JP2576820Y2 - ステアリングコラム用軸受装置 - Google Patents
ステアリングコラム用軸受装置Info
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- JP2576820Y2 JP2576820Y2 JP1992054411U JP5441192U JP2576820Y2 JP 2576820 Y2 JP2576820 Y2 JP 2576820Y2 JP 1992054411 U JP1992054411 U JP 1992054411U JP 5441192 U JP5441192 U JP 5441192U JP 2576820 Y2 JP2576820 Y2 JP 2576820Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動車のステアリングコ
ラムシャフトを支承するステアリングコラム用軸受装置
に関するものである。
ラムシャフトを支承するステアリングコラム用軸受装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車のステアリングコラムシ
ャフトを支承するステアリングコラム用軸受としては、
ボールベアリングあるいは合成樹脂からなるすべり軸受
が使用されている。
ャフトを支承するステアリングコラム用軸受としては、
ボールベアリングあるいは合成樹脂からなるすべり軸受
が使用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】一般に、自動車のステ
アリングコラムシャフトを支承する軸受は荷重や速度な
どの回転条件は差ほど厳しくないが、アイドリング時等
にコラムシャフトに作用する振動を吸収する振動吸収性
や摩擦トルクの安定性が要求される。ボールベアリング
は摩擦トルクは安定しているものの振動吸収性に劣り、
またボールベアリングが固定されるハウジングおよび該
ベアリングに支承されるコラムシャフトの寸法精度を高
精度に仕上げる必要があるため、ベアリング自体の高価
な点に加えて加工コストも高くなるという問題がある。
また、合成樹脂からなるすべり軸受は上記ボールベアリ
ングに比べ価格が安価で、振動吸収性に優れるという利
点を有するものの、すべり軸受とコラムシャフトとの間
に適度なクリアランス(摺動隙間)を必要とするため、
コラムシャフトに生じる振動により該シャフトと軸受と
の間に衝突音を発生し、自動車を運転する者に不快音と
して伝達されるという問題点がある。この衝突音の発生
を抑制するべくクリアランスを小さくするとスティック
スリップ現象を生じ、摩擦トルクの安定性を阻害すると
いう問題が生じる。本考案は上記実情に鑑みなされたも
ので、ステアリング操作時(ハンドル回転時)にはコラ
ムシャフトに作用する負荷を軸受により円滑に支承し、
アイドリング時等コラムシャフトに負荷が加わらない状
態においては該シャフトに作用する振動を吸収すること
ができるステアリングコラム用軸受装置を得ることを目
的とするものである。
アリングコラムシャフトを支承する軸受は荷重や速度な
どの回転条件は差ほど厳しくないが、アイドリング時等
にコラムシャフトに作用する振動を吸収する振動吸収性
や摩擦トルクの安定性が要求される。ボールベアリング
は摩擦トルクは安定しているものの振動吸収性に劣り、
またボールベアリングが固定されるハウジングおよび該
ベアリングに支承されるコラムシャフトの寸法精度を高
精度に仕上げる必要があるため、ベアリング自体の高価
な点に加えて加工コストも高くなるという問題がある。
また、合成樹脂からなるすべり軸受は上記ボールベアリ
ングに比べ価格が安価で、振動吸収性に優れるという利
点を有するものの、すべり軸受とコラムシャフトとの間
に適度なクリアランス(摺動隙間)を必要とするため、
コラムシャフトに生じる振動により該シャフトと軸受と
の間に衝突音を発生し、自動車を運転する者に不快音と
