各種スイッチ群20a,20b,20cが配設されたスイ
ッチ操作部15cと、飲料用のコップを支持するためのコ
ップ支持部15bとから成っている。

又、このような機能部品に代えて、円形状部材の周縁
部に各種の小物を収納するための空間部を形成しても良
い。

上記の円形状を有する部材の中心位置に固定された軸
体17が第１図に示した左右のシートクッション11a,11b
の境界部分の下側部に形成されたテーブル収納部14の中
心位置に回転可能に軸支される。

又、切欠部15aの左右両端部には、把手22,22が取り付
けられており、且つ該切欠部15aの延長ライン23,23は、
前記シートクッション11a,11bの前端面に形成された凹
部12（第１図）の平面形状と一致している。

かかる構成によれば、先ず第２図に示した状態から乗
員の手操作により把手22,22の何れか一方を操作して、
矢印Ａに示したようにテーブル15を軸体17を回動中心と
して反時計方向に略120°回動すると、第３図に示した
ように機能部品としてのコップ支持部15bがテーブル収
納部14の外方に露出される。

この時の動作概要を第５図，第６図に示す。即ち第５
図はコップ支持部15bがシートクッション11a,11bの下側
に隠弊されている状態を示し、第６図はテーブル15の回
転操作によって該コップ支持部15bが前方に露出されて
コップ24が支持された状態を示している。

従ってテーブル15の不使用時にシートクッション11a,
11bの境界部分の下側部に隠弊されていたコップ支持部1
5bが、テーブル15の回転操作によって車室内に突出する
ので、このコップ支持部15bに設けられた嵌入部21a,21b
を用いて飲料用のコップ24を揺動を防止した状態として
置くことができる。

更に第３図に示した状態から矢印Ｂに示したようにテ
ーブル15を反時計方向に略120°回動すると、第４図に
示したように機能部品としてのスイッチ操作部15cがテ
ーブル収納部14の外方に露出される。

このスイッチ操作部15cに配設されたスイッチ群20a,2
0b,20cとは、例えばエアコン用の操作スイッチもしくは
車室内に装備されたオーディオ機器を作動させるための
スイッチであり、これらのスイッチ群20a,20b,20cがテ
ーブル15の回転操作によって車室内に露出される。

一方、テーブル15の不使用時には第４図に示した状態
から矢印Ｃに示したようにテーブル15を反時計方向に略
120°回動すると、第２図に示した状態に戻り、機能部
品としてのスイッチ操作部15cとコップ支持部15bとがシ
ートクッション11a,11bの下側に隠弊される。

上記の説明で明らかなように、回転収納式のテーブル
15の回転角度を適宜変更することにより、該テーブル15
に設けられた機能部品もしくは小物入れをシートクッシ
ョン11a,11bの内外へ自在に出し入れすることが可能と
なる。

発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明にかかる回転収納式
テーブルを備えた自動車用シートによれば、乗員の手操
作により上記テーブルを軸体を回動中心として所定の角
度だけ回転させることによって、該テーブルの周方向所
定部位に形成された各種機能部品をシートクッションの
外方に露出することができる。上記の操作は極めて簡単
であるため、走行中に運転者が操作することも可能であ
り、使用時における利便性が向上するとともに種々の使
用態様を採ることができる。

更に機能部品の不使用時には、テーブル自体がシート
クッションの下側部に隠弊されるので、外観上の見映え
が良いという利点を有している。

又、回転収納式テーブルに従来の小物入れとしての機
能以外の各種機能を持たせることができるため、汎用性
が高められるという効果が発揮される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる回転収納式テーブルを備えた自
動車用シートの一実施例を示す概要図、第２図は本発明
で用いたテーブルの形状例を示す平面図、第３図及び第
４図は本発明の使用時の態様を示すテーブルの平面図、
第５図は本発明の不使用時の状態を示す要部断面図、第
６図は本発明の使用時の状態を示す要部断面図、第７図
は従来のトレイの取付構造を示す外観図である。 10……自動車用シート、11a,11b……シートクッショ
ン、12……凹部、13……開口部、14……テーブル収納
部、15……回転収納式テーブル、15a……切欠部、15b…
…コップ支持部、15c……スイッチ操作部、17……軸
体、20a,20b,20c……スイッチ群、21a,21b……嵌入部、
24……コップ、

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乗員が着座する左右のシートクッションの
   境界部分に該シートクッションの前端面を部分的にリヤ
   側にへこませた凹部を形成し、この凹部のリヤ側に相当
   するシートクッションの下側部に左右のシートクッショ
   ンの両方に跨がった開口部を設け、上記開口部の内方
   に、平面視が円形状を有しているとともに中心位置に軸
   体が配備され、且つ周方向の所定部位に各種機能部品設
   置部及び前記シートクッションの凹部と対応する切欠部
   とが形成されたテーブルを、前記軸体を回動中心として
   回転可能に収納したことを特徴とする回転収納式テーブ
   ルを備えた自動車用シート。
2. 【請求項２】上記機能部品設置部に、車室内に装備され
   た各種機器を作動させるスイッチ群を配設したことを特
   徴とする請求項１記載の回転収納式テーブルを備えた自
   動車用シート。
3. 【請求項３】上記機能部品設置部に、飲料用のコップ支
   持部を設けたことを特徴とする請求項１記載の回転収納
   式テーブルを備えた自動車用シート。