JP2576187Y2 - 足踏み式パーキングブレーキ - Google Patents

足踏み式パーキングブレーキ

Info

Publication number
JP2576187Y2
JP2576187Y2 JP1992053997U JP5399792U JP2576187Y2 JP 2576187 Y2 JP2576187 Y2 JP 2576187Y2 JP 1992053997 U JP1992053997 U JP 1992053997U JP 5399792 U JP5399792 U JP 5399792U JP 2576187 Y2 JP2576187 Y2 JP 2576187Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
foot
fixed
hollow pipe
parking brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1992053997U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0613972U (ja
Inventor
勝彦 山本
Original Assignee
黒石鉄工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 黒石鉄工株式会社 filed Critical 黒石鉄工株式会社
Priority to JP1992053997U priority Critical patent/JP2576187Y2/ja
Publication of JPH0613972U publication Critical patent/JPH0613972U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2576187Y2 publication Critical patent/JP2576187Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Control Devices (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願考案は、自動車の足踏み式パ
ーキングブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車では自動変速機を採用した
車両が多くなってきている関係で、従来のようにドライ
バーズシート側方のセンターコンソール部に手動式のパ
ーキングブレーキを設置することができなくなってきて
いる。
【0003】そのため、該自動変速機付の車両では一般
にダッシュボード下部に足踏み式のパーキングブレーキ
を設置する構成が多く採用されるようになっている。
【0004】そして、このような足踏み式パーキングブ
レーキの一例として、例えば車体側ブラケットに固定さ
れた支軸を中心にして回動するドラムが設けられ足踏み
操作によって回動することによりパーキングブレーキの
ブレーキング操作を行うブレーキアーム(足踏みペダル)
と、該ブレーキアームの先端に接続された駐車ブレーキ
ケーブルと、上記ブレーキアームが復帰回動するように
付勢するリターンスプリングと、前記支軸と前記ブレー
キアームとの間に設けられ前記ドラムとの間に生じる摩
擦力で前記ブレーキアームの復帰回動をロックするコイ
ルスプリングと、該コイルスプリングの摩擦力を解除す
るロック解除部材とを備え、前記コイルスプリングは一
端が前記支軸に係止されると共に、他端が前記ロック解
除部材に係止され、そのコイル部が前記ドラムと支軸と
に外挿されて構成されたものがある(例えば特開昭63
−306957号公報参照)。
【0005】この足踏み式パーキングブレーキの構成で
は、足踏みペダルである上記ブレーキアームの後端が踏
み込まれると、上記ドラムも同じくブレーキアームと一
緒に回転する。この時、上記コイルスプリングは上記ブ
レーキアームの復帰方向への回動力、つまり駐車ブレー
キケーブルの引張力によって生じる回動力に対応したド
ラムの回動によってのみ締付力を発揮するようになって
おり、上記ブレーキアームの踏み込み時には予じめ初期
設定された緩い締付力しか作用しないので、上記ドラム
は比較的スムーズに所望踏み角に応じた所定回転角だけ
回転する。
【0006】そして、該所定回転角だけ回転してブレー
キアームの踏み込み動作が停止すると、以後は上記ブレ
ーキアームの先端に接続された上記駐車ブレーキケーブ
ルの上述した逆方向の引張力が作用することから、今度
は上記ドラムは上記コイルスプリングの締付力が増大す
