JP2577084B2 - 扉のロック装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、扉のロック装置、特に扉を開放する動作と
ロックを解除する動作および扉を閉止する動作とロック
する動作を一動作で行うことができるようにした装置に
関するものである。

（従来技術） 従来、扉の閉止装置としては種々の形式のものが提案
されているが、簡単な構成のものとしては、扉に回動自
在に装着された釦を回動することによって閉止および開
放するものが一般的であるが、ロック機構が設けられて
いないため不用意に釦に手を掛けると簡単に開いてしま
ったり、振動等を受けると自然に扉が開いてしまう欠点
があった。また、中央釦と、その外周に設けられた外周
釦との二重構造としたものも既知である。このような扉
閉止装置においては、中央釦を押すことによってロック
されているから、扉が不用意に開くことがないようにな
っているとともにロック機構が設けられているため自然
に扉が開いてしまうようなこともない。

（発明が解決しようとする課題） 上述した二重構造の扉閉止装置において扉を閉じる場
合には中央釦を指で押し、扉を開く場合には再度中央釦
を押してロックを外した後に、外周釦を回動させる必要
があり、ワンタッチで扉の開閉を行うことができない欠
点があるとともに構造もきわめて複雑な二重構造の釦を
用いるようになっている為、高価となる欠点もあった。

本発明の目的は、上述した従来の欠点を除去し、ワン
タッチで扉の開閉およびロックの解除および施錠を行う
ことができるとともに構造も簡単で安価な扉ロック装置
を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段および作用） 本発明の扉ロック装置は、装置本体に対して開閉自在
に取りつけられた扉に形成された孔に回動自在に装填さ
れた外周釦と、この外周釦に連結された閉止爪と、前記
装置本体に形成され、前記外周釦をロック位置としたと
きに前記閉止爪が掛止される掛止部材と、前記外周釦お
よび閉止爪を貫通して第１の方向に延在して配置された
中央釦と、前記閉止爪に連結されるとともにロック用切
欠を有し、前記中央釦の先端と当接してこの中央釦を第
１の方向とは反対の第２の方向に押圧する板バネと、前
記扉に植設され、前記外周釦がロック位置にあるときに
前記板バネに形成されたロック用切欠と係合し得るロッ
ク用突起とを具えることを特徴とするものである。この
ような本発明の扉ロック装置において、扉を開く場合に
は中央釦を押し込んで板バネに形成したロック用切欠と
ロック用突起との係合を外してロックを解除した状態で
外周釦を回動すればよく、また扉を閉じる場合には単に
外周釦を回動するだけで扉の閉止とロックとを同時に行
うことができ、扉の開閉動作をワンタッチで行うことが
できる。また、構成は簡単となり、安価に実施すること
ができる。

（実施例） 第１図〜第５図は本発明の扉ロック装置の一実施例の
構成を示すものである。開閉すべき扉１は、ヒンジ２に
より装置本体３に枢着されている。扉１には孔５を開
け、この孔に外周釦４の小径部を回動自在に嵌合する。
外周釦４の表側は凹状に凹ませるとともにコイン６が挿
入する溝７を形成する。外周釦４の裏面にはビス8aおよ
び8bによって閉止爪９を固着する。装置本体３には閉止
爪９の両端が侵入する掛止部材として作用する閉止用溝
10aおよび10bを形成する。外周釦４の中央には中央釦と
して作用するピン11を、外周釦４および閉止爪９に形成
した孔12を貫通して第１の方向Ａに延在させる。閉止爪
９には、さらにほぼ円形状の板バネ13をビス14aおよび1
4bにより固定する。この板バネ13には、ロック用切欠15
を形成する。扉１の裏面には、前記のロック用切欠15と
分離可能に係合するロック用突起16を一体的に形成す
る。

