JP2578022B2 - 結晶質窒化ケイ素粉末の製造法 - Google Patents

結晶質窒化ケイ素粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温構造材料として有
用な窒化ケイ素質焼結体の製造用原料として好適な粒状
結晶のみから成る高純度な結晶質窒化ケイ素粉末の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】非晶質窒化ケイ素粉末及び
/又は含窒素シラン化合物を不活性ガス雰囲気下又は還
元性ガス雰囲気下に焼成して、結晶質窒化ケイ素粉末を
製造する方法は、既に知られている。例えば、セラミッ
ク・ブレティン57巻6号(1978年)の579〜5
86頁には、モノシラン−アンモニア系気相反応により
生成した非晶質窒化ケイ素粉末を加熱処理して結晶質窒
化ケイ素粉末を合成する方法が記載されている。同文献
によれば、窒化ケイ素の結晶化は非常に大きな発熱を伴
う反応であって、非晶質窒化ケイ素の圧粉体を加熱する
と、1450℃付近から結晶化熱によって赤熱状態とな
り、急激な温度上昇と共に結晶化が数秒以内に完了して
しまうことが報告されている。その際、圧粉体はバラバ
ラに砕けて粉化してしまう。
【0003】また、米国特許4101616号公報(1
978年)には、四塩化ケイ素−アンモニア系気相反応
により合成した非晶質窒化ケイ素粉末を圧縮成形した
後、1550〜1750℃に焼成するという、繊維状結
晶質窒化ケイ素より成る物品の製造方法が開示されてい
る。同公報によれば非晶質窒化ケイ素の圧密成形物の嵩
密度は0.1〜0.8g/cmである。更に、米国ナ
ショナル・テクニカル・インフォーメイション・サービ
スのファイナル・アニュアル・レポートA−C3316
号報告書(1974年)には、シリコンジイミドの熱分
解により合成した非晶質窒化ケイ素粉末をホットプレス
焼結した場合の、緻密化及び結晶化挙動が記載されてい
る。同文献によれば、窒化ケイ素の結晶化温度は含有不
純物の影響で大幅に変動し、非晶質窒化ケイ素の純度が
高い程、結晶化温度は高くなってゆく。例えば、高純度
な非晶質窒化ケイ素は1490℃で結晶化したのに対し
て、塩素の残存した非晶質窒化ケイ素の結晶化温度は1
200℃にまで低下した。
【0004】ところで、一般的に、非晶質窒化ケイ素粉
末の焼成により得られる結晶質窒化ケイ素粉末には、結
晶化時に針状結晶又は柱状結晶が多数生成する為に、充
填密度が低いという欠点があった。したがって、これを
焼結体原料として用いた場合には、嵩密度の低い成形体
しか得られないという問題点があった。そこで、このよ
うな欠点を解消すべく、微細な粒状結晶から成る結晶質
窒化ケイ素粉末を製造する方法が、種々提案されてい
る。
【0005】例えば、特公昭61−11886号公報に
は、ケイ素として0.1g/cm以上の粉体嵩密度を
有する含窒素シラン化合物を、1350〜1550℃の
温度範囲全域における昇温速度を15℃/分以上に制御
して1550℃以上1700℃未満にまで加熱すること
を特徴とする窒化ケイ素粉末の製造方法が開示されてい
る。この発明によれば、針状結晶を含まない粒状結晶の
みから成る窒化ケイ素粉末を製造することができる。
【0006】しかしながら、その実施例からも分かるよ
うに、この発明は小規模な焼成実験の結果に基づくもの
であり、量産規模での粉末焼成を考えた場合には、解決
すべき問題点が残されている。即ち、窒化ケイ素の結晶
化の進行すると考えられる1350℃付近に非晶質窒化
ケイ素粉末を加熱すると、結晶化熱の発生により粉体層
の温度は著しく上昇して、昇温速度が数十〜数千℃/分
となってしまい、これを制御するには、種々の工夫を凝
らさねばならない。しかし、前記公報には、この問題点
を解決するための技術的手段については全く記載されて
いない。
【0007】非晶質窒化ケイ素からの結晶質窒化ケイ素
粉末の製造においては、結晶化時の発熱とその放散の制
御方法こそが、粒子形状及びサイズの制御された結晶質
窒化ケイ素粉末を得る上で、真に重要な技術的要件であ
る。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、前記の問題点を解決
し、結晶化時の伝熱制御を考慮した非晶質窒化ケイ素顆
粒を焼成条件を設定することにより、粒子形状及びサイ
ズの一定した高品質の結晶質窒化ケイ素粉末を低コスト