る方向に所定微少量だけ回転して停止し、同停止時点で
確実にロックされる。
【0007】一方、該ロック状態において、上記レリー
ズレバー等のロック解除部材がレリーズ方向に引張操作
されると、上記コイルスプリングの非係止側端部がレリ
ーズ方向に押されて同コイルスプリングの径が拡大す
る。その結果、同コイルスプリングの上記ロック用のド
ラムに対する締付力が低減されて上記ドラムおよびブレ
ーキアームの回転がフリーとなり、例えばリターンスプ
リングの引張力によって元の非踏み込み状態に復帰す
る。
【0008】上記の説明から明らかなように、該構成で
はブレーキアームのドラム部に巻成されたコイルスプリ
ングの締付力を可変するだけでパーキングブレーキのロ
ックおよびロック解除が可能であるから、例えば重量の
増大や大型化、コストアップを招くラチェット機構を採
用したものに比べてメリットが大きい。
【0009】ところが、上記構成の場合、ブレーキケー
ブルの反力に対する十分な緊縛力(ロック力)を得ようと
すると、摩擦面を広く取るために必然的にコイルスプリ
ングの径およびドラム径を大きくせざるを得ない。
【0010】しかし、他面コイルスプリングの径を拡大
すると、それだけスプリングとしての剛性は低下するこ
とになる。
【0011】該コイルスプリングは、一般にドラムに対
し一定の初期摩擦力(締付内圧)を持たせた上で巻成され
ているが、上記のようにコイルスプリングの剛性が低下
すると、上記ブレーキアームの踏み込み時初期にコイル
スプリング固定端側が若干ドラム面から浮き上るように
なる(例えば図12の仮想線の状態を参照)。
【0012】その結果、踏み込み終了後ブレーキアーム
をロックする際に、この浮き上り代により同コイルスプ
リングの固定端がドラム面に巻き込まれるまでに所定の
時間ロス(遊び)が生じ、これが結局踏み込みストローク
量のロス、すなわち、ブレーキケーブル引張ストローク
量の不足となって現れる。従って、そのままでは本来ド
ライバーが設定しようとした適正なブレーキ力より若干
低いブレーキ力しか設定できないことになる。
【0013】そこで、例えば図12に示すように上記コ
イルスプリング固定端側の固定に調整ナットを備えた固
定部材を採用し、コイルスプリング組付後に調整ナット
を使用して同コイルスプリング固定端側に十分な引張力
を付与することにより、上記コイルスプリング固定端側
の浮き上りを防止することが考えられている。
【0014】上記固定部材12は、同図12に詳細に示
すように上記取付ブラケット1の側壁面より所定高さ突
出した台部12bと、該台部12bの上面に形成されたス
プリング固定側端部嵌合孔12cと、該スプリング固定
側端部嵌合孔12cの上部を覆ってボルト21,22によ
り上記台部12bの上面に固定された押え部材12dと、
上記スプリング固定側端部嵌合孔12cを貫通して後方
に突出した固定側スプリング端部11aの突出端螺条部
に螺合された調整ナット12aとから構成されている。
なお、符号3は支軸、4はスリーブ(ドラム)、10はス
ペーサである。
【0015】このようなコイルスプリング固定構造によ
れば、コイルスプリング11の固定側端部11aが常時
ドラム密着方向の予圧力を与えられるようになるため
に、従来足踏みペダル踏み込み時に生じていたコイルス
プリング固定側端部11a巻き始め部の浮き上りは生じ
にくくなり、また同踏み込時のドラム4や支軸3等各部
品毎のバラツキや支軸3と固定部材12間の距離のバラ
ツキ等によるコイルスプリング巻成部の浮き上りも吸収
されるようになる。
【0016】ところが、上記のように構成した場合、上
記コイルスプリングの螺条部は、ネジ加工するために部
分的に熱処理(焼なまし)により硬度を落とさなければな
らないので、加工工数が増加してコストが上昇するとと
もに熱処理によって強度が低下して固定のための保持力
が下がり大荷重の踏力の保持ができなくなる問題があ
る。
【0017】また、上記熱処理によりコイルスプリング
端部が熱変形したりすると、例えば図12の仮想線に示
すような従来と同様のコイルスプリング固定側端部の大
きな浮き上りを招く。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜4各項
記載の考案は、それぞれ上記従来の問題を解決すること
を目的としてなされたもので、各々次のように構成され
ている。
【0019】(1) 請求項1記載の考案の構成 すなわち、請求項1記載の考案の自動車の足踏み式パー
キングブレーキは、車体側取付ブラケットに固定された
支軸により回転可能に軸支された足踏みペダルと、該足