して伝達されるという問題点がある。この衝突音の発生
を抑制するべくクリアランスを小さくするとスティック
スリップ現象を生じ、摩擦トルクの安定性を阻害すると
いう問題が生じる。本考案は上記実情に鑑みなされたも
ので、ステアリング操作時(ハンドル回転時)にはコラ
ムシャフトに作用する負荷を軸受により円滑に支承し、
アイドリング時等コラムシャフトに負荷が加わらない状
態においては該シャフトに作用する振動を吸収すること
ができるステアリングコラム用軸受装置を得ることを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案によれば、上記目
的は、ゴム弾性体あるいは弾性を有する合成樹脂から成
るアウターブッシュと該アウターブッシュの内面に挿入
されるインナーブッシュとから構成された軸受と該軸受
を圧入固定するハウジングと該軸受に支承されるコラム
シャフトとから成るステアリングコラム用軸受装置であ
って、該アウターブッシュはその外周面に該ブッシュの
軸線方向にかつ円周方向全周にわたって形成された複数
個の凸条部を備えた外輪と該外輪の内面において該外輪
と軸方向に延設された複数個の支持脚によって一体的に
連結され、内面に該内面の一方の端部に径方向内側に該
インナーブッシュの内径より僅かに小さい直径をもって
突出する環状リップ部と該リップ部と連続する拡径円筒
部と該リップ部と軸線方向に所定間隔へだてた該拡径円
筒部の円周方向の一部もしくは全周にインナーブッシュ
の内径より大きく外径より小さい直径の係止突条部を備
えた内輪とから形成されており、該インナーブッシュは
該アウターブッシュ内輪内面の環状リップ部と係止突条
部との間の拡径円筒部に挿入保持されており、該インナ
ーブッシュを保持したアウターブッシュは外輪外周面の
凸条部においてハウジング内に圧入固定され、コラムシ
ャフトはアウターブッシュ内輪内面の環状リップ部に締
代をもって摺接し、インナーブッシュ内周面とは所定の
軸受隙間を保持して支承されてなるステアリングコラム
用軸受装置によって達成される。
的は、ゴム弾性体あるいは弾性を有する合成樹脂から成
るアウターブッシュと該アウターブッシュの内面に挿入
されるインナーブッシュとから構成された軸受と該軸受
を圧入固定するハウジングと該軸受に支承されるコラム
シャフトとから成るステアリングコラム用軸受装置であ
って、該アウターブッシュはその外周面に該ブッシュの
軸線方向にかつ円周方向全周にわたって形成された複数
個の凸条部を備えた外輪と該外輪の内面において該外輪
と軸方向に延設された複数個の支持脚によって一体的に
連結され、内面に該内面の一方の端部に径方向内側に該
インナーブッシュの内径より僅かに小さい直径をもって
突出する環状リップ部と該リップ部と連続する拡径円筒
部と該リップ部と軸線方向に所定間隔へだてた該拡径円
筒部の円周方向の一部もしくは全周にインナーブッシュ
の内径より大きく外径より小さい直径の係止突条部を備
えた内輪とから形成されており、該インナーブッシュは
該アウターブッシュ内輪内面の環状リップ部と係止突条
部との間の拡径円筒部に挿入保持されており、該インナ
ーブッシュを保持したアウターブッシュは外輪外周面の
凸条部においてハウジング内に圧入固定され、コラムシ
ャフトはアウターブッシュ内輪内面の環状リップ部に締
代をもって摺接し、インナーブッシュ内周面とは所定の
軸受隙間を保持して支承されてなるステアリングコラム
用軸受装置によって達成される。
【0005】また、本考案によれば、上記目的は、ゴム
弾性体あるいは弾性を有する合成樹脂から成るアウター
ブッシュと該アウターブッシュの内面に挿入されるイン
ナーブッシュとから構成された軸受と該軸受を圧入固定
するハウジングと該軸受に支承されるコラムシャフトと
から成るステアリングコラム用軸受装置であって、該ア
ウターブッシュはその外周面に該ブッシュの軸線方向に
かつ円周方向全周にわたって形成された複数個の凸条部
を備えた外輪と該外輪の内面において該外輪と軸方向に
