JP2576230B2 - 誘電体共振器の入出力結合回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 誘電体共振器の立体回路とマイクロストリップライン
の平面回路で構成された入出力回路との結合回路に関
し、 構造が簡単で、信頼度の高い誘電体共振器の入出力結
合回路を提供することを目的とし、 所定の周波数で共振する誘電体共振器と、誘電体共振
器をアース導体面に実装する誘電体基板と、誘電体基板
のアース導体面の反対側の面に形成された入出力用のマ
イクロストリップラインの中心導体と、誘電体共振器の
入出力部と入出力用のマイクロストリップライン中心導
体とを電界で直接結合するために、誘電体共振器と入出
力用のマイクロストリップラインの中心導体の間にある
導体部を削除したアース導体を備え構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、誘電体共振器の立体回路とマイクロストリ
ップラインの平面回路で構成された入出力回路との結合
回路に関する。

半同軸共振器、コムラインフィルタ等の誘電体フィル
タは、小型で且つ構造が簡単であり、高い無負荷Ｑが得
られるので、マイクロ波回路に広く使用されている。

しかし、誘電体共振器は立体回路であり、入出力回路
は一般的にマイクロストリップラインを使用した平面回
路であり、立体回路と平面回路を接続する構造が簡単で
信頼度の高い接続回路が要求されている。

〔従来の技術〕

第５図は従来例を説明する図を示す。

第５図に示す従来例は誘電体共振器1Aと、 誘電体共振器1Aの入出力のオープン面11、12と電界で
結合する導体51、52と、 誘電体基板２と、 誘電体基板２上に形成された入出力のマイクロストリ
ップラインの中心導体31、32と、 導体51、52とマイクロストリップライン中心導体31、
32を接続する入出力同軸部61、62とから構成した例であ
る。

ここで、マイクロストリップライン31から入力したマ
イクロ波は、入出力同軸部61を通して導体51に接続され
ている。導体51は誘電体共振器1Aのオープン面11と電界
で結合している。

誘電体共振器1Aは、その物理的寸法より定まる共振周
波数で共振し、誘電体共振器1Aの出力側のオープ面12は
導体52と結合し、入出力同軸部62を経由し、マイクロス
トリップライン32に出力され、バンドパスフィルタを構
成している。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述の従来例においては、導体51、52とマイクロスト
リップライン31、32の接続に、入出力同軸部61、62を使
用している。

このような誘電体共振器1Aが使用されるのはマイクロ
波帯域であり、周波数が高く、誘電体共振器1Aは物理的
に細かな構造となっている。

したがって、これに接続される入出力同軸部61、62も
複雑で細かい構造となっている。

本発明は、構造が簡単で、信頼度の高い誘電体共振器
の入出力結合回路を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理を説明する図を示す。

第１図に示す原理図中の１は誘電体共振器であり、 ２は誘電体基板であり、 31、32は誘電体共振器１と結合する入出力用のマイク
ロストリップラインの中心導体であり、 ４は誘電体基板上に形成されたアース導体であり、 誘電体共振器１は誘電体基板２のアース面に実装さ
れ、マイクロストリップラインの中心導体31、32は誘電
体基板２のアース面の反対の面に形成されている。

この構成において、誘電体共振器１の両端のオープン
面と入出力用のマイクロストリップラインの中心導体3
1、32の間のアース導体を削除することにより、誘電体
共振器１の両端のオープン面と入出力用のマイクロスト
リップラインの中心導体31、32との間を電界で直接結合
する。

かかる手段を具備することにより本課題を解決するた
めの手段とする。

〔作 用〕

誘電材料の表面に導体膜を形成してあり、その内部に
は軸方向に孔を明け、孔の内部半波長に相当する部分に
も導体膜を形成し、半波長の誘電体共振器１を作る。

この誘電体共振器１の両端はオープン面となってい
る。

この誘電体共振器１の両端の下方にある誘電体基板２
上にアース導体４を削除し、誘電体共振器１の両側の端
部と、誘電体共振器１と反対の面にあるマイクロストリ
ップラインの中心導体31、32と電界で直接結合させるこ
とにより、構造が簡単で、信頼度の高い接続回路を構成
することが可能となる。

〔実施例〕

以下本発明の要旨を第２図〜第４図に示す実施例によ
り具体的に説明する。

第２図は本発明の誘電体共振器とマイクロストリップ
ラインの中心導体との電界による結合を説明する図、第
３図は本発明の実施例を説明する図、第４図は本発明の
その他の実施例を説明する図をそれぞれ示す。なお、全
図を通じて同一符号は同一対象物を示す。

第２図は本発明の電界による結合を説明する図であ
り、誘電体共振器１の両端は電界の強いオープン面とな
っており、オープン面の下のアース導体４を削除するこ
とにより、誘電体基板２の反対側の面に形成されている
マイクロストリップラインの中心導体31、32に電界で直
接結合させている状況を示している。

なお、結合度は削除するアース導体４の面積および形
状により決定される。

第３図はこのような結合回路を用いた３段の帯域通過
フィルタの例であり、誘電体共振器1Bは4/λの共振器と
なっており、各共振器相互間は電磁界により結合し、両
端の共振器は、そのオープン面で、誘電体基板２の裏側
にあるマイクロストリップラインの中心導体31、32と電
界で結合している。

第４図は２段の帯域阻止フィルタの例であり、各共振
器ICはオープン面で誘電体基板２の裏面にあるマイクロ
ストリップラインの中心導体３に電界により結合してい
る。

上述のように構成することにより、構造が簡単で信頼
度の高い誘電体共振器の入出力接続回路を実現できる。

〔発明の効果〕

以上のような本発明によれば、誘電体共振器とマイク
ロストリップラインの中心導体との接続を、簡単な行う
ことができる誘電体共振器の入出力接続回路を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理を説明する図、 第２図は本発明の誘電体共振器とマイクロストリップラ
インの中心導体との電界による結合を説明する図、 第３図は本発明の実施例を説明する図、 第４図は本発明のその他の実施例を説明する図、 第５図は従来例を説明する図、 をそれぞれ示す。 図において、 １、1A、1B、1Cは誘電体共振器、 ２は誘電体基板、 ３、31、32はマイクロストリップラインの中心導体、 ４はアース導体、 51、52は導体、 61、62は入出力同軸部、 をそれぞれ示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】誘電体共振器（１）と入出力用のマイクロ
   ストリップラインの中心導体（31、32）とを結合する回
   路であって、 所定の周波数で共振する誘電体共振器（１）と、 前記誘電体共振器（１）をアース導体（４）面に実装す
   る誘電体基板（２）と、 前記誘電体基板（２）の前記アース導体（４）面の反対
   側の面に形成された入出力用のマイクロストリップライ
   ンの中心導体（31、32）と、 前記誘電体共振器（１）の入出力部と前記入出力用のマ
   イクロストリップライン中心導体（31、32）とを電界で
   直接結合するために、前記誘電体共振器（１）と前記入
   出力用のマイクロストリップラインの中心導体（31、3
   2）の間にある導体部を削除したアース導体（４）を備
   えたことを特徴とする、誘電体共振器の入出力結合回
   路。