踏みペダルに接続されたブレーキケーブルと、上記支軸
に回転可能に軸支され、かつ上記足踏みペダルに固定さ
れたドラム部と、該ドラム部に巻成保持され、上記足踏
みペダルの踏み込みによる当該ドラム部の回転により緊
縛力を低減する一方、上記ブレーキケーブルの引張力に
よる当該ドラム部の回転により緊縛力を増大するコイル
スプリングと、該コイルスプリングの固定端側を上記取
付ブラケットに対して固定する固定部材とを備えてなる
足踏み式パーキングブレーキにおいて、上記コイルスプ
リング固定端に補強用の中空パイプを嵌合するとともに
同固定端先端部をコイニング加工することによって上記
中空パイプよりも大径の係止部を設け、上記固定部材に
より上記中空パイプ部を固定することにより上記コイル
スプリング固定側端を固定したことを特徴とするもので
ある。
【0020】(2) 請求項2記載の考案の構成 請求項2記載の考案の自動車の足踏み式パーキングブレ
ーキは、上記請求項1記載の考案の構成を基本とし、同
構成における中空パイプのコイルスプリング係止側端面
を焼き入れ加工したことを特徴とするものである。
【0021】(3) 請求項3記載の考案の構成 請求項3記載の考案の自動車の足踏み式パーキングブレ
ーキは、上記請求項1記載の考案の構成を基本とし、同
構成における中空パイプとコイルスプリング固定端先端
部の係止部との間にワッシャを介装したことを特徴とす
るものである。
【0022】(4) 請求項4記載の考案の構成 請求項3記載の考案の自動車の足踏み式パーキングブレ
ーキは、上記請求項1記載の考案の構成を基本とし、同
構成における中空パイプの先端部に螺条部を形成し、該
螺条部に引張力調整ナットを螺合したことを特徴とする
ものである。
【0023】
【作用】本願の請求項1〜4各項記載の考案は、各々以
上のように構成されている結果、当該各構成に対応して
各々次のような作用を奏する。
【0024】(1) 請求項1記載の考案の作用 すなわち、請求項1記載の考案の自動車の足踏み式パー
キングブレーキの構成では、車体側取付ブラケットに固
定された支軸により回転可能に軸支された足踏みペダル
と、該足踏みペダルに接続されたブレーキケーブルと、
上記支軸に回転可能に軸支され、かつ上記足踏みペダル
に固定されたドラム部と、該ドラム部に巻成保持され、
上記足踏みペダルの踏み込みによる当該ドラム部の回転
により緊縛力を低減する一方、上記ブレーキケーブルの
引張力による当該ドラム部の回転により緊縛力を増大す
るコイルスプリングと、該コイルスプリングの固定端側
を上記取付ブラケットに対して固定する固定部材とを備
えて前提となる足踏み式パーキングブレーキが構成され
ている。
【0025】したがって、この足踏み式パーキングブレ
ーキの構成では、足踏みペダルである上記ブレーキアー
ムの後端が踏み込まれると、上記ドラムも同じくブレー
キアームと一緒に回転する。この時、上記コイルスプリ
ングは上記ブレーキアームの復帰方向への回動力、つま
り駐車ブレーキケーブルの引張力によって生じる回動力
に対応したドラムの回動によってのみ締付力を発揮する
ようになっており、上記ブレーキアームの踏み込み時に
は予じめ初期設定された緩い締付力しか作用しないの
で、上記ドラムは比較的スムーズに所望踏み角に応じた
所定回転角だけ回転する。
【0026】そして、該所定回転角だけ回転してブレー
キアームの踏み込み動作が停止すると、以後は上記ブレ
ーキアームの先端に接続された上記駐車ブレーキケーブ
ルの上述した逆方向の引張力が作用することから、今度
は上記ドラムは上記コイルスプリングの締付力が増大す
る方向に所定微少量だけ回転して停止し、同停止時点で
確実にロックされる。
【0027】一方、該ロック状態において、例えばレリ
ーズレバー等によって、上記コイルスプリングの非係止
側端部がレリーズ方向に押されると、同コイルスプリン
グの径が拡大する。その結果、同コイルスプリングの上
記ロック用のドラムに対する締付力が低減されて上記ド
ラムおよびブレーキアームの回転がフリーとなり、例え
ばリターンスプリングの引張力によって元の非踏み込み
状態に復帰する。
【0028】さらに、該請求項1記載の考案の自動車の
足踏み式パーキングブレーキの構成では、上記前提とな
る構成における上記コイルスプリング固定端に補強用の
中空パイプを嵌合することによって強度をアップさせる
とともに同固定端先端部をコイニング加工することによ
って上記中空パイプよりも大径の係止部を設け、上記固
定部材により上記中空パイプ部を固定することにより上
記コイルスプリング固定側端を固定するようにしてい
る。
【0029】したがって、上記中空パイプの嵌合により