延設された複数個の支持脚によって一体的に連結され、
内面に該内面の一方の端部に径方向内側に該インナーブ
ッシュの内径より僅かに小さい直径をもって突出する円
周方向にわたって形成された複数個のリップ部と該リッ
プ部と連続する拡径円筒部と該リップ部と軸線方向に所
定間隔へだてた該拡径円筒部の円周方向の一部もしくは
全周にインナーブッシュの内径より大きく外径より小さ
い直径の係止突条部を備えた内輪とから形成されてお
り、該インナーブッシュは該アウターブッシュ内輪内面
のリップ部と係止突条部との間の拡径円筒部に挿入保持
されており、該インナーブッシュを保持したアウターブ
ッシュはその外輪外周面の凸条部においてハウジング内
に圧入固定され、コラムシャフトはアウターブッシュ内
輪内面のリップ部に締代をもって摺接し、インナーブッ
シュ内周面とは所定の軸受隙間を保持して支承されてな
るステアリングコラム用軸受装置によっても達成され
る。
弾性体あるいは弾性を有する合成樹脂から成るアウター
ブッシュと該アウターブッシュの内面に挿入されるイン
ナーブッシュとから構成された軸受と該軸受を圧入固定
するハウジングと該軸受に支承されるコラムシャフトと
から成るステアリングコラム用軸受装置であって、該ア
ウターブッシュはその外周面に該ブッシュの軸線方向に
かつ円周方向全周にわたって形成された複数個の凸条部
を備えた外輪と該外輪の内面において該外輪と軸方向に
延設された複数個の支持脚によって一体的に連結され、
内面に該内面の一方の端部に径方向内側に該インナーブ
ッシュの内径より僅かに小さい直径をもって突出する円
周方向にわたって形成された複数個のリップ部と該リッ
プ部と連続する拡径円筒部と該リップ部と軸線方向に所
定間隔へだてた該拡径円筒部の円周方向の一部もしくは
全周にインナーブッシュの内径より大きく外径より小さ
い直径の係止突条部を備えた内輪とから形成されてお
り、該インナーブッシュは該アウターブッシュ内輪内面
のリップ部と係止突条部との間の拡径円筒部に挿入保持
されており、該インナーブッシュを保持したアウターブ
ッシュはその外輪外周面の凸条部においてハウジング内
に圧入固定され、コラムシャフトはアウターブッシュ内
輪内面のリップ部に締代をもって摺接し、インナーブッ
シュ内周面とは所定の軸受隙間を保持して支承されてな
るステアリングコラム用軸受装置によっても達成され
る。
【0006】上述したいずれの構成においても、アウタ
ーブッシュを形成する弾性を有する合成樹脂とは柔軟で
あってかつ強靱であり、概ねショア硬さ(D型)40〜6
0、反発弾性値(JIS−K6301)が50〜80を有し
ていてゴム状の弾性挙動を残存しているもので、例えば
ポリエステル・エーテル共重合体あるいはポリウレタン
などが使用され、インナーブッシュは薄鋼板と該鋼板の
表面に一体に接合された焼結金属合金層と該合金層に含
浸被覆された合成樹脂層の三層構造からなり、該合成樹
脂層を内側にして円筒状に捲回した巻きブッシュが使用
される。また、アウターブッシュ内輪内面の環状リップ
部の直径寸法、あるいはアウターブッシュ内輪内面の複
数個のリップ部で形成される直径寸法はインナーブッシ
ュの内径寸法よりも該インナーブッシュとコラムシャフ
トとの間のクリアランスに相当する量、具体的には0.02
〜0.20mmだけ小さく形成されている。
ーブッシュを形成する弾性を有する合成樹脂とは柔軟で
あってかつ強靱であり、概ねショア硬さ(D型)40〜6
0、反発弾性値(JIS−K6301)が50〜80を有し
ていてゴム状の弾性挙動を残存しているもので、例えば
ポリエステル・エーテル共重合体あるいはポリウレタン
などが使用され、インナーブッシュは薄鋼板と該鋼板の
表面に一体に接合された焼結金属合金層と該合金層に含
浸被覆された合成樹脂層の三層構造からなり、該合成樹
脂層を内側にして円筒状に捲回した巻きブッシュが使用
される。また、アウターブッシュ内輪内面の環状リップ
部の直径寸法、あるいはアウターブッシュ内輪内面の複