で大量に生産できる新規な製造法を提供することにあ
る。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、非晶質窒化
ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物を窒素含有不
活性ガス雰囲気下又は窒素含有還元性ガス雰囲気下に焼
成して、結晶質窒化ケイ素粉末を製造するに際し、非晶
質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シラン化合物を圧縮
成形して、嵩密度0.3〜0.8g/cm、短軸径1
mm以上、かつ長軸径20mm以下の顆粒状物とするこ
と、及び昇温過程において、1200〜1400℃の温
度範囲全域における昇温速度を10℃/分以下とするこ
とを特徴とする結晶質窒化ケイ素粉末の製造法に関する
ものである。
【0010】本発明における含窒素シラン化合物として
は、シリコンジイミド、シリコンテトラアミド、シリコ
ンニトロゲンイミド、シリコンクロルイミド等が用いら
れる。これらは、公知方法、例えば、四塩化ケイ素、四
臭化ケイ素、四沃化ケイ素等のハロゲン化ケイ素とアン
モニアとを気相で反応させる方法、液状の前記ハロゲン
化ケイ素と液体アンモニアとを反応させる方法などによ
って製造される。 また、非晶質窒化ケイ素粉末は、公知方法、例えば、
前記含窒素シラン化合物を窒素又はアンモニアガス雰囲
気下に600〜1200℃の範囲の温度で加熱分解する
方法、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四沃化ケイ素等の
ハロゲン化ケイ素とアンモニアとを高温で反応させる方
法などによって製造されたものが用いられる。非晶質窒
化ケイ素粉末及び含窒素シラン化合物の平均粒子径は、
通常、0.005〜0.05μmである。
【0011】本発明者らの種々の検討結果によれば、非
晶質窒化ケイ素粉末を大量に焼成する上での最も大きな
問題は、粉体層の伝熱が著しく悪くて、その温度分布を
制御することが困難であるという点にあった。この問題
を解消する為に、粉体層の厚みを薄くして、均熱を確保
するなどの手段が考えられるが、生産性が悪くて焼成工
程のコストアップの要因となるという難点がある。そこ
で、このような粉体層の伝熱状態自体を改善する方策を
種々検討した結果、次式(1)で示される輻射伝熱を利
用することにより、粉体層の伝熱を大幅に向上させるこ
とが可能となるのを見い出した。
【0012】 k∝dσnεT …………(1) ここで、k:有効輻射伝導度 d:粒子又は顆粒間の隙間の寸法 σ :ステファン−ボルツマン定数 n :屈折率 ε :有効輻射率 T :絶対温度 即ち、粒子又は顆粒間の隙間の寸法dを大きくすれ
ば、熱伝導度を向上させることができる。
【0013】更に詳細には、粉末充填層又は顆粒充填層
の熱伝導度は、前記の輻射伝熱以外に粒子内のフォノン
伝導、粒子間又は顆粒間の接触伝熱及び当該接触部近傍
における境膜内のガス流れによる熱伝達など、種々の熱
伝達機構に基づく熱伝導の重畳されたものとなる。国
井、Smithらによれば、充填層の有効熱伝導度k
effは次式で表わされる。
【0014】
【式1】
【0015】本発明に使用した非晶質窒化ケイ素の熱伝
導度の測定結果に基づき、粉末充填層及び顆粒充填層の
有効熱伝導度の温度変化をシミュレーションにより求め
たところ、図1に示す結果が得られた。直径1mm以上
の顆粒充填層の場合には、粉末充填層に比べ、高温部の
有効熱伝導度が著しく高くなっていることが分かる。本
発明における非晶質窒化ケイ素粉末の焼成時の伝熱状態
改善効果は、この図の有効熱伝導度からも容易に理解す
ることができる。
【0016】本発明においては、非晶質窒化ケイ素粉末
及び/又は含窒素シラン化合物を窒素含有不活性ガス雰
囲気下又は窒素含有還元性ガス雰囲気下に焼成して結晶
質窒化ケイ素粉末を製造するに際し、非晶質窒化珪ケイ
素粉末及び/又は含窒素シラン化合物を圧縮成形して、
嵩密度0.3〜0.8g/cm、短軸径1mm以上、
かつ長軸径20mm以下の顆粒状物とし、昇温過程にお
いて、1200〜1400℃の温度範囲全域における昇
温速度を10℃/分以下に制御して該顆粒状物を焼成す
る。
【0017】窒素含有不活性ガスとしては、窒素又は窒
素とアルゴン、ヘリウム等の混合ガスが挙げられる。ま