コイルスプリング固定側端部の剛性は大きく向上し、そ
の結果、制動ロス量は十分に減少する。
【0030】また、同コイルスプリング固定端の先端部
をコイニング加工することによって硬度を高めた大径の
係止部を形成していることから、コイルスプリングの固
定端部を従来のように熱処理することなく、十分に硬化
させることができ、制動力保持機能を高くすることがで
きる。
【0031】(2) 請求項2記載の考案の作用 請求項2記載の考案の自動車の足踏み式パーキングブレ
ーキの構成では、上記の如く請求項1記載の考案の構成
を基本とし、同構成における中空パイプのコイルスプリ
ング係止側端面を焼き入れ加工したことを特徴とするも
のである。
【0032】したがって、該構成によれば、先ず上記請
求項1記載の考案の場合と同様に上記中空パイプの嵌合
により、コイルスプリング固定側端部の剛性は大きく向
上し、その結果、制動ロス量は十分に減少する。
【0033】また、同コイルスプリング固定端の先端部
をコイニング加工することによって硬度を高めた大径の
係止部を形成していることから、コイルスプリングの固
定端部を従来のように熱処理することなく、十分に硬化
させることができ、制動力保持機能を高くすることがで
きる。
【0034】さらに、それに加えて上記中空パイプ係止
側端面への焼き入れ加工により、上記中空パイプのコイ
ルスプリング係止側端面の硬度が大きく上昇し、大きな
制動力によりコイルスプリング固定端側に大きな引張力
が作用したような時にも、同端面部の座屈変形や口割れ
などを生じにくくなり、さらに制動力保持機能が高くな
る。
【0035】(3) 請求項3記載の考案の作用 請求項3記載の考案の自動車の足踏み式パーキングブレ
ーキの構成では、上記の如く請求項1又は2記載の考案
の構成を基本とし、同構成における上記中空パイプとコ
イルスプリング固定端先端部の係止部との間にワッシャ
を介装したことを特徴とするものである。
【0036】該構成によれば、先ず上記請求項1記載の
考案の場合と同様に上記中空パイプの嵌合により、コイ
ルスプリング固定側端部の剛性は大きく向上し、その結
果、制動ロス量は十分に減少する。
【0037】また、同コイルスプリング固定端の先端部
をコイニング加工することによって硬度を高めた大径の
係止部を形成していることから、コイルスプリングの固
定端部を従来のように熱処理することなく、十分に硬化
させることができ、制動力保持機能を高くすることがで
きる。
【0038】また、上記中空パイプのコイルスプリング
係止側端面の焼き入れ加工により、上記中空パイプのコ
イルスプリング係止側端面の硬度を大きく上昇させるこ
とにより、大きな制動力によってコイルスプリング固定
端側に大きな引張力が作用したような時にも、同端面部
の座屈変形や口割れなどを生じにくくすることが可能と
なり、制動力保持機能を大きく向上させることができる
ようになる。
【0039】さらに、それに加えて該考案では特に上記
コイルスプリング固定側端部へのワッシャの介装によ
り、上記中空パイプのコイルスプリング係止端面側の剪
断力は該ワッシャ部で確実に受け止められ、直接中空パ
イプには作用しない。その結果、係止部の支持強度が大
きく上昇し、大きな制動力によりコイルスプリング固定
端側に大きな引張力が作用したような時にも、同端面部
の座屈変形や口割れなどを生じにくくなり、一層制動力
保持機能がより高くなる。
【0040】特に、上記ワッシャに高強度材料のものや
焼き入れにより強度を向上させたものを採用すると、上
記作用は、より有効となり、中空パイプに比較的安価な
熱処理をしない材料を使用した時にも十分な制動力保持
機能を実現することができる。
【0041】(4) 請求項4記載の考案の作用 請求項4記載の考案の自動車の足踏み式パーキングブレ
ーキの構成では、上記の如く請求項1,2又は3記載の
考案の構成を基本とし、同構成における上記中空パイプ
の先端部に螺条部を形成し、該螺条部に引張力調整ナッ
トを螺合することにより、コイルスプリング固定端側の
引張力の調整を可能としたことを特徴とするものであ
る。
【0042】したがって、該構成によれば、先ず上記請
求項1記載の考案の場合と同様に上記中空パイプの嵌合
により、コイルスプリング固定側端部の剛性は大きく向
上し、その結果、制動ロス量は十分に減少する。
【0043】また、同コイルスプリング固定端の先端部
をコイニング加工することによって硬度を高めた大径の
係止部を形成していることから、コイルスプリングの固
定端部を従来のように熱処理することなく、硬化させる
ことができ、十分に制動力保持機能を高くすることがで
きる。
【0044】さらに、請求項2記載の考案と同じく上記