数個のリップ部で形成される直径寸法はインナーブッシ
ュの内径寸法よりも該インナーブッシュとコラムシャフ
トとの間のクリアランスに相当する量、具体的には0.02
〜0.20mmだけ小さく形成されている。
【0007】
【作用】上述したステアリングコラム用軸受装置におい
て、アイドリング時等のコラムシャフトに負荷が作用し
ない状態では、該シャフトはアウターブッシュ内輪内面
の環状リップ部あるいは複数個のリップ部で支承され、
該シャフトに作用する振動は当該リップ部の弾性変形に
よって吸収される。ステアリング操作時(ハンドル回転
時)には、コラムシャフトに作用する負荷を軸受のイン
ナーブッシュにより支持するので、安定した摩擦トルク
をもって該シャフトは支承される。軸受をハウジング内
に圧入する際、該軸受はその外輪外周面において圧入さ
れることになるので、圧入による締代の影響は内輪には
及ばず、コラムシャフトを支承する内輪の拡径円筒部に
挿入保持されたインナーブッシュの内径寸法には当該圧
入による締代の影響はない。
て、アイドリング時等のコラムシャフトに負荷が作用し
ない状態では、該シャフトはアウターブッシュ内輪内面
の環状リップ部あるいは複数個のリップ部で支承され、
該シャフトに作用する振動は当該リップ部の弾性変形に
よって吸収される。ステアリング操作時(ハンドル回転
時)には、コラムシャフトに作用する負荷を軸受のイン
ナーブッシュにより支持するので、安定した摩擦トルク
をもって該シャフトは支承される。軸受をハウジング内
に圧入する際、該軸受はその外輪外周面において圧入さ
れることになるので、圧入による締代の影響は内輪には
及ばず、コラムシャフトを支承する内輪の拡径円筒部に
挿入保持されたインナーブッシュの内径寸法には当該圧
入による締代の影響はない。
【0008】
【実施例】以下、本考案をその実施例を示す添付図面に
より詳細に説明する。図1乃至図3は本考案の第1の構
成を示すものである。図において、1は軸受であり、該
軸受1はゴム弾性体あるいは弾性を有する合成樹脂から
なるアウターブッシュ2と該アウターブッシュ2内に挿
入固定されるインナーブッシュ3とから構成されてい
る。該アウターブッシュ2はその外周面に該ブッシュの
軸線方向にかつ円周方向全周にわたって形成された複数
個の凸条部21と一方の端部に径方向外方に延設された環
状鍔部22を備えた外輪23と該外輪23の内面において該外
輪23と軸方向に延設された複数個の支持脚24によって一
体的に連結され、内面25に該内面25の一方の端部に径方
向内側に該インナーブッシュ3の内径より僅かに小さい
直径をもって突出する環状リップ部26と該リップ部26と
連続する拡径円筒部27と該リップ部26と軸線方向に所定
間隔へだてた該拡径円筒部27の円周方向の一部もしくは
全周にインナーブッシュ3の内径より大きく外径より小
さい直径の係止突条部28を備えた内輪29とから構成され
ている。上記アウターブッシュ2の構成において、外輪
23の一方の端部に一体に形成された環状鍔部22は軸受1
を後述するハウジングへの圧入固定の際、ハウジングの
端部に固定する場合において必要とされるもので、軸受
1をハウジング内の任意の位置に圧入固定する場合には
必要としない。
より詳細に説明する。図1乃至図3は本考案の第1の構
成を示すものである。図において、1は軸受であり、該
軸受1はゴム弾性体あるいは弾性を有する合成樹脂から
なるアウターブッシュ2と該アウターブッシュ2内に挿
入固定されるインナーブッシュ3とから構成されてい
る。該アウターブッシュ2はその外周面に該ブッシュの
軸線方向にかつ円周方向全周にわたって形成された複数
個の凸条部21と一方の端部に径方向外方に延設された環
状鍔部22を備えた外輪23と該外輪23の内面において該外
輪23と軸方向に延設された複数個の支持脚24によって一
体的に連結され、内面25に該内面25の一方の端部に径方
向内側に該インナーブッシュ3の内径より僅かに小さい
直径をもって突出する環状リップ部26と該リップ部26と