第２図および第３図は扉１をロックした状態を示すも
のであり、板バネ13に形成されたロック用切欠15には扉
と一体に形成されたロック用突起16が嵌合しており、こ
の状態は板バネの弾性力により維持されているので、こ
のままでは外周釦４を回動することはできない。したが
って、扉１が不用意に開いたり、振動によって自然に開
いたりするようなことはない。一方、扉１を開くには、
第４図に示すようにコイン６を外周釦４の表面に形成し
た溝に挿入する。これによって、中央釦であるピン11が
板バネ13の弾性力に抗して第１の方向Ａに押し込まれ、
板バネに形成したロック用切欠15とロック用突起16との
係合が外れ、ロックが解除される。これと同時に、コイ
ン６は外周釦４の表面に形成した溝７の中に侵入する。
この状態で、コイン６を回動させ、閉止爪９を回動させ
てその両端を閉止用溝10から脱出させ、扉１の閉止状態
を解除することができる。この場合、コイン６の回動
は、閉止爪９がロック用突起16に当接することによって
禁止されるので、使用者は扉のロック状態および閉止状
態の解除を確実に知ることができる。このようにして、
一動作によって扉１のロック状態の解除と、閉止状態の
解除とを行うことができる。また、扉１を閉止するに
は、板バネ13のロック用切欠15がロック用突起16に嵌合
されるまでコイン６によって外周釦４を回動させるだけ
で良く、一動作で簡単に行うことができる。

本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではな
く、種々の変更や変形が可能である。例えば、上記の実
施例では閉止爪９が係合する閉止部材を装置本体に形成
した閉止溝10aおよび10bをもって構成したが、閉止爪と
係合するようなものであればどのような閉止部材を用い
てもよい。また、中央釦を細径のピン11を以って構成し
たが、さらに太径の釦で構成することもできる。さら
に、外周釦４の回動はコインに限らず、マイナスドライ
バや指の腹で行なうことができ、特に指の腹で回動させ
るときにはロレット加工等を施しておくこともできる。
また、外周釦４は扉１の表面から外方に突出するように
設けることもでき、この場合にはその外周面をロレット
加工しておくことができる。

（発明の効果） 上述した本発明の扉ロック装置によれば、扉の閉止だ
けでなくロックも行われるので、扉の閉止中に不用意に
扉が開いてしまったり、振動等によって扉が自然と開い
てしまうようなことがなくなる。また、扉の開閉および
ロック並びにその解除を一動作で行うことができるの
で、動作はきわめて簡単となり、誤操作もなくなる。さ
らに、閉止機構とロック機構とが共通の部材を有してい
るので、構成は簡単であり、また安価に実施することも
できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の扉ロック装置の一実施例の構成を示す
分解斜視図、 第２図および第３図は同じくロック状態を示す断面図お
よび平面図、 第４図および第５図は同じくロックを解除して扉を開く
ときの状態を示す断面図および平面図である。 １……扉、３……装置本体 ４……外周釦、５……孔 ６……コイン、７……溝 ９……閉止爪、10a,10b……閉止溝 11……ピン（中央釦）、12……孔 13……板バネ、15……ロック用切欠 16……ロック用突起

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体に対して開閉自在に取りつけられ
   た扉に形成された孔に回動自在に装填された外周釦と、
   この外周釦に連結された閉止爪と、前記装置本体に形成
   され、前記外周釦をロック位置としたときに前記閉止爪
   が掛止される掛止部材と、前記外周釦の中央に設けら
   れ、外周釦および閉止爪を貫通して第１の方向に延在す
   るように配置された中央釦と、前記閉止爪に連結される
   とともにロック用切欠を有し、前記中央釦の先端と当接
   してこの中央釦を第１の方向とは反対の第２の方向に押
   圧する板バネと、前記扉に植設され、前記外周釦がロッ
   ク位置にあるときに前記板バネに形成されたロック用切
   欠と係合し得るロック用突起とを具えることを特徴とす
   る扉のロック装置。