中空パイプのコイルスプリング係止側端面に焼き入れ加
工することにより、上記中空パイプのコイルスプリング
係止側端面の硬度を大きく上昇させたり、また請求項3
記載の考案のようにワッシャを介装させることなどによ
り、大きな制動力によってコイルスプリング固定端側に
大きな引張力が作用したような時にも、同端面部の座屈
変形や口割れなどを生じにくくさせることができ、それ
によって制動力保持機能をより大きく向上させることが
できる。
【0045】しかも、それらの作用に加えて、該請求項
4記載の考案の構成では、上述の如く、上記補強用の中
空パイプ自体に螺条部が形成されて、調整ナットが螺合
されているので、例えば先に述べた図12のような構成
を採用してもコイルスプリング自体に熱処理を施すこと
を必要とせず、従って同固定端部の強度の低下を殆んど
伴わない。
【0046】従って、このようなコイルスプリング固定
構造によれば、コイルスプリングの固定側端部が常時ド
ラム密着方向への予圧力を与えられるようになるため
に、従来足踏みペダルの踏み込み時に生じていた図12
の仮想線に示すようなコイルスプリング固定側端部巻き
始め部の浮き上りは生じにくくなり、また同踏み込時の
ドラムや支軸等各部品毎のバラツキや支軸と固定部材間
の距離のバラツキ等によるコイルスプリング巻成部の浮
き上りも吸収されるようになる。
【0047】
【考案の効果】従って、本願考案の自動車の足踏み式パ
ーキングブレーキの構造によると、略ドライバーの意図
した設定量通りの駐車ブレーキ力を実現し得る信頼度の
高い足踏み式パーキングブレーキを提供することができ
るようになる。
【0048】
【実施例】(1) 第1実施例 図1〜図8は、本願考案の第1実施例に係る自動車の足
踏み式パーキングブレーキの構成を示している。
【0049】先ず図1〜図5中、符号1は当該パーキン
グブレーキの車体2側への取付ブラケットであり、該取
付ブラケット1には足踏みペダル支持用の支軸3が側方
に突出して固定されている。そして、該支軸3には、そ
の先端側に位置してドラム形成用のスリーブ4が固着さ
れた足踏みペダル5が当該支軸3を支点として図1仮想
線の如く回転可能に嵌合されている。該足踏みペダル5
の先端部にはブレーキケーブル6の連結部7(図1参照)
が設けられており、該連結部7にはブレーキケーブル6
(図3参照)が連結されている。また、同足踏みペダル5
の後端部にはフット部8が形成されている。さらに、同
足踏みペダル5後端部と上記取付ブラケット1との間に
はリターン時のケーブル反力減殺用のシリンダ型ダンパ
ー9が介設されている。
【0050】一方、上記スリーブ4と上記支軸3との間
には図4に示すように合成樹脂製のスペーサ10が介装
されている。そして、その上で上記スリーブ4の外周面
部には所定の初期内圧(締付圧)を保った状態で足踏みペ
ダル5の踏み込み状態ロック用のコイルスプリング(ロ
ックスプリング)11が巻成されている。
【0051】該コイルスプリング11は、一端側(スリ
ーブ外端側)が自由端11bとして斜め上方に起立されて
いる一方、他端側(ペダル側面側)が固定端11aとして
上記取付ブラケット1側面に所定高さの固定部材12を
介して係止固定されている。
【0052】上記固定部材12は、図8に詳細に示すよ
うに上記取付ブラケット1の側壁面より所定高さ突出し
た台部12bと、該台部12bの上面に形成された中空パ
イプ嵌合孔12cと、該中空パイプ嵌合孔12cの上部を
覆ってボルト21,22により上記台部12bの上面に固
定された押え部材(プレート)12dとから構成されてい
る。
【0053】上記コイルスプリング11の固定端11a
には、図6〜図8に詳細に示すように補強用の中空パイ
プ30が嵌合されており、上記コイルスプリング固定端
11aの先端は該中空パイプ30を嵌合した後に、図6
および図7に詳細に示すように、コイニング加工により
偏平化して上記中空パイプ30の内径よりも相当に外径
を拡大し、該大径の偏平部によって係止部31を形成し
ており、該係止部31により上記嵌合された中空パイプ
30の端面側で引張方向に係止されるようになってい
る。
【0054】したがって、上記コイルスプリング11の
固定側端部11aは、上記中空パイプ30により補強さ
れ、従来の線径のままでも剛性が相当にアップし、作用
する引張荷重も上記コイニング加工により硬化され強度
がアップした係止部31で確実に制動保持されるように
なる。
【0055】したがって、このようなコイルスプリング
固定構造によれば、コイルスプリング11の固定側端部
11aが図5の実線に示すように常時ドラム密着方向の