連続する拡径円筒部27と該リップ部26と軸線方向に所定
間隔へだてた該拡径円筒部27の円周方向の一部もしくは
全周にインナーブッシュ3の内径より大きく外径より小
さい直径の係止突条部28を備えた内輪29とから構成され
ている。上記アウターブッシュ2の構成において、外輪
23の一方の端部に一体に形成された環状鍔部22は軸受1
を後述するハウジングへの圧入固定の際、ハウジングの
端部に固定する場合において必要とされるもので、軸受
1をハウジング内の任意の位置に圧入固定する場合には
必要としない。
【0009】該インナーブッシュ3は薄鋼板と該薄鋼板
の表面に一体に接合された焼結金属合金層と該合金層に
含浸被覆された合成樹脂層の三層構造からなり、該合成
樹脂層を内側にして円筒状に捲回した巻きブッシュから
なる。図1中、符号31は該巻きブッシュの突き合わせ部
である。
の表面に一体に接合された焼結金属合金層と該合金層に
含浸被覆された合成樹脂層の三層構造からなり、該合成
樹脂層を内側にして円筒状に捲回した巻きブッシュから
なる。図1中、符号31は該巻きブッシュの突き合わせ部
である。
【0010】該インナーブッシュ3は前記アウターブッ
シュ内輪内面25の環状リップ部26と係止突条部28との間
の拡径円筒部27に挿入保持され、軸受1が構成される。
この構成において、アウターブッシュ内輪内面25の環状
リップ部26の直径寸法はインナーブッシュ3内径寸法よ
り、該インナーブッシュ3と該ブッシュ3に支承される
コラムシャフト4との間のクリアランス(摺動隙間)に
相当する量、具体的には0.02〜0.20mmだけ小さく形成さ
れている。また、インナーブッシュ3はアウターブッシ
ュ内輪内面25の環状リップ部26と係止突条部28との間の
拡径円筒部27に挿入保持されることにより、該インナー
ブッシュ3のアウターブッシュ内輪29からの抜け出しは
防止される。
シュ内輪内面25の環状リップ部26と係止突条部28との間
の拡径円筒部27に挿入保持され、軸受1が構成される。
この構成において、アウターブッシュ内輪内面25の環状
リップ部26の直径寸法はインナーブッシュ3内径寸法よ
り、該インナーブッシュ3と該ブッシュ3に支承される
コラムシャフト4との間のクリアランス(摺動隙間)に
相当する量、具体的には0.02〜0.20mmだけ小さく形成さ
れている。また、インナーブッシュ3はアウターブッシ
ュ内輪内面25の環状リップ部26と係止突条部28との間の
拡径円筒部27に挿入保持されることにより、該インナー
ブッシュ3のアウターブッシュ内輪29からの抜け出しは
防止される。
【0011】このように構成された軸受1はパイプ状の
ハウジング5内に圧入固定される。この実施例では、軸
受1をハウジング5の端部に圧入固定する態様を示して
おり、該軸受1のアウターブッシュ外輪23の環状鍔部22
内面は該ハウジング5の端面に当接して固定されてい
る。軸受1をハウジング5内に圧入する際、該軸受1は
その外輪22の外周面凸条部21において圧入されることに
なるので、圧入による締代の影響は内輪29側には及ば
ず、コラムシャフト4を支承する内輪29の拡径円筒部27
に挿入保持されたインナーブッシュ3の内径寸法には当
該圧入による締代の影響はない。該軸受1のインナーブ
ッシュ3内周面にコラムシャフト4が挿入され、軸受装
置が構成される。このコラムシャフト4は該アウターブ
ッシュ内輪内面25の環状リップ部26に締代をもって摺接
すると共に該リップ部26により弾性支持される。したが
って、アイドリング時等のコラムシャフト4に負荷が作
用しない状態においては、該シャフト4は環状リップ部
26に弾性支持されるので、当該シャフト4に作用する振
動は吸収され、該シャフト4と軸受1との間に生じる衝
突音等の不快音の発生は防止される。また、ステアリン
グ操作時に該シャフト4に作用する負荷はインナーブッ
シュ3により支持され、該シャフト4は安定した摩擦ト
ルクをもって軸受1に支承される。
ハウジング5内に圧入固定される。この実施例では、軸
