JP2578098B2 - 変性骨疾患の予防治療剤 - Google Patents

変性骨疾患の予防治療剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、変性骨疾患の治療および予防に有用な新規
化合物およびその製法並びに該新規化合物を含有してな
る変性骨疾患の予防治療剤に関する。とりわけ、本発明
は、2つの活性部分によって特徴づけられる新規化合物
に関する。第1の分子領域は、「向骨(bone−seekin
g)」親和性を有し、第2の部分は炭酸脱水酵素の特異
的阻害剤および/または骨吸収の阻害剤である。本発明
の化合物は、変性骨疾患の治療および予防方法におい
て、単独で、または薬学的に許容し得る組成物として、
好都合な単位投与量形で投与し得る。
[従来技術] 骨は、タンパク質マトリックス内の細胞から成る動的
な組織であり、種々のカルシウム塩の結晶構造がその上
に付加している。骨格が、身体の堅い支持体として働く
ことは明らかである。更に、骨は、ホルモンに応答する
器官である。上皮小体ホルモン(PTH)に対する応答に
おいて、骨細胞は、骨内のカルシウム塩を溶解し、体内
のあらゆる部分で使用する。これは、骨の通常の調整機
能である。
骨変性過剰疾患、例えば骨のパジェット病およびオス
テオポローシス(骨粗しょう症)が存在する。その機構
はよくわかっていない。更に、有効な処置は、通例、内
分泌および無機質処置の特別な組み合わせであるが、こ
の処置はしばしば不成功である。臨床的なオステオポロ
ーシスは、閉経後の女子の約25%に見られ、準臨床的な
オステオポローシス(高齢の女子において、無数の骨折
の原因である。)は、より多く見られる。
骨細胞が骨を損なう機構は、広範に研究されている
が、明確にはわかっていない。考えられる一つの機構
は、吸収は、骨細胞による、酸およびタンパク質分解酵
素の分泌によって起こるということである。これらの酵
素が作用するためには、組織が最初に脱灰する必要があ
ると考えられる。すなわち、この機構の開始段階は、脱
灰による骨の内部環境の酸性化であるとか考えられる。
このような機構に長年関連してきた酸の一つに、炭酸が
ある。
炭酸(炭酸脱水酵素によって生成した)が骨吸収に関
与しているならば、炭酸脱水酵素を阻害する薬物の投与
によって、PTHに対する応答によりカルシウムが骨から
放出されるのを阻害できる。
このことは、ウエイト(Waite)ら、「インヒビショ
ン・オブ・ボーン・レソープション・バイ・アセタゾラ
ミド・イン・ザ・ラット(Inhibition of Bone Resorpt
ion by Acetazoramide in the Rat)」、エンドクリノ
ロジー(Endocrinology)、87:1129(1970年)におい
て、ホ乳類について最初に示された。使用したモデルの
一つは、インデュースド・セカンダリー・ハイパーパラ
タイロイド・ラット(誘導続発性上皮小体亢進症ラット
Induced Secondary Hyperparathyroid Rat、ISHR)であ
る。ISHRの腎動脈を外科的に結さつした。ラットにおい
ては、腎臓は、クエン酸塩の代謝器官である。腎動脈を
結さつすると、クエン酸塩血中濃度が上昇する。クエン
酸塩は、カルシウムをキレート化し、全カルシウム濃度
はこの結合に影響されないが、イオン化カルシウム量は
減少する。血漿イオン化カルシウム量の低下は、PTHの
遊離を起こす。PTHは、一旦遊離されると、骨の吸収を
開始させる。
予想されるように、ISHRにおいて、PTHの遊離が高ま
ると、総血漿カルシウム濃度が上昇する。炭酸脱水酵素
阻害であるアセタゾラミドをISHRに投与すると、この応
答は完全に阻害される。
古典的な内分泌腺剥離/置換研究によって、この作用
が、まさしくPTHに対する応答によることが見出され
た。ISHRラットの上皮小体を除去すると、予想された血
漿カルシウム濃度の上昇は見られない。しかし、同じ動
物(上皮小体の無いISHR)にPTHを投与すると、この応
答が起こるが、アセダゾラミドおよび他の複素環式スル
ホンアミド(炭酸脱水酵素阻害剤)は、応答を断つ。
組織培養による後の研究によって、アセタゾラミドに
よるPTH誘発吸収の阻害は、骨レベルでの直接の相互作
用によることが見出された(「カルボニック・アンハイ
ドラーゼ・アンド・ボーン・リモデリング:スルホンア
ミド・インヒビション・オブ・ボーン・リソープション
・イン・オーガン・カルチャー(Carbonic Anhydrase a
nd Bone Remodeling:Sulfonamide Inhibition of Bone
Resorption in Organ Culture)」、ミンキン(Minki