予圧力を与えられるようになり、しかも、それによって
ドラム径や支軸径、支軸および固定部材間位置等のバラ
ツキを十分に吸収し得るようになるために、従来足踏み
ペダル5踏み込み時に生じていたコイルスプリング固定
側端部11a巻き始め部の浮き上りは殆んど生じず、ま
た同踏み込時のドラム4や支軸3等各部品毎の径のバラ
ツキや支軸3と固定部材12間の距離のバラツキ等によ
るコイルスプリング巻成部の浮き上りも十分に吸収され
るようになる。
【0056】さらに、符号15は上記支軸3の外端部側
に回動可能に嵌合されたレリーズレーバーであり、該レ
リーズレバー15の一端15a側は引張スプリング16
を介して上記取付ブラケット1上部の係止片17先端に
連結され、同引張スプリング16によって、その先端側
レリーズ片15bが上記コイルスプリング11の自由端
11b側から常に離接する方向(図3の矢印(イ)方向)に
付勢されている。該レリーズレーバー15の上記レリー
ズ片15bには図3に示すようにレリーズケーブル17
の連結部18が設けられており、該連結部18にレリー
ズケーブル17の先端が接続されている。そして、該レ
リーズケーブル17が例えば上記引張スプリング16の
付勢力に抗して矢印(ロ)方向に引かれると、上記レリー
ズ片15bが上記コイルスプリング11の自由端11bを
図3の矢印(ハ)方向に押してコイル部を拡開し当該コイ
ルスプリング11の上記スリーブ4外周面に対する緊縛
力を低減する。その結果、上記足踏みペダル5はロック
状態が解除され上記ブレーキケーブル17の引張反力に
よって元の非踏み込み状態に復帰する。
【0057】従って、上記本実施例の構成の自動車の足
踏み式パーキングブレーキによると、足踏みペダルロッ
ク用のコイルスプリング11固定側端部11aの巻き込
み部のドラム半径方向への浮き上りを可及的に防止する
ことができ、同浮き上りによって生じていた従来装置の
ようなブレーキケーブル引張ストローク量のロスを確実
に解消することができる。
【0058】(2) 第2実施例 次に、図9は本願考案の第2実施例に係る自動車の足踏
み式パーキングブレーキのコイルスプリング固定側端部
の構成を示している。
【0059】本実施例のコイルスプリングでは、上記第
1実施例の構成における補強用の中空パイプ30の端面
部33を焼き入れ加工して、該端面部33の硬度を特に
高くし、係止部31による中空パイプ30の端面部33
の口開きや座屈変形を発生させないようにしたことを特
徴とするものである。
【0060】上述した第1実施例のようなコイルスプリ
ング11の固定端11aの固定構造ではコイルスプリン
グ11側の引張力が強くて、上記固定端11a先端の偏
平な係止部31による中空パイプ30端面部33への剪
断力が大きい時は、上記中空パイプ30の端面部33の
口割れや座屈変形を生じ易い。
【0061】そこで、同端面部33に対して上述のよう
に焼き入れ加工を施し、それによって同端面部33の硬
度を十分に向上させるようにして、該問題を解決した。
【0062】その結果、制動力保持機能も一段と向上す
る。
【0063】(3) 第3実施例 次に、図10は本願考案の第3実施例に係る自動車の足
踏み式パーキングブレーキのコイルスプリング固定側端
部の構成を示している。
【0064】本実施例のコイルスプリングでは、上記第
1実施例の構成における補強用の中空パイプ30の端面
部33側に、焼き入れ加工により硬度を高くしたワッシ
ャ34を介装することにより、上述した中空パイプ30
の端面部33の口開きや座屈変形を、より確実に発生さ
せないようにしたことを特徴とするものである。
【0065】上述した第1実施例のようなコイルスプリ
ング11の固定構造では、第2実施例の説明で述べたよ
うにコイルスプリング11側の引張力が強くて、上記固
定端11a先端の偏平な係止部31による中空パイプ3
0端面部33への剪断力が大きい時は、上記中空パイプ
30の端面部33が口割れや座屈変形を生じ易い。
【0066】そこで、本実施例では上述のように焼き入
れ加工により硬度を向上させたワッシャ34を中空パイ
プ30の端面部33側に介装することにより、該問題を
解決した。
【0067】(4) 第4実施例(請求項記載の考案に対
応) 次に、図11は本願考案の第4実施例に係る自動車の足
踏み式パーキングブレーキのコイルスプリング固定側端
部の構成を示している。
【0068】本実施例のコイルスプリングでは、上記第
1実施例の構成における補強用の中空パイプ30の端部
にネジ溝形成加工を施して、先に述べた図12の構成の
場合と同様に、調整ナット12aにより引張テンション
の調整を可能としたことを特徴とするものである。