受1をハウジング5の端部に圧入固定する態様を示して
おり、該軸受1のアウターブッシュ外輪23の環状鍔部22
内面は該ハウジング5の端面に当接して固定されてい
る。軸受1をハウジング5内に圧入する際、該軸受1は
その外輪22の外周面凸条部21において圧入されることに
なるので、圧入による締代の影響は内輪29側には及ば
ず、コラムシャフト4を支承する内輪29の拡径円筒部27
に挿入保持されたインナーブッシュ3の内径寸法には当
該圧入による締代の影響はない。該軸受1のインナーブ
ッシュ3内周面にコラムシャフト4が挿入され、軸受装
置が構成される。このコラムシャフト4は該アウターブ
ッシュ内輪内面25の環状リップ部26に締代をもって摺接
すると共に該リップ部26により弾性支持される。したが
って、アイドリング時等のコラムシャフト4に負荷が作
用しない状態においては、該シャフト4は環状リップ部
26に弾性支持されるので、当該シャフト4に作用する振
動は吸収され、該シャフト4と軸受1との間に生じる衝
突音等の不快音の発生は防止される。また、ステアリン
グ操作時に該シャフト4に作用する負荷はインナーブッ
シュ3により支持され、該シャフト4は安定した摩擦ト
ルクをもって軸受1に支承される。
【0012】図4及び図5は本考案の第2の構成を示す
ものである。この第2の構成は前記第1の構成における
アウターブッシュ内輪内面25の環状リップ部26を、その
円周方向に分割し複数個のリップ部26aに形成したもの
で、その他の構成は第1の構成と同様である。このよう
な構成を採ることにより、リップ部26aに摺接支持され
るコラムシャフト4に該リップ部26aの締代による摩擦
トルクへの影響を軽減させることができるものである。
ものである。この第2の構成は前記第1の構成における
アウターブッシュ内輪内面25の環状リップ部26を、その
円周方向に分割し複数個のリップ部26aに形成したもの
で、その他の構成は第1の構成と同様である。このよう
な構成を採ることにより、リップ部26aに摺接支持され
るコラムシャフト4に該リップ部26aの締代による摩擦
トルクへの影響を軽減させることができるものである。
【0013】上述した第1及び第2の構成において、ア
ウターブッシュ外輪23の外周面に形成された複数個の凸
条部21はその形状が横断面三角形状を呈するものとして
例示したが、この凸状部21の形状はその他横断面方形
状、半円形状などとすることもできる。また、アウター
ブッシュ内輪内面25の環状リップ部26あるいは複数個の
リップ部26aと軸線方向に所定間隔へだてた該拡径円筒
部27にその全周にわたってインナーブッシュ3の内径よ
り大きく外径より小さい直径の係止突条部28を形成した
態様について例示したが、該係止突条部28を該拡径円筒
部27にその円周方向の一部に複数個形成しても同様の効
果を有するものである。
ウターブッシュ外輪23の外周面に形成された複数個の凸
条部21はその形状が横断面三角形状を呈するものとして
例示したが、この凸状部21の形状はその他横断面方形
状、半円形状などとすることもできる。また、アウター
ブッシュ内輪内面25の環状リップ部26あるいは複数個の
リップ部26aと軸線方向に所定間隔へだてた該拡径円筒
部27にその全周にわたってインナーブッシュ3の内径よ
り大きく外径より小さい直径の係止突条部28を形成した
態様について例示したが、該係止突条部28を該拡径円筒
部27にその円周方向の一部に複数個形成しても同様の効
果を有するものである。
【0014】
【考案の効果】上述した構成からなる本考案のステアリ
ングコラム用軸受装置は、アイドリング時等のコラムシ
ャフトに負荷が作用しない状態では、該シャフトはアウ
ターブッシュ内輪内面の環状リップ部あるいは複数個の
リップ部により弾性支持され、該シャフトに作用する振
動は当該リップ部の弾性変形によって吸収されるので、
該シャフトと軸受との間に生じる衝突音の発生はなく自
動車を運転する者に不快音として伝達されることもな