n)およびジェニングス(Jennings)、サイエンス(Sci
ence)、(1970年6月))。
これらの研究により、アセタゾラミドが骨吸収阻害剤
として有用であると考えられる。しかし、アセタゾラミ
ドまたは他の複素環式スルホンアミド(正常動物に対す
る炭酸脱水酵素阻害剤)を投与しても、血漿カルシウム
濃度の変化は見られない。これは、アセタゾラミドが、
PTH応答によるカルシウムの骨からの溶解を阻害する一
方、全身のアシドーシス(無機質の骨から血中への移行
が増す)をも起こすためであることが示されている。こ
れらの2つの競合作用は、互いに打ち消し合う(「アシ
ドーシス・インヒビッツ・ザ・ヒポカルセミック・イフ
ェクト・オブ・アセタゾラミド(Acidosis Inhibits th
e Hypocalcemic Effect of Acetazolamide)」、ライン
ベリー(Lineberry)およびウエイト(Waite)、ジャー
ナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメ
ンタル・セラピューディクス(Phamacol.Ezp.Ther.)21
1:452(1979年)参照)。
これらの最初の研究以来、骨吸収に関する幾つかの他
の因子が確定された。例えば、以下の事柄が続いて見出
された:炭酸脱水酵素を阻害する複素環式スルホンアミ
ド(例えばアセタゾラミド)は、骨吸収をも阻害する;
これらのスルホンアミドは、両方の作用(炭酸脱水酵素
阻害および骨吸収阻害)を同程度に有する;炭酸脱水酵
素を阻害しない複素環式スルホンアミドは、骨吸収を阻
害しない;スルホンアミドは、大量のビタミンDの骨吸
収作用をも阻害する;および、骨代謝の他のパラメータ
はスルホンアミドに影響されないので、これは、骨細胞
に対して全く毒性が無い。これらの研究は、約15年間の
期間に為されたものであり、インビボおよびインビトロ
のいずれについても研究された。
これらの過去の研究および最近得られた他の追加の情
報を考慮して、本発明の化合物および方法は、新規阻害
剤に特異性を与えようと意図して完成された。すなわ
ち、阻害剤が、骨に特異的に局在して、軟組織の炭酸脱
水酵素にほとんど、または全く影響せず、変性骨疾患の
既知の処置方法では現在不十分である部位において有効
であるように意図された。
[発明の記載] 本発明は、変性骨疾患の治療および予防に有用な化合
物であって、向骨剤および炭酸脱水酵素阻害剤の反応生
成物を含んで成る化合物に関する。
更に、本発明は、変性骨疾患の治療および予防に有用
な化合物の合成方法であって、向骨剤と炭酸脱水酵素阻
害剤を、前記反応物質の反応生成物を生成する条件下に
所定の時間反応させることを含んで成る方法に関する。
本発明は、特に2つの活性部分によって特徴付けられ
る新規化合物を提供する。第1の部分「分子領域」は、
「向骨」親和性を有し、第2の部分は、炭酸脱水酵素の
特異的阻害剤および/または骨吸収阻害剤である。要す
れば、「架橋(bridging)剤」を本発明の化合物に組み
合わせることによって、2つの「活性」部分を分離し、
それぞれの効力を改良する(すなわち、これらの活性成
分の環化を防ぎ、立体障害による有害な作用を妨げる)
ことができる。本発明の化合物は、これらの新規化合物
(便宜的に「オステオスタト(骨停留物osteostats)」
と称する)の合成に必要な条件下、向骨部分成分を阻害
剤成分に所定の時間接触させることによって合成するこ
とができる。
更に、本発明の化合物を、単独で、または薬学的に許
容し得る組成物として、変性骨疾患(例えば、パジェッ
ト病およびオステオポローシス)の治療および予防に十
分な有効量で投与することができる。
[図面の説明] 第1a、1b、1cおよび1d図は、それぞれ、アセトアゾラ
ミド、テトラサイクリン、「オステオスタト」中間体お
よび「オステオスタト」(I)について、360nmにおけ
るUVスペクトル法でモニターして得たヒドロキシアパタ
イト(HA)結合(吸着)パーセントを示す図である。図
中、AはHA非結合フラクション、BはHA結合フラクショ
ン、CはHAからの0.1M燐酸緩衝液溶離フラクション、D
はHAからの0.2M燐酸緩衝液溶離フラクションを示す。
第2a、2b、2cおよび2d図は、それぞれ、アセトアゾラ
ミド、テトラサイクリン、「オステオスタト」中間体お
よび「オステオスタト」TIA(WP−120384)の存在下に
おける、炭酸脱水酵素活性アッセイによる非触媒反応時
間(E)、酵素触媒反応時間(F)、並びに酸加水分解
前(G)および後(H)の活性を示す図である。
炭酸脱水酵素の阻害は次のように測定する。炭酸脱水
粗酵素活性のアッセイ[マレン、ジャーナル・オブ・フ
ァーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピ
ュティクス(J.Pharmaol.Exp.Ther.)130巻26頁、1960
年]は、既知溶液の酸性化速度の測定を含んでいる。反
応条件は、酵素不存在下の反応時間(非触媒反応時間と
して示す)が50−60秒のオーダーになるように選択す
る。適当量の炭酸脱水酵素を加えると、反応時間は約20
秒に短縮される。次に試験液を加え、反応時間の延長に
よって阻害剤の存在を示す。各化合物に対して、非触媒
反応時間、酵素触媒反応時間および試験化合物存在下の
酵素触媒反応時間のデータを棒グラフで示す。化合物
は、緩和な加水分解条件での処理の前後に測定した。試
験化合物は等モル使用した。示した値は、5回の平均値
プラス/マイナス標準偏差である。各試験液について、
反応時間に対する溶媒の効果がないことを確かめるた
め、溶媒も試験した。何れの場合も溶媒は効果を示さな
かった。
第3図は、媒質対照、テトラサイクリン、「オステオ
スタト」中間体および「オステオスタト」TIAのインビ
トロにおける相対的骨結合度を示す図である。
インビボにおける骨への薬剤送達は次のように測定す
る。予備処理したにわとりの骨を前記のようにとり、骨
を0.1N−HCl中に48時間置いた。この加水分解物を、つ
ぎに、波長360nmで紫外線吸収スペクトル測定に付し
た。この波長は、テトラサイクリンおよびオステオスタ
トの特性波長である。結果は平均値プラス/マイナス標
準偏差を示す。
第4図は、DMSO(対照)、テトラサイクリンおよび
「オステオスタト」TIAで処理した雌ラットにおける血
漿カルシウム濃度を示す図である。
第5図は、実施例3の目的物質TAAを含む反応生成物
の逆相高速液体クロマトグラムを示す。
第6図は、「オクテオスタト」TAA(KK−02087)のUV
−可視吸収スペクトルを示す。
第7図は、実施例4の目的物質、TAE−1を含む反応
生成物の逆相分取用クロマトグラムを示す。
第8図は、実施例6の目的物質、PAAを含む反応生成
物の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
第9図は、「オクテオスタト」PAA(WP−050188)のU
V−可視吸収スペクトルを示す。
骨への吸収の阻害は次のように測定する。実験には、
スプラーク・ダウリー系由来雌ラットを用いた。処理前
の血漿カルシウム濃度は11.1±0.3mg/dlであった。血液
試料は、腎動脈の結さつ2時間後に採取した。普通通
り、対照群(薬剤媒質ジメチルスルホキシドを投与)は
顕著な血漿カルシウム濃度増加を示した。テトラサイク
リン処理動物でも同様な増加が見られた。オステオスタ
ト50mg/kgを手術24時間前に投与した動物は、血漿カル
シウムの上昇を示さなかった。テトラサイクリンの用量
はオステオスタトの用量と等モルである。
本発明によると、「オステオスタト」と総称する新規
化合物が提供されており、その化合物は、変性骨疾患の
治療および予防に有用である。これらの化合物は、特に
2つの活性部分によって特徴付けられている。第1は、
「向骨」親和性を示す化合物である。ここで、「向骨」
親和性とは、骨に凝集する傾向を有するカルシウムに結
合し、その結晶格子に入る能力を有することを意味す
る。本発明の化合物の第2の必要な成分は、炭酸脱水酵
素(二酸化炭素から炭酸への可逆的水化を触媒する)の
阻害剤(および/または骨吸収の阻害剤)である。この
反応は、前記のように、骨吸収プロセス(骨からのカル
シウムのネット・フラックス(正味の流れnet flux)と
定義されている)に明らかに関係している。
すなわち、本発明の化合物は、向骨化合物、炭酸脱水
酵素阻害剤(および/または骨吸収阻害剤)および要す
れば架橋剤の反応生成物である。
向骨親和性を示し、本発明化合物のこの部分の例とな
る化合物は、テトラサイクリン化合物、例えば塩酸クロ
ルテトラサイクリン、塩酸デメクロサイクリン、ドキシ
サイクリン、テトラサイクリン、メタサイクリン、オキ
シテトラサイクリンなどである。本発明化合物の範囲に
含まれる他の向骨部分は、ジホスホネート、例えばエタ
ン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(EHDP)、ジ
クロロメタンジホスホン酸(Cls2MDP)、3−アミノ−
1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸(AHPDP)
などである。テトラサイクリンが好ましい。
本発明化合物類の炭酸脱水酵素阻害剤の例には、複素
環式スルホンアミド、とくにアセタゾラミド、メタゾラ
ミド、エトキシゾラミド、ベンゾラミドなどがあり、ア
セタゾラミドが好ましい。
要すれば(好ましくは)、本発明化合物の2つの「活
性」部分の間に第3の成分を組み入れてよい。このよう
な架橋剤は、インビボで化合物が加水分解される前に化
合物が環化せず、さらに立体障害の有害な作用を避ける
ことを保証することによって、活性部分の効果を保証す
るに過ぎない。
本発明において架橋剤として有用な化合物は、特殊な
群に限定されず、例えば芳香族炭素の求電子置換を行い
得る官能端1個を有する種々のC4−C20アルキレン鎖
(二官能性)であってもよい。そのような群の例には、
ハロゲン化アルキル、アルコール、オレフィン、エステ
ル(すなわち、ルイス酸存在下のアルキル化を促進す
る)、ハロゲン化アシル、カルボン酸、無水物(すなわ
ち、アルキル化を促進する)などがある。また、アミド
生成反応を行い得る他の官能端がある。そのような群の
例には、酸または酸誘導体、例えばカルボン酸、無水
物、ハロゲン化アシルなどがある。
活性部分(すなわち、「オステオスタト」の分子領
域)を、以下のように図示し得る: このような「オステオスタト」の効力は、骨部位で直
ぐに実現され得る(すなわち、両部分の活性部位は、有
効な状態にある。プロドラッグではない。)。しかし、
好ましくは、このような「オステオスタト」の効力は、
まず向骨部分の親和性によって化合物が骨部位に局在す
ることによって段階的に実現される。内部で化合されて
いるので、オステオスタトは、プロドラッグであり得
る。すなわち、阻害剤の活性部位は化合物の内部にあ
り、直ぐには有効ではなく、当初活性を示さない。しか
し、骨部位で起こる酵素的加水分解条件(すなわち、炭
酸の生成による)に付すと、炭酸脱水酵素阻害剤は、阻
害しようとしているプロセス自体に応じて第2段階にお
いて遊離される。この作用は、理想的なフィードバック
機構を反映し、特定の必要に応じてのみもたらされる。
以下の式は、本発明化合物の合成に使用し得る方法の
例である: 本発明の化合物は、不斉炭素原子1個またはそれ以上
を有し、ラセミおよび光学活性体であり得る。置換基に
応じて、本発明化合物は、付加塩をも形成し得る。この
ような形態は全て、本発明の範囲内であることが意図さ
れている。
本発明化合物は、明らかに立体異性体であり、それ故
得られた化合物は、異性体の混合物(分離可能)であ
る。また、出発化合物として特定の異性体を選択すれ
ば、好ましい立体異性体を合成することができる。
本発明の処置用組成物の活性成分および化合物を、約
0.1〜約10mg/kg体重/日の用量で投与すると、変性骨疾
患の治療および予防に優れた効果が現れる。最適の結果
をもたらすための好ましい用量は、約1〜約10mg/kg体
重/日であり、そのような投与量単位を用いて、体重約
70kgの被投与体には、24時間当たり、活性化合物投与全
量が約7〜約700mgになるようにする。この投与量を、
最適の治療効果が得られるように調節し得る。この場
合、1回約50mgの用量で、1日に2回投与することが好
ましい。例えば、1日に何度かに分割して投与するか、
または用量を、治療状況(急を要するか否か)に比例し
て変化させることができる。明確な実際の利点は、活性
成分を好都合な投与方法(例えば経口、静脈内、筋肉内
または皮下投与)で投与し得ることである。
活性化合物を、例えば不活性希釈剤または消化可能な
担体と共に経口投与してよく、または硬もしくは軟カプ
セルに充填してよく、または打錠して錠剤としてよく、
または患者の食物に直接混ぜてよい。経口投与には、活
性化合物を賦形剤と組み合わせ、摂取し得る錠剤、舌下
錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、
シロップ剤、ウェファー剤などの形で使用することがで
きる。そのような組成物および製剤は、活性化合物を少
なくとも約5%含有しなければならない。組成物および
製剤の割合は、もちろん種々であってよく、通例、単位
の約1〜約10重量%である。そのような処置に有用な化
合物の活性化合物の量は、適当な用量が得られるような
量である。本発明の好ましい組成物または製剤は、経口
投与量単位が活性化合物約5〜約500mgを含有するよう
に調製される。
錠剤、トローチ剤、丸薬、カプセル剤なども、以下の
成分を含有し得る:結合剤(例えばトラガカントガム、
アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチ
ン);賦形剤;崩壊剤(例えばトウモロコシデンプン、
ジャガイモデンプン、アルギン酸など);滑沢剤;およ
び甘味料(例えば白糖、乳糖またはカッカリン)または
香料(例えばペパーミント、冬緑油またはチェリーフレ
ーバー)。投与量単位がカプセル剤である場合には、前
記のような物質に加えて、液体担体を加えることができ
る。被覆剤として、または投与量単位の物理的形態を別
に変化させるために、種々の他の物質が存在し得る。例
えば、錠剤、丸薬またはカプセル剤を、シェラック、糖
またはその両方で被覆し得る。シロップ剤またはエリキ
シル剤は、活性化合物、甘味料(白糖)、保存剤(メチ
ルおよびプロピルパラベン)、色素並びに香料(例えば
チェリーまたはオレンジフレーバー)を含有し得る。当
然、投与量単位の調製に使用される物質は、いずれも薬
学的に純粋、かつ使用量では実質的に無毒性であるべき
である。加えて、活性化合物を、徐放性製剤に組み込む
ことができる。
活性化合物を、非経口的または腹腔内に投与すること
もできる。グリセロール、液体ポリエチレングリコール
およびその混合物並びに油中の分散剤を調製することも
できる。通常の貯蔵および使用条件下では、これらの製
剤は、微生物の生長を防ぐ保存剤を含有する。
注射に適当な剤形には、滅菌水溶液または分散液、お
よび滅菌注射溶液もしくは分散液を用時調製するための
滅菌粉末がある。いずれも場合も、製剤は、滅菌されて
おり、かつ容易に注射できる程度に流動性でなければな
らない。これは、製造および貯蔵条件下に安定でなけれ
ばならず、微生物(例えばバクテリアおよび菌類)の感
染作用から保護されなければならない。担体は、溶媒ま
たは分散媒質、例えば水、エタノール、ポリオール(例
えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポ
リエチレングリコールなど)、その適当な混合物および
植物性油であってよい。例えば、レシチンのような被覆
の使用、分散剤の場合は、所定の粒子径の保持、および
界面活性剤の使用によって、適当な流動性を保持するこ
とができる。種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラ
ベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チ
メロサルなどによって、微生物の作用を妨害することが
できる。多くの場合、等張化剤(例えば、糖、または塩
化ナトリウム)を含有することが好ましい。組成物中
に、吸収を遅らせる物質(例えばアルミニウムモノステ
アレートおよびゼラチン)を使用することによって、注
射用組成物の吸収を延長することができる。
滅菌注射溶液は、適当な溶媒中の所定量の活性化合物
を、前記の種々の他の成分と組み合わせ、要すれば次い
で滅菌濾過することによって調製される。通例、分散剤
は、種々の滅菌活性成分を、基本的な分散媒質を含有す
る滅菌担体および前記のような所定の他の成分と組み合
わせることによって調製される。滅菌注射溶液調製用の
滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、減圧乾燥および
凍結乾燥法であり、これによって、活性成分と追加の所
望の成分との粉末(その溶液は、前以て滅菌濾過されて
いる)が得られる。
本明細書中、「薬学的に許容し得る担体」には、溶
媒、分散媒質、被覆剤、抗菌および抗真菌剤、等張およ
び吸収遅延剤などが含まれる。そのような媒質および補
助剤を薬学的に活性な物質に使用することは、当業者に
よく知られている。活性成分に適合しない従来の媒質ま
たは補助剤を除いては、治療用組成物におけるその使用
が意図されている。追加の活性成分を組成物に組み入れ
ることもできる。
投与の簡便および用量の均一化のために、非経口投与
用組成物を投与量単位に調製することが特に有利であ
る。ここで使用する投与量単位とは、処置するホ乳動物
に対して単位投与量として適当な物理的に個々の単位を
意味し、各単位は、所望の治療効果が得られるように計
算された所定量の活性成分と必要な薬剤担体とを組み合
わせたものを含有する。本発明の新規投与量単位の規格
は、(a)活性物質固有の性質および達成する特定の治
療効果、並びに(b)生物の前記のような疾病を処置す
るための活性物質を合成する分野における本質的な制限
に直接基づいている。
主な活性成分は、有効量を好都合かつ効果的に投与で
きるように、適当な薬学的に許容し得る担体と共に、前
記のような投与量単位として合成される。単位投与量
は、例えば、主な活性成分を約0.1〜約1000mg、好まし
くは約5〜約500mg含有する。割合で示すと、活性成分
は、通例、担体1ml当たり約1〜約100mg存在する。追加
の活性成分を含有する組成物の場合には、その投与量
は、前記成分の通常の投与量および投与方法に照らして
決定される。
本発明のさらに詳しい理解、およびその他の目的のた
めに、以下の記述および実施例を挙げる。
[実施例] 実施例1 I(アスタゾラミド、アジポイルジクロリドおよびテト
ラサイクリンの反応生成物)の合成 アセタゾラミド1モルを、DMSO10%(wt/v)溶液に溶
解し、窒素雰囲気中、室温で撹拌しながらピリジン2.2
モルに加えた。アジポイルジクロリド1モルを、室温で
1日間にわたって滴加した。次いで、テトラサイクリン
(塩基)1モルを加え、加熱して50℃に2日間保った。
精製 水中の水酸燐灰石の10%スラリー500mlを前記生成物
に加え、3時間撹拌した。上澄をデカントし、水で1回
洗った。EDTA1モル(aq)を、水酸燐灰石中に存在する
カルシウムと当量となるように加えた。HClでpHを3に
調節し、n−ブチルアルコール500mlを積層して6時間
放置した。2相を分離し、次いでブチルアルコールを回
収し、回転蒸発器に入れた(3回)。溶媒を除去し、薬
物残渣が得られた:収率(理論値)15.4%。
アセタゾラミド及びTIAの化学構造を以下に示す。
TIAの物理化学的性質を以下の表1に示す。
この実験の目的のために、アセタゾラミドおよびアジ
ポイルジクロリドの反応生成物(エステル)であるオス
テオスタト中間体を合成した。
水酸燐灰石への吸収 骨に対するオステオスタトTIAの親和性を試験するた
めに、試験化合物を、骨の無機成分である水酸燐灰石
[Ca10(PO46OH2]のスラリーと共にインキュベート
した。アセタゾラミド、テトラサイクリン、オステオス
タト中間体および前記のように合成したオステオスタト
の、水酸燐灰石結晶への結合力、並びにこの結合を解離
するために必要な条件を評価した。
アセタゾラミドもオステオスタト中間体も、骨に対し
て特に親和性は無かった。テトラサイクリンおよびオス
テオスタトは、いずれも骨に強く結合し、オステオスタ
トの骨親和性は、テトラサイクリンのそれよりもわずか
に高いことがまず分かった。この望ましい性質のため
に、低用量で使用する(副作用を最少にする)ことがで
き、これらの薬剤の骨に対する特異性が高まる。これら
の化合物の結合度を、360nmにおけるUV分光検査法によ
って監視した。データを第1a−1d図に示す。
炭酸脱水酵素阻害 炭酸脱水酵素活性のアッセイ(マレン(Maren)、ジ
ャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペ
リメンタル・セラピューティクス(J.Pharmacol.Exp.Th
er.)、130:26、1960年参照)には、既知の溶液の酸性
化速度の測定が伴う。酵素非存在下の反応時間(第2a−
2d図中に、非触媒時間として示す。)が50〜60秒間とな
るように条件を選択する。炭酸脱水酵素適当量添加後の
反応時間は、約20秒間に短縮する。次いで、試験溶液を
加え、反応時間が延長すれば、阻害剤が存在することが
わかる。
各化合物について、非触媒反応、酵素触媒反応時間お
よび試験化合物存在下の酵素触媒反応時間の棒グラフ
を、第2a−2d図に示す。穏やかな加水分解条件に付す前
後に化合物を試験した。試験化合物を当量加えた。示さ
れた値は、5測定値の平均に、平均値の標準誤差を加え
た値または引いた値である。各試験溶液について、使用
した溶媒をも試験して、溶媒が反応時間に影響しないこ
とを確認した。いずれの場合も、加えた溶媒はいかなる
作用をも有していなかった。
骨停留物の、骨への輸送 アセタゾラミド、オステオスタト中間体、テトラサイ
クリンおよび前記のように合成したオステオスタトTIA
を、鶏の受精卵に、増殖の盛んな期間に投与した。卵が
ふ化する前日に、これらのヒナから長骨を採り、骨を酸
の希水溶液(0.1N HCl、48時間)に溶解し、この加水分
解物を、360nmにおけるUV分光検査法に付し、薬物沈着
を評価した。テトラサイクリンもオステオスタトも、骨
にほとんど等モルで沈着していた。データを第3図に示
す。
骨吸収のインビボ阻害 用いたモデルは、インデュースド・セカンダリー・ハ
イパーパラチロイド・ラット(誘導続発性上皮小体亢進
症ラットInduced Secondary Hyperparathyroid Rat、IS
HR)であった。このモデルは長年使用し、炭酸脱水酵素
阻害剤の効果を実証したものである。
ISHRにおいて、上皮小体ホルモンが骨に及ぼす作用に
よって、時間の経過に伴って血漿カルシウム濃度が上昇
する。この研究において、対照動物およびテトラサイク
リン投与動物は、予想通りの血漿カルシウム濃度上昇を
示した。しかし、合成したオステオスタト等モル用量で
前処理された動物は、血漿カルシウムの上昇を示さなか
った。このことは、この薬物がインビボ阻害剤であるこ
とを示している。第4図参照。
これらの実験を、スプラーグーダウレイ(Sprague−D
awley)派生雌ラットを用いて行った。処理の前には、
血漿カルシウム濃度は、11.1±0.3mg/dlであった。
腎動脈結さつの2時間後に血漿試料を採った。常に、
対照群(薬物賦形剤ジメチルスルホキシドを注射したも
の)は、血漿カルシウム濃度の著しい上昇を示した。テ
トラサイクリン処理動物にも、同様の上昇が見られた。
オステオスタトTIA50mg/kgを採血の24時間前に投与され
た動物は、血漿カルシウムの上昇を示さなかった。テト
ラサイクリンの投与量は、オステオスタトTIAの投与量
と等モルであった。
実施例2 TIA(WP−021786) a)合成 TEAは、テトラサイクリンとエトキシゾラミドのアジ
ポイルジクロリドによる縮合生成物であり、以下のよう
に合成した。
500ml丸底フラスコに3.87mモルのエトキシゾラミド
(6−エトキシベンゾチアジアゾールスルホンアミド)
と50mlの新たに乾燥した(Na2SO4で)ピリジンを加え
た。この混合物を激しく撹拌したスラリーとし、3.87m
モルのアジポイルジクロリドをスラリーに滴加した。次
いで得られる混合物を50℃に加温し、次いで外熱を除い
た。発熱反応により最高温度が約30分にわたり91℃とな
り、それから温度は低下した。クロマトグラフィ分析
は、エトキシゾラミドが残留しないことを示した。この
時点で3.87mモルのテトラサイクリンを加え、温度を60
℃に4時間維持した。2mlのメタノールを加え、全ての
残っているアシルクロリドを捕捉した。生成物をヒドロ
キシアパタイトクロマトグラフィにより精製した。最終
生成物は、黄色粉末で、これは逆相HPLCにより評価され
るように純粋であることが判った。本例での収率は23%
であった。
b)物理化学的性質 TIEの分光特性を以下の表2に示す。
実施例3 TAA(KK−02087) a)合成 TAAは、各1等量のテトラサイクリンとアミノ−チア
ジアゾールスルホンアミド(WP−061786)とのアジポイ
ルジクロリドによる縮合生成物である。10mlのプレカー
サーチアジアゾール(WP−061786)を800mlの乾燥テト
ラヒドロフラン(THF)に混合した。これに1当量の乾
燥ピリジンと(滴加、1ml/分)1当量のアジポイルジク
ロリドを加えた。反応(室温で)進行をTLCを用いモニ
ターした。全てのプレカーサーチアジアゾールを消費
後、各1当量のテトラサイクリンとピリジンを加えた。
24時間後、過剰のピリジンとメタノールを加え、反応混
合物をシリカゲルクロマトグラフィを用い精製し、TAA
を得た。
b)物理化学的性質 第5図は反応生成物の逆相高速液体クロマトグラムで
あり、TAAとその原料化合物との明らかな溶解度差を示
す。第6図はTAAのUV−可視吸収スペクトルである。TAA
の化学構造を以下に示す。
実施例4 TAE−1(WP−050686) a)合成 本化合物を合成するのに用いたベンゾチアゾールプレ
カーサーは、6−ヒドロキシベンジチアゾールスルホン
アミドであった。1mモルのベンゾチアゾールプレカーサ
ーを100mlのアセトンに溶解した。これに、各5mモルの
テトラサイクリン、アジピン酸及びジシクロヘキシルカ
ルボジイミドの混合物を加えた。混合物を加熱還流し、
全体で48時間保持した。精製はヒドロキシアパタイトク
ロマトグラフィにより達成した。最後に、逆相分取用ク
ロマトグラフィを行い(第7図はそのクロマトグラムを
示す)、TAE−1を分離精製した。収率は、わずかに約
1%であった。TAE−1の化学構造を以下に示す。
実施例5 TAE−2(WP−020387) 実施例4で記載されたTAE−1合成についての低収量
は、明らかにテトラサイクリンのカルボキサミドへのカ
ルボジイミドの作用、即ち対応するニトリルへのこの機
能の脱水のためであった。そのような生成物は、カルシ
ウムに対する大きな親和性がなく、精製計画で選択され
る。収率を改良するために、エポキシ−活性化ベンゾチ
アゾール(II)を生成し、次いでこれを以下に示すよう
にテトラサイクリンと反応させた。
20mモルの6−ヒドロキシベンゾチアゾールスルホン
アミドを50mlのTHFに溶解した。これに50mlのTHF中、20
mモルのアリルクロロホルメートと22mlのピリジンの溶
液を加えた。発熱反応により混合物の温度が42゜に上っ
た。4時間後、ポット混合物を1の氷冷水に注ぎ、酢
酸エチルに抽出した。溶媒を減圧下に除き、生成物を熱
水から再結晶した。収率=22%。このアリル誘導体(化
合物I)をTHF中m−クロロ過安息香酸で18時間処理
し、溶媒を除去し、残渣をジクロロメタンで抽出した。
最後に、オキシラン誘導体(化合物II)(75mg)を等モ
ルのテトラサイクリン及びピリジンと混合し、60℃に8
時間加熱した。精製は、ヒドロキシアパタイトクロマト
グラフィを用い行い、10mgの生成物を得た(理論値の7.
8%)。
実施例6 PAA(WP−050188) PAAはチアジアゾールスルホンアミドとジホスホナー
トの付加物であり、そして生成物は活性阻害剤である。
PAAの化学構造を以下に示す。
アミノチアジアゾールスルホンアミドを無水コハク酸
と加熱し、サクシニルアゾラミドを形成させた。次いで
10mモルのIIIを200mlのTHFに溶解し、10mモルのジシク
ロヘキシルカルボジイミドを加えて無水物を形成させ
た。反応は約90%の完了まで進行した。形成したジシク
ロヘキシル尿素を濾過し、生成物は減圧下にTHFを除去
後、回収した。
11/2gの本無水物を、50%水性アセトン中pH=8
で、2gのアミノヘキシルジホスホナート及び5gの1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド塩酸塩と混合した。24時間後、アセトンを減圧下
に除去し、生成物をヒドロキシアパタイトを用い精製し
た。最終残渣を(残っているジホスホナートを除くた
め)THFに抽出した。精製前の反応混合物の逆相HPLCク
ロマトグラム(第8図)は、生成物PAAが親のチアジア
ゾールスルホンアミドよりも水溶性であることを示し
た。加えて、第9図は、PAAのUV−可視吸収スペクトル
を示す。
特定の好ましい態様に関して本発明を記載してきた
が、当業者は、本発明の範囲ないで変化および改良を加
え得ることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
第1a、1b、1cおよび1d図は、それぞれ、アセトアゾラミ
ド、テトラサイクリン、「オステオスタト」TIA中間体
および「オステオスタト」TIAについて、360nmにおける
UVスペクトル法でモニターして得たヒドロキシアパタイ
ト(HA)結合(吸着)パーセントを示す図である。図
中、AはHA非結合フラクション、BはHA結合フラクショ
ン、CはHAからの0.1M燐酸緩衝液溶離フラクション、D
はHAからの0.2M燐酸緩衝液溶離フラクションを示す。 第2a、2b、2cおよび2d図は、それぞれ、アセトアゾラミ
ド、テトラサイクリン、「オステオスタト」TIA中間体
および「オステオスタト」TIAの存在下における、炭酸
脱水酵素活性アッセイによる非触媒反応時間(E)、酵
素触媒反応時間(F)、並びに酸加水分解前(G)およ
び後(H)の活性を示す図である。 第3図は、媒質対照、テトラサイクリン、「オステオス
タト」TIA中間体および「オステオスタト」TIAのインビ
トロにおける相対的骨結合度を示す図である。 第4図は、DMSO(対照)、テトラサイクリンおよび「オ
ステオスタト」TIAで処理した雌ラットにおける血漿カ
ルシウム濃度を示す図である。 第5図は、実施例3の反応生成物の逆相高速液体クロマ
トグラフムである。 第6図は、TAAのUV−可視吸収スペクトルである。 第7図は、実施例4の反応生成物の逆相分取用クロマト
グラフムを示す。 第8図は、実施例6の反応生成物の逆相HPLCクロマトグ
ラフムを示す。 第9図は、PAAのUV−可視吸収スペクトルを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 9/6539 C07D 285/12 F

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】向骨活性化合物と炭酸脱水酵素阻害活性化
    合物とを、架橋剤を介在させるかまたは介在させること
    なく、化学結合させてなる結合体であって、当該向骨活
    性化合物はテトラサイクリン類およびジホスホネート類
    からなる群から選ばれた化合物であり、当該炭酸脱水酵
    素阻害活性化合物はイミダゾール類および複素環式スル
    ホンアミド類からなる群から選ばれた化合物である。変
    性骨疾患の予防または処理剤。
  2. 【請求項2】テトラサイクリン類が塩酸クロルテトラサ
    イクリン、塩酸デメクロサイクリン、ドキシサイクリ
    ン、テトラサイクリン、メタサイクリンまたはオキシテ
    トラサイクリンである、特許請求の範囲第1項記載の予
    防または処置剤。
  3. 【請求項3】ジホスホネート類がエタン−1−ヒドロキ
    シ−1,1−ジホスホン酸、ジクロロメタンジホスホン酸
    または3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジ
    ホスホン酸である、特許請求の範囲第1項記載の予防ま
    たは処理剤。
  4. 【請求項4】複素環式スルホンアミド類がアセタゾラミ
    ド、メタゾラミド、エトキシゾラミドまたはベンゾラミ
    ドである、特許請求の範囲第1項記載の予防または処置
    剤。
  5. 【請求項5】架橋剤によって形成される架橋構造が、−
    C(=O)−(CH2−C(=O)−である、特許請
    求の範囲第1項記載の予防または処置剤。
  6. 【請求項6】結合体の投与単位量が5〜500mgである、
    特許請求の範囲第1項記載の予防または処置剤。
  7. 【請求項7】向骨活性化合物と炭酸脱水酵素阻害活性化
    合物とを、架橋剤を介在させるかまたは介在させること
    なく、化学結合させてなる結合体であって、当該向骨活
    性化合物はテトラサイクリン類およびジホスホネート類
    からなる群から選ばれた化合物であり、当該炭酸脱水酵
    素阻害活性化合物はイミダゾール類および複素環式スル
    ホンアミド類からなる群から選ばれた化合物である、変
    性骨疾患の予防または処置剤を、以下の工程に従って製
    造する方法: (a)アシル化条件下に、アシル基を両端に有する架橋
    剤を炭酸脱水酵素阻害活性化合物と反応させる、次いで (b)上記工程(a)の反応成績体を向骨活性化合物と
    反応させる。
  8. 【請求項8】架橋剤がアジポイルジクロリドである特許
    請求の範囲第7項記載の方法。
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