【0069】上記固定部材12は、同図11に詳細に示
すように、上記取付ブラケット1の側壁面より所定高さ
突出した台部12bと、該台部12bの上面に形成された
中空パイプ嵌合孔12cと、該中空パイプ嵌合孔12cの
上部を覆ってボルト21,22により上記台部12bの上
面に固定された押え部材(プレート)12dと、上記中空
パイプ嵌合孔12cを貫通して後方に突出した中空パイ
プ30の突出端に形成された螺条部32に螺合された調
整ナット12aとから構成されている。
【0070】このようなコイルスプリング固定構造によ
れば、組付後の引張力強化によりコイルスプリング11
の固定側端部11aが常時十分なドラム密着方向への予
圧力を与えられるようになるために、従来足踏みペダル
5踏み込み時に生じていたコイルスプリング固定側端部
11a巻き始め部の浮き上りはより生じにくくなり、ま
た同踏み込時のドラム4や支軸3等各部品毎のバラツキ
や支軸3と固定部材12間の距離のバラツキ等によるコ
イルスプリング巻成部の浮き上りも一層確実に吸収され
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願考案の第1実施例に係る自動車の
パーキングブレーキのシリンダダンパー側から見た側面
図である。
【図2】図2は、同パーキングブレーキの平面図であ
る。
【図3】図3は、同パーキングブレーキのコイルスプリ
ング側から見た斜視図である。
【図4】図4は、同パーキングブレーキのドラム部(ス
リーブ部)の断面図である。
【図5】図5は、同パーキングブレーキの要部の作用を
示す説明図である。
【図6】図6は、同パーキングブレーキのコイルスプリ
ング固定側端部の固定部の構成を示す拡大断面図であ
る。
【図7】図7は、同コイルスプリング固定側端部の固定
部の構成を示す平面図である。
【図8】図8は、同コイルスプリング固定側端部の固定
部の構成を示す斜視図である。
【図9】図9は、本願考案の第2実施例に係るコイルス
プリング固定側端部の固定部の構成を示す平面図であ
る。
【図10】図10は、本願考案の第3実施例に係るコイ
ルスプリング固定側端部の固定部の構成を示す平面図で
ある。
【図11】図11は、本願考案の第4実施例に係るコイ
ルスプリング固定側端部の固定部の構成を示す拡大断面
図である。
【図12】図12は、従来の自動車の足踏み式パーキン
グブレーキの要部の構成と作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1は取付ブラケット、2は車体、3は支軸、4はドラ
ム、5は足踏みペダル、6はブレーキケーブル、10は
スペーサ、11はコイルスプリング、11aはコイルス
プリング固定側端部、11bはコイルスプリング自由側
端部、12は固定部材、12aは調整ナット、30は中
空パイプ、31は係止部である。

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側取付ブラケットに固定された支軸
    により回転可能に軸支された足踏みペダルと、該足踏み
    ペダルに接続されたブレーキケーブルと、上記支軸に回
    転可能に軸支され、かつ上記足踏みペダルに固定された
    ドラム部と、該ドラム部に巻成保持され、上記足踏みペ
    ダルの踏み込みによる当該ドラム部の回転により緊縛力
    を低減する一方、上記ブレーキケーブルの引張力による
    当該ドラム部の回転により緊縛力を増大するコイルスプ
    リングと、該コイルスプリングの固定端側を上記取付ブ
    ラケットに対して固定する固定部材とを備えてなる足踏
    み式パーキングブレーキにおいて、上記コイルスプリン
    グ固定端に補強用の中空パイプを嵌合するとともに同固
    定端先端部をコイニング加工することによって上記中空
    パイプよりも大径の係止部を設け、上記固定部材により
    上記中空パイプ部を固定することにより上記コイルスプ
    リング固定側端を固定したことを特徴とする足踏み式パ
    ーキングブレーキ。
  2. 【請求項2】 上記中空パイプのコイルスプリング係止
    側端面を焼き入れ加工したことを特徴とする請求項1記
    載の足踏み式パーキングブレーキ。
  3. 【請求項3】 上記中空パイプとコイルスプリング固定
    端先端部の係止部との間にワッシャを介装したことを特
    徴とする請求項1又は2記載の足踏み式パーキングブレ
    ーキ。
  4. 【請求項4】 上記中空パイプの先端部に螺条部を形成
    し、該螺条部に引張力調整ナットを螺合したことを特徴