い。また、ステアリング操作時(ハンドル回転時)には
コラムシャフトに作用する負荷を軸受を構成するインナ
ーブッシュにより支持するので、安定した摩擦トルクを
もって該シャフトを支承することができる。さらに、軸
受をハウジング内に圧入する際、該軸受はその外輪の外
周面凸条部において圧入されることになるので、圧入に
よる締代の影響は内輪側には及ばず、コラムシャフトを
支承する内輪の拡径円筒部に挿入保持されたインナーブ
ッシュの内径寸法には当該圧入による締代の影響はな
い。
ングコラム用軸受装置は、アイドリング時等のコラムシ
ャフトに負荷が作用しない状態では、該シャフトはアウ
ターブッシュ内輪内面の環状リップ部あるいは複数個の
リップ部により弾性支持され、該シャフトに作用する振
動は当該リップ部の弾性変形によって吸収されるので、
該シャフトと軸受との間に生じる衝突音の発生はなく自
動車を運転する者に不快音として伝達されることもな
い。また、ステアリング操作時(ハンドル回転時)には
コラムシャフトに作用する負荷を軸受を構成するインナ
ーブッシュにより支持するので、安定した摩擦トルクを
もって該シャフトを支承することができる。さらに、軸
受をハウジング内に圧入する際、該軸受はその外輪の外
周面凸条部において圧入されることになるので、圧入に
よる締代の影響は内輪側には及ばず、コラムシャフトを
支承する内輪の拡径円筒部に挿入保持されたインナーブ
ッシュの内径寸法には当該圧入による締代の影響はな
い。
【図1】本考案のステアリングコラム用軸受装置の第1
の構成を示す断面図である。
の構成を示す断面図である。
【図2】図1のイ−イ線断面図である。
【図3】図1のA部拡大断面図である。
【図4】本考案のステアリングコラム用軸受装置の第2
の構成を示す断面図である。
の構成を示す断面図である。
【図5】図4のロ−ロ線断面図である。
1 軸受 2 アウターブッシュ 21 凸条部 23 外輪 24 支持脚 25 内輪内面 26 環状リップ部 27 拡径円筒部 28 係止突条部 29 内輪 3 インナーブッシュ 4 コラムシャフト 5 ハウジング
Claims (5)
- 【請求項1】 ゴム弾性体あるいは弾性を有する合成樹
脂から成るアウターブッシュと該アウターブッシュの内
面に挿入されるインナーブッシュとから構成された軸受
と該軸受を圧入固定するハウジングと該軸受に支承され
るコラムシャフトとから成るステアリングコラム用軸受
装置であって、該アウターブッシュはその外周面に該ブ
ッシュの軸線方向にかつ円周方向全周にわたって形成さ
れた複数個の凸条部を備えた外輪と該外輪の内面におい
て該外輪と軸方向に延設された複数個の支持脚によって
一体的に連結され、内面に該内面の一方の端部に径方向
内側に該インナーブッシュの内径より僅かに小さい直径
をもって突出する環状リップ部と該リップ部と連続する
拡径円筒部と該リップ部と軸線方向に所定間隔へだてた
該拡径円筒部の円周方向の一部もしくは全周にインナー
ブッシュの内径より大きく外径より小さい直径の係止突
条部を備えた内輪とから形成されており、該インナーブ
ッシュは該アウターブッシュ内輪内面の環状リップ部と
係止突条部との間の拡径円筒部に挿入保持されており、
該インナーブッシュを保持したアウターブッシュは外輪
外周面の凸条部においてハウジング内に圧入固定され、
コラムシャフトはアウターブッシュ内輪内面の環状リッ
プ部に締代をもって摺接し、インナーブッシュ内周面と
は所定の軸受隙間を保持して支承されていることを特徴
とするステアリングコラム用軸受装置。 - 【請求項2】 アウターブッシュ内輪内面の環状リップ
部の直径はインナーブッシュの内径より0.02〜0.20mm小
さく形成されてなる請求項1に記載のステアリングコラ
ム用軸受装置。 - 【請求項3】 ゴム弾性体あるいは弾性を有する合成樹
脂から成るアウターブッシュと該アウターブッシュの内
面に挿入されるインナーブッシュとから構成された軸受
と該軸受を圧入固定するハウジングと該軸受に支承され
るコラムシャフトとから成るステアリングコラム用軸受
装置であって、該アウターブッシュはその外周面に該ブ
ッシュの軸線方向にかつ円周方向全周にわたって形成さ
れた複数個の凸条部を備えた外輪と該外輪の内面におい
て該外輪と軸方向に延設された複数個の支持脚によって
一体的に連結され、内面に該内面の一方の端部に径方向
内側に該インナーブッシュの内径より僅かに小さい直径
をもって突出する円周方向にわたって形成された複数個
のリップ部と該リップ部と連続する拡径円筒部と該リッ
プ部と軸線方向に所定間隔へだてた該拡径円筒部の円周
方向の一部もしくは全周にインナーブッシュの内径より
大きく外径より小さい直径の係止突条部を備えた内輪と
から形成されており、該インナーブッシュは該アウター
ブッシュ内輪内面のリップ部と係止突条部との間の拡径
円筒部に挿入保持されており、該インナーブッシュを保
持したアウターブッシュはその外輪外周面の凸条部にお
いてハウジング内に圧入固定され、コラムシャフトはア
ウターブッシュ内輪内面のリップ部に締代をもって摺接
し、インナーブッシュ内周面とは所定の軸受隙間を保持
して支承されていることを特徴とするステアリングコラ
ム用軸受装置。 - 【請求項4】 アウターブッシュ内輪内面の複数個のリ
ップ部で形成される直径はインナーブッシュの内径より
0.02〜0.20mm小さく形成されてなる請求項3に記載のス
テアリングコラム用軸受装置。 - 【請求項5】 インナーブッシュは鋼薄板と該薄板の表
面に一体に接合された焼結金属合金層と該合金層に含浸
被覆された合成樹脂層との三層構造から成り、該合成樹
脂層を内側にして円筒状に捲回した巻きブッシュから成
る請求項1又は請求項3に記載のステアリングコラム用
軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992054411U JP2576820Y2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | ステアリングコラム用軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992054411U JP2576820Y2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | ステアリングコラム用軸受装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH068817U JPH068817U (ja) | 1994-02-04 |
JP2576820Y2 true JP2576820Y2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=12969963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992054411U Expired - Lifetime JP2576820Y2 (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | ステアリングコラム用軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2576820Y2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-13 JP JP1992054411U patent/JP2576820Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH068817U (ja) | 1994-02-04 |
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Legal Events
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