た、窒素含有還元性ガスとしては、アンモニア、ヒドラ
ジン等の高温での熱分解により窒素ガスを放出するもの
又は窒素と水素、一酸化炭素等の混合ガスが挙げられ
る。
【0018】非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シ
ラン化合物を圧縮成形して顆粒状物にするには、粉末を
ゴム型内に充填して等方的圧力を印加するラバープレス
成形、金型に粉末を充填してピストンで加圧するプレス
成形又は打錠成形、穴付きロールで粉末を圧縮して押し
固めるブリケット成形など、種々の成形方法を採用する
ことができる。顆粒状物の嵩密度は0.3〜0.8g/
cm、顆粒状物の嵩密度が0.3g/cmよりも低
くなると、顆粒の強度が弱く、崩壊して粉化し易い為
に、取扱い難いばかりでなく、焼成時に針状結晶が生成
し易くなるので好ましくない。また、嵩密度が0.8g
/cmを越える顆粒を成形する為には、5ton/c
以上の高圧力を必要とするので、実用的でない。
【0019】本発明の最も特徴的な構成要因は、顆粒状
物の寸法を、短軸径1mm以上、長軸径20mm以下に
規定したことである。顆粒状物の寸法(例えば短軸径)
が1mmよりも小さくなると、顆粒間の隙間が小さくな
り過ぎ、式(1)で表わされる有効輻射熱伝導度k
小さくなる。この為に、顆粒状物集合体の伝熱が悪くな
り、焼成時の顆粒間の温度分布が拡大して、急激な発熱
により針状結晶が生成し易くなるので好ましくない。短
軸径1mm以上、長軸径20mm以下、好ましくは短軸
径2.5mm以上、長軸径18mm以下という適度な寸
法の顆粒を使用すれば、伝熱状態が良好で、結晶化熱の
系外への放出もスムーズであり、発熱による顆粒状物の
急速昇温を最小限に止めることができる。その結果、後
述の実施例に示されるような微細な粒状結晶のみから成
る結晶質窒化ケイ素粉末が得られる。更に、顆粒状物の
寸法(例えば長軸径)が20mmよりも大きくなると、
個々の顆粒状物内部の温度分布が問題となってくる。即
ち、結晶化熱による顆粒状物内部の蓄熱が大きくなり過
ぎる為に、温度が上がり過ぎて、柱状結晶又は棒状結晶
を多数含む結晶質窒化ケイ素粉末が生成し、好ましくな
い。また、高温安定相であるβ型窒化ケイ素の生成割合
も増大してしまう。
【0020】本発明において、軽装密度とは、ゆるみ見
掛け密度ともいい、サンプルをシュートを通じてゆっく
りと測定用容器に落下させて、その重さと体積から算出
した値である。測定用容器は、通常50φ×50hのメ
スシリンダーが用いられるが、サンプルが大きい場合に
は、それに応じて測定用容器も大きいものを用いればよ
い。本発明における顆粒状物の軽装密度は0.15〜
0.52g/cmである。軽装密度0.15g/cm
は、顆粒単位の空間占有率として50%以下の充填状
態に対応する。軽装密度が0.15g/cmよりも小
さいと、伝熱状態は良好となるものの、生産性が低下す
る。また、実際上このような低密度な充填を行うことは
困難である。また、軽装密度0.52g/cmは、顆
粒単位の空間占有率として65%以上の充填状態に相当
する。軽装密度が0.52g/cmよりも大きいと、
充填量が多くなるので、顆粒状集合体の熱容量が大き過
ぎるばかりでなく、密充填により顆粒間の隙間が小さく
なって、輻射による熱伝導度は低下する。したがって、
熱容量と熱伝導度とのバランスが崩れ、結晶化時の発熱
が大きくなって、柱状結晶又は棒状結晶を多数含む結晶
質窒化ケイ素粉末が生成するので好ましくない。
【0021】本発明においては、前記の顆粒状物の焼成
に当たり、昇温過程において、1200〜1400℃の
温度範囲全域における昇温速度を10℃/分以下に制御
してゆっくりと昇温する。このような緩速昇温は、非晶
質窒化ケイ素の粒成長による表面エネルギーの減少、結
晶核の発生密度の確保、及び結晶化初期における粒成長
の抑制に対して、有効な手段である。保持温度が120
0℃よりも低温では、このような効果は認められず、逆
に、保持温度が1400℃よりも高温になると、急激な
結晶化反応が進行して、生成する結晶質窒化ケイ素粉末
の粉体特性(粒子形状、粒子径、結晶相など)を制御す
ることが困難となる。1200〜1400℃の温度範囲
全域における昇温速度は10℃/分以下である。昇温速
度が10℃/分を越えると、1400℃以上に昇温した
際に急激な結晶化が起こり、結晶化熱による温度上昇が
最高数百℃近くにまで達して、所望の微粒結晶より成る
α型窒化ケイ素粉末が得られなくなる。また、特に12
00〜1300℃における保持時間が過度に長過ぎる
と、核発生の若干抑制された状況下で結晶成長が進行す
るので、生成する粒状結晶の形状は多面体状のきれいな
ものになるが、粒子径は却って大きくなり、比表面積の
小さな粉末となってしまう。
【0022】被焼成物を前記の加熱条件で昇温し、その
結晶化度を40%以上にした後は、より高温まで、例え
ば1700℃まで昇温しても良く、その昇温速度にも制
約は無い。最終的な焼成温度が1500℃の場合には、
同温度に15〜60分間保持して、結晶化を完了させる
ことが望ましい。また、最終的な焼成温度が1700℃
を越えると、粗大結晶が成長するばかりでなく、生成し
た結晶質窒化ケイ素粉末の分解が始まるので好ましくな
い。
【0023】非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シ
ラン化合物の加熱に使用される加熱炉については、特に
制限はなく、例えば高周波誘導加熱方式又は抵抗加熱方
式によるバッチ炉、ロータリーキルン炉、流動化焼成
炉、プッシャー炉等を使用することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。実施例及び比較例において、結
晶質窒化ケイ素粉末の結晶化度は、窯業協会誌93巻4
号(1985年)の394〜397頁に記載の加水分解
試験により、α型結晶含有率は、セラミック・ブレティ
ン56巻9号(1977年)の777〜780頁に記載
のX線回折法に従って算出し、比表面積は窒素ガス吸着
法によるBET法で測定した。また、プレス密度は、直
径13mmの金型に粉末0.65gを充填し、2ton
/cmで加圧成形した後の体積より求めた。
【0025】実施例1〜5及び比較例1 シリコンジイミドを1000℃で加熱分解して得られた
比表面積320m/g、酸素含有量0.8wt%の非
晶質窒化ケイ素粉末を、直径160mm、高さ240m
mの円筒状ゴム型に充填し、50kg/cmの圧力で
ラバープレスして、円柱状のブロックを作製した。得ら
れた非晶質窒化ケイ素のブロックを破砕し、篩分けをし
て、表1に記載の種々の粒度の顆粒状物を得た。顆粒状
物の嵩密度は0.42g/cmであった。この顆粒状
物1.5kgを内径280mm、高さ150mmのカー
ボン製坩堝に充填し、バッチ式電気炉にセットした。
【0026】次に、電気炉内を0.1torr以下に真
空脱気後、窒素ガスを導入し、窒素ガス流通下で加熱を
開始した。室温から1200℃まで2時間で昇温し、同
温度に1時間保持した後、80℃/hrの昇温速度で1
400℃まで加熱した。更に250℃/hrの速度で1
500℃まで昇温して、同温度に1時間保持した後、炉
内放冷した。得られた窒化ケイ素粉末の化学組成、結晶
化度、α相含有率、比表面積、プレス密度、粒子形状な
どの特性値を表1に示す。また、実施例2で得られた粉
末の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
【0027】比較例2 実施例1で使用した非晶質窒化ケイ素粉末800gを、
そのまま同例と同一寸法のカーボン製坩堝に充填し、同
例と同一条件下で焼成した。得られた窒化ケイ素粉末の
諸特性を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例6〜8及び比較例3〜5 シリコンジイミドを1000℃で加熱分解して得られた
比表面積480cm/g、酸素含有量1.2wt%の
非晶質窒化ケイ素粉末を、種々の寸法のボール成形用ゴ
ム型に充填し、50kg/cmの圧力でラバープレス
して、表2に記載の直径の球状顆粒を得た。この球状顆
粒の嵩密度は0.42g/cmであった。球状顆粒
1.5kgを実施例1と同一寸法のカーボン製坩堝に充
填し、バッチ式電気炉にセットした。次に、1200℃
から1400℃までの昇温速度を120℃/hrとした
以外は、実施例1と同一条件下で焼成を行った。得られ
た窒化ケイ素粉末の諸特性を表2に示す。また、実施例
6で得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図3に、比
較例6で得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図4に
示す。
【0030】比較例6 実施例6で使用した非晶質窒化ケイ素粉末800gを、
そのまま同例と同一寸法のカーボン製坩堝に充填し、同
例と同一条件下で焼成した。得られた窒化ケイ素粉末の
諸特性を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例9〜13及び比較例7 実施例1で使用した非晶質窒化ケイ素粉末を、直径15
mmの金型に充填し、表3に記載の成形圧力で一軸プレ
スして、種々の嵩密度を有する円柱状の成形体を大量に
作製した。得られた円柱状顆粒1.5kgを実施例1と
同一寸法のカーボン製坩堝に充填し、バッチ式電気炉に
セットした。次に、実施例1と同様の操作で、室温から
1200℃まで2時間で昇温し、同温度に1時間保持し
た後、1200℃から1300℃を80℃/hr、13
00℃から1400℃を120℃/hrの速度で昇温し
た。更に250℃/hrの昇温速度で1530℃まで加
熱して、同温度に40分間保持した後、炉内放冷した。
得られた窒化ケイ素粉末の諸特性を表3に示す。
【0033】比較例8 実施例9で使用した非晶質窒化ケイ素粉末800gを、
そのまま同例と同一寸法のカーボン製坩堝に充填し、同
例と同一条件下で焼成した。得られた窒化ケイ素粉末の
諸特性を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】実施例14〜16及び比較例9 シリコンジイミドを1000℃で加熱分解して得られた
比表面積400m/g、酸素含有量1.0wt%の非
晶質窒化ケイ素粉末を、実施例1と同一寸法の円筒状ゴ
ム型に充填し、100kg/cmの圧力でラバープレ
スして、円柱状のブロックを作製した。実施例1と同様
に、このブロックを破砕し、篩分けをして、4.0〜1
2.0mmの粒度の顆粒状物を得た。顆粒状物の嵩密度
は0.47g/cmであった。この顆粒状物1.5k
gを実施例1と同一寸法のカーボン製坩堝に充填し、バ
ッチ式電気炉にセットした。次に、実施例1と同様の操
作で、室温から1200℃まで2時間で昇温し、同温度
に1時間保持した後、表4に記載の昇温速度で1400
℃まで加熱した。更に250℃/hrの速度で同表に記
載の最終的な焼成温度まで昇温し、同温度に1時間保持
した後、炉内放冷した。得られた窒化ケイ素粉末の諸特
性を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、粒径の揃った等軸粒状
粒子からなり、充填特性、焼結特性等に優れた結晶質窒
化ケイ素粉末を生産性良く大量に製造することができ、
コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の裏付けとなる顆粒充填層と粉体充填層
の有効熱伝導度の温度変化の比較を表す図である。
【図2】本発明の実施例2で得られた窒化ケイ素粉末の
粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微鏡写真(8
000倍)である。
【図3】本発明の実施例6で得られた窒化ケイ素粉末の
粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微鏡写真(8
000倍)である。
【図4】本発明の比較例6で得られた窒化ケイ素粉末の
粒子構造を表す図面に代える走査型電子顕微鏡写真(8
000倍)である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含窒素シ
    ラン化合物を窒素含有不活性ガス雰囲気下又は窒素含有
    還元性ガス雰囲気下に焼成して、結晶質窒化ケイ素粉末
    を製造するに際し、非晶質窒化ケイ素粉末及び/又は含
    窒素シラン化合物を圧縮成形して、嵩密度0.3〜0.
    8g/cm、短軸径1mm以上、かつ長軸径20mm
    以下の顆粒状物とすること、及び昇温過程において、1
    200〜1400℃の温度範囲全域における昇温速度を
    10℃/分以下とすることを特徴とする結晶質窒化ケイ
    素粉末の製造法。
  2. 【請求項2】焼成時における顆粒状物の軽装密度が0.
    15〜0.52g/cmであることを特徴とする請求
    項1の結晶質窒化ケイ素粉末の製造法。
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