    とする請求項1,2又は3記載の足踏み式パーキングブ
    レーキ。
JP1992053997U 1992-07-31 1992-07-31 足踏み式パーキングブレーキ Expired - Fee Related JP2576187Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992053997U JP2576187Y2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 足踏み式パーキングブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992053997U JP2576187Y2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 足踏み式パーキングブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0613972U JPH0613972U (ja) 1994-02-22
JP2576187Y2 true JP2576187Y2 (ja) 1998-07-09

Family

ID=12958252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992053997U Expired - Fee Related JP2576187Y2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 足踏み式パーキングブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2576187Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0613972U (ja) 1994-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5044223A (en) Pedal depression assisting mechanism
JP3130732B2 (ja) 自動変速機操作装置のインターロック機構
JP3920673B2 (ja) 車両用ペダルの後退防止装置
JP2576187Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
US4949592A (en) Pedal-operated parking brake
WO2020250562A1 (ja) 車両用操作ペダル装置
JPH086657Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ装置
US6289766B1 (en) Foot-operated parking brake
US3315538A (en) Mechanism control
JP2564365Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
JP2516953Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
JP2520124Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
JP2585010Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
JP3127048B2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ装置
US20030015380A1 (en) Brake actuator with one-piece take-up reel
JP2576613Y2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
JP2848730B2 (ja) コントロールケーブルの調整装置
JP3671668B2 (ja) 車両用ペダル支持構造
JP3252599B2 (ja) アクセルペダル構造
JP2902748B2 (ja) 足踏み式パーキングブレーキ装置
JPH0769186A (ja) 足踏み式パーキングブレーキ
KR200227356Y1 (ko) 페달용스프링설치구조
JPH0342493Y2 (ja)
JP3446246B2 (ja) 自動変速機を備えた車両のシフトロック装置
JPS625381Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees